美術・音楽・学芸

後藤丹先生の退官記念コンサートとお別れ会。

2017年12月9日(土曜日)

本日午後上越教育大学・後藤丹教授の退官記念コ
ンサートが同学講堂であった。満員の大きなホール
の熱気は先生と上越市民の長く濃い交流を如実に
物語っていた。

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コンサートが近づくと構内の芝生に陽が射してきた。

先生は芸術系(音楽コース)の講座と研究室を受け
持ち、主宰されていらっしゃる。
1985年助手で着任され、2003年以後今日まで
教授を勤められた。
音楽理論、音楽分析を研究テーマとされ、作編曲を
数多く手がけられ、全国に向けられた全音楽譜出版
社からの譜面は幾多もある。
9校もの校歌、上越市の市民歌の作曲、あるいは講
演に演奏指導など地域貢献も枚挙にいとまがない。
後年、明治大正期の唱歌の研究に取り組まれた際、
「夏は来ぬ」などの作曲者で音楽教育黎明期の音楽
家小山作之助が不肖小生の大叔父に当たるためお
付き合いして下さった。

本日は門下の大学院生たちが企画し、先生ゆかりの
音楽家と院生そして教授が大勢出演され、プログラム
は全て先生が手がけられた曲目で構成されていた。
曲は、はにかみを交えて楽しく簡潔にご本人が説明さ
れた。

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先生の音楽の多くは長調で書かれ、繊細かつ詩的だ。
だがこのような手法で幅広く音の詩を完結させるのは
容易でないが、先生が敢えて選んだ王道ではないだろ
うか。安易なアイディアに妥協せず、表情ある和声と
洗練されたメロディラインが織りなす叙情は印象的で
心に響く。
また谷川俊太郎、杉みき子両氏の澄んだ詩情と先生
の音楽の相性の良さの説明は分かりやすかった。

ピアノ曲集「高原の町から(仮題)」では、当館のテー
マに欲しい曲目がちりばめられ、後半で演奏されたG・
ガーシュインの「Someone To Watch Over Me」はジ
ャズに親しんだ者に心地良かった。
そして福井大学教授の高木裕美先生のピアノ「三国節幻
想曲(福井民謡から)」と「〈大きな古時計〉によるバ
ラード」の格調に接することが出来たのは幸運だった。

 


ローズマリー・クルーニーの「Someone To Watch
Over Me(誰かが私をみつめている)」

休憩をはさんで2時間半のコンサートは多彩で丁寧、と
ても楽しかった。

終えてやすねに於いてお別れ会があった。
まさか小生が最初の挨拶をするとは、皆様にご迷惑だっ
た事であろう。
パーティーは教授、生徒諸氏の引きも切らぬ演奏で盛り
上がった。

 

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最後に2本のリコーダーを吹かれる先生。このたびは
アルトとソプラノ同時の驚異的演奏。音楽の骨頂であ
るエンターテイメント性の体現に、教える人としての深
い愛情が伝わる。先生の立派なピアノ伴奏も聞いたこ
とがあり、名演でした。

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皆様の音楽への豊かな心ざしに身を浸し、一足早い
クリスマスでもあり、心ゆくまで楽しませて頂いた。

今後さらに広い境地と新たな可能性に向かわれる先生の
ご健康とご幸運を心からお祈りした。願わくばどうかま
た上越に何度もお出でください。

 

長くなりました。

去る土曜日午後に迷い込んだ行幸通りの地下通路。

2017年12月5日(火曜日)

去る土曜日の上京の際、東京駅中央口からタクシーに乗るため
南口の乗り場を目指した。
ところが地下鉄利用者の流れに入り地下へ降りてしまった。先
で表に出ようと短いエスカレーターに乗ったはいいが、今度は
突然広い地下通路に出た。

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雑踏からしーんとした世界へ迷い込み、出口を探したが中々見つ
からない。
通路の壁面には古いポスターらしいものが沢山並んでいた。中に
ジャン・ギャバンの文字があったので映画であろうと分かったもの
の、実際に見た事が無いものばかりだった。
位置方角、時間とも曖昧となり、奇妙な場所を通過することになっ
た。

 

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おぼつかない心で居る私と妻に異国のボスターが一生懸命に
訴えてくる。確かに手書きのポスターはそれぞれ個性と味わい
があり、下段のは写真のコラージュ。
如何に眼を止めてもらうか、時代を超えて製作の苦労と楽しさ
が滲む。映画に詳しい人ならもっと興味深かったことだろう。

 

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数百メートル歩き階段をのぼるとガラスの向こうに街と人。

 

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出た通りの正面は皇居だった。
南口タクシー乗り場に行くつもりが晴れ晴れしたイチョウ並木の
大通りへと出た。通りの先でタクシーを拾った。

 

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ホテルに着いて部屋を案内してくれたボーイさんに上掲の通路
の写真を見てもらい、
「こんなところを歩いて来たのですが、何処だったのでしょうか」
と尋ねた。
「えー、何処でしょう、誰もいないじゃないですか」と仰った。

家に帰って調べてみると「行幸通り地下通路」へ入り、「地下スク
エアーギャラリー」で「東京国立近代美術館フィルムセンター所
蔵映画ポスター名品選」を眺めたらしいことが分かった。
行幸通りの賑わいは「皇居乾通りの秋」を楽しんだ人々のようだ
った。

東京は色々な意味で不思議で夢多き都だ。

蓄音機を聴く会の4回目を終えて。

2017年11月25日(土曜日)

樹下美術館秋のささやかなイベント、蓄音機を聴く会が
今夜終わった。

前半をペギー・リーの歌でローマの秋など古いポップス
を後半はプリム・ローズのヴィオラでアヴェ・マリアなど
クラシックのレコードを聴いた。

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開演を待っている蓄音機。

 

樹下美術館の音響、特に陶芸ホールは蓄音機をとても良
く鳴らし、そこに人が居るように歌う。
電気なき音源は、誰もが時代を超えて持ち会わせる過ぎし
良き日のエッセンスをまざまざと蘇らせてくれる。
そのような感覚と体験は今日という日を癒やし、明日への
希望へつなげる力を有している。
これは蓄音機の良さであり、作曲家と演奏者およびかって
の聴衆の力、言うなれば「時代の力」ではないのかと思わず
にはいられない。

 

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暮れていく今夕のふる里。

ご来場の皆様、有り難うございました。
また来年、良い季節に行いたいと思いました。

予報よりも良かったお天気 ローラ・フィジーのFly Me To The Moon。

2017年11月17日(金曜日)

本日午前の雨模様の予報→曇り、午後曇り予報→晴れと
なり良い方へと外れ、風も無く穏やかな一日となった。

 

171117樹下美術館の紅葉
本日午後、樹下美術館の西側から見た紅葉。ドウダンツツジ
とヒメシャラとモミジが赤くなっている。

明日午後から雨となり、日曜、月曜は寒気が降りてきて荒れ
模様、山沿いは雪だということ。しばらく晴れ間は遠ざかる
らしい。


Laura Fygi 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

悪天に傾く時節、月夜は遠くなり、せめてローラの歌でも、と
いうことでYouTubeからお借りしました。

ピンク系のシーグラスの旅とは サブリーユの食事とピアノ。

2017年11月3日(金曜日)

本日は、文化の日にふさわしく爽やかに晴れた(かって非常
に冷たい雨が降ったこともあったが、、、)。

お天気に誘われて(いつものように、、、)柿崎海岸を歩いた。
何度も歩いている海岸で初めてピンク系のシーグラスに出合
った。

 

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初めて見たピンク色のものが、わずか1メートル先にもうひとつあ
った。

海中のガラス片の角が取れ、丸みを帯びるのにどのくらい時間が
掛かかるものなのか、正直分からない。
二つのグラスの器なりが同じものだったなら、どこか遠い所から出
て互いに広大な海底をさまよい(もしかしたらつかず離れずくっつい
て)、今日砂浜に打ち上げられ、偶々私が双方を拾い上げた、、、。
これは一種奇跡ではなかろうか、と空想した。

(ことのついでですが、似たような緑色のものがすぐ近くにあったり、
角が取れた石炭があるカ所に沢山打ち上げられていたり、同じ場
所に同型の砂利が連なっていたりする事がよくあります)

そんな日の夕食を大潟区はサブリーユで、山形県からのご一家と
一緒した。

 

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楽しく美味しく健康的な品が続いた。
皆様はとても優しくて良い方達であり、お礼を申し上げたい。

 

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レストランでご一家の大学生がショパンとドビュッシーを弾いて下
さった。
下宿のためもう二年も弾いていないと仰ったが、流麗で詩情込め
られたった演奏は心に響き、窓外の月光にまで思いを馳せた。
同席した小学生の歓喜の顔も忘れられない。

 

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これからも出来るだけ体に気を付けて生きなければと思った。

カフェの蓄音機でリパッティのピアノはグリークの協奏曲 道ばたの雑草の穂。

2017年10月19日(木曜日)

本日昼音楽好きのお客様がカフェに集まり、食事の後、
お茶を飲みながらA氏が持参されたSPレコードを聴いた。

氏お気に入りのピアニスト、リパッティのピアノで、グリー
クの協奏曲イ短調作品16番、第1楽章を最初に聴いた。
オーケストラはフィルハモニア管弦楽団。
録音法が進んだ1940年代の盤と推定され、切れ味良
い音だった。
短調だが大らかに始まるメロディが秋のカフェを満たし
た。

 

SP盤は片面3分半~4分弱であるため15分余の第1楽
章を聴くのに合計5回だったか、盤をひっくり返し、また次
を乗せた。

盤面を変える毎にクランクを回して回転力を貯える。
往時、たとえ楽章の途中でも立ち上がり、盤を変える動作
は至極自然。
その都度次への期待を胸に動作を繰り返したにちがいな
い。
本日お手伝いをしながら、そのような気持ちになった。

 

蓄音機
本棚のラファエロの聖母子も聴いている風だった。
本日所用のため中座したが、同じくリパッティのピアノでシュ
ーマンの協奏曲も用意されていた。

グリーク同様シューマンも短調ということ。
秋は短調、後ろ髪を引かれる思いでカフェを出た。

11月25日の「SPレコードを聴く会」には本日の協奏曲のどれ
かが掛かることだろう、とても楽しみだ。

 

さて昨日のこと、訪問先の道沿いにふわふわとした草の穂が
揺れていた。
わずかに赤い色を含み軽々とした様子に眼を止めた。

 

171018長崎のスズメガヤ
軽やかにゆれる穂。

調べてみるとスズメガヤに類する草のようだ。
この仲間にはニワホコリ、コヌカグサなどふわふわした名の
ものがみられて面白い。
穂が垂れている様子から、見たものはシナダレスズメガヤと
かもしれない。
これだとすると、河川や道路の土留めとして植えられたものが、
拡散して雑草化したと考えられている。
根が深く大きくて、処理は厄介らしい。

庭の雑草でも根が大きく張り、引き抜きが面倒なものがある。
それらを抜くと、根とともにごっそり土も抜き上がられ、もったい
ない思いをしなければならない。
スコップで叩いてもしっかり土を抱いているのでとても困る。

それにしても「ニワホコリ」とは。

新潟市でロンドンフィルと辻井伸行さんの演奏を聴いた。

2017年10月10日(火曜日)

昨日体育の日の祝日、新潟市でロンドン・フィルハーモニー管弦
楽団とピアニスト辻井伸行さんのコンサートがあり聴きに行った。

ほどよい雲と晴れ間の多かった日中はむし暑かった。
新潟市で万代橋を過ぎるころから、会場へ向かう左車線は著しく
渋滞した。
会場の駐車を諦め、反対の街中に折れて有料駐車駐車場を探
して停め、徒歩で行った。

春に高額で予約したのは前から二列目の真ん中という席で、本
当の所良いやら悪いやら。
とにかく大編成のオーケストラがほぼ180度の広角で広がり、音
との真っ向勝負の雰囲気だった。

 

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向こうに会場のりゅうとぴあが見える。
国立新美術館にどことなく雰囲気が似ている。

 

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フル編成のロンドンフィル、指揮者は07年から主席指揮者を務
めているウラディミール・ユロフスキ氏。
一曲目はニュルンベルクのマイスタージンガー、第1幕への前奏
曲だった。
目の前のオーケストラは鳴りに鳴り、歌いに歌い、圧巻だった。

 

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二度目の辻井氏。2,5㍍くらい直近距離で聞く事が出来た。
ピアノに座った辻井さんは素早く右手で最高音部を確かめ、
中音部に手を構えて演奏に臨んだ。
大音量の一曲目のせいで間近かなのに、ピアノの音が小さ
く感じられる。(ステージより低い場所のせいか?)
協奏曲のオーケストラは音を絞り目にしてソロ奏者と調和
を図るのであろう、間もなくピアノが力強く響きはじめ辻井さ
んは佳境に入っていった。
馴染みの曲を初めて聴くような気持ちにさせる演奏に深く感
銘を受けた。

最後の曲はチャイコフスキー「交響曲第5番」だった。
もの悲しくも美しいテーマが心に響く。
第四楽章ではそのテーマが長調に変り、運命の呪縛を振り
切って高らかに終わった。

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辻さんのアンコールはショパン「別れの曲」、オーケストラはチャイ
コフスキー、オペラ「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズだった。

 

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演奏後のホワイエにあふれる人。

 

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終了後、承諾を得て撮った会場。
赤と黒、そしてベージュの大空間は居るだけで心がインスパイア
される芸術作品。

普段一人の海を楽しい、などと言っているものぐさな自分にとって
往復3時間の運転と2000人の聴衆とフルオーケストラによる二曲
のチャイコフスキー、そして辻井さんの渾身のピアノは強力な心身
洗浄作用を有していた。

昨日土曜日午後は二回目のジャコメッティを観た4時間の東京旅行。

2017年9月3日(日曜日)

一昨日9月1日、国立新美術館へジャコメッティ展を
観に行ったことを書かせていただいた。
一人で行ったがとても良かったので妻に話すと、行っ
てみたいという。
近づいた9月4日の終了と、忙しい妻の日程を考えれ
ば昨日土曜午後しかなく、急遽前回と同じ北陸新幹
線で一緒に上京した。
東京での余裕をみて帰りは一時間遅い電車にした。

開催期間最終の週末とあって、会場は混雑していた。

入場してすぐ一体の細い女性立像「レオーニ」によっ
て迎えられる。二回目ながら観るなり笑みが浮かび、
高ぶりを覚える。

古典主義と印象派の作品展示が素早く終わると、キュ
ビズムからシュルレアリズムへ、確固として時代通過
すると独自に花開いていくジャコメッティの過程が分か
りやすく示される。

苦悩から生え出たような細い大小の人物が林立する
広場シリーズ、9体の細い女性立像が三角形を作って
堂々と居並ぶ並ぶ「ヴェネツィアの女Ⅰ~Ⅸ」など、や
はり圧巻である。

そしてマッチ箱に入れて持ち歩いたという極小の作品。
愛すべき作者の人柄が偲ばれて誠に微笑ましい。
(本人は苦しんで作ったのですが、何故か観ると自然に
可笑しみが湧くのです)

 

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千秋楽が近づいて来場者は一昨日よりも遙かに多い。
大勢の人を前に、ますます元気だった「歩く男」。

見終わり、晴れ晴れとして出ると台風去った爽快な大気。
正面の六本木ヒルズに行ってみよう、ということになった。

 

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白い雲を背景に美しい初秋のビル。

 

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途中で在宅訪問中のクリニックの車に出合った。
南青山の八木クリニックのスタッフが六本木で仕事中だった。
東京は人口稠密なうえ駐車に難渋しよう、そのため訪問専門
の運転手さんが付いていて、診療中の医師とスタッフを待って
いる。
土曜午後、都会のど真ん中で熱心に診て回られる同業の皆
様に胸熱くなり、強いシンパシーを覚えた。

 

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ヒルズの前庭に咲いていたうリュウノヒゲヤブランの薄紫が爽や
かだった。

 

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おのぼりさんよろしく、初めての展望台は地上52階で250㍍、
360度の眺め。
今夏東京は歴史的な降雨に見舞われたという。
初秋の午後の日射しのなか、雨に洗われた壮大な街がいっそ
う美しい陰影をもって佇んでいた。

 

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北の方面だろうか、さきほどまで居た美術館が見える。
こんな風に全体を見るのは初めてだが、とても良い。
樹下美術館はこの何百分の一、あるいは何千分の一の大き
にちがいない。

 

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ビルを一周する展望台の一角に少し静かな場所があった。
モダンな各部のなかで、ここは1950~60年代の映画の場
面を彷彿とさせる。

たまたま流れていた「テイクファイブ」の音色が、短い時間だ
ったが心地良く当時の気分へといざなってくれた。
1960年代前半はジャコメッティ晩年の活躍の時代に相当し
ている。


デイヴ・ブルーベックカルテットによる「テイクファイブ」。

 

 

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タワー前にあるメトロハットは地下鉄六本木駅の入り口。
何とも大胆な派手さでタペストリー(巨大ポスター?)が囲んで
いた。中央黄色の矢印は人物。

地下鉄で日比谷駅に降り、丸の内仲通りを歩いた。
この並木道は本当に静かできれいだ。

 

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仲通りを歩いて東京駅に着いたが時間があったのでステー
ションホテルでお茶をのんだ。
ハープを弾く女性の近くに座り、本日のケーキの中から手前
のイチジクのタルトを選んで分け、熱い珈琲を飲んだ。

土曜日午後の8時間余、往復4時間の北陸新幹線で行った
首都東京は4時間の滞在だったが、さして慌ただしくも無く、道
中を楽しめた。

長くなりました。

現実の人間よりも生き生きとしているジャコメッティの細い人。

2017年9月1日(金曜日)

アルベルト・ジャコメッティ展が国立新美術館で開催され
ていて、今月4日(月曜日)に終わる。
是非是非観たいと考えていたがチャンスが無かった。

昨日午後休診を捉えて12時58分上越妙高発はくたか
に飛び乗って出かけ、20:14着はくたかで帰ってきた。
慌ただしい行程だったが、長い憧れの実物を目の当たり
にして深い感銘を受けた。

広い最終室は大作3作品が待っていた。
わけても例の「歩く男Ⅰ」はあんなに細いのに、威厳と生
命力に満ち、大勢の来館者に囲まれながら溌剌として存
在し、かつ私たちを圧倒していた。
(何という事だろう、渾身の制作によって作者の魂が乗り
移るのだろうか!)

 

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歩く男Ⅰ(1960年制作)ほかチェースマンハッタン財団
の大作三体が置かれた最終室。
驚いた事にこだけフラッシュ無しの撮影が許されていて
誠にありがたかった!

ジャコメッティの作品は英米オークションの彫刻分野で
次々過去最高値を更新している。

人気作家となった後も、掘っ立て小屋の如き小さな家を
アトリエとして40年近く質素に暮らし、石膏まみれになっ
て作っては壊しをひたすら繰り返したジャコメッティ。

女性に人気があるのか、館内はかすかに甘い香水の香
が漂っている。
来館者は黙して歩くが、何か同士的な雰囲気が漂うのを
感じた。
難しい芸術論を越えて、ジャコメッティを愛している一点で
連帯しているのかもしれない。

機会があればもっと観てみたい。
ちなみにハロプロのリーダー和田彩花さんも同じコメント
をしている。
近時大きな展覧会で一部撮影が許可され始めたようであ
り、本当に良いことだと思う。

ブルック・ベントンの雨の歌。

2017年8月22日(火曜日)

いっときの晴れ間もあったが時に激しく雷も交えて降った日。
今夏はよく降るので家庭の畑をしている方達は諦め顔で、
仕方がないから秋の仕度をはじめました、と仰る人もいた。

いつか過去にはもっと降り、文字どおり梅雨のまま夏が終わ
ったような年があったやに思う。
9月になれば秋雨前線云々と、また雨が話題になろう。
たとえは悪いが、これは便秘などと同じように天地の「都合」
だからどうしょうも無い。

雨と言えばR&B、「One Rainy Night In Georgia」が浮かぶ。

 


ブルック・ベントンの「ワン・レイニー・ナイト・イン・ジョージア」
世界中で雨が降っているような夜だ、と歌われる失恋の歌。

1970年に発表された曲だというが、自分がレコードを買って
聴いたのは1980年代初め頃だった。
何かと辛いことがあった時期で、彼の歌を聴くと慰められた。

辛さから必死で脱却を試みる日々で、ふと慰められる歌と出合
う事があるのは、多くの人が経験しているのではないだろうか。
それが明るい調子でなく、暗く悲しい歌であることも。

ブルース調の上掲の歌の最後は、
〝孤独を経験したことがありますか、孤独な男の世界では
何処も雨が降っているように感じるはずです〟と歌われている。

 

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聴くアンプは無くなったがレコードだけ手許にある。

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