2013年3月31日

山本信さんの「少女」の塑像の表情。

2013年3月31日(日曜日)

先週の日曜日は大宮で山本信氏の彫刻展最終日を見た。そのとき求めた少女の像のなんとも言えない笑みに惹かれた。

作品は予定よりも早く届けられた。それが昨日、考えていた樹下美術館の壁際のテーブルに置くと微笑が消え、あまつさえ緊張が現れたのだ。

 

山本伸展会場にてリラックスと笑みは先週末の個展会場で。

樹下美術館のコンソールテーブルにて
昨日樹下美術館の壁際のテーブルで思わぬ緊張が現れた。写す角度を色々変えたが同じだった。

大宮の微笑はどこへ消えたのか、同じ作品とは思われないほどの違いに戸惑った。そこであらためて大宮の写真を見ると像の影が右前に出ていて、左上からの逆光であることが分かった。

これだと少女の上下の唇が合わさるラインが良く出る。さらに上がっていた左右の口角がくっきり現れ、微笑みが浮かぶにちがいない。

一方当美術館の壁際のテーブルに置いた場合、正面からの外光によって影が生まれにくい。当然笑みをもたらす口角もうまく現れない。しかも目のフチと全体が平板となり、逆に眼球だけが光る。笑みに代わって緊張が生まれるのもうなずけた。

窓辺で
高さおよそ24㎝、小ぶりな少女は窓辺に移って初々しい表情に変わった。
時間(日の高さ)、お天気によっても微妙に変わるのではないだろうか。

本日夕刻、出かけて行って窓際のカウンターに置いてみた。すると外光を背にして笑みが戻り、とても柔和な表情となった。
妻によると会場で山本さんは「光を考えて置いてみてください」、と仰ったそうである。

確かに彫刻、とくに人や動物、そのほか構造物、さらに自然までが光りと影(あるいは時間)で表情は変わろう。写真でもそのことを経験する。

このたびは少女の貴重な微笑が戻り胸をなで下ろした。今後は窓辺で、しかも皆様の近くでお迎えできるようになり、良かったと思う。

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