10月名残の茶会 虹の上下浜。

2020年10月25日(日曜日)

7月から始めた月末茶会の10月が終わりました。
午後から2回に亘り10 名様にお座り頂きました。
午前中かなり激しく降った雨も上がり、室内三カ所の窓を20㎝ほど開け、進行も簡略を心がけた次第です。
お点前の私は勿論、皆様は飲食以外はマスクをされ、本当に変わった時代になったと思いました。

 

床の軸は9月と同じ、立花大亀師の円相。今月も吉田隆介さんの花入れを用いました。
洗練されたモダンな意匠が茶室に映えます。
10月は風炉の名残り月、それに沿って花も庭の物を沢山入れました。

丸を一筆で描いた円相は禅における書画の様式の一つです。世界の表象や悟りの境地を現すとされ、決まった解釈を避け、見る人に任されると言われます。私は和やかなお席のために、と話してみました。描かれた丸の具合がとても良いのです、

 

風炉先屏風は齋藤三郎筆の父あて消息。
10月は寒さに配慮し、火がお客様に近づくよう風炉釜を長板に置き、
客側にあった水指を左に除ける「中置き」の設えです。

風炉はつい最近、道具を片付けられた方から頂戴したおっとりした道安風炉です。下さったH様、本当に有り難うございました、大切に致します。
水指は二代陶齋、齋藤尚明氏作の辰砂面取り水指の再登場でした。上品な細身の器に暖かな辰砂の色が印象的でした。

 

お菓子は上越市は髙田、竹内泰祥堂さんの「神鈴」です。
鈴の様子が大変可愛く、美味しいと評判でした。

 

路地にお客様の姿が見えると緊張します。

お茶の先生や生徒さん。着物を着たかった、という方。茶席は初めてという方。いつもながら皆様には思い思いに寄って頂きました。粗忽な亭主ですが、お付き合い下さり感謝でいっぱいでした。

 

終わって夕刻になると急に時雨が混じり、風も強まり今どきらしい荒れた空になりました。
虹が現れる予感がしました。
虹を撮るのに電車か海か水田かを迷いましたが、上下浜に向かいました。

 

 

虹は思った以上に美しく、マリンホテルとも相性よく掛かりました。
時刻は午後4時半近くです。

 

覚悟はいいか、とばかり荒れる空と海。

 

むしろ歓迎、と言うように次々とやって来たカモメ。

めまぐるしく変化した気象の一日。皆様と暖かく交わることが出来て良い日でした。
こまやかに水屋を助けて頂いたT先生、いつもながら誠に有り難うございました。

2020年10月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

▲ このページのTOPへ