やってきた息子が便座を変えた 混乱の国でビールを買う。

2014年9月24日(水曜日)

このたびやって来た息子は文化の違いか、今時の人間らしく料理をはじめ家事や育児に熱心に携わる。私にはとても出来ないことであり、幾分唖然とさせられる。

昨夕の食事前、なにやらをホームセンターから買てきて、工具を貸して、と言う。
工具を渡すとトイレの一つにこもりっきりになった。

3温水洗浄便座を買ってきた。

 

1昔のままのもう一つのトイレの写真。20年前の簡単な便座。

2あれこれやって、ホースなどが取り付けられ今風のものに変わった。
お客さんのために変えた方が良いでしょう、ということだった。

夕食後、二人で話をした。システムとしての政治・経済さらに宗教。おもにそれらの建前と本音、あるいは手法やシステムに内包されるリスクが論点だった。彼は私の質問に逐一歴史的、地政学的事例を示して説明した。

話題は多岐に亘ったが、いずれも個人の欲望と社会・国家システムの軋轢(ストレス)と緩衝の方法論へ繋がる。それらの失敗例における共通課題などは、時に掘り下げあるいは広角的に語られた。
最後にこの国の投票率の低さを心配した。

いま小児科医の彼は1999年大学を卒業すると、国家試験も受けずに中国から出発して東南アジア、インド、中近東、近東など大陸を横断し欧州まで単身バックパッカーとなって旅している。
特にイラクは湾岸戦争後の混乱が続いていて心配した。

旅のエピソードとしてアラビア半島某国において禁じられているアルコールを買う話が出た。
酒を買うには時計・宝石商を訪ねるのだという。
行くと店主は用件の表裏を尋ね、ドルの所有を確認後、夜の広場の一角で指定の時間に待つように言われた。

その通りにすると、やってきた車に乗せられ郊外の荒れ地で降ろされ、車は行ってしまう。
待つことしばし、別の車がやって来て男がビールを二瓶取り出すなり、「ドル!ドル!」と催促。

支払うと男は慌てて立ち去り、間もなく最初の車が現れて広場へ戻された。
斯く曲折の後、宿に戻ったが肝心の栓抜きが無い。
机の角でガツンガツンとやってようやくぬるいビールを飲んだ、いう。

息子は来るたびにクーラーボックスと共に、シャンパンやワインを持参するがいずれも値段は安い。
その酒が美味しいのは、吟味されていることと話の内容次第であるように思われる。

かように何でも行う人間には体のことを心配してしまう。
彼の健康と幸福を願わずにはいられない。

2014年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

▲ このページのTOPへ