2017年9月

少し赤字が減ってきている カモメは波が嫌い?

2017年9月30日(土曜日)

本日で9月が終わる。
今年3月開館以来、樹下美術館は6ヶ月半が過ぎた
が、昨年より500人ほど来館者様が増えた。
お陰様でわずかながら赤字幅が減っているのは嬉しく
とても励みになる。

本日は絵画教室の皆様はじめ賑やかにして頂き有り
難うございました。

1
好感度のお二人さん、有り難うございました。
了解を頂いて写真を載せました。

さて本日午後も柿崎海岸へ出かけた。

渚で休息するカモメ(ウミネコ)が可笑しかった。

 

2
大好きな海のそばで日向ぼっこ。

 

大きな波が来ました。

 

3
あれれ?あわてて波を避けている。
カモメは波が嫌いなの?

 

4
波の形で日向ぼっこ。

さて今夕、海上の竜巻を見ました。
写真と記事は明日に致しますが、少々はらはらしました。

トンボの羽(翅)の輝き。

2017年9月29日(金曜日)

秋深まるにつれ赤とんぼが沢山みられるようになった。
過日の午前の好天時はトンボだらけ、と形容しても良か
った。
今朝はぐっと冷えたが日中は陽が射して暖かくなった。
風があったので樹木に囲まれた美術館の陽当たりで、
多くのトンボたちが日向ぼっこ(多分)をしていた。

 

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鉄製の庭のしつらえに止まっている。

ところでちょっとした事だが、日向のトンボの羽は角度によっ
て微妙に色を反射している。

 

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羽を閉じている場合の色は部分的な感じ。

一方で枝先などに止まった後4,5秒くらい、羽を閉じずに保つ
時間がある。

その間、広げた羽と太陽光の角度具合で羽は半透明となり、か
つ羽の色のキラキラした感じが閉じた時より増して見える。

 

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トンボの羽は揚力と強度を得るため複雑かつ精緻な網目
構造を有しているという。
その網目の部分面の傾きに対する太陽光の入反射角に
よって光成分を虹彩風に放っているように思われる(本当
のところ詳しく分かりません、、、)。

トンボの形態は黄金分割ほか幾つもの美的、効率論的観点
から完成度が高いという。

ルネ・ラリックやエミール・ガレのガラス工芸で格好のモチー
フとなっているほか、ブローチ、帯留めから画題、茶碗模様、
はては兜の前立など時代とジャンルを超えて親しまれてい
るのもうなずける。

誰もいない海の楽しさ。

2017年9月28日(木曜日)

本日午後胃カメラの日。
1年前の予約なのだが、再診用の器械に診察券を入れ
ると、日付と時間が約束通りにプリントされて出て、病院
のシステムの円滑さにはいつも感心する。

朝から寒いうえ雨模様だった空が、検査を終えて出ると上
がり始めた。
9月も下旬となりすでに日は短い。
さすが雨上がりの海は誰もいないだろう、と考え柿崎海岸
へ向かい5時少し前に着いた。
一人二人は必ず居る海だが本当に誰も居なかった。

歩き始めのころの灰色の空と海が、日暮れにつれて明るく
なり、あまつさえ赤々としてきた。

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入り陽は5時30分過ぎだった。

 

 

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暮れた広い海に一人居る開放感は素晴らしい。

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なんだか心が軽くなり、走り出してしまった。
歩数を数えながら800歩走ったが、少し膝に来たものの
息の辛さはまったく無かった。
昨年の正月明けの散歩中に走り出した事を思い出した。

 

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暮れたマリンホテルハマナスの前を通って帰った。

ヒョウモンチョウ トンボのねぐらは何処、あのトンボはどうなった。

2017年9月27日(水曜日)

午前中ある時間まで陽が射し汗ばむような熱気があった。
赤トンボが沢山飛んだため、自転車で来院された人がトン
ボが何羽も顔に当たった、と仰った。

田んぼが近い美術館のトンボを楽しみにしていたのに、昼
が近づくにつれ曇天となり、あっという間に姿が減った。

トンボは少なかったが、ヒョウモンチョウがノコンギクの飛
来していた。

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生き物は色、紋様美しさのほかバランスの良さに感心する。

 

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まだ賑やかに咲いているムクゲは女子高生のようだ。

夕刻来院された方が、午前のトンボは何処へ行ったの
でしょう、何処かにねぐらがあるのですかね、と仰った。

私らが子供の時、もっと沢山飛んだ、と仰る人もいた。
たしかに自分の小学生時代の晴れた日など、無数とい
うほど赤トンボが飛ぶ日があった。
学校帰りに二羽のトンボを捕まえ、反対に向けたお尻に
松の葉を刺してつなげ、そーれ飛べなどと言って放りあ
げたことがあった。

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

あのトンボはどうしたのだろう、と今にして問うことが出来
る。
困惑するが、仏教には答があるのだろうか。

介護の話 写真  庭を横切ったキジの親子。

2017年9月25日(月曜日)

昨日日曜日のこと、遅い昼食を美術館で摂った。
在宅か施設か、ある方と介護の話をした。
95才の骨折では事態は大きく変わる。
毎日頭がいっぱい、というのは良くわかる。

高齢者の介護では、疾患のほか、本人、家族の反応で予
想しなかった変化と展開をみることがある。
固定概念に囚われず、関係職と相談しながら柔軟な対応
を試みてはなどどお話した。

そうこうするうち、ほかのお客様から写真を撮ってもいいか
と尋ねられた。
東京の友人がこのノートを見ていて、私の写真が欲しいと
仰ったという。
はい、いいです、と言って撮ってもらったが、こんな顔で本
当に申しわけ無い気持ちで一杯だった。

ところで同じ昨日ミョウガを沢山頂いた。

3
スタッフとともに分けたミョウガ。
私は子供のころからミョウガが好きで、雨の後、庭の一角に
ある陰気な場所でミョウガを探した。

話変わって本日、キジの親子が庭を横切った。

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向こうもこちらもあわてていて、何とか撮れたのはこの1枚。

一家は一週間ほど前、裏の田んぼに7羽でいた親子であろう。
オス2羽メス6羽の若鳥とメス(親)の一家だ。

若鳥の成長に差があり、大きな子と小さな子が半々ずついる。

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裏へ回ると刈り取りが済んだ田んぼに居た。
左が親で右にやや大きなメスの若鳥。

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草むらで見え隠れしている若鳥はまだ幼く見える。

イナゴやカエル、ヘビやトカゲなどを食べるのだろうが、冬を迎
える小さな子たちの成長が心配される。
どうか春には元気な姿をみせてほしい。

柏崎市の赤土の野道に爽やかな秋。

2017年9月23日(土曜日)

30年も前のころ春の柏崎の赤い野道を歩いた。
土手に見える土は真に赤く草木にとってほどよい栄養
と見え、荒れたやぶの様に繁茂せず、清々しい印象を
受けた。

イカリソウ、オウレン、ツクバネウツギなどが初々しく咲
いていた。

本日午後、その赤土の野道を訪ねてみたくなり柏崎市
へと車を向けた。

山麓の家々がおしゃれなのは自然が爽やかなせいでは
ないかと思った。

山中に入るころ、あるお宅の庭で可愛い鳥と出合った。

1
エナガ。
春先の大平のオオルリといい、大潟区のベニマシコといい、
私などには写せないと思っていた鳥と出会えるのは不思議
なことだ。

 

2
何羽かの群でいた。細い声でチーチーと鳴く。

 

3
小さなくちばし、翼に陶齋の釉裏紅のような紅を刺した愛らし
い姿。

 

4
赤坂山の地名があるように、一帯の土は文字通り赤い。
一方でベタベタした粘りは感じJられない。
土が良いのか、手入れが良いのか雑草の繁茂も目立たない。

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見慣れたガマズミ。

 

5
こちらは下向きでひっそりした感じ。葉がやや小さくガマズミと
雰囲気が異なるように見える。ズミという種類なのか。

 

6
樹下美術館の庭にもあるナツハゼが沢山実をつけている。。

 

7
一帯の草花はどこか品よく見える。これはオミナエシ。

 

8
ナナカマド。

 

9
マハギ。

滝のごと真萩流れる柏崎。

 

 

 

季節の色、秋。

2017年9月22日(金曜日)

2連休を前に白い雲と青空がやりとりをした日。
美術館の周りを走行して目にとまったものを写した。

1
彼岸花にキタモンキチョウがやって来て、先日の手袋と同じ
ように周りをくるくる飛んでいる。

1'
ようやく止まって吸蜜をしている。

彼岸花は細い雄しべ伸ばしておいで、おいでをしているのにい
ざ近づくと花芯はとても奥にあり、吸うまでが大変そうである。

2
頸城区で見たノアザミ。

3
頸城区のコスモス。ことしはどんなコスモスが見られるのだろう。

 

4
吉川区の用水路のガードレールはアキアカネでいっぱい。

5
進む刈り取り。

 

6
夕刻のいっときため息が出そうな夕焼けが現れた。遠くから
佐渡汽船が近づいて来た。

秋はあたりを優しい色から暖色、そして輝く色まで美しく染める。
晩年期である自分もこのような色あいを映し出すことが出来れ
ばいいのに。

まだ先のことだが、、枯れて朽ちたものを真っ白に包む冬の雪は
特別な色彩作用を有している。

台風一過 急な老人のうつとプチシュー。

2017年9月18日(月曜日)

本日台風は朝がたの風雨を残して北東へ去った。
上越地方には甚大な被害がなかった模様だった。

日中雲が多く時折雨も降ったが夕刻には青空が覗いた。

1
西の空は一瞬黄金に焼け電車が下っていた。

2
優しく、大きなドーナツのような雲がやってきた。

さて本日は敬老の日、以前ドーナツではないがこんなこと
があった。
ショートステイを利用されているある女性が、帰宅後いつも
と様子が違う。

めそめそと涙をこぼし、笑顔も消え、うつむいてばかりいる。
こんなことは初めてで、直前の施設では元気だったという。

脳梗塞の方で会話が出来ないが、普段話しかけるとニコ
ニコと反応される人なので信じがたかった。

急に生じた感情変化はふとした事で治る事があるかもしれ
ない。
「何かお菓子をあげたらどうでしょう、プチシューで良いと
思いますが、買って帰り、すぐにお茶と一緒にお出してみ
ませんか」

「プチシューですか」
「はい、いいと思います、上手く行ったらそれで終わりにし
て、出来れば続けるのは避けてみてください」という事にな
った。

何日かして相談されたお嫁さんから電話があった。
買って帰った日、お菓子を見た途端パッと笑顔になった。
以来めそめも、うつむくこともまったく無くもとの人に戻り、
菓子の催促もなかったと、声を弾ませて仰った、

これには自分も驚いたが、以下の理由が考えられた。
一つは単に甘くて美味しいものが突然出たこと。
(甘みは幸福中枢を刺激する)
もう一つは,お嫁さんを「良い人」として再確認出来たこと。

その時はかなり長期の施設利用だった。
現在おしなべて施設のスタッフは優しく、接遇が上手い。
居場所やスケジュールにもすっかり馴れ、そこは心地良い
場所だったに違いない。

それがあれほど好きだった自宅に帰ってみると、見慣れな
い家に人(お嫁さん)がポツンと居て、悲しくなっていた事
が考えられる。

なによりも美味しいお菓子を出してくれた人がとても良い人
で、それがうちのお嫁さんだったことを思い出したことは大
きい。またそこが自宅であることが分かったことも。

老人の忘れっぽさは善し悪し二面がある。
意味の無いことにこだわり、同じ話を繰り返す老人に、
「今、雨ふっているかね?孫の○○ちゃんは傘を持って行っ
たかねえ」
と言うだけで、こだわっていた話から離れることを経験する。

高齢の老人たちは安心が何よりの薬である。
それらを見た目、雰囲気、直感で区別している。
意地を抑え笑顔を作る、時には突然の甘いお菓子も必要か
もしれない。

およそだが80才半ばをすぎると、お年寄りは半年、一年で
変化することが少なくない。
こどもも複雑だがお年寄りもそうだ。

台風を反映した奇妙な雲。

2017年9月17日(日曜日)

台風18号は今深夜~明日昼にやってくるらしい。
本日日中風があったが夜になってぴたりと止み、虫が様
子を窺うように鳴いている。
文字通り嵐の前の静けさ、という感じになった。

 

台風直前の気配を反映して夕方の雲は一種不気味な様
相をていしていた。

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昨日訪ねた大洞原など妙高連山の方角。

上掲写真の右下の雲は30分あまりの間に以下のように様々に
形を変えた。

1巻き毛の人
巻き毛の人。

2
獸。

3
パンチ。

4
カエルを飲み込む深海魚。

5
抗議1

7
抗議2

 

この雲の上に以下の雲も見られました。

8
シャガールの動物。

今夜は早く休みたい。

台風前の本日大洞原を訪ねた。

2017年9月16日(土曜日)

過日、妙高市は関山、大洞原のトマトとトウモロコシを頂戴した
ことを書かせて頂いた。
倉石隆の絵に素描「草原開墾」と油彩「妙高」があり、同所では
ないかと思われ、トマトを食べて以来無性に訪ねてみたくなっ
ていた。

以下は倉石隆の素描「草原開墾」から。

1'
働く男女とハンモックのようなものがペンで描かれている。

2'
上掲の女性を入れて大勢が描かれ、わずかの水彩で着色さ
れている。
ここが大洞原だったとすると、描かれた人物たちは一日一日
が精一杯、観光化されるまでになった今日の様子など想像だ
に出来なかった事だろう。

調べてみると現在同所にハートランド妙高という施設あり、本日
昼そこへ電話をして場所を確認し妙高山が見えているか、も尋
ねた。
山は見えているということで、仕事を終えた午後車を走らせた。

1
トマト畑と向こうにハートランド妙高。

2
トマト畑は至る所にある。

4
開墾地らしく石ころが小道脇に集められていた。
火山の山麓ゆえ岩石との格闘だったことだろう。

5
トウモロコシ畑で、竿に繋がれた鳥追いのカイトが舞っていた。

6
曇天の妙高山と爽やかなソバ畑。

以下は倉石隆の「妙高」 41×31,5㎝。

3'
手前に描かれたものは判然としないが、良く晴れた山は本
日訪ねた場所からの眺めに似ている。
明るく南を向く妙高、数個の雲と原野、あらためて良い絵だと
気づかされた。

スケッチと油絵が同じ日のものとすれれば、この日倉石
氏が訪ねて描いたのは大洞原とみて間違いなさそうである。

氏が髙田にいたのは昭和25年(1950年)まで。
大洞原の開墾は昭和24年からだ。
わざわざ訪ねたなら、当時開墾は大きなニュースになってい
た事が考えられる。
「草原開墾」の題から、一帯は広大な草地あるいは萱場のよう
な場所だったのか。
いずれにしても開墾は始まったばかりだった。

敗戦後、厳しい世相下に於ける豪雪地の開墾は、運命への挑
戦だったであろう。
苦しい生活の中、再上京のことなどで葛藤が想像された当時
の倉石氏にとって、晴れた妙高山と精出す入植者の姿は、心
奮わせられる光景だったのではないだろうか。

 

7
本日路傍のハギと向こうのソバは秋の風情そのもの。
一帯から見て東に昇る満月などは美しかったにちがいない。
開拓団の人々は、月の日ばかりは疲れを忘れ、なにがしかの酒で
喉を潤したことを想い願いたい。

帰路、国道の直販センターに寄ってミョウガ、枝豆、トマト、ハリハ
リ漬けなどを買った。

11
大潟区潟町の祭で、知人宅からお赤飯を頂戴した。

夕食にセンターで買った野菜が出て、妙高の土と入植・後継の人
々による渾身の恵みを堪能した。

台風を前に爽やかな日だった。

2017年9月15日(金曜日)

非常に強い、と表現されている台風18号は本州を向いて
進んでいる。
当地は二日後17,18日の大切な連休が圏内に入る予報。

その台風を控えた本日は爽やかな空だった。

 

1
本日美術館へ行く道に咲いていたススキ。

 

2
美術館の前の水田を歩いて出て米山、尾神岳を眺める。
雲がとても爽やかだった。

 

3
数年来リンドウはこの株から花をつける(一昨日撮影)。
今年も数十のリンドウがトクサの際で開花を待っている。

 

 

4
台風を前に急いで行われていた稲刈り。

妙高山が見える日に大洞原へ行ってみたいが、明日あたりは
無理だろうか。

萩に蝶、手袋にも。

2017年9月14日(木曜日)

本日午後休診の木曜日、美術館が閑散で庭いじりの準備
をしていると、かたわらの紅白三株のハギにチョウが次々
やってきた。

ベニシジミにヤマトシジミ、それにキタキチョウなど賑やかだ
った。

1
ベニシジミ。

 

2
ヤマトシジミ。
ベニシジミとも大きさはせいぜい親指の爪くらいか。

以前は何とも思わなかった小さなシジミチョウ。しかし撮って
みるときれいで、色々と種類がありカメラを向けるようになった。

ところでハギを飛び回っていたキタキチョウ(2005年以後本
州のキチョウをキタキチョウと呼ぶことになっているらしい)が、
傍らに置いた園芸用手袋にやってきて周囲を盛んに飛び回る。

 

4
下方に黄緑色の手袋。

 

3

 

6

 

5

手袋の色が気に入ったのか、匂いか、なんだろう、興味深げ
に飛び回った。
写真で見ると無邪気な妖精のようで大変可愛い。

今年も秋の庭いじりの季節になった。
枯れたものの処理や施肥、移植、球根を植えたり、土を止めた
り、来年を思いながら手を付けて行きたい。

サボっているとあっという間に寒くなり、みぞれの中の作業にな
ったりする。

大洞原のトマトとトウモロコシ 本日の夏櫨(ナツハゼ)、アオハダの実。

2017年9月13日(水曜日)

昨日、妙高市関山の大洞原で農家を手伝っている方から
野菜を頂いた。

まだ訪ねたことはないが、同地に於ける入植による開墾の
話は聞いていた。
頂いたトマトは真に充実しトウモロコシは甘味つよく美味し
かった。

IMG_8957 - コピー
頂いた野菜。

戦後間もなく25戸で始まったという事業。雪深い所で今日
までよく到達したものと、深い敬意を禁じ得ない。

ところで倉石隆の昭和20年~25年までの髙田に於けるス
ケッチに草原開墾と裏書きされた小品がある。
当時の開墾といえば大洞原ではないか、と漠然と考えてい
た。
また原野から妙高山を描いた油絵があるが、これも同地か
らの眺望では、とあらためて想像している。

この機会に是非現地を訪ね往時をしのび、描かれた妙高山
がそこからのものなのか、など確かめてみたい。

所で去る10日、庭のナツハゼを書かせて頂いたところ、本日
館内のノートに〝夏櫨が赤くなりましたね〟という記載を見た。
難しい漢字でお書きになっていて驚かされた。

以下は本日の夏櫨・ナツハゼとアオハダの赤い実です。

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品良く愛すべき小ぶりな木。
この木を見た人は大抵好きになるのではないだろうか。

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本日のアオハダの実。
わずか甘みがあるが、不思議なことに鳥が食べているのをあま
り見ない。

 

低気圧の日。

2017年9月12日(火曜日)

低気圧移動の予報どおりに荒れ模様だった一日。

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正午過ぎ、四ツ屋浜の西方に厚く重い雲。

 

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本日美術館のカフェで、妻の煮物が昼食。
番茶の湯呑は二代陶齋・齋藤尚明氏作。
巻昆布、オクラ、ニンジン、大根、シイタケ、ミートボールの一
皿。
これのみで昼食とすることも多いが、本日お客様と話をしな
がらショートケーキを食べた。

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そのお客様が持参された秋の花。
時節のお花は重宝しています、いつも有り難うございます。

 

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時折日射しが混じった午後、近隣の水田で。

大きな被害もなく夜遅く風雨が止み、静かになった。

曇天の柿崎海岸 低気圧が接近している。

2017年9月11日(月曜日)

二日続いた晴天の後、本日曇りの日の午後柿崎海岸を歩い
た。
釣り人が二人だけの淋しい眺め、そのうちの一人も竿をたた
んで帰って行った。

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そんな海岸で草花がひっそりと、しかし元気に咲いている。

 

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名残になってきたハマゴウ。
おしなべて明るい紫だが、一輪赤味の強い花があった。
(どうしてもピントが合わず間に合いませんでした)

 

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本日沢山目にしたウンラン。

 

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明るい黄色のハマニガナも随所に咲いている。
茎をちぎると出る乳液は非常に苦いらしい。

 

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少々高い所に群生しているケカモノハシ。
賑やかに風に揺れ、沖を貨物船がゆっくり通過して行く。

本日30度に届いた気温のため、蒸し暑かった海岸。
秋の足は少し遠くで思案中と言えば良いのか。
今夜から明日は列島に沿って低気圧が進むという。
23時になってひゆー、と風の音がしはじめた。

嵐の後はどんな雲が見られるのだろう。

アオハダとナツハゼ。

2017年9月10日(日曜日)

樹下美術館の庭には松からモミジまで色々と樹木を植
栽している。
背丈の中~高のではアカシデ、ケヤキ、アオダモ、ヒメ
タイザンボク、ヤマザクラ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、コナ
ラ、イタヤカエデ、ソメイヨシノ、アメリカハナミズキ、ハン
ノキなどがある。

本日来館されたご夫婦はカフェに入るなり「あっ、ナツハ
ゼ」と仰った。
いままでナツハゼを口にされた方はこの方を入れてお二
人だけだった。
(知っていて黙っている方も沢山いらっしゃるかもしれま
せん)

1
↑カフェの正面で少し紅葉している木がナツハゼ。
雑木の一種で大きくはありませんが、雑木が好きな人に
人気がある。
黒い枝は固くやや光沢があり葉は柔らかで上品、夏後半
から紅葉し黒い実を付ける。
この木はその昔一帯の松林や雑木林で見られ、良い風
情を漂わせていた。

 

2
近づいて写しています。細くごつごつした感じの枝は低木な
がら一種貫禄がある。

ところでナツハゼを指さされた方は玄関前に三株あるアオハ
ダも御存知で眼を止められた、とお聞きしました。

3
↑アオハダ。
株立ちの樹形が爽やかで、現在赤い実を沢山つけている。
紅葉時期には全体が黄色に色づく。

陶芸、絵画、花、鳥、芝生、家具、食器、お茶、お菓子、軽
食、音楽、本、時間、風、雨、雲、夕暮れ、ベンチ、田んぼ
ほか、樹下美術館は樹木も楽しまれる方がいらっしゃって
張り合いになります。

雨上がりは雲の王国 軟らかに成長する樹下美術館。 

2017年9月8日(金曜日)

二日間にわたってしっかり降った後、本日爽やかに陽が射した。
青空を背景に積雲が様々な形になって地上を囲んでいた。

1
↑四ツ屋浜の雲は白くふわふわして、おびただしいオモチャのよう
だった。

2
水田の向こうの山々は吸い込んだ雨を雲に換え、次々大放出。

水田脇の小屋に赤い花が咲いていて、キアゲハが訪ねていた。

3
↑懐かしい花はホウセンカであろう。

4
ベンチで過ごしている男性たちの奥様は館内で作品の鑑賞中。
ピクニックのように3時間以も上ゆっくり過ごされたという。

5
↑陶芸ホールのテーブル&椅子席で四人の方がくつろいでいる。
設置したばかりで、来場された方に座って頂けるか心配したが、
ごく自然に過ごされ一安心。

建設当初、小なりといえども樹下美術館はさほど気軽な場所で
はないように見えていた。
それが十年経って、多くの方に思い思い自由にお過ごし頂く場所
として成長しはじめたように感じる。

お客様二題

2017年9月7日(木曜日)

春雨、梅雨、秋雨、時雨、、、同じ雨も季節で名が異なり、
風情も異なる。

昨日からの雨で急に気温が下がり、袖の長さが気になる。
暑い盛りのある日、北海道某所の最高気温が22度とあり、
この時期こんなに寒いのか、と驚いたことがあった。
それが一ヶ月後の今夜、車の車外温度が22度を示してい
る。
雨の夜も虫は鳴き、庭で花ホトトギスの茎がしゃんとして
立ち上がり、今年も秋が巡ってきた。

そんな空の下、昨日東京からお客様が訪ねてこられた。
そもそもは二年前、偶々指揮者汐澤安彦さんの記事を読
まれて以来、当ブログをご覧になっているという女性だった。

私はお会い出来なかったが、在館していた妻によれば、か
ねて尊敬していた汐澤氏の記事を縁に、ブログを通して当
館と上越市に興味を抱かれてこの度の訪問になったという
こと。
スルテンを食べ、樹下美術館を訪ね、泊まりは鵜の浜温
、翌日は髙田の朝市云々」と詳しく調べて来られた。

館内のノートに好意的なメモを残され、片田舎で小館を営
む者として心から嬉しく思った。
無事ご帰還されましたか、お疲れではなかったでしょうか。
本当に有り難うございました。

 

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今夜の雨の樹下美術館入り口。

そして午後は休診の本日、4時半過ぎに美術館に寄った
所、去るジャコメッティ展のショップ品である「歩く男」がプリ
ントされたTシャツを着たお客様にお会いした。

何度も来館されている方と聞いていたが、お話するのは初
めて。
Tシャツだけで十分な上、美術、音楽とも造詣深く、話は幾
つもの分野を行き交い時間を忘れた。

気がつけば4時間もご一緒していた。
これも秋なればこそ、雨降りなればこそ,樹下美術館なれば
こその良い時間だった。

霧の春日山 葛の問題。

2017年9月6日(水曜日)

午後、特養に出向いた後髙田に用件があって出かけた。
帰路、春日山の山並みが霧にけぶっている。
本日往診、在宅訪問ともなく春日山山麓へ足を伸ばした。

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春日山神社前の謙信公立像。

向こうに昨年7月の雨で崩落したカ所の復旧工事が進んでい
た。

 

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足許のモミジが色づき始めていた。

一帯はよく手入れされていて爽やかであるが、春日山神社の
杉の状態に胸が痛んだ。

 

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神社の杉に葛が覆い被さっている。
何匹ものモンスターが取りついて木をむさぼっているように
見える。

今日このような景観は平地、里山の至る所で目にする。
目に付きやすい道路脇や河川敷などの中低木がことごとく
むしばまれ、跡形も無く葛に取って変わられているのは本当
に無残なことだ。
私たちを囲むこのような風景の病は、人の生活習慣病と同
じようにすっかり日常化しているように思われる。

これらはしかし、歴史上かって無かった事実ではないだろう
か。
先人達が保全してきたさわやかな環境を、成長を自負する
現代の人間が病むに任せているのは、恥ずかしい事にちが
いない。

国、地域に有り余る課題があるのは分かる。
だがクズによる残酷な環境破壊を見慣れたものとして看過
するなら、人間の心の問題としても深刻な予感がする。

一日でも早く全面的な課題として具体的に挙がるよう、願わ
ずにはいられない。

雲の魚 秋は本番へ。

2017年9月4日(月曜日)

現在樹下美術館の倉石隆は「カリカチュア風な倉石隆」
タイトルで人物5点、鳥が一点、さかな一点が展示されていま
す。

いたずら描きあるいは漫画の風合いを持つ作品ですが、小
さなお子さんたちは「さかな」が気に入ったとよく仰います。

倉石隆の魚
倉石隆の「(さかな)」 1955~60年 24,2×33,3㎝。

 

ところで最近夕暮れの空で魚の形をした雲を二つ見ました。

 

8月30日雲の魚
去る8月29日、6時20分頃西の空に浮かんでいた雲。

 

9月3日目が月の魚
昨夕6時40分ころの雲には、ちょうど月が重なり、目が光っ
ているようでした。

いつしかあたりにススキが穂を広げ、夜は月が明るくなり虫の
音が盛んに聞こえるようになりました。

昨日土曜日午後は二回目のジャコメッティを観た4時間の東京旅行。

2017年9月3日(日曜日)

一昨日9月1日、国立新美術館へジャコメッティ展を
観に行ったことを書かせていただいた。
一人で行ったがとても良かったので妻に話すと、行っ
てみたいという。
近づいた9月4日の終了と、忙しい妻の日程を考えれ
ば昨日土曜午後しかなく、急遽前回と同じ北陸新幹
線で一緒に上京した。
東京での余裕をみて帰りは一時間遅い電車にした。

開催期間最終の週末とあって、会場は混雑していた。

入場してすぐ一体の細い女性立像「レオーニ」によっ
て迎えられる。二回目ながら観るなり笑みが浮かび、
高ぶりを覚える。

古典主義と印象派の作品展示が素早く終わると、キュ
ビズムからシュルレアリズムへ、確固として時代通過
すると独自に花開いていくジャコメッティの過程が分か
りやすく示される。

苦悩から生え出たような細い大小の人物が林立する
広場シリーズ、9体の細い女性立像が三角形を作って
堂々と居並ぶ並ぶ「ヴェネツィアの女Ⅰ~Ⅸ」など、や
はり圧巻である。

そしてマッチ箱に入れて持ち歩いたという極小の作品。
愛すべき作者の人柄が偲ばれて誠に微笑ましい。
(本人は苦しんで作ったのですが、何故か観ると自然に
可笑しみが湧くのです)

 

1

2
千秋楽が近づいて来場者は一昨日よりも遙かに多い。
大勢の人を前に、ますます元気だった「歩く男」。

見終わり、晴れ晴れとして出ると台風去った爽快な大気。
正面の六本木ヒルズに行ってみよう、ということになった。

 

3
白い雲を背景に美しい初秋のビル。

 

5
途中で在宅訪問中のクリニックの車に出合った。
南青山の八木クリニックのスタッフが六本木で仕事中だった。
東京は人口稠密なうえ駐車に難渋しよう、そのため訪問専門
の運転手さんが付いていて、診療中の医師とスタッフを待って
いる。
土曜午後、都会のど真ん中で熱心に診て回られる同業の皆
様に胸熱くなり、強いシンパシーを覚えた。

 

6
ヒルズの前庭に咲いていたうリュウノヒゲヤブランの薄紫が爽や
かだった。

 

7
おのぼりさんよろしく、初めての展望台は地上52階で250㍍、
360度の眺め。
今夏東京は歴史的な降雨に見舞われたという。
初秋の午後の日射しのなか、雨に洗われた壮大な街がいっそ
う美しい陰影をもって佇んでいた。

 

8
北の方面だろうか、さきほどまで居た美術館が見える。
こんな風に全体を見るのは初めてだが、とても良い。
樹下美術館はこの何百分の一、あるいは何千分の一の大き
にちがいない。

 

9
ビルを一周する展望台の一角に少し静かな場所があった。
モダンな各部のなかで、ここは1950~60年代の映画の場
面を彷彿とさせる。

たまたま流れていた「テイクファイブ」の音色が、短い時間だ
ったが心地良く当時の気分へといざなってくれた。
1960年代前半はジャコメッティ晩年の活躍の時代に相当し
ている。


デイヴ・ブルーベックカルテットによる「テイクファイブ」。

 

 

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タワー前にあるメトロハットは地下鉄六本木駅の入り口。
何とも大胆な派手さでタペストリー(巨大ポスター?)が囲んで
いた。中央黄色の矢印は人物。

地下鉄で日比谷駅に降り、丸の内仲通りを歩いた。
この並木道は本当に静かできれいだ。

 

11

 

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仲通りを歩いて東京駅に着いたが時間があったのでステー
ションホテルでお茶をのんだ。
ハープを弾く女性の近くに座り、本日のケーキの中から手前
のイチジクのタルトを選んで分け、熱い珈琲を飲んだ。

土曜日午後の8時間余、往復4時間の北陸新幹線で行った
首都東京は4時間の滞在だったが、さして慌ただしくも無く、道
中を楽しめた。

長くなりました。

現実の人間よりも生き生きとしているジャコメッティの細い人。

2017年9月1日(金曜日)

アルベルト・ジャコメッティ展が国立新美術館で開催され
ていて、今月4日(月曜日)に終わる。
是非是非観たいと考えていたがチャンスが無かった。

昨日午後休診を捉えて12時58分上越妙高発はくたか
に飛び乗って出かけ、20:14着はくたかで帰ってきた。
慌ただしい行程だったが、長い憧れの実物を目の当たり
にして深い感銘を受けた。

広い最終室は大作3作品が待っていた。
わけても例の「歩く男Ⅰ」はあんなに細いのに、威厳と生
命力に満ち、大勢の来館者に囲まれながら溌剌として存
在し、かつ私たちを圧倒していた。
(何という事だろう、渾身の制作によって作者の魂が乗り
移るのだろうか!)

 

IMG_5626
歩く男Ⅰ(1960年制作)ほかチェースマンハッタン財団
の大作三体が置かれた最終室。
驚いた事にこだけフラッシュ無しの撮影が許されていて
誠にありがたかった!

ジャコメッティの作品は英米オークションの彫刻分野で
次々過去最高値を更新している。

人気作家となった後も、掘っ立て小屋の如き小さな家を
アトリエとして40年近く質素に暮らし、石膏まみれになっ
て作っては壊しをひたすら繰り返したジャコメッティ。

女性に人気があるのか、館内はかすかに甘い香水の香
が漂っている。
来館者は黙して歩くが、何か同士的な雰囲気が漂うのを
感じた。
難しい芸術論を越えて、ジャコメッティを愛している一点で
連帯しているのかもしれない。

機会があればもっと観てみたい。
ちなみにハロプロのリーダー和田彩花さんも同じコメント
をしている。
近時大きな展覧会で一部撮影が許可され始めたようであ
り、本当に良いことだと思う。

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