誰がリーダーになるにしても

2011年7月12日(火曜日)

脱原発は多くの国民の意識となりつつある。しかし根深い相手サイドの克服なしに成立しない。

 

経済産業省、電力はじめ産業界のほぼ全体、地元経済、擁護政治家、擁護メディア、安全保障関連、、、衝突カテゴリは膨大である。
 

だが福島の事故の悲惨さと深刻さによって、推進サイドさえ一定の限定を受容せざるを得ない状況がにじむ。また擁護的であった原子力学会など専門団体にもようやく反省表明が出た。このタイミングを無為にすべきではないだろう。

 

いうまでもなく旧態の脱却には並々ならぬ信念に貫かれたリーダーが必要だ。はたして菅首相は大丈夫だろうか。残念ながら氏がこれほど切れ味の悪い揺らぎの人だとは思わなかった。直近においても3・11以来考えが変わったなどと述べ、意外であり信念の深度も問題だ。タフな脱原発は愚直なまでの理念と牽引力が不可欠なのに。

しかも菅氏のぶれは逐一推進サイドのメリットに転換されてきた。事故も検査もまず原発自身の問題なのに、何もかも菅氏の失敗のせいだと転嫁され大いなる空白と損失を生み続けた。民主党の甘さでもあり、不可解なことでもある。

 

今後、解散総選挙による政局で脱原発党が出来たとして、はたして誰がリードするのだろう。大方は攻撃専念の無為なお利口さんばかり。政争の具から離れた目の覚めるような人が生まれるようには見えない。
この残念は安全神話と金が如何に深く浸透していたかを物語り、政治の退行を本気で心配しなければならない水準にある。
 

本日、原子力の所轄は経済産業省とは別に独立させると菅氏が述べた。遅きに失する見解であるが誰がやってもいい、諸課題の中で優先順位は非常に高い。

課題は次第に整理されつつある。誰が引っ張るにしても過ぎた4ヶ月を切実に学習し、人がまとまりリーダーが育つことを、それでも期待したい。またしても国民が悪いと言われるのは、やはりつらい。

 

今日の鵜の浜温泉の夕焼け 今日の鵜の浜温泉の夕焼け

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