去る日曜日の美術館巡り。

2018年11月27日(火曜日)

先週末土曜日に会食した旧友夫婦4人と、翌日日曜は美
術館を二つ回った。年一度の美術館散歩のような慣行に
なっている。
学生時代の友人夫婦と始まった一泊の会合は二十年近く
続いた。

さて今期東京の美術館といえば、フェルメール展とムンク
展だが、以前両者の展覧会を観ているのと、混雑が予想
されるためそれを外した。
替わりに今年初めて丸の内の三菱一号館美術館と上野の
東京国立博物館に決めた。

三菱一号館は、フィリップスコレクションだった。

アングル、コロー、ドラクロワ等19世紀の巨匠から、ク
ールベ、近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、印象
派以降の絵画を牽引したセザンヌ、ゴーガン、クレー、
ピカソ、ブラックの、絵画ほかムーアやジャコメッティら
の彫刻を含めて秀作75点が展覧されている。

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三菱一号館美術館、外観の一部。
展覧会は作家に偏りがなく、教科書を観ている如く観やす
く親しめた。

 

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庭は丸の内ブリックスクエアと一体化している。

 

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昼食後の銀座。

 

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ニッサンショールーム「NISSAN CROSSING」(ニッサン
クロッシング)で。マット調の塗装が非常にユニークな車。
独創的なコンセプトを描いたニッサンが大変なことになっ
ていて誠に残念だ。

昼食の後、マルセル・デュシャン展の東京国立博物館(ト
ーハク)へ行った。

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トーハク内に入る。高層ビルが無く歴史と教育・文化施設、
そして公園の上野は特別な場所。

現代美術が語られる時にまずその名が出るマルセル・デュ
シャン。
デュシャンは、今夏の樹下美術館を飾った掘川紀夫展で、し
ばしば同氏が話題にした現代美術の先駆的芸術家だ。

 

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そのデュシャンで必ず語られる作品〈泉〉。
便器を前後逆ににして寝かせて置いただけのもの。
たしかに苦悩の痕跡もなく、あっけらかんとしていて、し
かも不思議とチャーミングだ。
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同じくデュシャンと言えばこれ〈自転車の車輪〉。
白椅子に逆さまに設置されている。
二つの作品はレディーメードと範疇され、既製工業製品を
芸術視点で転用的に見立てるアートの先駆けとなった。
大量生産品の画一性とその完成度および認知度などがアイ
ディアの源だったのか。

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会場への否定か何らかの付加価値か。このような試みも今
日へとつながっていよう。

若きデュシャンが制作した絵画が沢山展示されていた。
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色彩形象とも上手いなあと思わせ、欲しくなるものが何点
もあった。

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かなり人を集めていた。

いたずら、茶目っ気、ユーモア、エスプリ、、、。
いずれにしても作品は、抜群の探求と発想そして美的セン
スのたまものであろう。
成功は即座に到達できるものではないことを思った。

ところでデュシャン展第二部は“デュシャンの向こうに日本
がみえる”だった。
迂闊な私は企画の意味を知らずに進み、普段絶対に接する
ことができない歴史的な利休の茶道具に見入った。
企画の意図は“ありきたりのものを見立てみる”を共通項と
して利休を観てもらうつもりだったようだ。
後でそれを知ったが、“利休は利休”、それで良いのではと思
った。

 

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千利休作、一重竹花入れ、銘〈園城寺〉。

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初代楽家、長治郎の黒楽茶碗、銘〈むかし咄(ばなし)〉。

それにしても撮影を許可しているこの美術館の太っ腹につ
くづく感心させられる。
しかしそのことがSNSなど介して大きな宣伝効果を生んでい
るのは間違い無い。
多くの若い人をはじめ想像以上の来場者に驚いた。

 

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本館前のユリノキの下で憩う人達。

最後に東京国立博物館にある洋画黎明の偉人黒田清輝の記
念館に入った。
習作と小品はみな良く、熱心な研究の足跡に接し感動した。

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昔語り、下絵〈草刈り娘〉

 

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〈雲〉。雲が好きな自分にとって、黒田清輝がそれを描い
ていたのはとても嬉しい。みな研究の一環だったのだろう。

 

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嵐。

予定の会場を全て観た後みなと別れた。
無事であればまた来年だ。
再び銀座に出て、若い作家のモダンな抹茶茶碗はないかと、
黒田陶苑へ寄った。
目指したものは無かったが、二階で古屋和也展を観た。
信楽の若い作家さんは伝統を理解し工夫し、センス良く器
を作っていた。
気に入った花入れがあったので求めた。
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去る日曜日の夕暮れの銀座。
日が暮れると“小さいが田舎の樹下美術館は気が効いていて
どこにも負けてない”と思った。

 

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黒田陶苑で求めた花入れに、本日マユミの枝と椿の蕾を
入れて茶室に掛けてみた。とても良い。

長々となりました。

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