2015年日本ブドウ・ワイン学会特別講演「ワイン葡萄の父・川上善兵衛」を聴いて。

2015年11月7日(土曜日)

2015年日本ブドウ・ワイン学会(会長松本信彦)が上越市の上越教育大学を会場に昨日から開催されていました。
当地岩の原葡萄園の社長・棚橋博史氏が実行委員長です。

10のポスターセッション、12の口演発表がありました。
初日のセミナーセッション「発酵の町 上越」を武蔵野酒造 小林元氏が話されていました。

 

1会場の案内プレート。

004プログラム。

 

6特別講演の会場。

そして本日学会の最後を飾る特別講演「ワイン葡萄の父・川上善兵衛」を上越市北城町の桑原圭司氏がされました。
氏は自然科学と愛郷と起業の先人、岩の原葡萄園を拓いた川上善兵衛の研究家です。
善兵衛に関する事がらなら遺伝学からその生涯の詳細まで膨大な蔵書、資料をお持ちで、本日の講演が期待されました。

 

2特別講演のタイトルスライド。

 

3講演される桑原先生。

 

5熱い講演に熱を帯びる場内。

 

横浜国立大学ご出身、高田北城高等学校の生物学の教師を始め長く教育に奉職された桑原先生。
かたわら日本水泳連盟の役員として長岡市から中村真衣選手を育てられています。

詳細なスライドが駆使された本日のお話は自然科学者としての善兵衛の神髄に迫る名講演でした。
明治中頃から始め大正時代には、いち早く厳格なメンデルの法則に則った膨大な交配作業へ挑戦。
途方もない失敗の中から生まれた今日のマスカット・べーリーAやレッド・ミレリンニウム、ローズ・シオタ-など宝石のようなぶどうたち。
善兵衛の道に、失敗を杖とて挑戦された先般のノーベル賞受賞者大村智先生のイメージが重なりました。
そして上越市内高士小学校で行われている「善兵衛学習」におけるぶどう栽培や品種改良の紹介も胸熱くなったのです。

偉大な先人の評価をいっそう新たなものにした記念すべき講演を聴くことができて幸運でした。

〝上越地域には郵便の父・前島密、音楽教育の母・小山作之助、そしてワイン醸造の父・川上善兵衛、酒の博士・坂口謹一郎など素晴らしい先人たちがいる〟
45分の講演を終えてお会いした先生は、貴重な学芸の素地を有している上越をもっと誇りたいと、心込めて仰いました。

立派に学会を開催された棚橋実行委員長に心から敬意を申し上げます。

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