社会・環境

霧の春日山 葛の問題。

2017年9月6日(水曜日)

午後、特養に出向いた後髙田に用件があって出かけた。
帰路、春日山の山並みが霧にけぶっている。
本日往診、在宅訪問ともなく春日山山麓へ足を伸ばした。

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春日山神社前の謙信公立像。

向こうに昨年7月の雨で崩落したカ所の復旧工事が進んでい
た。

 

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足許のモミジが色づき始めていた。

一帯はよく手入れされていて爽やかであるが、春日山神社の
杉の状態に胸が痛んだ。

 

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神社の杉に葛が覆い被さっている。
何匹ものモンスターが取りついて木をむさぼっているように
見える。

今日このような景観は平地、里山の至る所で目にする。
目に付きやすい道路脇や河川敷などの中低木がことごとく
むしばまれ、跡形も無く葛に取って変わられているのは本当
に無残なことだ。
私たちを囲むこのような風景の病は、人の生活習慣病と同
じようにすっかり日常化しているように思われる。

これらはしかし、歴史上かって無かった事実ではないだろう
か。
先人達が保全してきたさわやかな環境を、成長を自負する
現代の人間が病むに任せているのは、恥ずかしい事にちが
いない。

国、地域に有り余る課題があるのは分かる。
だがクズによる残酷な環境破壊を見慣れたものとして看過
するなら、人間の心の問題としても深刻な予感がする。

一日でも早く全面的な課題として具体的に挙がるよう、願わ
ずにはいられない。

本日終戦記念日に辛かったであろう先人を思う。

2017年8月15日(火曜日)

1
本日樹下美術館の庭

 

終戦記念日がお盆に重なるのは偶然とは思われ
ない因果を感じる。

残暑を迎えて終わった戦争、戦没者の霊魂はどん
な思いで実家に帰るのだろう。
自分の先祖のほかにその方達の胸の内を思うの
は自然な事のように感じられる。
先の大戦で200万人の軍人、兵士の死の痛ましさ
は消えない。

以前に書いたことがあったが、敗色濃くなる戦況で、
多くの兵は十分な武器もなく、立てないほど飢餓、
病にやせ衰え。援軍兵站は絶たれ孤立した。
栄養失調で横たわれば傷にウジ虫がたかり、最
後は敵の機関銃の前によろよろと出て打たれるか、
自死あるいは玉砕によって遠い南洋の島やジャン
グルで息絶えた。
父母兄弟、妻子、恩師に大切にされた若者や一家
の大黒柱たちの飢餓や病を中心とした不条理な死
は想像を超える数にのぼったという。

最後は兵に武器も食糧も与えず死なせる。
なぜもう少し兵(国民)を大切に出来なかったのだろ
う。
自分の身内にも無謀な突撃と拷問で亡くなった人が
いる。
捨てられた動物の如き死に際し、兵が母や妻子の
名を呼んだのは、薄れる意識の中でせめて人間
であったことの証を立てようとした衝動ではなかった
かと、思う。

今夜「全記録インパール作戦」が放映された。
当時を知る証言者はおしなべて90才半ばの超高
齢になっているが、核心に触れる言葉は明確だっ
た。
作戦指揮者に付いた若き部下が詳細に記録したノー
トをねつ造と指摘する者はいまい。
記録した当人が車椅子で生存していて、思い出した
くない、といいながら涙とともに絞り出した言葉は、
悲惨な敗戦に終わった戦争の根源を一言で言い表
すものとして深く胸に刺さった。

老いた記録者のシワの中のお顔は実直さが滲み、こ
のような人こそ美しい人なのではと思った。
歴史の生きた証言がぎりぎり間に合った、渾身のド
キュメンタリーだった。

終わった戦争を肯定したり美化する人が少なくない。
昨今誰を信じ親交すればいいのかわからなくなる。
最近になって言説よりも、その人の豊かな感性や繊
細さなど、人柄の良さが大切ではないかと思うように
なった。
誰も戦争は好きではないと言うが、どこかに暴力性や
傲慢さを秘めた人に出合うとやはり不安になる。

 

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本日ベンチでワンちゃんと一緒に過ごされた皆さん。

 

3
優雅なアマガエルがいました。

 

 

いまだに恐ろしい3・11 茶の稽古。

2017年3月12日(日曜日)

本日3月11日、東北大震災から6年が経った。
当時拙個展「花の命を描く」が新潟市の知足
美術館で開催中だった。
40日という長い会期のほぼ中間点という日、上
越市の自宅でユサユサユサと長い揺れに襲わ
れた。

その名称が決まるのに数日要した記憶がある
が、未曾有の大震災が東北太平洋沿岸に起こ
った。

仙台市と南三陸町に弟をはじめ3組の縁者がい
て、音信の無い弟などは駄目ではないかと思った
時期があった。
幸運にも皆無事だと分かったが、大混乱の交
通事情を縫うように現地を訪ねた妻は、涙が止
まらなかったと言った。

私は個展どころではなくなった。

同時に発生した原発事故はいまだ12万人の住
民の故郷を奪ったままだ。収束(廃炉)には60
年も掛かるという異常な世界であることも知った。

大勢の人が故郷を失うことや、子孫へ経験則の
無いリスクと負担を強いる残酷さを何とも思わな
い人々がいる事も、地震と同様不気味で恐ろし
い。

170311月齢12
今夕茶の稽古の帰り道の月。

本日午後、茶道師範のお宅へ伺いお点前の指導
を受けた。
課題を解決して頂き、気づかなかった諸点をことご
とく直して頂いた。
茶道の地力を知らされ、歩む気持ちを与えて頂き有
り難かった。

墨絵風の大潟水と森公園 松枯れ 朝日池の水鳥。

2017年1月8日(日曜日)

本日日曜日も暖かく、風雨なく静かな日中、県立大潟水と森公園
を歩いた。

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↑暮れていく鵜の池と妙高連山、間もなく午後4時の頃。

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↑黄昏時は墨絵時。

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↑湖沼の中を古墳まで行くのは軽やかな赤松の道だった。
それがこの一両年松枯れを起こして急変した。

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↑上掲の左側で新たに伐採された枯れ松。
松枯れは全国で何十年、延々と続いている。
環境の長いテーマであり、樹下美術館の隣接地もあっと言う間
にやられた。
私はあきらめないでここに松苗、出来れば同園に実生から生え
ている自生の苗を植えたら良いと思う。自生苗は強いし、松は育
ちが早く、来園者が成長を見るのは楽しいことでもある。
罹患は主に成木なのでそれまでの間に進んだ予防措置や対策
法が見つかる可能性もあろう”

それにしても最先端の癌医療をリードし、科学部門で多数のノー
ベル賞受賞者を輩出するわがサイエンス国家が松枯れ病のな
すがままにされているのは、どういうことだろう。

その公園内の道中、隣の朝日池方面から盛んに雁や白鳥の鳴
き声が聞こえてきた。
水鳥の朝日池は近く、ねぐら入りを見るべく急いで向かった。

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↑普段この辺りは風が当たらすカモが沢山居る場所だが、本日は白
鳥(主にコハクチョウの様子)がいる。

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空が埋まるほど、次々に飛来した雁(マガン、ヒシクイ双方かと
思われますが区別が付きません。ねぐらは林の裏側にある入り
江のような所と思われます)。下方の白い部分が白鳥。
コウコウと鳴く白鳥、キュルルという雁、寒い空に響く喜びの声に
は心癒やされる。

何年ぶりかで見たねぐら入りは壮観だった。いつかもっと素晴らし
い光景を見てみたい。

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↑本日暮れる大潟水と森公園公園の広場。
すっかり暮れているのに犬を散歩させる人達が立ち話をしていた。

鳥インフルエンザの感染経路。

2016年12月6日(火曜日)

この度の新潟県における鳥インフルエンザで上
越市と関川村で合計54万羽の鶏が処分された。
具体的な方法は分からないが、炭酸ガスを用
いて死亡させるようだ。
不慣れであっただろう処分に当たった職員は“申
しわけ無いが収束のため涙を飲んで行った”と述
べている。
濃厚なウイルス環境下の不眠不休の作業は、恐
れと疲労の極みだったにちがいない。

ところで一旦始まると直ちに何十何百羽と死亡す
る鳥インフルエンザだが、ウイルスがどのように鶏
舎に侵入したのか不思議である。

ウイルスを保有しながら発症せずに飛来する水
鳥は稀ではないと考えられるが、それらが直接
鶏舎に接触するとは考えにくく、何らかの動物が
媒介している可能性を否定出来ない。

小鳥、カラス、猫、ネズミ、タヌキやイノシシ、昆虫、
人etc。
ところで本日のニュースはいずれの鶏小屋にもス
ズメなどが出入り出来る網のほつれや隙間があっ
たと報じていた。
外部からの小動物は案外容易に鶏舎に出入りで
きたらしい。
それを聞いて今年の4月末に見た、近郷のある鴨
小屋の光景が蘇った。

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↑16年4月29日、網の隙間から鴨小屋に出入り
する雀。

何十羽のスズメが鴨小屋の網にある隙間から
出入りしていた。
中の餌を求めての事だと思われるが、スズメは
こんな所でも餌をあさっていたのか、と感心して
見た。

そしてこの度の当地養鶏場における鳥インフルエ
ンザ発症。
スズメが?まさかとは思うが、2004年国内で多
発した鳥インフルエンザの際、研究のため多くの
鳥を用いてウイルスを実験的に感染させ、感受性
をみている。
さまざまな鳥のなかでスズメは多く死亡し、鳥イ
ンフルエンザウイルスへの感受性が高い鳥類と
推測されていた。

150233雀の群
2016年2月24日の水溜まりに集まったスズメ。

たまたま今年2月、上掲のように道路の水
溜まりに群がるスズメを見た。
厳しい冬を越せず多くの仲間が亡くなって
いる時期に、この群は強い、あるいは幸運な
個体の集まりだと思い、寒中の水浴びや吸
水に見とれた。

ところで水1000リットルに濃厚感染してい
る鴨類の糞を溶かすと、1ミリリットル中に数
百個のウイルス濃度になるという。
上記の写真の水溜まりにそのような糞があ
れば雀たちに感染が成立する可能性が出て
くる。

ところで感染に弱いスズメのこと、果たしてこ
のたびの出来事で、例年以上に多くの死亡
が確認され、しかもウイルスが分離されてい
るのだろうか、是非知りたいところだ。
一方、以前の鳥インフルエンザの大発生で
ウイルスが分離されたハシブトカラスが多数
死亡していたという知見もある。
カラスもまた養鶏場によく集まることで知られ
ている。

スズメやカラスのほかにもウイルスの媒介
が可能な動物は多く存在しそうである。
私の拙い知識ではもうこの先へ進めない。
冬は留鳥以外に沢山の小鳥が訪れる。
スズメの写真を掲げたが考え方の一例とし
て挙げさせていただいた。
私の大好きな雀に言われ無きことがらが課
せられないことを祈っている。

このたび鶏舎への鳥類や動物の侵入が可能
なことが分かったが、おそらく以前から指摘さ
れていたことだろう。
防疫は重要である。
これで終わりとせず感染経路の詳細な解明
が待たれる。
そして鶏と野鳥と私たちの健康のためにも、
飼育環境が改善されることを願わずにはいられ
ない。

新潟県知事選挙が終わった。

2016年10月16日(日曜日)

新潟県知事選挙の結果が出た。
NHKの出口調査は得票予測のほか原発再稼働
の賛否も問うていた。

反対が73%、賛成27%。
圧倒的な県民が原発に反対であり、同じ動向は
新聞調査などにも見られていた。

有権者の意識が選挙結果にそのまま反映されると
は限らないが、この度はまず一致した。
珍しいことであり、原発の負の側面を如何に県民
が深刻に受け止めているかを物語るものだった。

勝ち敗けを別にして、今後はポスト原発を価値あ
るイノベーションとして挙げ、同時に社会が静か
で着実なパラダイムシフトへと向かうことに希望を
繋ぎ、ささやかな仕事の維持に努めたい。

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投票を終えて見た本日の空。

 

 

頂いたギンナンが混ぜご飯に 原発と県知事選。

2016年10月15日(土曜日)

雲を見ることもなく晴れわたった土曜日だった。
本日殆どのお客様が男性だった、と聞いた。
美術館に、カフェに男性、きっと様になっていたことでし
ょう。

明日日曜日は当館には珍しく50名近く団体さんの予約
が入っている。
半数ずつ一時間を置いて来館され、作品鑑賞のあとカフェ
に入られるということ。
絵画ホールに8名様用のテーブルを出してお茶のサービ
スをする予定。

1
↑美術館裏手の農道。草がセーターに着替えたようだ。

2
↑その路傍でひときわ明るく咲いているミソソバ。
小さなお菓子のようだ。

3
↑日暮れ時、庭の落ち葉を掃き終えると大きな月が明るい。
明日が満月らしい。

4
↑昨夜頂き、妻が剥いていたギンナンが混ぜご飯になった。
頂いた生姜は味噌漬けになって向こうに、恥ずかしながら
左はスズキのムニエル、汁椀は鶏肉とカブのすまし汁で
した。

さて明日は新潟県知事選挙の投票日。
知事おろしと新聞の同調、終盤に於ける知事を巡る不可
解な動勢、心ない中傷、、、今夜の澄んだ月と反対に選
挙は汚濁の印象を深めた。

最大イシューと考えている原発は、一旦ことが起これば
広大な周辺地域で故郷を捨てさせる底知れぬ破壊力を
有している。

軽々に安全の担保を言うほど、原発の恐ろしさへの無理
解が露呈する。

事故に備えてヨウ素剤を手許に置かなければならない生
活など歴史的暗黒であり、事あれば離郷の止む無きなど、
何と無慈悲な施策であろう。

40年間真面目に納税してきた結果がこれだとは、涙が出
てくる。

もともと新潟県は穏やかで海山川田園に恵まれ、創造的
工芸、技術の盛んな県だった。
人々が安心して励み暮らせ、喜んで人が集まる県であるこ
とを心から祈り願っている。

昔の秋今の秋 ほおずきの鉢 突然の知事選撤退。

2016年8月31日(水曜日)

秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる

読み人藤原敏行の時代(平安時代)の
暦(旧歴)は今の新暦よりもおよそ一ヶ
月前(早く)に相当している。

つまり秋は現代の8月には始まっている
ことになり、昔人はかすかに秋が来た
ことを、その頃の風の音で感じる、と歌っ
ている。
台風シーズンの始まる頃であり、風の
音はその予兆を指していたのだろう。

これが樹下美術館であれば、8月頃から
庭は花が減り、やつれを見せるようにな
る。
昔の人は暑い盛りのそんな眺めも「秋」と
と認識した。

良くしたもので、昔から見れば一月遅れだ
が、今日8月31日に、「ああ明日から秋か、
それにしても暑いなあ」などと自然に思うよ
うになるのが人間の便利なところだ。

160831秋きむと、、
↑今月初め近くの「コメリ」で求めたほおずき。
樹下美術館のほおずきはこんなに沢山実を
つけることは無い。
もっと涼しくなったら鉢から庭へ移したい。

ちなみに浅草寺のほおずき市のはとても立
派な鉢らしい。
一度見に行って一鉢買っみたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで10月の新潟県知事選挙に出馬を
表明していた泉田知事が昨日突然それを
取り下げて撤退した。

原発再稼働に慎重な知事から整然とした
論理と生活者目線が伝わり、大変だろうが
このまま頑張って欲しいと期待していた

翻意には新聞社を巻き込む大きな力が働
いたと想像され、原発に潜む底知れぬ暗
黒をあらためて知らされる思いがした。

知事とは医療や個人的なことで
数回立ち話をしたことがあり、
親しみを覚えていたので余計に残念だ。

アオスジアゲハのブルー 昆虫の無個性。

2016年8月24日(水曜日)

かなり涼しかった午前、それでも午後次第に暑さが
戻った一日。
その午後の外出の際、私道でアオスジアゲハが羽ば
たいては路上に降り、また羽ばたいていた。

わずかな水たまりを探しているようだった。
この蝶をちゃんと写したことがなく、本日何度も路上に止
まってくれたので撮れた。

アオスジアゲハ
飛ぶとブルーがより華やかに見えるが、撮るのは難しい。

個性が見当たらないのにみな満足しているように見える。
幸福か否かを別にしてこの一点は昆虫に敵わない。

花鳥は死して害なるものを一切残さない。
人間は有害の極みである核燃料
を放置的に残す。
私は共犯者みたいなものですから、
恥ずかしくも悲しい罪悪を感じるのです。

強風の憲法記念日。

2016年5月3日(火曜日)

5月3日は憲法記念日の祝日。
貴重な記念日だったが当地は瞬間風速20メートルを越す強風
に見舞われた。
しかも南寄りの風だったので草花はおろか植えられたばかりの
作物の苗にも最悪だった。
一部の草花はぐったりしてしまい、明日雨降りの予報ながら散
水した。

田植え後の水田が強風に見舞われると植えた稻が浮いてくるら
しい。
当地は田起こしが始まったところだったので難を逃れたと思う。

 

160503悪風の日
↑本日強風の美術館裏の田んぼ。

ところで本日来館されたご家族が憲法の話をされた。
以前は改憲止む無しの方だったが本日はこのままで良い趣旨を
述べられた。

このままで良しは私もその一人。
憲法が発布された昭和22年の自分は6才だった。
暗く貧しい時代、発布が周囲にもたらした「明るさ」と「希望」の感
覚は子供心も打ち、今日まで脳髄に染みこんでいる。

一部不満の人はあったことはうなずけるが、多くは新憲法に奮い
立たされ、働き、家族を支えたように思う。

厳しい人生で個人が豊かで良い子が育つ国へ。
憲法には真の幸福を反映する唯一無二の絶対価値が漂っている。
これ以上無い最上位の国の規範(理念)でありほかに何をか望もう。

あらためて「負けるが勝ち」という言葉と膨大な戦争犠牲者の方々
が思い出される。
憲法、なかんずく第九条は米国よりも、この方達によってもたらさ
れた尊い魂の遺産ではないのだろうか。

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強風の庭に一輪香りたつ 花は牡丹かはた憲法

2017年10月
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