館長の絵

私が描いたエビヅルはヤマブドウだったのか。

2017年10月12日(木曜日)

去る10月4日、上越市大潟区は高速道路沿いの小道のノブ
ドウのことを書かせて頂きました。

同じ時期、大潟スマートインターの付近で野性のブドウが実
をつけていました。
黒に近い深い色の実は、むかし描いた「エビヅル」を思い出さ
せました。

 

1
エビヅル

 

2
拙作「竹にからむエビヅル」A3相当サイズ、2001年11月終了。

自分で言うのも変ですが、この絵はそれまでで最も精密的に描
くことが出来た作品でした。
2002年に初めて作品展をした際、50余点を出品し、20数点に
に値を付けて売り絵とし、残りを非売品としました。
特に思い入れが深く、手許に置いておきたいものを非売にした
わけです。
売り絵はB5~A3で5000円から15000円くらいだったと思いま
すが、初日午前中で大方売れました。

「竹にからむエビヅル」は特に精魂込めた成果を感じていました
ので非売品の筆頭くらいに考えていました。

 

3
右上の葉の部分。宜しければ拡大してみてください。

 

 

5
竹笹に絡んでいる部分。
患者さんから頂いたエビヅルは一本の笹にツルがからんだ
ものを頂きました。
生き生きとさせてみたかったため笹をもう一本加え、さらに右
に竹を描き、そこにも巻き付かせました。
手足を伸ばして懸命に育ち実る様を描ければと、思っていまし
た。

 

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ブドウの部分。
ブドウとツルの根部が粉を吹いている様子や笹の葉と竹
の鞘の細い脈や筋などを意識して描きました。

描きながら、細密の点で自分には二度とは描けないだろ
う、と感じました。

所が作品展の初日、あるお年寄りがこの絵を買いたい、
どうしても欲しい、と言って離れない、と会場から電話が
ありました。
私と話したいと仰っている、とも聞きました。
会場まで30分、仕事を終えて駆けつけると老人が待って
いました。
すでに二時間も待った上、いくらでも出しますと仰るので
す。

本当に困惑しました。
何度も頭を下げられます。
「こんなされるなんて幸せではないですか、お売りしたら」、
という声が聞こえました。
自分はアマチュアだが確かにそうかもしれないと考え、売
り絵の2,5倍ほどの金額を口にすると、有り難いと仰いま
した。

そんな訳で「竹に絡むエビヅル」は手許にありません。
但し、その後の作品展などの際はお借りする事にさせて
頂きましたのでこれまで2回、ほかで使わせていただきま
した。

ところで最近になって、最初に掲げたエビヅルの写真と描
いたエビヅルに粉吹きの有無、粒の大きさ、葉の形状など
で若干の違いがあるのではないかと思うようになりました。
当時私に下さった方が「エビヅル」と仰り、自分も貴重な植
物を喜びそう名付けました。
しかしどうもそれは、さらに貴重な「ヤマブドウ」だったので
はないか、と考えるようになったのです。

描いた実物はありませんが、精密画を名乗る以上両者をさ
らに比較し、違っていれば画題を訂正させて頂きたいと考え
ている所です。

鮮やかなノブドウの実。

2017年10月4日(水曜日)

美術館の近くに高速道路が走っている。
その両脇に細い道が通っていて、春はヤマザクラ秋は草木
の実が見られて心慰められる。

毎年ノブドウの鮮やかな色づきを探しているが、時期がうまく
合わないのか、ここに載せられるようなものに出会えなかっ
た。

そんな折りの昨日、色とりどりの実をつけた蔓があった。

IMG_9888
色は素晴らしいが食べられない。

 

IMG_9893 - コピー
このようなターコイズブルー(トルコ石の青)の実などを宝石
のようだという人もいます。

 

恥ずかしながら20112000年に描いた植物画の中にノブドウがある。

野ぶどう2001111月
制作ノートに11月の完成と記載されている。
(A4サイズです)

野ぶどう拡大
中央部を大きくしてみました。
細かな描写は何とか出来たのですが、フリーハンドで丸
を描いたり、色を汚さずに陰を付けることなどで苦労しま
した。

すでに当時から15年は経ちました。
細密でなくとも、植物でなくても何か絵を描きたいと思っ
ているのですが、気力を高めるのが大変です。

長年の課題である当館の収蔵作品図録が最終校を終え
印刷屋さんに行きましたので、無事に印刷が上がり、気
持ちが開放されたなら、出来れば絵筆を執ってみたいと
願っている所です。

 

ごめんね山百合。

2017年7月13日(木曜日)

1997年春になる頃NHKの趣味の講座でボタニカルアートを観
てこれは自分に合っていると思い、以来書物なども買って描き始
めた。

庭のクリスマスローズやチューリップを描くうち細密の虜になってし
まい、それなりの研究と苦労を経て2002年画材屋さんに勧められ、
そこの画廊で50余点の個展することになった。

売ってみましょう、というあるじの言葉に乗ってB5~A3の絵の半
数の作品に5000~15000円の値札を付けたところ、初日に全て売
れた。
絵はがきにしたものが1000枚以上売れ、自分の腕より花の威
力を知らされた。

主に自庭の花を描いたのでしおれたら新たに切り、早く駄目になる
花を最初に描きその後に葉(これが難しい)を描いた。
写真も参考にしたが、影で見えない部分が多いので切った花をコッ
プに入れ、くるくる回して観察しながら描くのを基本にした。

コナラの枯葉やホオズキの実も描き、これらは保存が利いたので
ゆっくり描けた。

さてそんな拙作品の中に山百合がある。当時の何年か前に頂いた
百合根を植えたものが育っていた。

山百合は大きい。
顔の高さくらいまで伸び、立派に咲いた花を描いた。
大きいのと1本しかないため庭で詳細なスケッチを重ねてA3のボード
に描いた。

だがいくら詳しく描いても前に出てくる花の迫力が描けない。
いくら筆を振るっても奥に引っ込んだままだった。

透明水彩はいじりすぎるとすぐに汚れてくる。
花に申し分けなかったが個展の出品もしなかった。
(その後2回の展示会でも飾らなかった)

1
当時これでおしまいにした山百合。

描いた花が冴えない理由は分かっていた。

3
花の拡大。

ボタニカルアートは背景を描かず地色を白のまま残す基本を踏襲
している。
そのため白い花は背景に溶け込み、あざやかに浮かんでこない。
克服のため輪郭線の強調を試みると、濃い線が表現したい自然な
姿の邪魔になる。
(普段の輪郭線は03ミリのシャーペンを細く削り、この絵の葉のよう
にほとんど分からない程度で描いていたのですが、、、)
影の強調も一つの手段だったが、過ぎると汚れとなって花のフレシュ
さが損なうことにもなりかねない。

赤い斑点やおしべの花粉、奥の白いトゲトゲなどを詳しく描いたが、
魅力としての花を描けなかった。

その後、テッポウユリとカノコユリの植栽に夢中になり、山百合は意
識から遠ざかってしまった。

4
すると本日昼、ふと見た西の庭でひっそり咲いていた山百合に気が
ついた。
私の顔の高さもあったのに、せいぜい膝くらいに縮んでいる。
黙ってうつむき、子馬のようにしていた。
しかし小ぶりな花は木漏れ日の中で輝くような美しさを放っていた。

昔の花がそのまま咲き続けたのか、種が落ちて再生したのか。
絵を出品しなかったことと、忘れていたことを心のうちで詫びた。

「いいんです、いいんです」と言っているようで、余計けなげだった。

※いつか展示の機会が訪れたら、花をいじらずに葉の陰影を強め、
花の周囲の葉のボリュームを足すなどして、全体にパワーを付けて
出してみたい。

途切れない入場者様 迫るのに延ばす。

2014年5月16日(金曜日)

本日金曜日、疲れて昼食もせずに昼寝をしたら午後1時をかなり回っていた。

慌てて遊心堂さんへ、そしてすぐにお弁当。
昼休みを過ぎた時間だったので次々に来場の皆様が見える。

妻の話によると、午前中には舟見先生、堀川先生、東条先生らアートの大御所の方達が
お見えくださった、と聞いた。

励ましを頂戴したようだが、プロの方達の眼は厳しかったに違いない。

 

来場さん

遅く出かけたせいで1時間足らずの会場だった。
皆様が如何に花を愛しお好きでいらっしゃるかひしひしと伝わる時間だった。

明後日は新潟市美術館のイベントで倉石隆を話すことになっている。。
スライドを作っているがすでに40枚になった。

齋藤三郎の焼き物は用の側面から見ることが出来るが、倉石氏の絵画は黙するばかりだ。
その分なぞが多く、それだけ深く感じられる。

他者を語るのは相当な困難を伴う。
人間同士であることに基盤を求めて幾つかの角度からお話しすることにしよう。

倉石隆の表紙倉石隆の図録表紙。
これをスライド表紙に使う予定です。
本物の図録発行は開館記念日の6月10日へとまた先に伸びました。

「人生の終わりは足早に迫りくるのに、仕事は先へ先へ伸びる」
わが遠い縁者・小山作之助が晩年このような意味の言葉を述べています。
恐ろしくて較べるべくもない人の言葉ですが、やはり分からない訳ではありません。

その昔のつわり すがすがしい野草 何か恥ずかしい作品展。

2014年5月14日(水曜日)

あるおばあちゃんがつわりの話をした。
生まれを尋ねた時、頸城村から潟町へ嫁に来たという事から始まった。

自分は悪阻(つわり)がひどく、三人の子どもはみな辛かった。
いずれも時期は今頃から夏にかけてだった。

実家で大事にされたが、嫁ぎ先に戻ると途端にひどくなった。
ただいま、と戸を開けると家の中からカイコを飼う匂いがムッとした。
すぐに吐き気に襲われ、口に手をあてがって二階の部屋へ急いだ。
「つわりなんて病気じゃないんだからねえ」
ご近所とお茶飲みしていた姑の大きな声が下から聞こえた。

もうひとつ辛いことがあった。
昔の男達はみな髪にポマードを付けていた。
自分の夫もたっぷり塗っていて、甘ったるい匂いがぷんぷんしていた。
「来たかね」などと言ってそばに来ると途端に気持ち悪くなった。

以下は本日の在宅回りで車を止めて撮った路傍の草花です。
こんな草地を見るのはつわりによかったかもしれません。

からすのえんどうとマーガレット野生化したマーガレットにからすのえんどう。

010あまどころ。

マンテママンテマではなかろうか。
色が茶系、ガラガラした感じからスイバのようです(5月20日遅れて記載)

大きく強靱な夏草と違って今どきの野の花はさわやかだ。

「あまどころ」は明日からの作品展にあり、「あまどころ黄葉」もあります。

いよいよ迫りました拙展、明日の午後は定期の休診ですので1時過ぎから会場に居る予定です。
ところでこれまで3回の展覧会の中で、なぜか一番恥ずかしい気がするのです。

本日地元の記者さんたちとお会いして 一昨日のマジックアワー。

2014年5月13日(火曜日)

本日午後、昼休みの時間を利用して遊心堂さんの会場で地元の記者さんたちとお会いしました。
上越タイムスのT氏、上越よみうりのMさん、JHKのNさんでした。
場内を見ながらお話をし、またテーブルにも座りました。

私が花を描く訳、描き方の要点、要する時間、これまでの作品展のことなど色々聞かれました。
懐かしいT氏、熱心なMさん、マイクを向けられたNさん、熱く好意的な取材を有り難うございました。
新潟日報さんは初日の取材ということ、どうか宜しくお願い致します。

昨日展示作業を終了した作品達は、明後日の初日を私以上に緊張して静かに待つ風でした。

何かと忙しかった一昨日の日曜日、以下は妻と外食した日没後の直江津地域のマジックアワーです。

005

011日没後の空は、わずかな時間澄んだ青みを帯びた。
こんな空初めて、とは妻の感想でした。

間もなく拙作品展 額入りしました。

2014年5月10日(土曜日)

アートサロン遊心堂さんギャラリーにおける15日からの拙作品展が迫りました。
すでにSMキャンバス(サムホールキャンバス サイズ22,7×15,8㎝)が額に入りました。

展示としまして、
水彩画は平成9年以来手許にあるものを中心におよそ50点です(過去に展示したものが多く含まれます)。
油彩(油絵)は昨年来製作しましたとても小さな作品およそ70点です。

油彩を樹下美術館の支援に販売させて頂くとことにしました。
商品になるのですから大変緊張致してます。

椿と辛夷10×10×3,5㎝の極小3Dキャンバスに油彩「椿」と「辛夷(こぶし)」を沢山描きました。
こちらは額なしです。ただいま掛ける留め具を付けに出しています。

西王母椿の蕾「西王母椿」は7点描きました。

ガラステーブルの洋梨1「ガラステーブルの洋梨」は8点です。
背景に少々の変化を付けたものもあります。

単調な作品ですが、モチーフを4種に絞り、精魂こめることにしたわけです。
額は数種類に分かれています。
価格は3Dキャンバスが5千円前後、SMキャンバスは3万円台(いずれも消費税込み)が想定されています(少々高いでしょうか)。

お忙しい皆様と存じます。が、お暇の節はどうかお立ち寄りください。

いつしか拙生の作品展も迫りました。

2014年4月19日(土曜日)

色々と忙しい春。今月26日は樹下美術館で堀口すみれ子さんの講演会が行われます。
そして恥ずかしながら5月15日から20日までの6日間は拙生の作品展です。

作品展は2000年の時のものも含めて非売品の水彩画およそ50点および
昨年来描いてきた小さな油彩およそ70点を展示販売の予定です。

 

14個展案内ハガキ本文

 

     -杉田玄 花の肖像展Ⅱ-
主催:会場:アートサロン遊心堂ギャラリー
日時:平成26年5月15(木)~-20日(火)
10時-18時(最終日終了午後17時)
※在廊日:15日木曜日13:30~17:00頃ほか
後援:新潟日報社・株式会社上越タイムス社・上越よみうり・FMJ エフエム上越・公益社団法人上越市有線放送電話協会・高田文化協会・上越美術協会
遊心堂:上越市本町4-1-6 定休日・毎週水曜日
電話025(526)4887

以下はほぼ完成した展示予定の油彩です。

椿の蕾油彩:椿(西王母)の蕾(各SMサイズ 15,8×22,7㎝キャンバス)。
額を付けて6点出品いたします。

ガラステーブルの洋梨油彩:ガラステーブルの洋梨(SMサイズキャンバス)。
額を付けて8点出品致します。

辛夷と椿油彩:辛夷および椿(10×10×3,5㎝キャンバス)
額無しで小さな架け具が付きます。椿30点、辛夷22点と沢山描きました。

精一杯描いたつもりですが、はたしてどうなるものか少々心配です。

寒かったが良い日曜日だった。

2014年4月6日(日曜日)

3~4℃の寒風の日中、午前はみぞれも混じりました。妻が美術館の当番で昼食は例によってカフェのホットサンドを食べてコーヒー。
手前味噌になりますが何度食べてもこの昼食は美味しいのです。

間もなく熱心に展示をご覧になっていた親子さんがカフェに下りてこられた。
お客様ケーキやカップに可愛いの連発でしたが、一番可愛かったのは皆様。節ブログを見たと仰った。
後からお聞きすると館内の2ヶ所のノートにコメントも残されたということ。有り難うございました、またいらしてください。

そして日中の多くの時間を絵に費やした。テーブル

 

椿と辛夷ようやく椿と辛夷の極小油彩(10×10×3,5㎝の3Dキャンバス)が仕上がってきた。
描いている間にイラスト風になりました。
5月の作品展に向けて、これが合計50数ヶの予定なので大変です。

さよなら夕陽さよなら夕陽、四ツ屋浜に寄った。

釜

夕食は犀潟の大雅飯店で美味しい五目ソバと餃子を食べて、その後13日(日曜日)の「いのちの電話チャリティー茶会」のためにお点前の稽古をした。
有沢製作所の4畳半台目という小間の炉点前は少し複雑。後日また練習をしなければならない。

夕刻やや寒さ和らぎ7℃まで上がりました。
悪天候の日に10数人のお客様、樹下美術館では嬉しいのです。
明日は晴れという予報ですね。

作品展までふた月を切って。

2014年3月19日(水曜日)

時間も自然というのでしょうか。
いつしか拙生の5月の作品展「花の肖像展Ⅱ」が迫りました。
ふた月を切って、ある種食事をしながら描くという体にもなりました。

このたびは小さな小さな油彩を、それも同じ絵を何枚も描いて出品することに致しました。
アマチュアの自分が売るというのですから、少しでも作品を安定させるためにそうしたのです。
(勿論時間が足りないことも大きいのです)

※手許にある水彩の植物画およそ50点は非売品として展示させていただきます。

 

10×10×3,5㎝椿10×10×3,5㎝キャンバスの油彩椿(未完)。33個も描いています。
まだ全部で25%ほど作業が残っています。
(このキャンバスは額をつけずにこのまま壁に掛けます)。

 サムホールのルレクチェガラステーブルのルレクチェ油彩(未完)。
SM(サムホール)サイズのキャンバスで8枚描いています。全体で50%ほど作業が残っています。
サムホールは22,7.×15,8㎝です。
(額に入ります)。

 

並べて勢揃いさせてみた作品。80点ばかりありました(ほとんど未完成なのです)。
向こうの青い小さな絵は椿と同じキャンバスで、辛夷を24個描いています。
こちらは半分まで来たという所でしょうか。

果たしてどうなるのでしょう、いよいよ追い込まれた感じですね。

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