2011年3月9日

Kさんのたじまのもり みかんとお菓子の神社

2011年3月9日(水曜日)

  娘の嫁ぎ先は流れ流れて和歌山県です。うちの父ちゃんが亡くなってしばらくして娘を訪ねました。和歌山県は遠いところです。

 

 その時に行った神社のミカンの木(橘)の前で案内のボランティアさんと二人で「たじまのもり」を歌いました。

 

 子どもの時に習った歌を二番まで覚えていて自分でもびっくりしました。

 

 みかん
昨日あるお年寄りからいただいたみかん。

 

 80半ばにかかるお一人暮らしのKおばあちゃんのお話だ。お子さんたちの話題になった所で、このくだりが続いた。Kさんの話は文として実にはっきりしていて聞きやすく、私などとてもかなわない。ただ、「たじまのもり」は詳しくは分からなかった。

 

 調べると、田道間守(たじまのもり)だと分かった。田道間守は神話時代の垂仁天皇の命により、不老不死の果物を求めて海を渡った。10年あまりの苦労のすえに橘(たちばな:かんきつ類の一種)を得て帰る。しかしすでに皇は崩御していて、陵前にそれを捧げると、嘆きのあまり亡くなったとあった。日本書紀および古事記に記されているらしい。

 

 田道間守と橘にちなんだ神社(橘本神社:きつもとじんじゃ)は和歌山県は海南市・熊野古道のうちにあった。古代の貴重な甘味・橘にちなんで、みかんとお菓子の神社であるとも書かれていた。

 

 Kさんの小学校時代はこの逸話を以下の歌と共に習ったらしい。

 

一 香りも高い橘を 積んだお船が今帰る
  君の仰せをかしこみて 万里の海をまっしぐら
  今帰る 田道間守 田道間守

二.  おはさぬ君のみささぎに 泣いて帰らぬ真心よ
   遠い国から積んで来た 花橘の香と共に
   名は香る 田道間守 田道間守

 

 お一人暮らしに負けないKさん。幼年時代のKさんたちはこんなに難しい歌を声を張り上げて歌ったんですね。遠い熊野山中の神社でボランティアさんと歌う姿も鮮やかに浮かびました。これからもいっしょに頑張りましょう、またお話を聞かせてください。

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