昨日土曜日午後は二回目のジャコメッティを観た4時間の東京旅行。

2017年9月3日(日曜日)

一昨日9月1日、国立新美術館へジャコメッティ展を
観に行ったことを書かせていただいた。
一人で行ったがとても良かったので妻に話すと、行っ
てみたいという。
近づいた9月4日の終了と、忙しい妻の日程を考えれ
ば昨日土曜午後しかなく、急遽前回と同じ北陸新幹
線で一緒に上京した。
東京での余裕をみて帰りは一時間遅い電車にした。

開催期間最終の週末とあって、会場は混雑していた。

入場してすぐ一体の細い女性立像「レオーニ」によっ
て迎えられる。二回目ながら観るなり笑みが浮かび、
高ぶりを覚える。

古典主義と印象派の作品展示が素早く終わると、キュ
ビズムからシュルレアリズムへ、確固として時代通過
すると独自に花開いていくジャコメッティの過程が分か
りやすく示される。

苦悩から生え出たような細い大小の人物が林立する
広場シリーズ、9体の細い女性立像が三角形を作って
堂々と居並ぶ並ぶ「ヴェネツィアの女Ⅰ~Ⅸ」など、や
はり圧巻である。

そしてマッチ箱に入れて持ち歩いたという極小の作品。
愛すべき作者の人柄が偲ばれて誠に微笑ましい。
(本人は苦しんで作ったのですが、何故か観ると自然に
可笑しみが湧くのです)

 

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千秋楽が近づいて来場者は一昨日よりも遙かに多い。
大勢の人を前に、ますます元気だった「歩く男」。

見終わり、晴れ晴れとして出ると台風去った爽快な大気。
正面の六本木ヒルズに行ってみよう、ということになった。

 

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白い雲を背景に美しい初秋のビル。

 

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途中で在宅訪問中のクリニックの車に出合った。
南青山の八木クリニックのスタッフが六本木で仕事中だった。
東京は人口稠密なうえ駐車に難渋しよう、そのため訪問専門
の運転手さんが付いていて、診療中の医師とスタッフを待って
いる。
土曜午後、都会のど真ん中で熱心に診て回られる同業の皆
様に胸熱くなり、強いシンパシーを覚えた。

 

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ヒルズの前庭に咲いていたうリュウノヒゲヤブランの薄紫が爽や
かだった。

 

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おのぼりさんよろしく、初めての展望台は地上52階で250㍍、
360度の眺め。
今夏東京は歴史的な降雨に見舞われたという。
初秋の午後の日射しのなか、雨に洗われた壮大な街がいっそ
う美しい陰影をもって佇んでいた。

 

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北の方面だろうか、さきほどまで居た美術館が見える。
こんな風に全体を見るのは初めてだが、とても良い。
樹下美術館はこの何百分の一、あるいは何千分の一の大き
にちがいない。

 

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ビルを一周する展望台の一角に少し静かな場所があった。
モダンな各部のなかで、ここは1950~60年代の映画の場
面を彷彿とさせる。

たまたま流れていた「テイクファイブ」の音色が、短い時間だ
ったが心地良く当時の気分へといざなってくれた。
1960年代前半はジャコメッティ晩年の活躍の時代に相当し
ている。


デイヴ・ブルーベックカルテットによる「テイクファイブ」。

 

 

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タワー前にあるメトロハットは地下鉄六本木駅の入り口。
何とも大胆な派手さでタペストリー(巨大ポスター?)が囲んで
いた。中央黄色の矢印は人物。

地下鉄で日比谷駅に降り、丸の内仲通りを歩いた。
この並木道は本当に静かできれいだ。

 

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仲通りを歩いて東京駅に着いたが時間があったのでステー
ションホテルでお茶をのんだ。
ハープを弾く女性の近くに座り、本日のケーキの中から手前
のイチジクのタルトを選んで分け、熱い珈琲を飲んだ。

土曜日午後の8時間余、往復4時間の北陸新幹線で行った
首都東京は4時間の滞在だったが、さして慌ただしくも無く、道
中を楽しめた。

長くなりました。

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