2015年2月6日

NHK「小さな旅」の雁木通り 倉石隆のふるさと。

2015年2月6日(金曜日)

今夕NHKテレビ「小さな旅」で放映された-雁木あたたか-を見た。
新潟県上越市高田の雁木通りの風物と暮らしの一端を紹介していた。

雁木通り

高田のらしさは色々あるが、町並みで言えば雁木、わけても古い通りにあると思う。
番組でも新たな本丁筋は触れられなかった。

およそふる里感のある村落や町並みは人を惹きつける。
いずれにも一生懸命に営まれ磨かれた生活と時間が生きて漂う。
そこでは自らのふる里でなくとも、郷愁が眼を醒まし心癒やされるのだろう。
このような場所はにわか作りが不可能なので、慎重な保全が必要な財産に違いない。

以下は倉石隆のふる里に関する作品と文です。

北の町倉石隆作「北の町」 1953年 21,6×27,3㎝ 樹下美術館収蔵。

粉雪が舞う倉石隆作「粉雪が舞う」 1985年 146,5×98,6㎝ 上越市収蔵
写真は新潟市美術館1995年9月14日発行 郷土作家シリーズ 倉石隆展 から。

-幻のふるさと- から抜粋
町名が上越市と変わっても、僕の故郷の町は高田でなければならない。目抜き通りにビルが建ち並び、行き交う人びとが都会風のファッションに彩られたとしても、僕の幻の町は、風雪にさらされ、家並みは灰色に沈んでいなけらばならない。
雁木はせまく、薄暗いトンネルんのようにどこまでも長く続いていて、すっこかぶりのお父っつぁと、角巻き姿のおっ母さが背をまるめて雪の中を歩いていなければならない。
それから、黒いマントの少年たちのいる風景。その時代錯誤の幻の町こそ僕の中のふるさとなのです。
(1987年12月11日新潟日報日曜版 35周年記念特集 ふるさとを描くシリーズ掲載 倉石隆の「粉雪が舞う」の寄稿文から)

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