2009年10月

少し遠い海岸のEast of The Sun

2009年10月31日(土曜日)

今週は例年のインフルエンザワクチン接種が追い込みで忙しかった。また私が学校医をしている小学校で初めて新型インフルエンザによる学級閉鎖があった。比較的平穏だった新潟県も今月中旬から注意報→警報へと一気に深刻化しはじめた。

北海道ではすでに最大級の警報が続いている。季節型、新型ともワクチンの不足と遅れによって今後の半年余が非常に憂慮される。

国は早々とワクチンの減産を宣言した。これは大きな問題だったと思う。日本の国力があれば克服できたのでは。極めて重要な年になぜ生産に専念しなかったのだろう。

 夕刻、少し遠い海岸へ行った。

陽が沈みかけ、月が昇り始めた。

East of the sun and west of the moon

We’ll build a dream house of love dear

・・・・・。

朝な夕なに向き合う月と太陽の時間。

とてもいい昔の歌だ。


Diana Krallの East of The Sun

 

トキとお米(平成のパラダイムシフト)

2009年10月27日(火曜日)

 昨年の秋、トキ放鳥を書かせていただいた。放鳥はセレモニー付きの強制的な方法で行われた。必要な群も作れずトキたちは混乱したことだろう。

 

 一年が経ち放鳥された10羽のうち3羽を失った。また思いもよらぬことに、4羽のメスは全て本土に渡ってしまった。様々な事実に自然界の奥深さを知らされる。

 

 今年新たな20羽の放鳥は鳥たちの自由にゆだねられた。良いことに新旧9羽がさっそく群を作ったという。この先どんなことが起こるのか。一組でもつがいとなり、巣作りしてヒナがかえれば嬉しい。

 

 生き物を育む農法で作られたお米。

 

何か幸せな感じ。

 

 遅まきながら佐渡のお米を購入した。佐渡の農家がトキのことを精一杯考えて作ったお米だ(朱鷺と暮らす郷づくり認証米)。代金の一部はトキのために寄付されるという。昨年よりさらに地元の理解が厚くなったとの報道があった。生き物を育むために農業まで変える。佐渡のお米は平成のパラダイムシフトの一つとして写る。

「健康な佐渡」、佐渡はもう一つの貴重な価値を見いだした。

届いたお米は新米で本当に美味しかった。

走れコッペル号

2009年10月24日(土曜日)

 近くの上越市頸城区で貴重な蒸気機関車コッペル号の公開があった。中学時代の昭和30年前後、国鉄(JR)黒井駅でしばしばこの機関車を見た。いつか列車に乗れると思っていたのが叶わず、50年以上が経っている。往時の吹雪の日、あえぐような新黒井駅到着は印象的だった。

 

 昭和46年、かってコッペル号が走った頸城鉄道は廃線となった。幅わずか76㎝あまりの可愛い線路を走る軽便鉄道。廃線から40年近く経った会場で、子どもたちに混じってポイントを通過するコッペル号を引っ張った。少々胸が熱くなった。

 

いよいよ出発 ゆっくり停車
   
なかなかの風格 機関庫入り
   
可愛いターンテーブルを回す いつかこの子たちを乗せて
   

 いくつか劇的な変転の後、コッペル号は古巣へ帰還した。その後関係者の努力で平成14年秋から毎年公開されるようになった。この間、貴重な関連車両の収集にも恵まれ公開は充実しつつある。今年09年は総延長200メートルとなったレール上で、ディーゼル機関車による牽引へと飛躍。さらにポイント切り替えとターンテーブルの実演も行われた。車両や付帯設備がきれいに化粧されていて驚いた。

 

※公開は明日25日(日曜)も行われます(9時~16時まで)。

 

 小さな駅、小さな踏切、小さな列車。貴重な蒸気機関車はおとぎ話のような夢を乗せて全国を魅了する力を秘めている。走れコッペル号。

 

カフェでお抹茶

2009年10月22日(木曜日)

  山、雲、里に秋のたけなわです。

 樹下美術館のカフェでは、前々からお抹茶のメニューを考えていました。このたび支度が出来ましたので11月からお出し出来るようになりました。

 

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御菓子付き500円です、どうかお楽しみ下さい。

シーグラスのキャンドルホルダー

2009年10月19日(月曜日)

 先週末に同級会があって、再び千葉県のSと会うことが出来た。彼とは今春、新潟県内の村上市で会っている。

 

 前回たまたまの話から、Sの奥様手作りによるシーグラスのキャンドルホルダーが送られてきた。そこには千葉県のグラスがあしらわれていた。今回の同級会では、予めこちらの海で拾ったシーグラスを持参した。

 

今度は新潟県のシーグラスで

 

 そしたら今度は新潟のグラスで出来たホルダーが送られてきた。立派な握り手(ハンドル)がついたのびやかなホルダーだった。蝋燭を入れるとなんとも穏やかな光を放った。 

 

 シーグラス、海底に沈んだガラスたちが、海の作用で優しく生まれ変わったもの。以前作品は旅をすると書かせて頂いたが、名も知らぬガラス片もまたしかり。太平洋と日本海の小さな旅人がここで出会っている。これも「天然の旅情」(檀一雄の言葉だったかな)。

 

 秋は、ことさら多くのものが旅をしているように見える。S、奥様、有り難うございました。

わずか18才、そして菊姫

2009年10月18日(日曜日)

 日が短いので久しぶりに朝の庭仕事。固くなった土を中心に肥料をやった。らせんの先が付いた道具を回して私が穴を開け、妻が固形肥料を入れていく。来年の花を思いながら作業した。

 

早くも咲き始めた椿(西王母) 

 

 午後はテレビで日本オープンを見ることができた。三人によるプレーオフとなった素晴らしい試合。極限のプレッシャーの中で黙ってするゴルフはこちらが胸がつぶれそうになる。本戦18番ホール、石川遼がパットを外すと、大ギャラリーの悲鳴が雷鳴のようにこだました。

 

 「抱きしめられて素直になれた」。赤ちゃんのような歌が流行る若い世代。そんな中で石川は敢然として将来を切り開くシンボルに見える。わずか18才、先輩に混じるとそれこそ赤ちゃんのように可愛く見えているのに。

 

 夜の天地人。山しろ殿と、亡き哀れ菊姫の手紙が兼続に届いた。「いろいろありましたが、有り難く思っています」とあった。こんなひと言に見ている自分が救われる。

白秋の庭

2009年10月15日(木曜日)

 急速に日が短くなり、午後の陽は瞬く間に傾く。秋晴れの木漏れ陽のなか、樹下美術館の庭で白菊(竜脳菊)と野紺菊が盛りを迎えていた。見え隠れするリンドウもしゃんとした色を見せていた。

 

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 白菊は昨年、叔母が富士の庭から送ってくれた。それがとても増えて今年は、文字通り白秋の庭の趣となった。

 

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 そして古来のリンドウ。島倉千代子の歌に「りんどう峠」がある。「りんりんりんどうは 濃(こ)むらさき 姉サの小袖も 濃むらさき、、、♪」 。なんていい歌なんだろう。来年はもっと増えてくれれば。

 

消費の町

2009年10月12日(月曜日)

 11日に一泊で学生時代の同級会があった。場所は随分久しぶりの軽井沢だった。近いからといって妻と車で出かけたが、休日の交通渋滞は想像をはるかに越えて過酷だった。


 


 膨大な人を集め、大消費地と化している軽井沢。見たこともないような夜景も出現していて驚いた。通りから見る樹木や草花は少々疲れを隠せない風だった。


 


 60才代後半の賑やかな同級会、当美術館を少し宣伝させてもらった。



 


広大なショッピングセンターのほんの一部 


 


 翌日午後、K夫婦とエルミタージュ・ドゥ・タムラへ行った。中心を外した文字通りの隠れ家にほっとした。憩いともてなしのエッセンスを目の当たりにして刺激を受けた。

雲そして弟

2009年10月10日(土曜日)

   

 

 夕暮れの浜で、山ぎわからムクムクと清潔そうな雲が立ち上っていた。ヒゲのおじいさんが両腕でウサギたちを囲っているように見えた。おじいさんは積乱雲と呼べばいいのだろうか。雄大な秋の雲は夜になって雨を降らせた。

 

 ちょっぴりヒゲのある弟。その弟が出版した本「フォルテシモな豚飼い」が新聞や週刊誌で好意的に書評されて嬉しい。10月15日号の週刊文春では、芥川賞作家・池澤夏樹氏がかなり詳しく紹介してくださった。とても驚いている。

 

チョコレート

2009年10月9日(金曜日)

 先日ヒロミちゃんから可愛いハーシーズをいただいた。昔を思い出しながら美味しく食べた。今度はおばから新米のお礼といってまたチョコレートが届いた。チョコレートは甘く、ほろ苦く、味濃いお菓子で、茶の色もシックだ。

 

 ところで服装でも茶を上手く着ている人がいると、ああおしゃれだなと思う。しかし自分はどうしても茶を着れない。昔から茶を着るにはもう一つ気力が要るように感じてしまう。

 

 それで何かとグレー系ばかりを着ている。上着がグレーならズボンとネクタイを黒っぽくして無難に過ごす。

 

 最後に、およそ美味しい食べ物も茶系ではないだろうか(野菜を別にして)。結局茶は「おしゃれで美味しそうな色」ということになりそうだ。チョコレートが美味しいわけだ。

 

   

 チョコレートは皆に分けて早く食べてしまうのがコツ?

お声と庭など

2009年10月7日(水曜日)

  しっかりとこちらを向いた台風が心配されます。

 

 さて、このたび館内のノートに記された6月以後の来館者様からのコメントをホームページ「お声」に追加させて頂きました。貴重なコメントに接しますと「これからも頑張るぞ」という気持ちが沸いてきます。

 

 

 お声の中にはカフェや庭の感想が沢山あります。庭は肩の凝らない自然な雰囲気を目指しています。芝生は大変ですが、スタッフが一生懸命管理しています。

 

 

 コーヒーや御菓子・トーストも誉めて頂き喜んでいます。来月からお抹茶をお出しする予定です。作品やお茶・庭で、ホットする憩の場をといつも想っています。

 

   

 お気軽に。

シオン(紫苑)

2009年10月5日(月曜日)

 仕事場の裏庭にシオン(紫苑)が沢山咲いている。背が高く、ゆうに2メートルに届くのもある。シオンは最も背が高い草花の一つではないだろうか。もしかしたらセイタカアワダチソウよりも。

 

 シオンは沢山花を付けるのにどこか寂しげに見える。それでもわずかな風にゆっくりと揺れる様は、それはそれで秋の風情だ。

 

 背高の紫苑が刻む秋の時 大き時計の振り子にも似て  sousi

 

ハーシーズのお土産

2009年10月3日(土曜日)

 

 今日、娘さんに付き添われてTおばあちゃんが来られた。少し物忘れがあってもお元気なTさん。終わって娘さんから「ヒロミのアメリカからのお土産です」、とチョコレートを頂いた。

 

 かわいいハーシーズのチョコレートだ。19才のヒロミちゃんはTおばあちゃんのお孫さん。学校の研修でポートランドに行っていた、ということだった(うらやましいなあ)。

 

 ひろみちゃんは小さい時から来ていた。念のため古いカルテをみたら、生後3ヶ月でオムツカブレの初診だった。その後も少しアレルギーがあったのでよく診た。

 

 だんだん強くなって小学校高学年なると、宿題で医療の取材を受けた。仲良しのお兄ちゃんも一緒に家に来て、取材を終えるとみんなでハヤシライスを食べた。

 

 弱虫だったお子さんたちも大きくなるにつれて驚くほど強くなる。昔診た子どもさんたちが、たくましく歩み始めるのに触れると、とても嬉しい。

白磁の壺

2009年10月2日(金曜日)

 樹下美術館の陶芸作品は故齋藤三郎氏です。生前、父は熱心に齋藤作品を集め、時には人にも上げていました。

 器を見て「いいですね」と目を輝かす人がいると、「分かるかね」と言って上げてしまうことがあったのです。

 

 ところで先日ある店でたっぷりした大きさの三郎氏の白磁壺と出会いました。昔、長く家にあって見慣れた壺によく似ていました。いつしかそれが家から無くなったのも、父が人に上げたのかも知れません。李朝を思わせる柔らかな化粧の壺。懐かしさと共に選びました。

 

 

 ある方が美術館にアケビとツルウメモドキを届けて下さいました。いい加減ながら生けると壺はいっそう生き生きとしました。当作品は来春に展示したいと思います。

 

 

裏のサイン。筆が走り、高田における比較的早い時期の作と考えられました。

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