目頭が熱くなったルノワール展。

2016年8月22日(月曜日)

去る20日土曜日午後から日帰りで上京し、国立新美術
館で「ルノワール展」を観てきた。
8月の金、土曜日は20時まで時間が延長されていて、
会期終了も近く混雑はしていたがゆっくり観ることが出
来た。

この度はルノワールの記念碑的傑作「ムーラン・ド・ラ・
ギャレットの舞踏会」の初来日、「都会のダンス」と「田舎
のダンス」の45年ぶりほか、多くの代表作が架けられな
どで、8月16日で60万人の入館者という人気がうなず
けた。

図録
展覧会図録の「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」
の部分。

以下に感想などをしるしてみました。

●ルノワールは“幸福こそ描くにふさわしいもの”と明言し
て止まなかった画家であり、このようなことは分野を問わ
ずまず他に類を見ない姿勢であろう。
価値観が複雑曖昧な今日、この明快さはますます貴重
であり、幸福を考えるとき、彼の作品に何らかヒントがあ
るようにさえ思われる。

●幸福な絵であるが、作品にはコツ、コツ、コツ、といっ
た親しみやすい時間が流れ、あたりの色や光が如実に
反映され、折々に風が吹いていたり、気温や湿度が感
じられ、モデルの人柄が想像できるほか、画家の機嫌
や眼差し、時にはフーという呼吸も感じられる。
それで、ゆうに100年以上経っているはずの作品が描か
れたばかりのように新鮮で豊かに感じることが出来る。
たった1枚の平面の上にである、、、。

●画家の作品には狙いや気負った作意など余計な雑
音は少なく、特に画風確立して以最後までの情熱と没
頭の作品は暖かく楽しく、見事というほかない。

IMG_5818
当日午後3時半の入場行列。

●今どきこんなに、と思うほど若者の姿が多かった。
印象派の明快さ、特にルノワールの幸福感と心地良さ
が脱現代および手仕事や風合いへの率直な回帰を促し
ているとすれば、それもよく分かる気がした。

●印象派の時代に確立して行ったと考えられる写真が当
時の画家を強く刺激したと考えらる。
画家達は写真で得られない表現、それを越える表現に
迫られ、かつ一層の自己確立へと没頭したにちがいない。

●すでに展覧会は終了し、パリはオルセー美術館とオラ
ンジェリー美術館へ行かなければ作品と再会できない。
年取って貧乏暇なしの自分には無理であり、これでお別
れ、と思うと途中で目頭が熱くなった。

“ルノワールに始まりルノワールに終わる”は自分にあり
そうなことで、その画集に関係した遠くほろ苦いな思い出も
あるため、余計そんな風に感じる.

この度の展覧会行きを促してくださった方に心か感謝し
ています。

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