2011年5月16日

逝きし世の面影 買い直しました

2011年5月16日(月曜日)

さる5月12日のノートで本「逝きし世の面影」を紹介させていただきました。その本は樹下美術館のカフェにありますが、私が読んだもののため、書き込みや線引きが沢山されていました。

 

それで新たに図書用に取り寄せました。奥付には2011年1月21日、初版第23刷とありました。小生のが2007年で14刷でしたので、その後4年間で9刷を重ねたことになります。2005年が初版ですから今もって続く人気に驚かされます。早速明日カフェに置かせていただきます。

 

逝きし世の面影 
著者渡辺京二 (株)平凡社 2011年1月21日 初版第23刷 1900円

 

●しばしば触れられるこどもについての記述を少し拾ってみました。

“私は日本が子供の天国であることをくりかえさざるを得ない。世界中で日本ほど子供が親切に取り扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない。ニコニコしているところから判断すると、子供達は朝から晩まで幸福であるらしい”

 

その子どもたちもある年になると急に大人になる。“十歳から十二歳位の子どもでも、まるで成人した大人のように賢明かつ落着いた態度をとる”とも書かれます。

 

●風景について江戸の庭、各地の街道や田園の美しについても賞賛される。街道の並木は「日本の道は何と夢のようだろう」と言わしめ、郊外の風景に「至る所に農家、 村、寺院があり、また至る所に豊かな水と耕地がある、、、作地は花壇のように手入れされ、雑草は一本もみることができない」と述べられる。植生については「植物相は無限なほど形態が豊富」と記された。

 

●芸術(工芸・調度?)では、
“日本の職人は本能的に美意識を強く持っているので、金銭的に儲かろうが関係なく、彼らの手から作り出されるものはみな美しいのです”
“ヨーロッパ人にとっては、芸術は金に余裕のある裕福な人々の特権にすぎない。ところが日本では、芸術は万人の所有物なのです” 

 

●女性について、造形的な美しさよりも以下のような美点がばしば述べられます。

“彼女たちは陽気で、純朴にしてお淑やか、生まれつき気品にあふれている”

 

※さて、賞賛の嵐の感なきにしもあらずですが、多くの著者が共通して記述していることをいくつか挙げました。江戸時代は過去の過酷な戦乱を懸命に吟味克服して完成させた特異な時代だったのかしれません。これが封建社会なのかと、欧米人が驚くほど、人びとはのびのびとした生活感を漂わせていたようです。

 

真相はと考えたくなりますし、藩が負うノルマ、度重なる飢饉、年貢の過酷さなどは否めないことでしょう。しかし本書の記載はいずれも先人たちの一面を描写したものとしてやはり興味深く思われます。何かと昔のことばかりで申し分けなく思います。

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