恩師を偲んで

2009年4月5日(日曜日)

 昨年春、二十数年お世話になった裏千家茶道の師が亡くなられた。まだお年を残した病は本当に残念だった。本日昼、ご遺族をお招きして先生を偲ぶ茶会があった。弟子は28人集まった。床(とこ)に古写経切れと小さな遺影。ご遺族の手になる黒釉の花生けに、バイモユリと利休梅が静かに入った。

 

濃茶(粘りのある抹茶)の一碗目をご遺影の前に運び、皆で合掌した。泪を禁じ得なかった。ご夫婦仲の良い優しい先生だった。わずかでも先生に誉められたくて稽古に通った。

 

昔、私が茶会で初めてお点前をした時のこと。見知らぬお客様に囲まれた小間で手の震えが止まらなかった。終えると、恥ずかしさから逃れるように水屋(点前の支度をする場所)に下がった。手の震えのことを先生に話した。

 

すると「堂々と見えていました。手が震えるのもご馳走のうちです」と仰った。この言葉にどれだけ救われただろう。慰めと茶の心が染みて、めげずに続けようと思った。かみしもを嫌われた先生の追善、老若揃って心から偲んだ。「遅くなりました」とご本人の声がして、戸口が開きそうな気がしていた。

 

帰りに美術館に寄った。バスが来ていて長岡市から大勢のお客様だった。カフェに入り切らず外のデッキに案内した。何人かの方はそこでも座れず、「構いません」と仰って立ったままお茶を飲まれた。朝日酒造の文化事業のお客様だった。恐縮と感謝を禁じ得なかった。

 

今夜の天地人。景虎から笑顔が消え、景勝は「まさか武田の姫と」。筋は絡み、本旨は何か戸惑う。二人でまとまることが出来なかったのが、かえって不思議な気がしてくる。これが戦国時代なのか。いよいよ次週、、、景虎美しかれ。

 

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