上田縞の暖簾。

2018年8月7日(火曜日)

100才をとうに越えられた女性は酷暑のなかうとうとし
ながら安定して過ごされている。
夏になってその部屋に架かった暖簾がとても良い。
上田縞(うえだじま)だと聞いています、とお嫁さんの返
事。

信州つむぎの中でも有力な上田で織られた縞の着物をほど
いて暖簾にした、という。寝ている方がかって着ていたも
のだった。

 

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黒っぽい地に大小の黄色の縞が大変に粋。
気持ち良くさらりとして、細身だった持ち主にはどれほど
似合っていたことだろう。
この方の趣味の良さや能力は、東京の奉公生活で培われ、
敬服に値するものだった。

織物を作る人着る人、共にかっての人は手間を惜しまな
かった。
およそ掛けた手間の分だけ明らかに良さが現れる。
品物の良さを理解し、受け手が大切に扱ったことまでちゃ
んと伝わる。

昔多くあったものが今しばしば特別な物に見える。
だが今多くあるもので将来特別になる事がどれだけあるだ
ろう。

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