穏やかだった水曜日 砂丘館館長 ベニマシコ。

2017年3月29日(水曜日)

当地高田の最高気温は12度、風も無く穏やかな水
曜日だった。
晴れの日が賑わうとは限らない樹下美術館、本日晴れ
て、一組また一組とご来館頂いた。

今年は例年以上に展示物をご覧になる方が多い。
「カリカチュア風な倉石隆」と「陶齋の色絵と鉄絵」が見や
すいのではないだろうか。
説明書を手に顔を近づけてご覧になる様子はとても嬉し
い。
1年間、同じ展示なので何度も見られる方は少ないが、
その後カフェだけを利用され、庭を見ながらお茶を飲み
に来られる方もいらっしゃって有り難い。

本日は新潟市から砂丘館館長大倉宏氏が寄って下さっ
た。
このたび好評のうちに終了した同館の「塩崎貞夫展」作
品を戻しに出られた帰路ということ、沢山お話が出来て
幸運だった。
倉石隆と齋藤三郎、二人の作家の取り合わせがとても
良い、と褒めて頂いた。
地元以外の方でこんな風に仰る人は珍しく、光栄に感じ
た。

過日砂丘館を訪ねた折の事は当時図録制作などで忙殺
されていて、とうとう書けなかった。
本日少し振り返ってみたい。

IMG_4021
砂丘館の玄関を入ると目の前に塩﨑貞夫画伯の
「女人午睡」が静かに迎えてくれた。

展示された絵画は全て死と鎮魂がテーマ。手応えとし
て伝えにくい死者のイメージや儀式の象徴性など極め
て深い事象を、「生きる者を代表」して憑かれる如く描
かれた塩﨑画伯。
一点一点は詩の如く言語性を有し、また音楽のようで
もあり、作者が如何に深く死に関わったかを物語ってい
た。

ところで砂丘館は羨ましい。芸大ご出身の館長の優れた
専門性と展開力、充実したスタッフと熱心なボランティア
による組織的な運営、そして旧家屋の魅力を最大限に活
かした展示と催事の企画。
同館が一体となって運営する「絵屋」も見たが、全体は
生き生きとしてフットワークが良く、私たちに無いものば
かりで、驚きかつ有益だった。

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本日午後施設巡回に出て美術館に寄ったが、途中の雑木
林で赤い鳥が前を横切った。
車を停めて見ると遠くでじっとしている。
慌てて写真を撮った。上手くは写せなかったが「ベニマシコ」
だった。

IMG_4353
私もカメラもいまいち腕力が足りず、歯がゆい思いを禁じ得ない。

春秋は小鳥たちが活発な季節。
樹下美術館の水盤の鳥はかなり近い。
これからどんな鳥が来るか、カメラ片手に楽しみに待ちたい。

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