成長した樹下美術館の桜 愛は主要なキーワード「桜のレクイエム 塩崎貞夫展」

2018年4月6日(金曜日)

暖気のため例年よりも早く咲いた桜が、この数日の寒
気に逢い、満開のまましっかり花をとどめている。

1
ドカ雪の冬を越えて吹き出すように花を付けた美術館の
ソメイヨシノ。

 

2
その木の2011年、こんなに小さかった。

さて何度か記載している4月19日からの「桜のレクイ
ム 塩崎貞夫展」。
この数日、氏のどこか不思議な絵の理解について、少々
先へ考えが進みましたので、書いてみました。

樹下美術館の倉石隆と同様人物を多く描いている糸魚川
出身で東京で活躍された塩崎氏。

古来の肖像画ならばポートレートあるいはモニュメントな
ど記録性主体である一方、両氏の人物はそれとは違う。

さらに二人の間でも全く様子が異なり、倉石氏は個々個人
の内面に迫り、多様な感情と物語を個人のものから普遍へ
と包括し、そもそも私たちとは?の問いに挑戦したように
映る。

それに対して塩崎氏は同じ人物と取り組んでいる。
その人は花の下にあるいは土中や空に横たわる。

5
樹下午睡

余計なものが一切ない細い身体に唯一込められたもの。
それは感謝とともに育まれた一心な愛情ではないのか。

優しく撫でるように描かれた女性から、得に言われぬ
作者の愛おしみの気持ちが伝わる。
愛は塩崎氏の重要なキーワード?遅きに失したがハッ
とした。

氏はガブリエル・フォーレのレクイエムに強く触発され
たという。
普通重厚であるはずの分野にあって、そのレクイエムは
安らかで軽やか、あるいは清澄で愛らく幸福である。

4

3
麒麟山。

先に逝くつもりの画家が愛する人の究極の姿をどう願い、
どう描くか、先人や自分の魂は何処に眠り、どこに現れる
のか。

わずか十数点ですが、満開の桜、黙した山、そして岩積み
などの霊的な場所にも思いを馳せる「桜のレクイエム 塩崎
貞夫展」に期待している所です。

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