樹下だより

「つどいの郷」嘱託おさめの日。

2026年2月17日(火曜日)

本日もよく晴れた。午後、大潟区潟町にある福祉施設「つどいの郷」へ健康評価に出る日だった。午前を終えて少し横になると寝込んでしまい、施設からの電話で飛び起きた。

15分の遅刻だった。みなさんは会場でちゃんんと待っていてくれた。同園は比較的若い方で心身に障がいがある人達の生活支援と就労継続支援を行っている。何年か前から健診の事後相談やワクチン接種、時には講話やイベントに出向いてきた。

皆さんに遅刻を謝ってからから一人一人始めた。嫌がる人もたまにいるが、スタッフは優しく接するのでスムースに進む。健康指標の改善は困難を伴うが数値が安定に向かう人が何人かいたのは嬉しかった。

途中である女性の番になった。スタッフが“先生に描いてきたのね、と言い、恥ずかしそうに絵とメッセージが差し出された。

ああ何と美しく心こもった絵だろう。

もう一枚紙があった。

「杉田先生 ありがこざいました みほ」と読めた。
2枚ともB4に描かれていた。

あれ、なにかいつもと雰囲気が違う。もしかして今日で私の嘱託が終わるのか?そういえば昨秋、今期で下りようと思っているので後任を探して欲しいと言い、医師会にも伝えていた事を思い出した。

相談が終わりホールへ。みんなが待っていてくれ、総勢40人ほどの前に立つと代表の利用者さんが感謝のメッセージを読んでくれた。
有り難うございます、ああ遅刻などして本当に恥ずかしい、皆さんのほうがよほど立派ではないか!

帰路、廊下の片隅でうずくまっている男子がいた。
泣いているのMちゃん?とスタッフが声を掛けた。
Mちゃんは先生が好きだったもんね、と言うと起き上がり私に抱きついてきた。
びっくりしたが、ありがとう、ありがとう、と何度も頭を撫でた。
とても強い力だった。

随分前、ダウン症のこの人がまだ幼い時、お母さんに添われてバス亭から歩いて帰るのを何度も見た。雨の日も雪の日もだった。

心洗われる。
みな良い花ですね。

この子たちは何かあっても黙っていることが多いので、私達も注意して接しています、とスタッフが言った。

せめて最後くらいと思い、玄関で見送るスタッフさんたちに精一杯頭を下げた。

頂いた絵とメッセージを家で見た。目頭が熱くなり、今にしてこんなに嬉しいことがあるとは、人生やはり長生きしなければと感謝の気持ちで一杯だった。

「綾ちゃん」から頂いたとてもきれいな花束。

看護師さんに訊くと平成29年からの嘱託だった。

“利用者の皆さん、代々の園長さん始めスタッフの皆さん、大変お世話になりました“

本日ロッテアライリゾートで。

2026年2月12日(木曜日)

本日は良く晴れた。泊まった二人の姪は午後から帰る。その時間まで若い二人向きにこれと言った場所が見当たらず、ロッテアライリゾートへ案内した。

丁度昼休みの時間で、ゲレンデ直近の広いカフェは一杯。それでフロント近くの大きな窓がある所で飲み物を飲み、朝食を抜いている私だけハンバーガーを注文した。

 

圧倒的に欧米人が多いスキー場で
異邦人の私達


ナットキングコールの「Unforgettable」
忘れ難き思いという歌であろう。

 

思い出深い二日間だった。元気に生きて是非ともまた会いたい。

午後揃って姪が訪ねてきた。

2026年2月11日(水曜日)

今日は気温が上がらず寒かった。その祝日の午後、南三陸町で育った姪姉妹が揃って訪ねてきた。夏は山、冬はスキー場で働いている二人はテレビ・新聞が無い家で育ち自由学園で学び、イタリアへ語学を学びに行くなどとてもちゃんとしている。

大切な姉妹なので妻は張り切って歓迎した。

古いBerlin KPM((ベルリンKPM)や
1940年頃のSusie Cooper(スージー・クーパー)
の器を出してお茶。

バレンタインと言って頂戴した
VESRTRI(ヴェストリ)のチョコレート。

 

 

 

イム・サエムの器で。

牡蠣の料理。

客振りの良い姉妹のために妻はお雑煮まで出した。食べ終えると湯沢のお土産を食べてお抹茶を飲んだ。

湯沢の駒子もち。

ばさら茶碗で濃茶。

金彩茶碗で薄茶を飲んだ。

確固たる信念で猛烈に働き突然倒れた弟。残された姉妹は無駄の無い話を聞かせてくれ、心から話を聴いてくれた。
二人のお陰でこの年いま一つ張り合いが増えた。本日切り盛りした妻には感謝に堪えない。

今年の陶芸展示は「現代茶碗展」です。

2026年2月10日(火曜日)

今年の陶芸展示は「現代茶碗展」です。明治時代以後に生まれた作家のお茶碗を展示致します。

以下のような作品を含め35点前後を展示予定です。ゆたかな意匠に漂う詫び寂びをご覧下さい。

ばさら茶碗。

 

金彩茶碗。

開館記念月の6月の毎週土曜日には1日7名様までで1日2席の濃茶席を予定しています。
ホトトギス鳴く初夏の候を和やかに集いお楽しみましょう。

新たな倉石隆作品「節句」。

2026年2月3日(火曜日)

何度か触れていますように画家倉石隆は寡作の人です。去る1月20日の当欄で「少女」を昨年秋に収蔵できた事を紹介させて頂きました。
するとこの度ヤフーオークションで倉石氏の「節句」を落札できましたので追加して掲載致します。

オークションで見た「節句」はF3号で小さな作品でしたが、以下4点で不思議な印象を持ちました。
1:着物を着た和風の人物画であること 2:華やかな色使いであること 3::厚塗りであること 4:署名が漢字であること など比較的薄塗り、洋風でモノトーンが多い氏にしては本当に珍しく思われました。

しかしながら深く学んだ作家では一見多様な画風がみられますし、倉石氏にもそれが感じられていました。
当作品は私が知る限りぱっと見倉石氏らしくない作品でしたがオークション画面に一部の拡大がありました。
下の写真の下方の部分です。
そこには明瞭に氏らしいタッチがみとめられました。また華やかな色、特に下方の色づかいは氏が尊敬した人の一人、クリムトを思わせる色がちりばめられているのです。

描かれた女性のしっかり閉じた小さな口、強く意思が込められた眼。作品が放つ人物の存在感から画伯の特別な思いが伝わります。倉石隆に違い無いどころか、どうしても手に入れい作品だと思いました。

制作年は全く見当が付きません。
今後の楽しみな宿題です。

見たことがない漢字一文字のサイン「隆」。

 

キャンバス裏面の題名と署名。
明らかに倉石隆氏の文字です。

以上略々ですが驚きの小品「節句」のご紹介でした。
何故このように和風、多色の作品を描いたのか分かりません。今後氏を知る方達にお訊ねしてみたいと考えています。

明日は立春、ひと月すると「ひな祭り」です。
3月15日の今年度開館は先日の「少女」とともに真ん中に「節句」を並べて展示予定です。

小さな美術館の「樹下」にまた新たな家族が増え、喜んでいますし、皆さまにも見て頂ければなお有り難いと思っています。

※2月3日遅く一度ブログを書き上げましたところ、何か押し間違えて一瞬にして消してしまいました。もう一度書き直し、日付けを戻して投稿しました。

大雪のなか髙田大手町6「浮遊のいえ」に一泊した。

2026年1月25日(日曜日)

このたびの長い寒波の中日、あるいはその山場のような昨日、上越市大手町6の「浮遊のいえ」に一泊してきました。
民泊のその家は建築家・原広司の作品で、氏の義理の両親・北川省三ご夫婦のために建てられています。
そのような家があることは知っていたのですが、このたび修繕のためクラウドファンディングを行うという新聞記事を見て、急げとばかり予約し泊まってきた次第です。

予約は今期最後だったのか24日一泊だけポツンと空いていました。しかしこの日に向かって寒波が迫り報道も大雪一色。「不要不急の外出は控えて」という言葉を背に善は急げ、これも仕事とハンドルを握りました。

1月25日午前の「浮遊のいえ」

宿には駐車場がありませんので屋根がある雁木通りプラザの地下駐車場へ車を回します。私と簡単な荷物を降ろすと今度は妻が運転してそちらへ向かいました。
雪中心配でしたがしばらくすると予約した「藤作」のお弁当を手に、「歩いたら温かくなった」と言って帰ってきました。

さて以下管理人さんの久野遼氏に案内された館内です。

居住の二階へ上がると様々な「雲」が
近づいてきます。

ネットで見る写真以上の広さと手応え。
奥にオコタがありその右側が寝室。

 

非常に寒い雪の日でしたが、
隅々暖められていてほっとします。

寝間着は白いコットンの優しさ。

オコタで早々にお弁当を開きました。

夕食後は新聞タイム。コタツに寝転がり持参した新聞三紙を広げて隅から隅まで読みました。テレビはありませんので落ち着きます。30年振りのコタツは何とも言えない懐かしさでした。

 

大きな湯船のお風呂。


入浴後、本棚から原弘司×吉見俊哉両氏の対談本「その時、夜のはずれで、サイレンが鳴った」を取りだしベッドで読みました。本はすぐにポストモダンの思想家たちの名が出てきました。
ああ懐かしの人々、本が難しかった時代が蘇ります。ちゃんと読んでみようと思った途端、疲れに襲われて寝入ってしまいました。

ぐっすり眠り早く目ざめると日暮れの昨日とは異なり、雪映えの窓はとても明るいのです。いっそう随所が面白く、館内を撮って回りました。モノトーンの柔らかさが印象的でした。


二階の一段と高い所に吹き抜けを囲むようにぐるりと廻廊があります。申し分ない採光のこの場所に雲や鳥の切り抜きが沢山あしらわれていました。
雪に閉じ込められた冬場、ここを歩けば高空の雰囲気を楽しみながら運動不足をカバー出来たことでしょう(1月27日に追加しました)。

 

 

大好きな鳥たちが沢山います。

雪の日、髙田生まれの妻には世話になりました。

一泊中、夜通し徹底除雪したらしく帰りの運転はずっと楽になっていました。スタバで食事し図書館に車を停めて南堀でひもじそうにしている白鳥を眺めてから帰ってきました。

「浮遊のいえ」は本当に良かったです。
室内は暖かく、たっぷりした風呂は熱く、随所の鳥影は親しく、大らかに沸く雲とともに私達を浮遊させてくれました。村上春樹の小説を思わせる不思議な次元感覚を覚えながら、原広司氏の尽きない頭脳と発想に触れ、特別な思い出になりました。そうそう、若くて優しい管理人さんも小説の登場人物のようでしたね。
原氏代表作の一つ「京都駅」で夢中になるあまり新幹線に乗り遅れそうになったのを思い出しました。

雪国髙田出身の奥様のご両親に贈った家。徹底して注がれた心遣いには胸打たれました。

当然ですが無人期間を含めて40年は経とうという屋根はじめ屋内細部は確かに経年の変化が見られました。しかし心ある管理者に恵まれ大切な遺産はあらためて後世へと引き継がれることになりました。そのために始まったクラウドファンディングには心ばかりですが応募したいと考えています。

今年の倉石隆展はやって来た作品「少女」を囲んで。

2026年1月20日(火曜日)

そろそろ今年度の展示をお知らせしなければなりません。遅くなりましたが絵画コーナーと陶芸室の展示構想がようやく固まりました。

●絵画コーナーでは昨年初夏、当館にやって来た倉石隆作品「少女」を中心に「少女を迎えて展」を年中通して行います。
●陶芸室では秋まで「樹下美術館の現代茶碗展」を、夏が過ぎましたら書と絵画「同級生二人展」と陶芸作品「今千春展」を開催予定です。
●また6月の毎週日曜日は「樹下茶会」を濃茶で催します。

倉石隆氏は寡作で中々作品が集まりません。そんな折昨春「少女」が数年ぶりにやって来ました。あどけなくも真剣な眼差しの少女の像で、十分な引力があります。この作品を囲むように収蔵作品7,8点を並べてみたいと考えています。

「少女」。
縦×横、73,0×60,8㎝。

生涯、人物画を描いた倉石隆ですが、当館の倉石作品の3分の2以上は女性の像です。作品の女性達はどのようにこの子を迎えるのでしょう。
恥じらいながら、もの想いしながら、おすまししながら、なかには泣きながらという女性もいるはずです。展示を通して感情豊かに人物を描いた倉石作品をご覧頂ければ有り難いと思っています。

この先も陶芸や企画展などにつきまし逐次このようにご紹介させてください。

いよいよ大寒、長く強い本物の寒波がやってくるようです。正直除雪、訪問や往診などに心配はあります。仕事以外に絵を描くなどして過ごたいのですが、どうなるでしょうか。

落雪のなかでラベンダーが頑張っていた。

2026年1月17日(土曜日)

降雪が無いうえ雨が降ったため美術館周囲の雪は殆ど消えている。
本日用事のため美術館に出向いた。館内はシンとして春を待っている風だった。
1年目で心配だった軒下のラベンダーを覗いてみた。

2カ所に雪が残っている。
いっときここは1メートル近く雪があった。

雪だまりから覗ていたラベンダー。
落雪に潰れていないか心配したが、
ひとまず大丈夫。

予報では今後1週間は晴れ間は見られず連日雨雪か続くようだ。少しずつでも毎日降る場合かなり積雪することがある。冬将軍もこのまま黙っているとは考えられないので、ラベンダーには春まで辛抱して頑張ってもらいたい。

樹下美術館カフェの落書き帳から その2 この先が冬本番。

2026年1月16日(金曜日)

沢山描いて頂いている館内の落書き帳から一部を掲載していますが本日はその2です。長く拝見しているなかで鬼滅の刃そしてアンパンマンとスヌーピーは三大テーマですね。

もう一つよく描かれるのは庭です。目の前にあるのですから一生懸命描かれるのでしょう。

優しい人が描いたのですね。

 

人気キャラクターがもう1個ありありました。
ドラえもんでした。

 

線の強さと目力。

繊細ですが力強いですね。

「自分らしく」を作る三つの要素は非常に大切。
美が最も高く貴い!

動物が大好きなことが伝わります。

 

動物と一緒に幸せのアイスクリーム。

今年もまた沢山描いてください。楽しみにしています。

以下自分のことです。

 

庭のロウバイ。
あたりに良い匂いがしています。

美味しかった夕食の野菜オムレツ。

今日は暖かく明日はさらに気温が上がるようです。
しかしその先に大寒が待っていて、やはりそのころから寒さが本格化するようです。

寒が明ける2月3日が過ぎれば立春、それまで雪の日でも有意義に過ごせればと思います。

樹下美術館カフェの落書き帳から その1。

2026年1月15日(木曜日)

樹下美術館は館内に何冊かの落書き帳があります。昨年も沢山お描き頂き有り難うございました。

本日はその中から一部を掲載させて頂きました。

庭を描いてくれてありがとう。

 

ちりばめられた幸せ。

 

幸せの色。

 

池田動物園で見て来ました。

 

「猫」まで行ったのですが。
他にも沢山しりとりの絵がありました。

美味しくて飛んだのですね。

沢山描いて頂きました。展示をみてカフェでお茶を飲みケーキを食べゆっくりする。そんな時、何か描いてみたくなるのはよく分かります。私達は幸せになったり自分らしくなると「描く」のですね。「書く」もそうかも知れません。

次回も落書き帳から掲載させて下さい。

本日妻が樹下美術館の土手から
採ってきたフキノトウです。

日中は比較的温かかった日、皆さまはどう過ごされましたか。
明日はもっと温かくなる模様です。

15日深夜の現在、雨がザーザー降っています。

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