富本憲吉 齋藤橡三郎、森一正 銀座三人展。そしてお茶碗とお菓子。

2012年5月26日(土曜日)

かって先輩から頂いた齋藤三郎さんの資料の1つに古くて珍しい展覧会案内がある。富本憲吉、森一正、齋藤橡三郎の三人展だ。

 

開催場所が銀座「こうげい」、時期は4月25日より5月2日までとある。

 

三人展案内表

開催年が書かれていないが、“橡三郎(しょうざぶろう)”は若き日の齋藤三郎が用いた名である。さらに案内文に京都の人と紹介されている。東京における富本師事を終了して一旦京都で独立した昭和12~13年に相当しよう。

記されている森一正氏は明治33年生まれ、石川県は寺井(現能美市)出身の九谷焼き作家と知った。

当時富本氏はすでに陶芸界の最高峰の一人となられていた。その人が大正2年生まれで25才前後の若き齋藤さんや先輩弟子に当たる森氏とともに作品展をする。厳格な印象の富本氏が、弟子のために銀座で行う展覧会。ほのぼのとした師弟愛が浮かび心暖まる。

 

お茶碗とお菓子
森一正さんのお茶碗とお菓子。奥にオオヤマレンゲ、手前にボタン。

 

このたび案内状の森氏をサイトで検索したら、偶然オークションに抹茶茶碗が出ていた。不慣れなオークションで無事手頃な価格で手に入った。

 

本日到着したが、堂々たる梅樹の紋様。九谷の作家だけあって美しい緑色が大胆にあしらわれていた。梅の季節は過ぎているがお構いなし、早速お茶を頂いた。丁寧な作品で飲むお茶は兄弟子の親しみの味がして美味しかった。

 

お菓子は妻のお茶仲間から頂いた竹内泰祥堂さん。オオヤマレンゲとボタンで季節はぴったり、上品な甘さが嬉しかった。いつも頂き物ばかり、、、、とても恐縮しています。

様々な出会い、ささやかながら美術館を営んで巡りあう幸せを有り難く思っています。

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