2015年5月
残念の中に快心もあったゴルフ 妙高山 素晴らしかった雲。
11組ものゴルフコンペが松が峰カントリークラブであり、壊れた靴を新調して臨んだ。
曇りから晴れとなり、102という成績はビリに近かったが、中には快心の当たりもあり気持ち良い一日だった。
ダイナミックな雲で山頂が隠れている妙高山(コースから)。
私が入れた池が見える。
〝裾を見て頂きを知る〟という言葉があるどうか分からないが、山の雄大さが窺われる素晴らしい眺望だ。
家に帰る直前に寄り道した田んぼ(向こう左に米山、右尾神岳)
よく来ている所だが、用水路が合流しているのを初めて見た。
町のY字路(三叉路)と同じく、このような眺めは何故かわくわくする。
昭和40年頃か、今27ホールの松が峰カントリークラブが9ホールだった時、一人で訪ねた。
その日埼玉県から来たという知らない人と一緒に回った。
その人は紳士で、ヴィンテージ風のクラブを使っていた。
当時はただただプレーに夢中、妙高山などの景色を見ている暇など全くなかった。
水盤に寄る鳥たち 庭は夏の花に。
今鳥たちは子育てに忙しいことだろう。
そんな午後、美術館の水盤に鳥が次々と来て水浴びをした。
いつか子連れでくるのだろうか。
同じ種類の小鳥が争うのは巣やメスの取り合い、あるいは餌を巡って時に攻撃的になるとがある。
種類が異なる場合はやはり巣や餌で騒動が見られる。
しかし水場では順番を待ったり、混浴したり、おしなべて鳥の水浴びは和やかかつ賑やかだ。
卯の花の季節 夏は来ぬ。
卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ホトトギス) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ
小山作之助作曲・佐佐木信綱作詞「夏は来ぬ」の清々しさはこの時期にぴったりだ。
一帯でホトトギスの声は聞けないが、卯の花は真っ盛りとなった。
高速道路の土手で満開の卯の花。
作之助が当地の人のせいか大潟の区間に沢山植栽されている。
話変わって、本日見えた同級生の男性患者さんは若々しいブルーのチェックのシャツを着ていた。
よく似合うじゃないの、と言うと。
「孫のお古ですわ、今の若いもんは一年着るとポイだもんね」
特にお爺さんたちは、よく息子さんや孫さんのお古を着ている。
不自然でもなく似合っているから不思議だ。
女性も娘さんたちのお古で来られることがあるが、男性ほど多くはないかもしれない。
私の世代は古いものを有り難がり、10年、20年前のものを喜んで着るのではないだろうか。
夏を迎えているが、年と共に半袖を着るのが遅くなり少々情けない。
貴重な水、貴重だったポンプ。
暑くなり、水が貴重な季節になってきた。
地元上越市大潟区は沿岸の砂丘地で、地域によって昔から水で苦労してきた。
私が小学校低学年の頃まで、我が家は100メートルほど先の井戸から水を運んでいた。
水を汲んだ桶をテンビンの前後に掛けて担ぐのである。
水汲みは嫁が行い、重い桶は揺れるし途中に坂もあって辛い仕事だった
佐賀県出身の母は「越後に来て雪で悩むのはいいが、水で苦しむとは思わなかった」と言っていた。
先祖が井戸を掘ったらしいが、出なかったと伝えられていた。
見かねた父は名人という「井戸源」さんに頼み、夏に向かって井戸掘りを始めた。
組まれたやぐらの滑車を使い、ロープをくくり付け、枠で囲った穴へ降りて行く井戸源さん。
やぐらの脇には掘った土砂が日に日に高く積まれていった。
学校から帰ると「出た?」と毎日母に聞いた。
出てもいい深さを十分越えても駄目で、母は井戸源さんが心配だとよく言った。
それがある日ついに「出た」。
きれいな水を期待したが、実際は茶色く濁っていた。
それでも何日かすると澄んできて、水はとても冷たかった。
鉄管と電動ポンプを取り付て高い水槽にくみ上げ、水道組合を作り近隣に配管した。
深井戸のせいでどんな年も涸れることなく、後々まで父は感謝された。
空き地に残されている手こぎポンプ。
ポンプは畑でよく見るが、旧国道沿いの空き地のは家庭で使っていたものだろう。
後に自治体の水道が整備され、わが家の井戸は厚いフタをされてそのままになっている。
事情によって家が壊された沿道の空き地に、ぽつんとポンプだけ残されているのを目にする。
貴重だった水、貴重だったポンプが潰されずに残っているのも分かる気がする。
楽しかったスターバックスコーヒー上越店 「一周年アニヴァーサリー」の音楽会。
今夜8時からスターバックスコーヒー上越店二階で「1周年アニヴァーサリー」の音楽会があった。
初めて入った店、、、ああ若者達はここに居るんだと思った。
読書、pc、物思い?おしゃべり、みな居ずまいが様になっている。
美味しいイチゴのフラペチーノを突っつき、かつての「アカシアの大連」を読み返しながら開演を待った。
いつしかフロアーは満席の上、ぐるりと立ち見となっていた。
上越教育大学の5人の学生さんの演奏は実にはつらつとして、楽しい一時間だった。
どんどん成長される皆さんは眩しかったです。
皆さんの幸福な道程、どうかいそしみ励んでください。
間もなく夏 お詫びとお知らせです。
かなり気温は上がったが蒸すこともなく朝夕は涼しかった。
五月も最終の週に入り、以前なら月日は早すぎると不平を言っていたと思われる。
しかし何故か最近早く感じられても、あまり不平を言う気が起きなくなった。
不平を言っても仕方が無いというのもありますが、近頃は、
飛行機に乗って自分と地上の一日を見ているような感じがしないでもないのです。
入り陽と反対方向の空です。
雲の形はいつも様々で意外でもあり、楽しみです。
「Byond The Sea」。シャンソンの「La Mer(ラ・メール:=:海)」の英語版です。
シャンソンは海の詩情を歌っていますが、
当英語版は、海の彼方で自分を待っている人がいる、という憧れを歌っています。
〈さてお詫びがあります〉
6月は「陶齋の器でお寿司を食べる初夏の会」を第一週と第四週の土・日に予定し、お知らせして参りました。
しかしこのたび主催者の事情によりまして、日を変え(6月21日、22日)の二日開催に変更させて頂きました。
以上謹んでお詫びしてお知らせ申し上げます。
昨日土曜日のこと 「あかね」で佐渡は十分勝負できる カフェの名椅子「セブンチェアー」。
昨日土曜陽の夕刻は陽も雲も良く、美しく暮れた。
小木-直江津航路の佐渡汽船カーフェリー「あかね」が今年4月から就航している。
カタマラン(双胴船)というかってない斬新な船形は是非とも見たいと思っていた。
時刻を調べてみると18:10分に直江津港に着くという。
昨夕はきれいな夕焼けが期待されたので時間に合わせて家を出た。
直江津港で待つことしばし、時間通りに美しさと迫力をもって姿を現した。
カタマランは速度と安定性に優れている。外観の魅力とあいまって「あかね」には夢がある。
実際に片道60分もの時間短縮を果たしている。
このように思い切った更新は佐渡汽船、ひいては佐渡観光のために大いに期待される。
船旅、農漁村とトキ、清々しい空気と海、哀愁の佐渡おけさと相川音頭、食と継承文化、佐渡は十分北陸と勝負出来る。
さて皆様が樹下美術館のカフェで座られる椅子はデンマークのフリッツハンセン社製「セブンチェアー」です。
「7」の文字を対称性に組み合わせた形の背もたれからその名が付けられました。
名手アルネ・ヤコブセンがデザインし1955年に発表され、以来今なお世界で人気を博している名椅子です。
すでに700万脚が出荷されたそうです。
コピー商品も多くあるようですが、当館は開館時に直営店から17脚を入れました。
外見の美しさもさることながら、安定性と包まれるような安心感から長時間でも疲れません。
さすが名品です。
どうかご来館のおりには、あらためて眺め、そして座ってみて下さい。
明日で20才を迎えるという日に猫が。
昨年の3月24日のブログで、もう19才、人間では100になるという猫の事を書かせて頂いた。
ある農家でのことだった。
お宅の大おばあさんは既に100才を迎えていた。
「競争しているんでしょうか」
若いおばあさんが仰った。
ところが先日の訪問で、1年経った4月下旬、
その猫が20才の誕生日を迎える前の日から居なくなったと聞かされた。
以下若いおばあさんのお話。
〝一ヶ月ほど弱りが見えていたところ、先ず誕生日の一週間前に一度姿が見えなくなった。
その時は集落の神社で見つかり、かなり遠い所だったので皆で驚いた。
家に連れ帰り、ようやく明日が20才と言う日に再び姿を消してしまった。
手を尽くして探し、二三見かけた人もいたが音沙汰なくひと月近く経った〟
「だめでしょね」
「どなたが一番可愛がったのですか」
「私です」
寂しそうにおばあさんが仰った。
猫は人目に付かない所で最後を迎えると、子どもの頃から聞いていた。
家から出ない猫なら別だが、出入りするならそのようなこともあるように思われる。
何故だか分からないが、最後は奥底の野性に導かれるのだろう。
眠りを好み喉を鳴らしてまどろむ一方、突然小動物に襲いかかる猫。
密かな猫足、静かな気配、すり寄りなど、独特の生態には犬とは異質の存在感がある。
このような動物を20年も可愛がり一緒に暮らせば、喪失による悲しみははた目以上に深いにちがいない。
それにしても20才の誕生日が近づいた日、神社へ行ったという話はある種猫の神格性を物語るようで興味深い。
かって猫は養蚕に於ける鼠の害を救い、農家の貴重な現金収入を補償した。
このことで猫を祭る神社は各地に少なからずあるらしい。
弱りを迎えた猫が神社に行ったと聞いて、独特な次元に触れたように思った。
如何に愛されても何も言わない、残さない猫。
挨拶して玄関を出るときの、おばあさんの悲しげな立ち姿も目に浮かぶ。
倉石隆「男の像」の額装 すっきりしている関川の路傍。
4月下旬に倉石隆作「男の像」が樹下美術館の新たな作品として加わりました。
当初、作品は額が無く簡易な仮枠がついていました。
数日後、展示に向けて額を付けたいと考え上越市本町の大島画廊さんで枠を選び額装をお願いしていました。
これまで何度もこの様な作業を行ったことがありますが、いつも難しいと感じます。
見栄えが良すぎるものでは作品が冴えなくなり、個性が強すぎると不調和が生まれます。
本日額装が出来上がり取りに伺いました。
彫り模様がついた細めの渋い銀色の額が付きました。
欲求不満の大男がやや可愛くなったようでした。
私としてはうーん少々締まりが足りなかったかな、と感じましたが、
展示向きに控えめな飾りを施させて頂いたということで納得する事にしました。
さて画廊の帰り道稲田橋にさしかかると、関川と妙高山が大変気持ち良く見えました。
そこで稲田小学校の方へ土手の道を曲がって見てみました。
山や川はもちろん美しかったのですが、足下のシロツメクサがイネ科の草に混じって揺れるのも可憐でした。
可憐な路傍の草花。
感じが良かったので、ブログのヘッダーにしばらく用いることにしました。
路傍が荒れずにすっきりしているのは、市がほどよく草刈りを行っているからでしょう。
県道なども含めほかの地域にも、このような配慮が行われてほしい、と心から思いました。
田んぼの燕と雲を見ながら昼食 どうする爽やか、清々しい。
晴れて暑からず文字通り風薫った木曜日。
午後の休診のデッキは雲も風も爽やかだった。
俳句で「爽やか」は秋の季語だが、音が少なく濁らない分親しみやすい。
それで本日のように気持ちの良い風光は「爽やか」と言ってみたくなる。
爽やかな香り、爽やかな色、爽やかな人などがあるため余計である。
しかし一旦季節となると秋限定とされる。
同じように初夏なら「清々しい」とするというのも、意識されると少々窮屈さを否めない。
さわやか→秋は文学上の区別だとすると、その明確な訳(説明)もあったのだろう。
だが果たして民間の日常語として、古来からこのような区別があったのだろうか。
音数が制限される俳句においては、このような決まりは役立つこととは思うのだが、、、。
ツバメが何羽も飛び交う。
もう若鳥が混じっているように思われた。
ホットサンドは通常4切れですが、本日は2切れにしてもらい、紅茶はミルクと砂糖を入れました。
陶齋の呉須搔落どくだみ文湯呑(ごすかきおとしどくだみもんゆのみ)。
先日樹下美術館に齋藤三郎(号・陶齋)の湯呑が新たに加わりました。
呉須(酸化コバルトを主成分とした鉱物顔料)による青い器です。
顔料を全体に掛けた青い地を、クギで掻いてどくだみ模様を見せています。
※呉須は染付(そめつけ)と呼ばれる藍色の器の絵付け全般に用いられます。
呉須どくだみ文湯呑
高さ7,4×口幅6,0㎝
この様式は樹下美術館では初めてでした。
湯呑を見て新潟県立近代美術館で何度か見た呉須搔落牡丹文瓶(ごすかきおとしぼたんもんびん)をすぐに思い出しました。
昭和18年、中国への出征前に製作されたとされるこの瓶(びん)の青の美しさは、印象的でした。
陶齋作「呉須搔落牡丹文瓶」
「泥裏珠光 越後の陶齋」 齋藤旬堂著 毎日新聞社 1998年10月5日発行 より。
当作品は現在新潟県立近代美術館に収蔵されています。
このたびの湯呑は青い地のほか、文様を掻き落としているところと線を加えるのも似ていました。
陶齋の呉須は貴重な中国産で、唐呉須と呼ばれるものでした。
力のこもった湯呑の底の署名「齋」。
高田のかなり早い時期、昭和20年代中頃の作品かと思われます。
戦中、死を覚悟した中国への出征。
後に負傷するも命得て復員し、高田で築窯した陶齋が大切な呉須で作っ湯呑にちがいありません。
鮮やかな青、はつらつとした文様、しっかり決まった署名。
小さな作品ですが、再び作陶できる喜びが伝わります。
樹下美術館のカフェに来た蓄音機 往診カバンのライオン。
去る16日のSPレコードコンサートの後、持ち主のS氏は小さなルミエールだけ持ち帰られた。
そして次回のこともあり、大きめ方はカフェに置きましょう、いうことになった。
本日見ると、カフェの畜音機は周囲の本や食器、庭や自然と気持ち良く溶け合っている。
憩っている風のHMV163蓄音機。
英国から日本に渡り恐らく幾人かの持ち主を経て柿崎へ、そして樹下美術館へと旅した。
激動の昭和時代から平成へ、往時の持ち主たちはどんな思いでレコードを掛けたのだろう
午後S氏ご夫婦が見に来られ「ああこここそ相応しい」と仰った。
さて、これはあるご夫婦から頂いた往診カバンのライオンのマスコット。
本日健診で訪れた保育園で、子供達に注目されて幸せそうだった。
ニセアカシアの課題。
上越市の犀潟付近から大潟、柿崎の一帯は国道やJR線に沿ってニセアカシアが満開です。
白い花と甘い香りは大変魅力的ですが、この樹の旺盛さは一種深刻です。
成長が早く、根を張って増えるなど一旦植栽されると管理の追いつく暇がありません。
根が浅いため倒木しやすいうえ、他の草木を弱らせるアレロパシー作用も厄介な点と言われます。
結果として従来の森林構造と植生の多様性を損なわせ、独特の茂りを拡大させることが問題になってしまいます。
清純に香る花は美しいのですが。
コントロールが難しいのです。
JR線に沿って以前にあった松の植栽が部分的に続けられています。
しかし植える後から付近のアカシアも進出し、一緒につる性植物などを繁茂させますので植林の成否が心配されます。
国は「要注意外来生物リスト」で「別途総合的な検討を進める緑化植物」の一つに指定しているようです。
葛やセイタカアワダチソウの繁茂などとともに、ニセアカシアの寡占は環境の荒廃として、
具体的な取り組みが必要ではないでしょうか。
事情は広く国土の問題の様相です。
里や野を巡るテレビ番組でも葛やツタの繁茂で荒れすさぶ環境が随所に見られます。
国の「ふるさと創生」は経済ばかりでなく、荒廃する「地域の自然環境の回復」も課題にしてほしいと思うのです。
樹下美術館 思い思いの日曜日。
風薫り気持ち良い日でした。
連休後静かだった美術館が、若い人を中心に賑わいを取り戻した一日。
皆様には作品の鑑賞、カフェの読書やおしゃべり、庭巡りなど思い思いに憩って頂きました。
ことのほか庭に目を向けられる方が多かった。
いよいよ緑濃くなったきました。
閉館後、芝生に液肥を撒きました。
良い日でしたね、ご来館の皆様有り難うございました。
HMV163 HMV460Lumiere(ルミエール) そしてお客様と雨上がりの夕暮れ。
5月の催し、蓄音機で聴くSPレコードコンサートが昨夜終わりました。
50名のお客様と、蓄音機とレコードが自然に三位一体となった一時間半でした。
主催が申すのも面はゆいのですが、選曲も上手く行き、一曲ごとに拍手が起こりました。
(江利チエミのテネシー・ワルツは「Come on-a My House」に変更しました)
開演前の会場。
椅子を拭き、ファブリーズを少し撒きました。
正面のスリットから雨上がりの夕刻の光。
開演しHMV163(手前)の扉と蓋が開き、向こうにLumiere(ルミエール)の振動盤が立ち上がりました。
アンコールはショパンのワルツ第7番(アルフレッド・コルトー Pf)
およびアニー・ローリー(オイゲン・コスマン楽団)でした。
何でも昔が良かったとは言いません。
しかしあざみの歌が心に沁み、エルマンやフルニエ、そしてギーゼキングやコルトーが奏でた極上の音は、
密やかな息づかいとともに私たちの胸の奥へ響いたのでした。
次回は11月を予定しております。
ご来場の皆様有り難うございました。
明日の蓄音機によるSPレコードコンサートのプログラムが出来ました。
明日の蓄音機によるSP盤コンサートのプログラムが出来ました。
前半がクラシック、後半はスタンダード曲/歌謡曲/童謡です。
前半はS氏のレコード、後半は小生のものを掛けます。
クラシックはおなじみのものから、大変珍しいある種文学的な作品までバラエティに富んでいます。
後半はスタンダードと歌謡曲にしぼりましたら良い並びとなりました。
手前味噌になりますが、滅多に聴けないプログラムになったのではないでしょうか。
このたびご参加できなかった皆様には秋に再び行う予定ですのでどうかふるってお出でください、お待ち致します。
蓄音機が来た 1970年ころの自分と会った人 シロバナシラン タカブシギ。
ヘッダーを季節に会うようにしました。
本日の午後のカフェです。
さて今夕A氏宅から方2台の蓄音機が運ばれ、いよいよ第二回の蓄音機によるレコードコンサートが近づきました。
貴重で有能な機械は保険を掛けて運送屋さんによって慎重に搬入されました。
お陰様でお申し込みが50名様に近づき、大変申し分けありませんが締め切りらせて頂きました。
幸福の蓄音機は耳と心に染みこむ音を響かせることでしょう。
左・レコードキャビネットに乗ったLumiere(ルミエール)と右・HMV163の名器
シロバナシラン。
紫のシランのシロバナ種だがよく増える。
この花が咲くともう夏という感じがする。
夕刻の田んぼで見たタカブシギ(鷹斑しぎ)らしい鳥。
何羽もいました。
本日のお客様の女性が大学病院時代の私に会ったことがある、とおっしゃり本当にびっくりしました。
昭和40年代中頃から後半のことでしょう、偶然お父さんにもお会いし診察までしたそうなのですが、
全く覚えていませんでした。(病院は品川区旗の台にありました)
突然出てきた昔の写真を見るよりもリアルな懐かしさを覚えました。
自分が知っている(覚えている)自分以外に、他の人だけ知っている自分がある。
怖い気もしますが、45年前、私は今よりも元気だったようです。
電車大好きの坊やの待ちに待った北陸新幹線。
以前お書きした新幹線が大好きな坊やが一年生になった。
これまでも実家のおばあちゃんの家に来てはチラシやカレンダーの裏にいっぱい電車の絵を描いて帰った。
今回思いの丈新幹線が書き込まれている。紙がいっぱいになるとテープでつないで描き足して壁に貼る。
今年一年生になり、待ちに待った北陸新幹線も開業した。
すでにお父さんと何度も長野や東京へ行ったという。
糸魚川も行ったがトンネルばかりでがっかりしたらしい。
お父さんが奮発してグランクラスにも乗ったと聞いた。
車内の坊やは騒ぐこともなく、常に静かにじっとしているのだという。
乗り心地や風景やスピードを噛みしめているのだろう、まことに可愛い。
まだ乗ったことのない私には坊やが羨ましい。
休館日なしの初日となった火曜日。
まだ台風は遠くなのに日中はよく荒れました。
そんな日の本日、冬を除き休館日なしの開館を宣言した初めての火曜日でした。
(これまで火曜は定期休館日)
来館者さんはあっても数名、あるいはゼロもあろうと思っていました。
さて実際は、と言いますと私が出かけた昼にはまだだれも見えません。
お天気も悪いし、無理もありません。
でも先日の「アンブラッセ」の続きを読んでいると、きっと誰かが見えると予感しました。
すると新潟県立近代美術館の帰りという男性お二人が来られました。
美術に詳しい方達で、樹下美術館は小さいけれど、
「庭もカフェも楽しめる。これこそ本当の美術館」と褒めて頂きました。
私が帰ったあとに、女性が三人別々にお見えになったということでした。
皆様いずれも火曜日開館の事を知らないばかりか、火曜日が休館だったことも知らずに来られたようなのです。
「ああこれでいい、とにかく毎日やろう」
当館は皆様の赴くままに寄って頂く場所なのだと、すんなり納得できた一日になりました。
良かった昔の本物に触れるコンサートが迫りました。
お陰様でお申し込みは40名様を越えていますが、もう少し大丈夫です。
宜しければお電話 530-4155 でお申し込みし込み下さい。
庭も今あるものを磨く 岩千鳥 明日から毎日開館。
「今あるものをみがく」。
これは年頭のミーティングでスタッフのみなさんと話したことでした。
展示、カフェ、庭、いずれも樹下美術館の大切な要素です。
中でも庭は生き物で、一時もじっとしてしていません。
先日、県立大潟水と森公園に行きましたが、そこも広大な庭でした。
林間の植物を保護し、茂りを整え風を通し、歩道の手入れをして、
気持ち良い環境と景観の維持をしているのがよく分かりました。
さて昨日のこと樹下美術館の庭で些細ですが、三つ気になることがありました。
①ガマズミの小さな木が虫食いにあって酷い状態になっている。
②一時吹いた風のため前庭の常緑樹が沢山落ち葉を散らしている。
③小鳥のための水盤に桜のガク片が積もるように浮かんでいる。
その午後一ときお客様が途絶えて、ゆっくり読書をしました。
終わって出ると、二人のスタッフがまさに①②③の処理を黙々としていたのです。
いずれもお願いしてないのに、何か啓示が降りているようでとても驚きました。
「頼んでやってもらう」事と「気づいて行われている」の間には、
大げさですが天と地ほどの違いがありますので、本当にびっくりしました。
進化や創造は、このような日々の積み重ねから生まれるのではないでしょうか。
これからも皆で頑張りましょう。
「岩千鳥」。
可愛いランの一種で、その昔園芸店をされていた患者さんから頂きました。
さて明日は火曜日です。
いままで火曜は定期休館日でしたが、明日から連日開館となります。
当初は閑散と思われますので、昼休みにお茶を飲みに行きます。
どうか皆様にも宜しくお願い致します。
●但し冬期の休館(12月26日~3月15日)は今まで通りです。
良い本良い雲 良いほくほく線普通電車。
最近の天気予報はよく当たる。
「雲間から陽が射すこともあるでしょう」というような予報が、昼にはその通りになった。
先日軽薄短笑さんのブログで紹介されていた短編集「アンブラッセ」を買い、手許にあった。
大人の渇きを潤す、というコピーと新潟県を舞台にした2篇があること、それに表紙も良かった。
本日午後美術館に行き、カフェが静かだったのでその本を読んだ。
遅い食事をしながら10篇のうち最初の2篇だけゆっくり読んだ。
夢のように素晴らしい家族の物語は、文字通り壁に染みこむほどのこまやかさだった。
古典を愛して止まない男女の抱擁(アンブラッセ)は今日の風光と重なった。
「アンブラッセ」 阿刀田高著 文藝春秋社
優しく読ませてくれる本は有り難い、この先も楽しみ。
午後の雲はどんどんと東へ流れ、夕方にかけて気持ち良い空になった。
特急はくたかの廃止以来ほくほく線の写真を撮ってなかった。
夕刻迫る頃、雲に期待して田んぼへ行ってみた。
一帯はしろ掻きと田植えの真っ最中、沿線は湖面のようだった。
ほくほく線の高架線を行く2両の普通電車は、雲を背景に水田に影を映し西日の中を走った。
くびき駅発18:18分直江津行きの電車がやってくる。
いずれも時間通りにくびき駅を出るのが遠くからでも見える。
特急とは迫力が違うが、普通電車は小さくて遅い分背景が広がり、詩情が感じられた。
本日新幹線で金沢か長野のデパートに行く予定だったが、都合で取りやめていた。
しかし本と電車とお天気のお陰で良い日曜日だった。
頸城野の天地やさしく春暮れて 田に虹かかり藤香り立つ。
本日小雨がちの日中だったが夕刻に上がった。
夕陽の頃、くすんでいたあたりに色が付いて風景が優しくなった。
樹下美術館の帰り道、虹が出そうなので田んぼへ出ると間もなく大きく架かった。
美術館のスズランの中にピンクがかったものが混じっていた。
遠慮がちにいじらしくしている。
夕陽に染まる水路のハルジオン(手前と向こうの赤い花がそうです)。
頸城野の天地優しく春暮れて 田に虹かかり藤香り立つ
こんな日の夕暮れは道草ばかり。
恐縮の食卓。
昨日一生懸命に庭に水やりをしたのに、夜は随分よく降りました。
さて昨今何かと頂き物をしてしまい、とても恐縮します。
今夕船主の患者さん宅から60㎝近いヒラメ。
妻が懸命にさばきました。
賑わい後の閑散は庭仕事。
再び晴天が続いています。
大規模な賑わいは望むべくもありませんが、
樹下美術館の連休5日間は昨年よりかなり忙しかったです。
それが本日とても閑散、そして午後は休診日。
お客様の見えないのを幸いとし、スタッフや妻とともに庭の手入れをしました。
早くも繁り始めた大小の樹木の枝を払い、除草をしました。
それから2時間かけてみっちり散水、芝生はカフェのすぐ前ですので特に念を入れました。
昨日のデッキ。
田んぼに水が入りはじめ、頸城野一帯は間もなく田植えです。
幾星霜流れたが、幼い日のままの瞳をしている人がいた。
連休中の人の往き来がようやく終わる。
そんな本日、樹下美術館は切れ目ないお客様に恵まれた。
過日取材して頂いたJCVの放映効果が出ている模様で、感謝を禁じ得ない。
午後美術館の帰り道、ネギ畑で収穫するI氏を見た。
近づくと奥さんと若い女性が手伝っている。
奥さんも久し振りなら、傍らの女性は何とも懐かしいMちゃんだった。
以前書きましたが、I氏はその昔私たちのヨットの艇長だった。
ちょうど今頃佐渡へのクルージングで、三女のMちゃんは3才くらいではなかったか。
ぐずりもせず皆としっかり乗り組み、時にはラダー(舵)を操るI氏のヒザに乗った。
本日作業着の彼女は、幼い日のままの大きな瞳をしていた。
氏のご一家はみな目がきれいだ。
昨日に続き貴重な木村茶道美術館を訪ねた。
昨夜の雨はもっと降ってほしいところだが、庭は浸みているようだった。
本日快晴となり芝生の緑が増している。
昨日訪ねた柏崎の木村茶道美術館は良かった。
それが自分も行きたいと妻が言い、本日午後再び出かけた。
美術館へと新緑のカエデの道を行くと上方で待っている二体の老人像。
もしかしたら寒山と拾得なのか。
待合の床に掛かった大津絵の「鬼の念仏」は素朴な民芸絵画。
織部の剽軽茶席にぴったり。
本日正客ではなかったが、予めスタッフに所望するとお正客が服した織部茶碗を奥で清め、
再び私たちに出して下さった。本日それを妻が飲み、私は唐九郎。
そして撮影の可否をお聞きすると「構いません」と仰り、
ブログ掲載は?には「是非宣伝してください」ということだった。
ここの自在さと腰の据わりかたなど、やはり日本一だ。
拝見に出されたお道具。左奥は「南蛮船風炉窯(ふろがま)」(原益夫作)と右「瀬戸片口水指」
手前(殆ど隠れていますが)が菓子器の色絵魚藻文鉢(金魚ばち風な器)、
右へ織部烏帽子鉢(えぼしばち)、唐九郎の志野織部茶碗、黒織部茶碗(名・山)、金森宗和の茶杓、備前火襷(ひだすき)の茶器。
いずれも織部の「剽軽茶席」の名実に恥じないお道具組みだった。
お茶をいただいた後、展示室を見た。手前の室は水指(みずさし)展で中国各期と李朝および瀬戸、信楽(しがらき)、丹波などの和ものも入れ計27作品。奥は三井田コレクション展で、お茶人好みの書画、茶道具から所有者の愛情が伝わる。
以下は水指展のごく一部です。
当館が発足したのは昭和59年11月、自分は昭和61年から折々に訪ねた。
いつ来ても収集された故木村寒香庵翁の眼力と執念に唯々驚かされる。
彫り三島芋頭水指 (ほりみしまいもがしらみずさし) |
染付松虎文水指 (そめつけしょうこもんみずさし) |
庭と展示とお茶を楽しみ、心身と意識の栄養を補給して一人1400円とは余りにお得。
茶をしてもしなくても、是非訪ねたい場所であろう。
特に五、六月は古田織部没後400年の「剽軽(ひょうきん)茶席」で面白いと思う。
※剽軽:織部の面白さ、風変わりぶり、を指します。
樹下美術館は本日も貴重なお客様に恵まれたということです。
まことに有り難うございました。
新潟県の、日本の貴重、木村茶道美術館で織部。
晴天で長く乾きが続いていた畑や庭に夕刻から恵みの雨が降った。
樹下美術館の花は折々散水をしていたが、萌え始めた芝生が辛そうに見えていた。
夕刻の小雨は夜間に一時屋根音を立てて降ったので有り難みがあった。
だが深夜に掛けて静かになってしまい、十分だったか案じられる。
さてそんな日の午後やや遅く、東京の客人と柏﨑市の木村茶道美術館へ行った。
現在、同館茶室で、侍茶人で自由で偉大な茶道芸術の人、古田織部(おりべ)の没後400年にちなんだお茶が飲める。
赤坂山の駐車場に止めると、目の前の崖の草木にまぎれてベニドウダンツツジが見られた。
茶を始めたばかりの客人は早くも花に和み、美術館が建つ赤坂山は「松雲山荘」の庭に喜んだ。
同館の水指(みずさし)展で勉強の後、茶室に入るや緊張に包まれる風だった。
勉強したばかりの絵唐津(えからつ)は床の花入れとして、一輪の小ぶりな牡丹をすっきりと立たせている。
古色のうちにも明るみの残る一行ものの掛け軸は、鎌倉時代の中国からの渡来僧・一山一寧(いっさんいちねい)の墨蹟。
一生懸命両手を畳に揃えて拝み見ていた。
遅い茶席は後からのお客様を入れて5名の座になった。
説明の学芸の方が指さした、床脇の木喰(もくじき)作 「天満宮」に込められた和やかな表情に笑顔が浮かぶ。
青と黄の色美しい最上屋製の和菓子「花あやめ」はしっかりした甘みをもって口中を和ませた。
恥ずかしながらたまたま主客座に着いた私の茶碗は本日の主人公、黒織部。
小さめな茶碗は沓形にゆがめられ、丸、線、台形が記号の如く描かれている。
織部の宇宙を目と手のひらに収め茶を服すれば、そのまま没後400年の茶人の虜だ。
客人に充てられたのは加藤唐九郎の暖かみのある志野織部(しのおりべ)。
唐九郎を聞いたか聞いていないその人には、値段を言うしか価値の伝えようがない。
驚いて茶碗を落とさないように、茶室を出てから値の見当を言おう。
金森宗和の小さめで上品な茶杓(ちゃしゃく)、南蛮船の形をした奇抜な風炉窯(ふろかま)など、
私も感激したが、客人も興奮さめやらぬ面持ちで皆が待つ樹下美術館へ帰って来た。
夕食は長男一家と都寿司へ行った。
6月には4回の「陶齋の器でお寿司を食べる初夏の会」がある。
その会でお世話になるここの親方が元気なのも嬉しかった。
近いうちにもう一度木村茶道美術館を訪ねたい。
思い思いの憩い、大潟水と森公園。
風薫るこの時期の連休は大抵お天気にも恵まれ行楽日和になる。
賑わうイベント場所に繰り出すのも良いが、私は野辺のピクニックが好きだ。
いわゆる遠足気分が好きなのだろう。
赤ちゃん、老人、若者、犬、ギター、ボール、自転車。
本日の上越市大潟区の県立大潟水と森公園には思い思いの憩いがあった。
来ていた長男たちと水辺を歩き、あずま屋のテーブルを囲みサンドウィッチなどをほおばった。
園内の一角、気持ちの良いシダの群生。
ほかに小型のスミレ、レンゲツツジ、アマドコロ、貴重な野性ランの自生が見られた。
さて、最近は夕凪が終わるとひんやりとした山風(陸風)がそっと流れてくる。
風は落ち葉や土や樹木などの心地良い山の香りがする。
日中の診療所の庭でコムクドリが巣箱の掃除にいそしんでいた。
掃除が終われば新しい巣材を搬入し、営巣するのだろう。
鳥は見るからに清潔好きに見える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松本、新潟、新潟、足立、上越、上越、本日昼、樹下美術館の駐車場で見た車のプレートでした。
連休の恩恵は私どもにも与えられているようです。
お陰様で4月の来館者数は昨年同月より47%増でした(音楽イベントを除いています)。
皆様に深く感謝いたしております。
樹下美術館でも山菜が採れる 本日の水盤はカワラヒワ。
樹下美術館で採れる山菜が一つだけあります。
雪消えのころのフキノトウとその後のフキです。
本日夕食は今年採れたフキと地元の方から頂いたタケノコの煮物が出ました。
フキは山のものほど濃い香りではありませんが優しい味がしました。
さて本日のカフェから見える庭の水盤でカワラヒワが見られました。
黄色の羽色が印象的なカワラヒワ。
毎日スタッフが水を替えているのが分かるのでしょうか、鳥たちはよくやって来ます。
平らになってたっぷり水が入った水盤。
これまでかなり傾いていましたが本日お客様と一緒に直しました。
この水盤がよく見えるところはカフェの左端の席が良いと思います(およそ10メートルほど先です)。
コムクドリがつがいで水浴び。
晴れ間が続き畑は乾燥しジャガイモなどの苗が辛いらしい。
そんな昨日、カフェでレコードコンサートの相談をしているとコムクドリが水盤で水浴びをした。
ところでコムクドリのことを知っている人は意外に少ない。
この日、実物を初めて見たと言う方は「案外小さいですね」と仰った。
大きさは雀より一回り大きく、尾の形が違うがツバメくらいだろうか。
メスは全体がウグイス色で地味、オスは白い頭で胸は灰色、背は濃いブルーでかなり目立つ。
ひらりと柔軟な感じで飛翔する。
さえずりが特徴的で、ピーピージュクジュクツイツイとさまざまな調子で音楽的に鳴く。
診療所と美術館両方につがいが来ていて、なぜか自分はこの鳥に縁があるようで不思議に思う。
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