2020年10月

10月最後の日の海岸植物。

2020年10月31日(土曜日)

快晴の土曜日、昼食に美術館に寄り軽い食事のあと午後から柿崎海岸へ行った。
昨日書いた通り昼間の植物、特にハマゴウの実をよく見たいために出かけた次第。

 

数日荒れ模様だった後の晴れ間。海も空も良い色だった。

さて海岸線を覆うハマゴウは大方優しい紫色の花を終えていた。
一端を載せてみます。

 

僅かながら花をつけるものがあり、葉は青い。

 

これは花後の実。実は赤味を帯び葉はわずかに青みを残している。

 

この一群は実が黄色になっている。葉の色は褪せている。

 

ここでは実が黒くなり、落葉している。

海岸線を覆う低木のハマゴウは夏~初秋に花をつける。久し振りの10月最後の海岸ではごく一部が僅かに花を残すだけだった。
多くの群落を作る野性植物は季節の進行とともに一斉に同じように振る舞う。しかし本日のハマゴウは花と実の時期状態にばらつきが目立ち、少々驚きかつ不思議だった。
また、ばらつきはてんでんばらばらでは無く、幾分小さな群でまとまりが見られ、それぞれの進行に何らかの要因が働いていることが窺われたが、それが何かよく分からなかった。

だがもしかしたら、しばしばかぶる波が場所によって異なり、それが死活サイクルにわずかなばらつきを生じさせ、結果生育進度にずれが見られるのかもしれない、と想像してみたが、どうだろう?

以上くどくどとハマゴウの現象を書いてみましたが、一方ご覧のように時期ごとの実と葉の色や形状がシックで、なかなかお洒落な植物だなと思いました。皆様は如何でしたか。

 

夏を中心に権勢を誇ったコウボウムギは殆ど姿を消している。
本日見たのはこれ一つ。

 

一面に白い花を咲かせたハマボウフウは、ビッシリ種を残して花を終えていた。

 

海岸線から5,60メートルで砂防柵が連なっている。
柵の海側、山側で植物の様子が全く異っていた。

海側にハマゴウ、ハマヒルガオ、ハマボウフウなどかなり限定された植物のみ群を作っている。一方山側は、わずかな隔たりにも拘わらず、ササをはじめ野の草花など大変多様だった。
以下そのごく一例です。

 

ノイバラ

 

アメリカネナシカズラ
絡んだ糸か網のようであるが、海岸などで見られるツル性の植物だという。

 

よくお目に掛かるアオツヅラフジ

 

さて帰ろうとする車のそばにスズメがいました。

ある意味不思議な鳥、スズメ。
これは数羽の小さなグループの一羽。
クチバシの根元の色が浅く、今年の若鳥のようだ。

大きな群から離れているのは、一帯をすみかに決めたためだろうか。
厳しい冬に向かってどうか頑張ってもらいたい。
本によるとかなり多くのスズメは冬に失われるらしい。

以上のようにハマゴウを中心に学童の戸外学習のような海でした。
目を凝らすと面白いことや不思議なこともありました。
この後、頸城区の自然学習実践センター(ビオトープ)へ行きましたので、そちらは明日などに掲載させて下さい。

四ツ屋浜のカワラナデシコ、ハマゴウの実と花 水餃子。

2020年10月30日(金曜日)

本日午後の仕事前に雲を見に四ツ屋浜にいきました。

 

さしたる興を催す雲も無く帰ろうとしますと、

 

足元に二輪のカワラナデシコ。
波打ち際まで100メートル。強風の場所で背の高い草に隠れるように咲いていました。

 

そばで沢山のハマゴウがシックな黒い実をつけていました。
生薬になるハマゴウ。鼻にもってくると香りよい薬草の匂いがしました。

 

その傍らに紅葉のハマゴウ。まだ花を残していました。

ハマゴウの黒い実や紅葉が見られている。
そしてまだ花までも、、、、。
こうなるともっと明るいうちに草花を見に海岸を歩かなければなりません。
週末は晴れるようですから、出かけてみたいと思います。

本日の野ブドウ 美味しそうな枯れ草 テッポウユリを植えた。

2020年10月28日(水曜日)

先日雨の日の野ブドウを掲載しました
晴れ間の多かった本日あらためて見ますと、色づいた房がさらに増え、色も濃くなっていました。

 

 

 

ターコイズブルーそのもの。

 

見過ごしがちな場所にこっそりと出現している色の王国のようです。

 

ベンチから農道に降りると一面のメヒシバ。
本日は乾いて良い感じに美味しそうです。
草食動物が見たら狂気乱舞するのではないでしょうか。

小さな流れに沿ってまだミゾソバが咲いている。
コロナ禍も荒々しい政治感情も無く、自立的に生活する植物たちの貴さが光る。

 

本日施設巡回が早く終わったので、購入してあった鉄砲百合を植えた。

16球を三カ所に植えた。百合は来年4月に芽を出すまで土の中で成長する。風雪の季節を過ごす土中は案外暖かいのかも知れません。あと1,2種類百合を植えるつもりです。

まだチューリップもあります。
いつもモタモタしてミゾレの中の作業も止む無しですが、今年は早めに切り上げたい、と思っています。

庭が赤くなってきた リュウノウギク レッド・ガーランドの「Rain」。

2020年10月26日(月曜日)

よく雨が降った月曜日。
さほどの寒さではないが、美術館の庭も少しずつ赤味を帯びてきました。

 

夏の間、長く咲いたカシワバアジサイは早めに紅葉を始めます。
北アメリカ東部原産といわれる木は、紅葉もどこか洋風な感じを受けます。

 

真っ盛りのリュウノウギク。
2007年の開館の数年前に植え、その後沢山増えました。
もとはと言えば東京の伯母が富士山麓の別荘の庭から送ってくれました。
60年も前の話ですが、別荘の土地は伯父のゴルフの賞品だったそうです。
時代とはいえトンデモな話として当時聞きました。
鈴を振ったように綺麗な声の持ち主だった伯母。
生前何かとお世話になりました。

 

雨に濡れている本日裏手の庭テーブルと椅子。

 


レッド・ガーランドのピアノトリオで「Rain」。
この人のジャズには温かみが感じられます。
学生時代はじめ若い頃に沢山聴きました。
鐘の残響のような響きを持つ和音や、コロコロしたメロディは彼独特の演奏スタイルです。

10月名残の茶会 虹の上下浜。

2020年10月25日(日曜日)

7月から始めた月末茶会の10月が終わりました。
午後から2回に亘り10 名様にお座り頂きました。
午前中かなり激しく降った雨も上がり、室内三カ所の窓を20㎝ほど開け、進行も簡略を心がけた次第です。
お点前の私は勿論、皆様は飲食以外はマスクをされ、本当に変わった時代になったと思いました。

 

床の軸は9月と同じ、立花大亀師の円相。今月も吉田隆介さんの花入れを用いました。
洗練されたモダンな意匠が茶室に映えます。
10月は風炉の名残り月、それに沿って花も庭の物を沢山入れました。

丸を一筆で描いた円相は禅における書画の様式の一つです。世界の表象や悟りの境地を現すとされ、決まった解釈を避け、見る人に任されると言われます。私は和やかなお席のために、と話してみました。描かれた丸の具合がとても良いのです、

 

風炉先屏風は齋藤三郎筆の父あて消息。
10月は寒さに配慮し、火がお客様に近づくよう風炉釜を長板に置き、
客側にあった水指を左に除ける「中置き」の設えです。

風炉はつい最近、道具を片付けられた方から頂戴したおっとりした道安風炉です。下さったH様、本当に有り難うございました、大切に致します。
水指は二代陶齋、齋藤尚明氏作の辰砂面取り水指の再登場でした。上品な細身の器に暖かな辰砂の色が印象的でした。

 

お菓子は上越市は髙田、竹内泰祥堂さんの「神鈴」です。
鈴の様子が大変可愛く、美味しいと評判でした。

 

路地にお客様の姿が見えると緊張します。

お茶の先生や生徒さん。着物を着たかった、という方。茶席は初めてという方。いつもながら皆様には思い思いに寄って頂きました。粗忽な亭主ですが、お付き合い下さり感謝でいっぱいでした。

 

終わって夕刻になると急に時雨が混じり、風も強まり今どきらしい荒れた空になりました。
虹が現れる予感がしました。
虹を撮るのに電車か海か水田かを迷いましたが、上下浜に向かいました。

 

 

虹は思った以上に美しく、マリンホテルとも相性よく掛かりました。
時刻は午後4時半近くです。

 

覚悟はいいか、とばかり荒れる空と海。

 

むしろ歓迎、と言うように次々とやって来たカモメ。

めまぐるしく変化した気象の一日。皆様と暖かく交わることが出来て良い日でした。
こまやかに水屋を助けて頂いたT先生、いつもながら誠に有り難うございました。

美術館のすぐそばでノブドウが綺麗です。

2020年10月24日(土曜日)

去る10月17日、妙高山の初雪の日の当欄でノブドウの写真を1枚掲載しました。
それがこの数日日増しに色濃くなりました。
これまで何度かノブドウの掲載をしました、
2018年11月1日、 2017年10月4日

しかし今年ほど沢山しかも鮮やかに色づいているのは初めてです。
今年はどこでもこんな風でしょうか。

以下は本日雨中の美術館裏にあるベンチの左手で見た実です。

 

 

 

 

 


様々な色がありますが、紫色がニュアンスとして共通しているようです。
よくもこんなに綺麗な色を作れるものだと感心します。

 

かってノブドウを描いたことがありました。

2000年作で、これまで何度か出した絵です。
これでも精一杯豪華に描いたつもりでした。

 

平成3年、日本橋三越で求めた根本曠子作野ぶどう切貝棗(きりがいなつめ)。
お茶を習い始めて5年目のころでした。
秋に何度も使い、これからもお出しするつもりです。

明日は月末日曜日の茶会の日です。雨降りが続いていますが、日中は止むようです。

ネットで注文した野菜ギョーザ いつか母のを手作りで。

2020年10月22日(木曜日)

メザシと野菜炒めまたサラダの夕食を続けているが、作る妻としてはそれだけでは不満らしい。
基本はそれを軸に次第に変化を加えるようになった。気持ちは良く分かるので、体重を見ながら量で加減をして食べるようにしている。

本日は玄米メザシではなく餃子。
昭和30年代の何年間、節目の日があると、母は思い出したように餃子を作った。
新婚時代を満州で過ごした母は、中国人のクーニヤン(お手伝いさん)から餃子の作り方を教わっていた。

小麦粉を長時間練って寝かせ、小さな麺棒で丸く厚めに伸ばす。抜群に美味しかった餃子は肉もニンニクも無い。
具はキャベツあるいは白菜にニラ、それにみじん切りのタマネギも入ったのではなかっただろうか。ボールの中の具はねっとりしながら、少々シャキシャキもしていた。具はゴマ油が混ぜ込んであったように思う。

初期の肺結核で休学していた高校生の私は母と並んで皮を伸ばし、具を取っては皮で包んだ。
みな揃えば7人、熱いゴマ油がしたたる厚皮の餃子はウースターソースで食べた。

美味しかった本日の野菜餃子はネットで探した台湾製。少し焼きすぎた。
残りは水餃子にするらしい。

 

 

チーズ大根のスープ。

 

 

春雨とレタスのサラダ。

ある夏、父が懇意にしていた先代の陶齋・齋藤三郎さんがお子さんや甥姪たちを引き連れてやってこられた。まだ小さかった当代陶齋尚明さんも一緒だった。
海から帰った子供たちが揃うと餃子を焼いた。
総勢10数人の食べ手。大きな皿いっぱいに出すのが、たちまち空になった返ってきた。焼いても焼いても切りが無く、ついに具が無くなった。すると母は小麦粉で饅頭のようなものを作って出し、それもまた喜ばれた。

本日の餃子は美味しかったが、勿論母のようには行かない。早速別のものをAmazonで注文した。
多分最後は家で作ることになると予想され、上手く再現できればと思う。

とにかく野菜だけ。皮は大きめに厚く伸ばし、ゴマ油をたっぷり使う。油を敷いたフライパンで焼き、ビシビシと焦げる音が始まったらすぐに蓋をとり、餃子の三分の一くらいが浸るように急いで熱湯を掛け蓋して蒸す。ほんのわずか煙が立ったら出来上がり、だったか?

熱いのをウスターソースをつけ、ほおばる感じで食べる。

本日のはネットで探した通販のを食した。
肉無し餃子」で検索すると「にんにく無し餃子」などが沢山出るが大抵肉が入る。ただ「ベジタリアン 餃子」で引くと野菜だけの餃子が出てくる。
ネットに野菜ギョーザのレシピが沢山出ていたので、自作の時は具などを確認したい。

昨日製本した森のトマト畑を、本日昼比較的若いご夫婦が一冊お求めくださった。
拙くはあるが絵でも本でも絵はがきでも、作ったものが売れるのはとても嬉しい。

森のトマト畑を10部追加しました。

2020年10月22日(木曜日)

先月16日に手作り拙絵本「森のトマト畑」を8冊追加して受付に出したことを書かせて頂きました。
ぽつぽつと出ていったのですが、先週お二人の方が一人でに2冊3冊とお求め下さって無くなりました。

一ヶ月で8冊は思ったより早く、感謝しています。昨夜10部出来ましたので、宜しければお手に取ってご覧さい。

24ページ、カラー口絵8枚の文字通り手作り絵本「森のトマト畑」。

内容の
前半
後半
です。

次回より扉を1枚追加して体裁を整え、1冊750円(50円値上げです)にさせて下さい。
運営費の足しになります。どうか宜しくお願い致します。

高齢者に予定があることは大切 過剰?な私の予定 蝶のためにフジバカマを植えた。

2020年10月20日(火曜日)

高齢者に大切なことの一つに予定がある。
在宅、施設を問わず、また経験上母をみていた時にも感じたことだが、高齢者が前向きに生活するために「予定があること」は大切だと痛感する。

何かを待つでもなく、ただじっとしているのは辛く、明らかに心身に悪い。
そのような毎日を重ねれば、現実逃避の側面でもある、自分だけの世界「認知症」への道を歩むことになる。
毎日、月々、週ごと、あるいは来年と、何かしら予定があることは張り合いであり、そのリズムは心身を活気づけ、生活実感を感覚できる。
その意味から体がある程度利けば畑や庭、プランターでも良い、これらをかまうことは予定が生まれ、外気にも当たれる。

主として生活介護を支援するデイサービスも予定の点で大変意義がある。
デイのメニューは良く考えられ、スタッフもスキルが十分で、初めに渋った人も次第に喜んで通うようになる。
それに比べ、泊まって利用するショートステイでは、ややもすると本人に我慢の試練を払拭できない。長年の見聞で、もっとこまやかにかまってやってほしい印象を受けるのである。

残念ながら時にデイを厭がる人がいるのも現実である。
制度上、主として集団的に対応される傾向がある現行の一般施設にとって、外気浴とともにもう一段突っ込んだパーソナルな部分の充実は、今後の大きな課題であろう。
将来に向けて、国および本人・家族ともに本気で現実を検証し、人生設計を考え改良を重ねて前進することが強く願われる。

私個人といえば良い悪いを別にして、かなり過剰な予定の中で生きている。すべて自分がもたらした日常なので文句は絶対に言えない。その維持にはただ一点、健康への留意だけしか頼るものがない。
そう言い聞かせながら来年の庭に蝶が寄ってくれるのを期待して、日曜日に買ったフジバカマ三株を本日昼に植えた。
これまで植栽したブッドレア、ホトトギス花に加えてフジバカマも蝶が寄ると言われる。
良いことにみな丈夫そうな花だ。
これを庭の西奥と北の二カ所に分けて寄せ植えし、来年を待つことにした。

どのように育つのか、春~秋へ万一蝶が来たなら、是非ともここでお伝えしたい。

赤い普通のフジバカマが二株。

 

白花のフジバカマが一株。

柏崎市のドナルド・キーンセンターを訪ねた 今井翔太、駿哉ご兄弟の作品 帰路の福浦八景。

2020年10月18日(日曜日)

本日日曜日、念願かなって柏崎市、ドナルド・キーンセンターを初めて訪問した。
同センターは樹下美術館の少し後に開館している。
まったく格上の同センターを訪ねるのに10年の歳月を要した事になる。遅くなったがその間に年を取り、偉大なキーン氏を少しく理解できる仕度をしていたのかもしれない、という言い訳を許して頂きたい。

センターは想像以上にスケールが大きく、目的が明瞭で、知的な文化漂う場所だった。それはとりも直さずキーン氏自身のエッセンスの現れであり、センター設立者のキーン氏に対する敬愛と深い理解がそうさせているものと思った。

自国の文化価値は自国人の理解だけではまだ足りない。国際的な研究と俯瞰が加わっていっそう価値の普遍性が高まる。
キーン氏がこの国の文学を研究し世界に向けて多数発表され、多くの作家、文化人、国民と広く親交を結んだのはまことに貴重なことだったにちがいない。

氏の足跡を示す展示は大変分かりやすく充実していた。こまやかな資料蒐集と展示構成とともに、傍らのキャプションは誰が書かれたのだろう。ご苦労と内容の明瞭簡潔さに深く感銘を受けた。

 

やっとたどり着いた今日のドナルド・キーンセンター。

 

ロビーでは今井翔太、今井駿哉兄弟の展示イベントが行われていた。

 

駿哉さんの立体と版画の現物ほか、広大なインスタレーション作品の写真も。

 以下は翔太さんの絵画。

 

色と形象に深みと重量感がある絵画。

 

表現が異なるご兄弟の作品は、ともに精神性と時間要素が重なり、印象的だった。

 

展示順路の口に建っていた鮮やかな柱。
ここから先はマナー遵守で撮影をしていません。

 

よく手入れされたバックヤードの芝生。

 

 

芝生の通路を上がると和風の設え。

 

 

ゆったりしたロビーで一休みした。

 

 

キーン氏の著作を中心に図書が充実しているショップ。

 

 

ショップで求めた本。
左から別冊太陽「ドナルド・キーン 日本の伝統文化を想う」 2017年9月25日平凡社発行。
真ん中は常設展示図録「ドナルド・キーンセンター柏崎」
2013年9月20日 ブルボン吉田記念財団発行。
右「石川啄木」著者・ドナルドキーン 2016年6月10日新潮社発行。

 

バックヤードを歩くとすぐアカタテハ蝶が飛んできて塀に止まった。
いつかの武相荘でもそうだったが、記念施設の庭で蝶をみると、
かつての主が遊んでいるのか、とふと想ってしまう。
また柿崎海岸で千鳥をみると母かと思ったりもする。

 

 

懐かしい柏崎マリーナを入り口から覗いてみた。
出来たばかりの昭和50年中頃、
私たちの30フィートヨット「オレンジペコ号」をここに係留していた。

以下は本日の福浦八景と恋人岬。

 

この一両年、庚申塔や天神様街道の探訪、市立博物館や木村茶道美術館訪問など、何度も柏崎市を訪ねた。
同市は歴史と神仏が厚く、多くの文化人やスポーツ選手、さらに様々なコレクターを生んだ貴重な文化都市だ。

世の中が偏狭と目先利益や見た目に夢中の昨今、求めるべき幸福が遠く薄くなるのを漠然と感じる。
文化と教養は幸福を求めて歩くために履く、歩き心地の良い丈夫な靴かな、と思う。

今日、文化豊かなドナルド・キーンセンターでは気づかされることが非常に多かった。
館内奥にあったキーン氏の再現書斎でなんとも居心地の良さを覚えた。
求めた本も楽しみにしたい。
御地がいつまでも心安らかに訪れることが出来る街であることを祈っています。

寒かった日の見聞 皆様に感謝。 

2020年10月17日(土曜日)

本日は朝から寒い一日だった。
午前の仕事を終えて美術館に向かう道で、妙高山山頂に雪が見えた。

雪は谷すじに溜まり、ちょっぴりであり冠雪というより初雪のイメージ。
しかし例年より相当早く降った模様で、今冬の寒さが案じられる。

 

美術館裏から撮った山頂。

 

 

午後3時ころ、買い物帰りの妙高山。
ホームセンターで芝生の肥料や百合の球根と咲いているフジバカマを買った。
フジバカマも蝶が寄る花なのでブッドレアのそばに植えたい。

以下午後から目にしたものです。

裏のベンチ脇で沢山実をつけているノブドウ。
ある種のハチが卵を産み付け、その実だけがこのように色づくらしい。

夕刻に尊敬するコレクターのA氏が見えた。
お持ちになったスプーンは、先ほど手に入れたばかりのイタリアのアンティーク。100年ほど前のもので、コーヒー豆の計量スプーン。
良い感じに使われ、各部のカーブとバランスが何とも言えず美しい。
如何にもイタリアという感じでしょ、と言うニコニコ顔のA氏。センスの良さにはいつも感心させられ、美学の専門家と言ってもいい人。
仕事帰りの俳句のA氏も加わって、しばらく四方山を話した。

 

コレクターズアイテムとしてスプーンは奥が深そうだ。

閉館後西方の空低く僅か雲の切れ目が見られ、綺麗な夕焼けの予感。
近くの水田へと出向いてみると、いっとき紫色の世界が現れた。

 

東の米山は変わった形の雲が浮かび、童話のシーンのようだった。

 

西の妙高連山と雲も紫色。

 

帰路の潟川。

 

本日夕食のメザシ。
このほかに玄米ご飯にサラダとおでん風の煮物が出た。
軽い朝昼とメザシ&野菜中心の夕食にして45日、
54,7キロの体重が2,5キロは減った。
減り加減が早いため、夕食のおかずを少し増やした。

ちなみに朝・昼はヨーグルトとサラダに紅茶が基本。多目に動く日は8枚切りトーストを1枚加える。
このような食事は一般に勧められないかもしれませんが、味覚が鋭くなり、ゴルフが良くなり食後の眠気も無い。年の多い私には合っていると感じている次第です。

 

仕事場の夕食どき、外でドンドンと音がした。鵜の浜温泉の花火が見えてカメラを向けた。

本日夕刻近く、柏崎の方達がお見えになり、熱心に展示をご覧頂いた。その後カップが楽しみと仰りカフェでゆっくりして頂いた。
午前に来られた方が「森のトマト畑」を二冊お買いになったと聞き、有り難く思った。

さまざまにスマホを楽しまれた若い女性お二人の様子は、スマホが上手く使えない私には羨ましい光景でした。
多く留守をしましたが、皆様ご来館有り難うございました。
明日は暖かくなるということです。

常時玄関扉を6.70㎝ほど、カフェの窓を20㎝ほどを、晴れていれば天井の排煙孔を開けていますが、新しい二基のエアコンのお蔭で館内はほどほどに暖かく、助かっています。

空と周囲の秋 富山からのお客様。

2020年10月16日(金曜日)

晴れ渡った昼の空に、うろこ雲やすじ雲が見られると次第に曇りがちとなった本日。
裏の農道脇に桃色のミソソバと真っ黄色のセイタカアワダチソウが沢山咲いていた。
今まさに秋真っ盛りで、これから段々と寒さに向かい、平地でも紅葉が見られてくる。

 

波状のスジを描いたうろこ雲をセイタカアワダチソウが見上げている。

 

白い孔雀の羽根を想像した雲。 高い雲は氷の粒の集まりらしい。
右上で輝いているのは太陽です。

 

裏の農道の細い水路に沿ってミゾソバがいっぱい。

 

ミソソバにセイタカアワダチソウが混じる。セイタカアワダチソウも小さなうちは可愛い。

富山から見えたご夫婦は、ホームページにあったカップでお茶を飲みたくて来ました、と仰った。

 

奥さんのカップはオールドノリタケで、花の取っ手(フラワーハンドル)が付いている。

ご主人は英国ロイヤルドルトン社のアールデコ調を選ばれた。
このカップは男性に好まれるようです。

いずれも1920~30年代の状態の良いアンティーク食器です。

遠くから有り難うございました。
富山と聞いて昨年5月に訪ねたことを思い出しました。また出かけたくなりました。

夕暮れの鵜の浜温泉の人魚像 盛んに雁が渡ってくる。

2020年10月15日(木曜日)

昨日西側の庭に紅白の萩を植えたので本日午前までの雨は恵みの雨になった。

午後はさまざまな雲が浮かぶ爽やかな空となった。

 

 

遅くなったが、鵜の浜温泉の人魚を思い出して寄ってみた。

 

 

もう少し早ければ表情が見えたはず、また良い夕暮れに来てみたい。

 

 

どれだけ旅をしたのだろう、海上から雁が現れた。

しばらくは晴れたり曇ったり、自然はさまざまな表情を見せてくれることでしょう。
幸せなことだと思っています。

変わった植物ホオズキ かつて描いた拙ホオズキ。

2020年10月14日(水曜日)

ホオズキは変わっている。
夏にジャガイモの花に似た小さな花を咲かせ、花の後に青い萼(がく)が実を包んで膨らむと野菜に見え、涼しくなるに従って萼は赤い果実として見える。
そして今、萼は繊細な葉脈を金属細工のごとき網目として現わし、眼を楽しませてくれている。

 

中の赤い実はやや渋くどこか甘いトロリとして汁に包まれて細かい種を付けている。

子供の頃家にホオズキがあったようで、姉と一緒に赤くなった実を揉んで柔らかくし、そーっと軸と種を取り出した後袋状の実を鳴らした。
クチャクチャピュウピュウと、下唇を使って鳴らす。
海藻の仲間で海ホオズキというのもあった。
祭などで売られていたように思うが、こちらは高級品だった。

ついには楽器にまでなるホオズキ。美術館のは患者さんの家からもらった。
現在5、6本あるが、毎年少しずつ移動しているようであり、どこまで行くのだろう。

ちなみに以下はかつて小生が描いたホオズキです。

↑ホオズキ(透明水彩 2001年)。

 

ホオズキとヤマイモの実{透明水彩 2002年)。

 

ホオズキ(油彩 2014年)

 

2002年5月、市内大嶋画廊で初めて植物画の個展をした。緑色の額に入れ60点近く出し、店主に促され25点ほどに値を付けてみたところ、一日でみな売れた。サイズはB5~A3 で5000円から15000円だったと思う。
上掲した一番上のホオズキは4人の方が欲しいと仰り(かなり執拗に)、半年かけて同じように描いて皆さんにお売りした。
今になれば何か悪いことをしたように思うが、出ていった絵はその後どうなっているだろう。

 

個展をした年、民間の医学雑誌で紹介されました。
(ASAHI MEDICAL2002年12月号)

 

本日は庭のホオズキだけのつもりが、恥ずかしながら自分の事を沢山書かせて頂きました。

庭で盛りを迎える西王母やホトトギス この先の楽しみとは。

2020年10月13日(火曜日)

いま美術館の庭では例年になく西王母が沢山花を付けています。
また厳しい暑さを乗り切ったホトトギスが盛りを迎えようとしています。

 

玄関左の西王母。2012年10月に植えて以来最も沢山花を付けた。

本日来館されたご家族が、色と形が優しい、と仰った。

 

ちなみに2012年に西王母を植えているところ

 

カフェ正面の右奥でひっそり咲いているシロバナホトトギス。、
この花も今まで一番沢山咲いた。

 

カフェ正面の目立つところの紀伊ジョウロウホトトギス。これから盛りに向かうところ。
この花は垂れ下がるので、今年は植木鉢に取りレンガを敷いて位置を高くした。
二十年以上も前、妻の母と私の母を連れて、美ヶ原に近い扉温泉に行った。
旅館から出たやや薄暗い岩の小道に、この花が何十という数で咲いていた。

 

美術館で最も数が多い台湾ホトトギスの仲間。
カフェ正面のやや左に沢山咲きます。

 

同じような場所で数カ所、ひっそりと咲いているコハクジョウロウホトトギス。

ホトトギスは種類が多く、名は正確ではないかも知れません。
樹下美術館では、菊類が咲く前の庭を賑やかにしてくれるホトトギスはとても貴重な花です。

いつしかツバメは南へと姿を消し、代わって冬の水鳥たちが渡って来ている。
これからは晴れ間に空と雲を見、月や花鳥を探し、今年最後の庭仕事をする。
紅葉の移ろいや落葉に目を止め、荒れる合間に海や虹を見に行ってみる。
深まる秋から初冬へ、コロナだけは気を付けながら折角の季節を楽しみたい。

2020年10月10日土曜日の大夕焼け 本日のゴルフ。

2020年10月11日(日曜日)

一昨日10月10日、いつもの水田で壮麗な夕焼け雲を見た。

 

17:03、妙高連峰は右に焼山、左火打山。頂上にすーっと雲が掛かって暮れていく。

車に戻って本日撮ったものをモニターで見ていた。しばらくして外をみると赤く染まった大きな雲が西南の空を覆っていた。
突然のように現れた波打つ大夕焼けに息を飲んだ。

17:10、気づいて車中から撮った雲。

 

17:12出て車を入れて撮ってみる。

 

17:13少し離れてみる。

 

17:14もう少し離れてみる。

 

17:14もっと離れた。
次第に暗い空の中に消えて行く雲。

雲の中から
〝汝、人を愛せ〟と言って巨人が降りて来れば良かったのに、と思った。

 

17:25分、電車が来た。夕陽が沈んだ西の方角。
そちらには厚い帯状の雲があり、長々と赤く染まっていた。

写真のキャプションの時刻に誤りがありましたため、訂正しました(15:13→17::13などです)。

遠くにもう一人、若い人が居て雲や電車を撮っていた。


昔懐かしい「Beyond the Sunset」。
かつて「夕陽の彼方に」という邦題が付いていた。

本日ゴルフがあり47,47は今年一番良いスコアだった。

モズがトンボを食べようとした?

2020年10月10日(土曜日)

美術館付近で毎日モズが鳴いている。次はここ、次はここと、およそ止まる場所が決まっている。
隣地の駐車場にある赤白のポールもその一つ。右回り、左回りしてはここによく止まる。

ポールは近いうえ背景の邪魔も無く撮るには条件が良い。夕刻去ろうか、と言うときにやって来た。

 

あっち向きこっち向きして鳴き、縄張りを告げている。婚活かもしれません。

よくトンボが飛んでいる。

上を向く。

身を反らしてトンボを見る。

行ってしまう。

また来た。

トンボは足を伸ばしてモズに止まろうとしているようにも見える。
モズは知らんふり。

パクッ.?捕まえたのか?

トンボは飛び、モズが鳴いて見上げる。
トンボはバックをしないはずなので、振り回されたのもしれない。

捕食が失敗したかにみえ、モズが見送っている。
正面から見た訳ではないが、きわどい場面だったのか。

じっとしているモズは可愛いのですが、大口を開け大声で鳴いている所は猛禽らしく強面です。

 

ところで本日の夕焼けはまことに壮大でした。
明日掲載させてください。

どこかで繋がっている方達。

2020年10月8日(木曜日)

夕刻近く、遠くから五人のお客様が見えてお話をした。
ご高齢の紳士は一目見てDrだと思った。お尋ねすると、そうですと仰った。父と同じ大学出、お父様は、小山作之助のことを〝叔父さん〟と呼んでいたということ、どこかお互いが繋がっているようであり、不思議な親しさを覚えた。

大潟区や直江津のご先祖がおられ、私どもも知っているお名前や地名、そして旅館にお寺などが出て、初対面にも拘わらず近しさを共にした。
それにしてもマスクを着けたり外したりして飲むお茶。
厄介なウイルスのお蔭で、ややもすると斯く出会いにもどこか寸法が足りないのを否めない。
閉館近く、再会を述べ合ってお別れした。

閉館後、西空低く帯のように茜が射している。
車で5分、いつのもほくほく線の場所へ行った。いっとき美しい夕焼け空が現れ、やや遅れて電車が下っていった。

夕暮れ時に見る電車の黄色い窓明かりは懐かしくも平和。

週末にやってくる台風が気になる。

今日の空とキジの若鳥 色濃くなるリンドウ 季節の足が速い。

2020年10月7日(水曜日)

時折陽が射した日中、暖かさが恋しく感じられた。
秋はあの異様な暑さなどまったく意に介せず自らの歩みを進めている。季節には互いのコミュニケーションなどというものが無いのだろうか。

美術館は定休日だが、老人施設の回診を終えて庭に寄った。

庭で見上げると東へどんどん移動するいわし雲。

 

裏手の田んぼにキジが何羽もいた。
数えると7羽。こんなに多くいるのを初めて目にした。オスが5羽、メスが2羽。
オス達は一様に羽や毛にムラがあり、一見うす汚く見えた。
まさか夏の暑さにやられたのか、まさかこんなになるまで戦ったのか、不思議だった。

色々考えた挙げ句、全てオスは成鳥に向かけて毛が生え変わりつつある若鳥ではないか、ということにした。
でもメスは何?など疑問が残る。
普段ヒナや若鳥は母に連れられて生活する。二羽のメスは親なのか?
そして群は二家族なのか?だがそれなら子がみなオスということになり、やはり変だ。

では全てが若鳥、もしかしたら7羽は兄弟姉妹、あるいは何組かの兄弟姉妹が一緒に居るのかもしれない。

夏から秋へ野鳥は群を作る。
見聞している範囲で、秋のスズメの群はすべて若鳥で構成されていると、以前から思っている。
スズメと同じく、今年生まれたキジたちも、秋には親と離れて集まって過ごすのだろうか。
かつて母親に導かれて、茂みから茂みへ隠れるように移動していた幼鳥たちが、こんな勇ましい姿になって現れるなら、彼らの流儀には恐れ入ってしまう。

いずれにしても7羽のキジを目の当たりにし、わずかのエリアながらこれだけ繁殖していることを頼もしく思った。

 

 

 

 

 

メスは通年同じ色なのかもしれない。
時期のせいかメスの奪い合いもなく、みな落ち穂探しに余念が無かった。

生き物は色々難しい、まして人間に於いておや、ではないだろうか。

 

 

リンドウがますます濃く澄んだ色になっている。

夕刻6時過ぎの頃、雁行の声が聞こえた。
県内の瓢湖に白鳥が飛来したと今夕のニュースが伝えた。まったくぼんやりしている間に季節はスタコラサッサと過ぎてしまう。

ブッドレアとヒヨドリバナを植えて来年の蝶を待つ 竜胆(リンドウ)と蟋蟀(コオロギ)。

2020年10月6日(火曜日)

いよいよ名前と素性が判明した仕事場の「ブッドレア」。
本日昼過ぎにもヒョウモンチョウ(その先詳しくは同定できません)が来ていて熱心に吸密していた。

そのブッドレアを二株、ネット通販で求めたのが来ていて昨日二カ所に植えた。
また、大潟水と森公園で蝶が寄っていたヒヨドリ花も二株求め、一緒に植えた。

 本日のブッドレアとヒョウモンチョウの仲間。

 

陽当たりの良い北側の庭に一本。
すでに1メートルはあり、枯れかかった花も付いていた。

花が終わった多年草のヒヨドリ花は茎で届いた。
ブッドレアから2メートルほど離して植えた。

もう一組を西側の庭に植えた。両者ともに来年は一応花が期待できる。この二組がどの程度開花し、果たして蝶が来るのか、楽しみにしたい。

さて先日美術館で咲き始めたリンドウ。その場所にもう二つ以下のように花が見つかった。

 

この花の根に近い部分を見ると、

一羽のコオロギが亡きがらとなって横たわっていた。

枯葉と同じく虫たちは死して草花の肥やしになるのであろう。手前の茎は上掲のリンドウで、良い場所に落ち着いたと思った。

竜胆の花咲き初める傍らに蟋蟀一羽なきがらのあり

新装なった上越市立小林古径美術館を訪ねた。

2020年10月5日(月曜日)

昨日10月4日日曜日午後、新装なり4年ぶりに開館した上越市立小林古径記念美術館を観に行った。
城址公園の風致に相応しい平屋の建物は上品で軽やか、親しみやすかった。

古径記念室の常設展示のほか、来年の3月21日まで「上越美術のチカラ 展」が記念企画されている。
古径の作品は勿論だが、明治期以降の上越地域ゆかりの作家たちの作品はいずれも魂がこもり、文字通りチカラがみなぎっていた。

 

以下小林古径作品から二点、爽やかさがいっぱい。ほの暗い室内は居ながらにして秋の光が感覚された。

 

以下は新潟大学教育学部髙田分校の芸能科卒業生はじめ当県ゆかりの作家作品から二点。
普段から身近な人、同郷人などローカルなアイデンティティーが共有される人の作品は得に言われぬ親しみを覚える。
込められた熱意や県人特有の真摯さが現れていて、心打たれる。

 

 

 

話それますが、以下エントランスにさりげなく置かれた家具に目が止まりました。

 

左右に柳宗理のバラフライ・ストゥール。真ん中はムライ・ストゥール。
いずれも天童木工が発表したミッドセンチュリー・モダンの名家具です。

 

明るいギャラリー回廊に飾られている齋藤真一氏やガレの作品。
豊かなお宅を訪問して観るような気軽さで次々立ち止まった。

 

採光の良い二ノ丸ホールでは楽しく創作活動や催事ができそう。

 

こまやかに作り込まれた掘川紀夫氏のテンセグリティー。
やや古風な庭に楽しい動きと色彩を与えていた。
二本の白が他の四色をうまく引き立てている。
白とは大切な色だな、とあらためて思った。
そういえば、雪は白ではないか、とさらに思った。

 

なだらかな芝生に前山忠氏の竹による爽やかな造形。

 

日本家屋の骨頂を感じる古径邸。
柱と壁が計算され尽くした面と角度で空間調和している。

 

古径邸内路地に端整な酔芙蓉。
この花を見るためだけでも、もう一度行ってみたい。
管理は大変だが手入れの良い庭は見所の一つ。

贅沢な借景。

 

邸内展示は、左から志賀重雄氏の二作品、向こうに齋藤尚明氏作品。
展示はケースを用いず、あるがままの姿で展示され、力強い存在感を肌で感じられる。

 

これも志賀重雄作品。
齋藤三郎の最初のお弟子さん・志賀氏による思いも寄らぬ灰釉の大作。
刻んだ線も雄渾だった。

 

以下二点は内田邦夫氏作品です。

 

焼き物によるテーブルと椅子。
1910年(明治43年)上越市生まれの内田邦氏は東京藝芸術大学を卒業され陶芸の世界に入りました。
後に日常の使用を前提に、安価で楽しく、モダンなクラフト陶芸のジャンルを築いて広めました。

 

帰りに一休みした「世界のトナリ」。お客様がはけて静かになった店内。
帰りがけ、ふと見るとスタッフがしゃがんで丁寧に床を拭いていた。
客が途絶えた時に何をするかは、あらゆる仕事の成功の鍵だと思う。
この店はそれが行き届いていることにとても感心した。

 

帰りにもう一軒寄った遊心堂で、偶然志賀重雄氏の湯飲みが出ていて求めた。

さて長々となってしまいました。
もっと詳細を書かかなければなりませんが、時間がありません。
新たな小林古径美術館。
思ったより小さい、空間が狭い、など意見はありましょう。
だが資金や規制がタイトな中、4年の歳月を掛け智恵とデザインを絞り尽くして完成した美術館だと思いました。

身の丈に合って余りある、コンパクトで見やすく、疲れず興味深い施設です。
特に美術のチカラ展では多くの作家の力作を初めて楽しみ、もっと沢山観たいと思いました。
焼き物好きには、志賀重雄と内田邦夫作品は新鮮で驚きでした。

公的な施設ではなおさらのこと、作家や作品の選択にご苦労されることでしょう。ジャンル、ネームの大小、プロとアマなど芸術世界は常に宇宙的な様相を呈しています。
〝何が真摯で美しく、親しめ、素敵なのか〟
このたびはバランス良くそのことが配慮され、必要な主張もちゃんと貫かれていた、と実感しました。
開館にたどり着くまでの館長はじめスタッフのご尽力に敬意を表し、末長く皆様のチカラが発揮されることを祈っています。

この機会に上越の芸術とその環境に誇りを持ち、いっそう魅力ある地域になることを心から願った次第です。
暇をみて何度も訪ねてみたいと思いました。その都度心地良い時間と新たな発見に出会えることでしょう。

爽やかな日の雲 お客様の声 スズメの群 サルビア 初リンドウ 蝶が集まる木。

2020年10月2日(金曜日)

高田の最高気温はおよそ25度、湿度は55パーセントほど、10月に相応しい爽やかな日だった。

本日金曜日は1週間で最も暇な日。昔は一日一人の来館者も珍しくなかった。開館14年我慢を続け、今年は金曜日も15名様前後の方が来て下さる。
昼食後、カフェで本を広げていると、お二人の方が庭を巡られ展示を観て座られた。おひと方は初めての様子。
「ね、いいでしょう」
「こんなに良いところがあるとは知らなかった」
運ばれたケーキと食器に歓声が上がり、お客様の声には幸せを感じる。

 

西の空いっぱいに細かく千切ったような雲の群。

 

それが東に流されるとスジを引いて涼しそう。
氷の粒が落ちる途中で溶けて蒸発しているらしい。

 

傍らの水田と美術館の木を行ったり来たり、スズメの群は忙しい。
群はすべて今年生まれた若鳥で形成されている模様。

 

庭の入り口のサルビアは、初夏に種を撒いたもの。
一見して貧弱なのは遅く始めた私のせい。

 

思わぬ場所でリンドウの初咲き。

25年ほど前に安塚の方から花を頂き、一時ここで盛んに増えた。
それがある年ばたりと絶えてしまった。その後南に下がったトクサの中に現れるととても増えた。上掲の花は最初に植えた場所で咲いていた。

竜胆の思わぬ所に咲きたるは人の世とてもあらむことなり

 

ところで去る9月29日に掲載しました蝶が集まる木のことが分かりました。
何年か前、妻の知人で昆虫に非常に詳しい方から頂いたものでした。忙しい妻はその事を忘れてしまったか、あまりに成長の早い木のため、様変わりしてしまい、思い出せなくなったのかもしれません。

今では毎日見るのが楽しみになっています、本当に有り難うございました。
ネットにありましたので早速小さな苗を取り寄せ、美術館に植えるつもりです。

来る11月に「齋藤三郎と良寛さん」の講演会 仲秋の名月。

2020年10月1日(木曜日)

来る11月7日(土曜日)、樹下美術館に於いて、
「齋藤三郎と良寛さん」と題しまして全国良寛会会長・小島正芳先生の講演会を以下のように催します。

当館茶会におけるふとしたご縁で講演会が実現しました。
小島先生は長年に亘り良寛を研究され、今年8月に全国良寛会会長に就かれました。
演題は「齋藤三郎と良寛」に決まり、樹下美術館にとって打って付けの会になろうと想像されます。
コロナ禍は負の面とともに、文化・芸術への親しみを深める傾向を内包しているように感じられます。
感染への配慮によって満席の約半分での開催ですが、どうかご都合をみてご参加ください。

 

秋が深まります。

本日、庭の萩。優しくこぼれる様は何とも言えません。

 今夜は仲秋の名月でした。

 

 

20時頃に見えた月です。

名月や夜更けて屋根に雨の音

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