2013年3月25日

一泊の上京 その3・上野と大宮

2013年3月25日(月曜日)

さる週末の24日(日曜日)午前は上野の国立西洋美術館でラファエロ展を見た。貴重なラファエロが日本で見られるのは初めてであり、混雑が予想されていた。開館前から並んだ。

 

父や師の作品も展示されているが、ラファエロ本人の前は特別な人の山だった。お目当ては「大公の聖母」。縦横およそ85×56㎝で大きくはない。しかし遠くまで静かで歴史的な引力を放っていた。

すでに強いまなざしを含むキリストの表情と聖母マリアの愁いと優しさの対比、衣服の鮮やかな青と赤の対比と黒の強調効果、完璧な構図、、、。マネやルノワールらも美の規範と仰いだというラファエロはテーマに徹し、何とも美しく上品だった。

「大公の聖母」は山のごとき来館者の後ろから、あるいは時間をかけて前に出て見て名残尽きなかった。

 

2の2国立西洋美館会場の美術館前。

午後から大宮で開催されている彫刻家の山本信展を見た。「記憶の中のポートレート」のタイトルだった。人物たちは個性的な内面を有しているのに透明感があり、会場は寓話に似た世界が広がっていた。

 

3の3山本伸展にて

 

2の4山本伸展私たちが求めた作品。山本氏は暖かくなったら本作品を携えて樹下美術館を訪ねて来られる。
カフェのコンソールテーブルに飾るのが今から楽しみです。

伝えられるように上野の桜は予想よりはるかに早く咲き、三月の花見となっていた。外国人が多いのにも驚かされる。都立中学校の茶道クラブがjまとまって野点をしていた。とても人気で、美味しくしかも無料で一服頂けた。

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一泊の上京 その2・上野池之端はコーダリー

2013年3月25日(月曜日)

コーダリー
3月23日の夕食は上野池之端の「コーダリー」だった。

フレンチは濃やかで美味しく、リーズナブルに選ばれたワインは良かった。

9コーダリーにて

ご一緒した方は良寛や北越雪譜のことなどよくご存じで、驚かされるとともに楽しい時間を過ごした。

一泊の上京 その1・御茶ノ水駅界隈

2013年3月25日(月曜日)

3月23日土曜日は所用で上京した。宿泊したのは長年のあこがれ駿河台の「山の上ホテル」だった。川端康成、檀一雄、三島由紀夫、山口瞳、池波正太郎などなど、数多くの文人たちが愛した宿に泊まるとは、ある種夢のようだった。

そもそも御茶ノ水駅一帯は東京のど真ん中であるのに昔から縁遠かった。出身校が品川区だったせいかもしれない。このたび外国に行くような気持ちで由緒ある宿にチェックインし、待ちきれずに付近を歩いた。

1山の上のホテルこじんまりながら、なんとも嬉しいアールデコ調の山の上ホテル。
スタッフの初々しいホスピタリティも素晴らしい。
そもそも場所は明治大学の構内のような所。

2お茶の水幼稚園、小学校るお茶の水幼稚園と小学校。

3漱石の文学碑同小学校で夏目漱石も学んでいる。当時は錦華小学校と呼ばれていたらしい。近くに錦華坂というのもある。

4小川書店古書の雄、神田は八木書店。ここから定期的に立派なカタログが送られてくる。

ギター店表にまで楽器が並べられた中古ギター店。

6お茶の水駅から御茶ノ水駅から向こうに二つの大学医学部、それぞれの病院の眺めはさすが。

7聖橋聖橋。中央線と地下鉄が交差し、ダイナミックで立体的なスケールはさすが。

8ニコライ堂ニコライ堂は昔よりもくっきり美しく感じた。

東京には早く着きすぎたかなと思ったが、一種旅情を感じながら楽しいお上りさんの散歩が出来た。
またきましょう、とは妻の感想だった。

後日の追加です:山の上ホテルをアールデコ調と書きましたが、思い出すのは当ノート2011年12月の記事でした。筆者は母校の旧病院の写真を付してアールデコ調と書きました。改めて山の上ホテルの写真と見比べますと、よく似ています。

病院は1939年、ホテルは1937年の竣工ということ、当時よく似た建造物が各所で見られたことが伺われます。様式の流行は昔のほうが濃厚だったのかもしれません。また当初、御茶ノ水駅の表記がばらばらだったこと反省しています。

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