2012年5月
トキの幼鳥は飛べば済むのだろうか、給餌は?
トキのヒナが巣立ちをして、今日は飛び立った映像が見られた。
報道の担当官は飛んだ飛んだと笑顔、一方で給餌の場面は無かった。巣立ち後の幼鳥は飛べば済むのではなく食べなければならない、それも盛大に。
ヒナは親を追って狂わんばかりに餌をせがみ、親は憑かれたように与え続ける。
雀、燕をみる限り給餌は数分に一回の頻繁さだ。来たるべき厳しい環境における自立に備えて、親は目一杯エネルギーを与える。そのため幼鳥は親よりも大きく見えるほどだ。
成鳥の餌の一日量は体重の10%前後といわれる。幼鳥であればもっと多く必要だろう。1,5~1,8キロの体重を考えれば呑気に飛んでいる暇はない。田には人が居る、頼みのビオトオープで餌は足りるだろうか。
ところで本日の幼鳥は餌が不十分なため、まさか空腹に耐えかねて飛び出したわけではあるまい。民家の屋根に佇むやせこけた姿をみるにつけ心配だった。
親は巣に残っているヒナにも給餌を欠かせない。今日人間も大変だが、トキ親子にも文字通り生死を分ける厳しい試練が続く。
牡丹のああ 芍薬のおお。
めまぐるしく入れ替わる花。先日満開のナニワイバラはいま名残となり、牡丹が終わって芍薬が賑わっている。クレマチスはいよいよ粘る。
木と草、葉の形状、咲く位置(枝と芯)、時期の後先などで区別される牡丹と芍薬。しかし花だけみればよく似ているものも少なくない。“立てば芍薬、座れば牡丹”は、ある種ニュアンスを言い当てているようでもある。
良い花であれば、私は牡丹をみるとああ、、と言いいい、芍薬をみるとおお、、と言いたくなる。牡丹は高貴な深窓の麗人、芍薬は賑わう街中の美人、ということかもしれません。
自立するヒナ 午後の移動知事室。
肌寒い雨の日の午前、二階の窓辺の手すりに付けた餌台に雀たちが頻繁に寄っていく。こんな日は虫も引っ込んでいるので餌台は便利なのだろう。
例年わが家の軒下はムクドリが優勢に営巣する。しかし今年は全て雀が取った。減っていると言われる雀のこと、是非増えてほしい。
カーテンの向こうの雀。右の雀はくちばしが黄色みを帯びていてヒナに見えた。背後に咲き始めた薔薇が写っている。雀は自立へ向かい、一年で最も良い季節になった。大方の予想を越えて多く巣立ったトキも非常に明るいニュースだ。
さて本日午後、近くの福祉施設で泉田県知事との懇談会があった。テーマは頸北地域の保健医療福祉の連携。地域医療を深く理解し、熱心な取り組みをされる柿崎病院の藤森院長はじめ関係分野7人が実感や意見を述べた。
知事のことは報道などから生活重視の姿勢伝わり、公明正大な方だと尊敬していた。本日は脇に座らせていただいて光栄だった。柿崎病院の真摯な姿勢および医師不足による地域地医療存亡の危機、大きすぎる上越市の不便を述べさせていただいた。
知事は一切言い訳めいたことを口にされず、時間を越えて参加者の声を傾聴された。終了すると筆者を待って下さり短い立ち話をしていただいた。お目に掛かったのは二度目だが、新たな元気が出るのを感じた。
富本憲吉 齋藤橡三郎、森一正 銀座三人展。そしてお茶碗とお菓子。
かって先輩から頂いた齋藤三郎さんの資料の1つに古くて珍しい展覧会案内がある。富本憲吉、森一正、齋藤橡三郎の三人展だ。
開催場所が銀座「こうげい」、時期は4月25日より5月2日までとある。
開催年が書かれていないが、“橡三郎(しょうざぶろう)”は若き日の齋藤三郎が用いた名である。さらに案内文に京都の人と紹介されている。東京における富本師事を終了して一旦京都で独立した昭和12~13年に相当しよう。
記されている森一正氏は明治33年生まれ、石川県は寺井(現能美市)出身の九谷焼き作家と知った。
当時富本氏はすでに陶芸界の最高峰の一人となられていた。その人が大正2年生まれで25才前後の若き齋藤さんや先輩弟子に当たる森氏とともに作品展をする。厳格な印象の富本氏が、弟子のために銀座で行う展覧会。ほのぼのとした師弟愛が浮かび心暖まる。
森一正さんのお茶碗とお菓子。奥にオオヤマレンゲ、手前にボタン。
このたび案内状の森氏をサイトで検索したら、偶然オークションに抹茶茶碗が出ていた。不慣れなオークションで無事手頃な価格で手に入った。
本日到着したが、堂々たる梅樹の紋様。九谷の作家だけあって美しい緑色が大胆にあしらわれていた。梅の季節は過ぎているがお構いなし、早速お茶を頂いた。丁寧な作品で飲むお茶は兄弟子の親しみの味がして美味しかった。
お菓子は妻のお茶仲間から頂いた竹内泰祥堂さん。オオヤマレンゲとボタンで季節はぴったり、上品な甘さが嬉しかった。いつも頂き物ばかり、、、、とても恐縮しています。
様々な出会い、ささやかながら美術館を営んで巡りあう幸せを有り難く思っています。
齋藤三郎、謎の鵠沼(くげぬま)時代。
5月発行という当館収蔵作品図録がまだできない。齋藤三郎氏の道程でどうしても埋まらない時代があり、あと一歩のところで止まっている。その時代を飛ばすことも可能だが、二度と出せない図録のこと一旦終了としたが欲が生まれた。
埋まらない時代とは昭和15年までいたサントリーの創業者・鳥井信次郞氏の個人窯である壽山窯を出て、18年に出征するまでのおよそ2~3年の期間である。この時期は神奈川県は藤沢市の鵠沼で制作したことが知られている。それ以前の作品は僅かながら手許にある。出来れば鵠沼時代の作品、なかんずく底にある署名をぜひ見たい。
ところで新潟県立近代美術館の過去の展覧会図録に1943年制作という齋藤さんの花瓶が載っていた。当年は昭和18年に当たるのでまさに出征直前の鵠沼と推察される。
このたび同美術館に研究のためという趣旨で閲覧と撮影の許可願いを提出した。
齋藤さんの作品は箱のないものが多い。髙田時代の早い時期を集めた父は新聞紙にくるんで運んだ。一般に箱はあっても制作年の記載がなく、年代同定で悩まされる。頼みは署名だが、名前、書体とも様々に変遷を重ねている。しかし変遷には一定期間ある種傾向を有するので、色々見るのはためになる。
県立近代美術館の作品は素晴らしい呉須掻落牡丹紋花瓶(ごすかきおとしぼたんもんかびん)。果たして署名は?閲覧予定日を来週週木曜日にさせていただいた。許可されれば午後の休診日なので今から楽しみだ。
当館にも時代が判然とせず、まさかと思うがもしやという作品が一点あるので余計である。
ホームページ「作品」を改編しました、どうかご覧下さい。
樹下美術館ホームページの「作品」欄が見やすくなりました。
齋藤三郎、倉石隆両氏の作品をそれぞれカテゴリーに分類して、見だしを付けました。以下の大きな写真をクリックしますとホームページの「作品」欄に繋がります。どうかご覧下になってみて下さい。
齋藤三郎作品は以下のような見出しで「青磁・白磁」「染め付け」「鉄絵関連」「色絵」「そのほか」および「書画」に分類し、合計44点を掲載致しました。
倉石隆作品は以下のような見出しで「素描」「油彩」「銅版画」「挿絵」に分類し合計38点を掲載致しました。
樹下美術館では毎年趣向を変え、かつホームページ上の作品のいくつかと出会えるよう工夫を致しております。
日食の日 雀の巣立ち ナニワイバラの満開 新たな仕事。
ニュースで見る昨日の金環日食の映像は素晴らしく、見ている人の感動が伝わった。しかしながらその時間は私の最後の熟睡時間であり、実は何も見ていない。妻は突然に暗くなったことを体感したらしい。
日食は見ることが出来なかったが、この日軒下で啼いていた雀が巣立ちをし、カーポートの屋根を飾っているナニワイバラ(ナニワバラ)が満開となた。
さてこの度10年降りで、ある特別養護老人ホームの配置医を引き受けた。週一の出向とはいえ、この年で仕事を増やすのは少々きつい。しかしながら入所者の高齢化と重度化が進む施設。頑張ってこられた先生方の負担は限界にあるとのこと。お世話になった所でもあり、最後のご奉公と思い決めた。
介護保険がスタートした平成12年から3年間かかわった施設。懐かしいが、その後の10年でかなり状況は変わっていた。ひと月経ち、皆様のおかげで少しずつ慣れつつある。新たな仕事で外へ出て、何か新鮮な感じも受けている。
北方文化博物館の三楽山茶会 スタッフ・裏方さんの働き
知人との縁があって北方文化博物館の由緒ある茶会に初めて行ってきた。重文や名物道具が用いられる第23回越後三楽山茶会だった。
このたびは、京都から「北村美術館」の貴重な出品とスタッフの参加があった。床(とこ)の掛け物と花に人と自然が息づき、惚れ惚れするお点前と美味しいお茶。そして眼と手で触れるお道具は個性と美しいさびを伝えていた。
緑に包まれた広大な庭を、飛び石を楽しみながら三つの茶室を巡る。茶屋のくずきりは爽やかに甘く、点心には尽きぬお心が込められていた。
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席では写真を撮らないので、席待ちと食事時に裏方さんやお給仕の皆さんを撮らせてもらった。気働きの良いもてなし、無駄のない動き、充実した縁の下の力持ちを垣間見せてもらった。心底さすがだと思った。
茶会とは別に、この日北方文化博物館の驚くべき賑わいに眼を見張らされた。歴史と文化の施設がこんなに人を集めるとは、小館ながら樹下美術館の希望にしたいと思った。
愛らしくも初々しいヒナ 齋藤さんの器で食べてみる。
仕事場の庭が鳥の声で賑やかだ。軒の三ケ所にあった雀の巣から一組が巣立った。モミジに止っていた二羽はそのヒナか。
もう二組はまだ巣に居て猛烈に啼いている。親は気の毒なくらいせっせと餌を運んでいた。
なんて可愛いことでしょう、私たちにもこんな時代があったのですね。
さて、連日旬の頂き物が続く。ワラビと筍に続いてフクラゲとカレイを頂いた。こんなにもらってバチがあたりそうだ。
そこで今夜は齋藤三郎さんの器を出して食してみた。しかしさすが齋藤さん、私たちでは完全に負けだった。まず切れ味よい包丁と品の良い盛りつけが課題。途中はともかく、少なくとも最初と最後で負けなのである。
齋藤さんはプロの料理人を育てるほどの食通だったと聞いた。家庭料理のつもりでするとまず失敗だろう。
料理はサービス精神が働き、つい分量を多めにしたくなる。まずそこからが問題。
特に良い器を使った料理の場合、分量はほどほどに少く。あるいはどう器を見せるかが勝負かもしれない。水の切り具合、立体感、取り合わせ等々などなど。味は当然、料理はとんでもなく深かろう。
器の数と種類は十分にある。鑑賞用で終わらせたくない。今年は無理だが、いつか「齋藤さんの器で食べる会」が出来れば、と妻と話した。
レ・ドゥのフルーツケーキ くるみぼーるのクッキー そして上越地域医療センター病院。
上越市東雲町にあるレ・ドゥーのケーキは非常に美味しい。熱心なパティシエとはご近所だったので幼少のころから知っている。東京で修行し、当地で開業後も上京を続け一途に研究された。
今日から樹下美術館のカフェで彼のフルーツケーキを出せるようになった。当館は小ロットのささやかなカフェ。それでもこまやかな心遣いで作ってくださった。お気づきのことは何でも仰って、とまで。
また、知人の紹介で「クルミボール」さんが焼かれたクッキーが間もなくメニューに入ることになった。本日見本が届いた。
くるみぼーるさんのクッキーは、上越地域医療センター病院の東玄関ホールでも販売されている。同病院ではほかに「珈琲工房かさはら」さん、「惣菜の木曽路」さん、「移動クレープ サニーズ」さん、「キッチンママ 潤蘭」さんが日替わりで出店されている。ささやかながらこうしたこころみは開かれた病院としてとても良い。
不肖医師会の役員時代に同病院と関わった。大した成果も残せなかったが、その後院長はじめスタッフ一丸の真摯な取り組みを知るにつけ安堵がよぎる。
最近では訪問看護が始まったというニュースを読んだ。きっと成功するだろう。患者さんご本人はもちろん、ご家庭や生活背景を重んじる病院として、ますます発展されることを心から祈っている。
鈍行と美術館 上越市は文化的。
今日は長岡市から鈍行列車でお客様がこられた。
介護の合間などに、鈍行でゆっくり来ましたと仰るお客様が時々見える。
鈍行の時間は心にも体にも貴重であろう。
昼さがり、美術館の庭で真っ白なヒメウツギにシジミチョウが軽やかだった。
今日のお客様は上越が大好きで、妙高山を背景にしたお濠の蓮も桜も毎年見に来ると仰った。
以下追加です:妻によると、その方は上越市は文化的だとも仰ったという。やや面映ゆいが嬉しい感想だ。
以前、新潟市の方から同じような感想をお聞きしたことがある。戦後花開いた疎開文化が関連していることかもしれない。しかし他所から見た上越市のイメージに「文化的」という一面があるのであれば大事にしなければ、と思う。
雨が匂わす夏 筍のおかず。
夕にかかってシトシトと雨が降った。だれ恨むものない静かな降りだった。
降り始めに草木や土の匂いが強く立った。春から夏へ、山や森もいい香りがしているにちがいない。
先日の筍がおかずになって卓に出てくる。昼はミガキニシンを入れた煮しめ、夜は笹寿司だった。
母の笹寿司はもっと美味しかった、と。何気ない言葉でひと味おいしくなったりする。
余計なものがなく 単純で気持ちが良い水と森公園。
先日、丸山で朝食をした。妻が気に入って、もう一度行こうということになり本日また出かけた。お天気に恵まれて、小気味よい一時間半だった。
園内にはボールと噴水以外に遊具はない。僅かの自動販売機以外に店もなければ騒がしい音も、お仕着せがましい仕掛けなども一切ない。ここでは来園者が主人公、去年の今頃はピクニックで賑わっていた。
新潟県立大潟水と森公園は大気と水辺の緑と鳥の声、それに気楽な自由が漂っている。自然に添った手入れ具合がなんとも良く、一人で来ても十分楽しめる。樹下美術館から車で10分ちょっとです。
カモグリに座ってアールグレイ 始まった田植え。
週末土曜日午後は仕事休み。3時のお茶を美術館で飲んだ。二つの展示室を繋ぐ場所の小さなガラステーブルにお茶を置き、これも小さなカモグリの椅子に掛けて紅茶を飲んだ。カフェにお客様が見えていると、どうも遠慮してしまう。
シノワズリのカップ&ソーサーでアールグレイを美味しく飲んだ。
デッキに出て水田を眺めた。これからとてもいい季節になっていく。クレマチスと紫陽花を植えて草取りをした。
筍、 この重量で木の芽とは。
頸城区の知人から今度はまるまるコロコロとした筍を五つもいただいた。頂き物ばかりで恐縮至極である。
これでも木の芽だから勇ましい。中に全ての節がすでに形成されているという。
夜、妻が下ごしらえを始めたら二階まで香りがのぼってきた。明日はスタッフたちと分けて賞味しよう。時間があれば描きたいところだ。
追伸:当初のタイトル「筍やこの重量で木の芽とは」は季重なりのため文にしました(5月14日)。
山の幸(力)山菜 昔、池の平で私たちにも沢山採れた。
山菜採りが好きな方からわらびをいただいた。この時期から多くの人が山へ行く。皆さんに独自の場所があって沢山採ってこられる。深く入ることもあるのだろうが、絶えることない山菜に感心させられる。
池の平のタケノコ採りの帰り。妹が担ぎ、母は着物。遠くに野尻湖。
昭和30年代中頃。
中高生のころ、池廼屋さんに泊まり池の平でワラビやタケノコを採った。宿の湯の香が良く、信州味噌を使った味噌汁が美味しかった。イモリ池を回り東大の寮を過ぎるあたりから私たちでも沢山ワラビやタケノコが採れた。
時には父が持参したコッヘルを固形アルコールの火に掛け、付近の谷川の水でタケノコと豚肉で味噌汁を作った。宿で用意してもらったおにぎりの美味しかったこと。
安否確認は双方向。
多くの人が連休中に動いた。東京にいる知人も盆暮れのほかしばしば実家に帰ってこられる。連休にお話を聞いた。
郷里の実家で独居する老親を訪ねるのは、「親の顔を見ることと、自分の顔を見せること」の二つ意味がある、と仰った。確かにである。
訪ねなくとも普段から電話で安否を確認されている方もおおぜいいらっしゃる。実家のご近所さんやヘルパーさんとの連絡も有益だが、ご本人のお声が一番だ。その時、電話の向こうでお年寄りも子と家族の無事を案じている。
お年寄りは私たちが考える以上に敏感なようだ。どんなに年取っても多くの安否確認は確かに双方向であろう。
最後に素晴らしい月の影絵 終わったGW。
最も遠方は18分先の石橋のカメラ屋さん。文字通りお出かけなしの連休が終わった。
座ってばかりの毎日で、いつもはあっという間に終わる連休を長いと感じた。我慢の机修行、これまで何度もやり直しを繰り返した図録編集を今度ばかりは終了とさせた。
図録は地獄?などと弱音も吐いたが陶齋では129点の写真とリスト(名称、年代、サイズ)、用語集、年表、アルバム、私の絵をカットに用いた扉、奥付、最後に目次を入れて68ページとなった。
倉石隆氏の分はアルバムを残しているが、ほぼ同じ仕様で124点51ページだった。
夕刻美術館に出向いた。連休は昨年より賑わった印象がある。頑張った若いスタッフをねぎらい、庭と芝生の草取りを小一時間。暮れて最も遠いお出かけとなったカメラやさんへインクを買いに行った。
帰りの車窓の月がまことに見事、昨日が最大だったらしい。樹下美術館のベンチへ寄って田んぼの月を写した。
最後の夜に、素晴らしい時間が待っていた。
電線で遊ぶなんて。 水の田で草が祈りはじめた。 たたんだパラソルの下でつる草がデート。 お月見して幸せそうですね。 |
ケーブルを這うのですか。痩せたピエロが笛を吹く。 恥ずかしそうな草も出てくる。 登る月が畦にもぐって終了。 |
大きな月がゆっくり高い鉄塔のテッペンをを横切った。田の月は移動しながら次々に畦の草を影絵として見せた。およそ45分、始まったばかりのカエルの声を聞きながら、あたかも古いディズニー映画を見ている気分だった。本当に素晴らしかった。
昭和50年代後半、車でよく聴いていたラロ・シフリンの「MOON GLOW」
子どもたちと夏のお出かけはこの曲で出発。
カワラヒワの交尾と給餌。
昼近く机にいると外で「るるる、ぴよう ぴよう」と 甘やかな鳥の声が続いていた。合歓の木の高い所で鳥が鳴いている。レンズを覗くが逆光でどんな鳥かよく分からない。
しばらくするとカワラヒワが飛んできて近くに止まった。一見異なる鳥に見えたが突然ヒワは鳴いている鳥に向かって飛ぶと交尾した。華やかなオスを見るメスは地味だが、うっとりしている様子だった。
その後、近くの柿の木でヒナに給餌をしているヒワが見えた。先ほどのつがいかもしれない。春から夏へ、鳥たちはぎりぎりの計算で子育てや交尾など繁殖に勤しむという。
こんなに忙しくしなくても、と思うが、鳥はぼんやりしていることはあっても、のんびり横になるのを見たことがない。何事も今のうちが全てなのだろう。ある面私たちも同じかもしれないのだが、、、。
夕刻に三羽のヒナが餌をねだって親を追っているのを見た。カワラヒワをこんなに見る年も珍しい。
荒れ模様の祝日 白磁の根付(ねつけ)は判じ文字
せっかくのみどりの日が風雨に見舞われた。気温も下がって気象は厳しい一面を見せている。たまっている用が多く、午後美術館に顔を出した以外は一日中机に向かった。
そんな日の昼、ひょうんなことから齋藤三郎の小さな作品が出てきた。両面に文字の透かし彫りを施したわずか4,5センチの白磁の根付(ねつけ)である。読みといい、作りといい思ったより手の込んだ作品だった。
まず読みがすんなり行かない。無造作に穴ばかり開けられているようだが、ちゃんと字が彫ってある。出会った6年前に読んだのを忘れていてすぐには分からなかった。
表 |
裏 |
ようやく読めたので、妻の所に行って尋ねるとしばらく睨んでいた。表はさんずい(三水)、裏はもんがまえ(門構え)、と言うと「あっなるほど、齋藤さんは天才だわ」と感心した。
小片の裏表に施す透かし彫りは、筒などよりはるかに難しそうだ。漫然と彫るだけでは、相手の文字の裏ばかり見えて興ざめだろう。互いに抜け合う部分と途中で止める所をうまく案配してデザインする必要がありそうだ。面白みも出したいし、紐も通さなければならない。ウーン、たしかに厄介だ。(もしかしたら片面ずつ作って貼り合わせるのかな?)
この根付は6年前、開館に際して齋藤三郎さんの最初のお弟子さんである故志賀重人氏から頂いた。その時、齋藤さんは大変器用な人で、透かし彫りにおける刀(とう)さばきなど実に鮮やかだった、とお聞きした。きっとこの面倒な作品も鼻歌などを歌いながらサッサと作ったことだろう。
午後3時すぎ、座ってばかりの机を離れて美術館へ行った。悪天候の中何組もお客さんが見えていて嬉しかった。
忙しくしている若いスタッフに根付けを見せると、「表は清い、裏は閑で、清閑」と即座に答えた。最近これほどびっくりしたことは無い。
チューリップ 貴重で運命的な遺産、現憲法。
毎年春らしい春を告げるチューリップが盛りを過ぎようとしている。
この花については妻が仕事場に植え続けているのを見ているうちに、段々と好きになった。
チューリップはもともと可憐なうえ、品種改良によって美しさを飛躍させていたようだ。一方こちらも年のせいで、幼少に親しんだ花を懐かしむようなふしもある。
さて本日有り難い祝日は憲法記念日だった。不戦を謳う現憲法は世界遺産よりはるかに貴重かもしれない。それを貫くのは知性・理性・愛情など人間の柔らかな部分を核とする精神であり、ある意味芸術的な深さがあるのではないだろうか。
心勇ましいのは良いことだが好戦の短気は呉々も禁物だ。現憲法は決して遺物ではなかろう。それどころか精神は紛争の解決にますます付与し、平和へのリードが可能な貴重で運命的な遺産に見える。
春の妙高山は楽しい版画。
明日から雨という予報で随分と空気が湿っぽい。曇天というのに、午後の水田から頸城の山々が非常にハッキリと見えた。
特に妙高山は迫力だ。有名な跳ね馬の雪形が鮮やかに浮き出ている。雪を被る厳冬期には見えないのだろうから、春と共に現れる様はドラマなのだろう。
出現は耕作の知らせといわれのように当地も田仕事が始まろうとしている。
大きな山だけあって様々な模様が版画のように浮き出ている。
模様として濃く見える所は杉林なのであろうか。
写真を大きくしてみると、跳ね馬の回りにも色々な模様があり、童心に返って楽しんだ。
けなげに見えてくる跳ね馬。 |
すぐ上で牛?も頑張っているようだ。 |
これから跳ね馬はじめ様々な模様は、どのように緑の中に埋もれるのだろう。
- 花頭窓、二十三夜塔、庚申塔、社寺
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
- 花鳥・庭・生き物
- 空・海・気象
- 頸城野点景
- ほくほく線電車&乗り物
- 社会・政治・環境
- 明け暮れ 我が家 お出かけ
- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- 本日ジョケラさん初日。
- 明日からジョケラさんの展示会 高宮あけみ展のご来館有り難うございました。
- 別れ。
- カフェのスケッチブックの絵、ブログ展その2。
- 講演会「良寛さんに学ぶ」が無事終了した。
- カフェのスケッチブックの絵、ブログ展その1。
- 来たる11月7日からラッセル・ジョケラさんの展示会 晩秋の花 近隣のコハクチョウ
- 先週末の種々。
- 高田高等学校創立150周年の秋 いたくら桜園 近隣の秋。
- 「ラッセル・ジョケラ木工展」 可愛いお子さんとおじいちゃん。
- 本日今年最後の同業ゴルフ。
- 今夜のコンサート カッチーニの「アヴェ・マリア」。
- 信州は須坂で江戸時代の料理を食べる 満月、私達の奇跡。
- 失った1枚 栗。
- 二泊二日の大旅行。
- この先も頑張らなければ。
- A氏を亡くして。
- 潟町村村立小学校の同級生。
- 路傍の花 木村茶道美術館のお茶 サブリーユの夕食。
- 米は美味しい 取り残される人々 国を愛するために。
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