時雨の合間の日射し 愛らしい落ち葉 カフェにシベリウスのヴァイオリン 山裾に雲のいたずら。

2020年12月3日(木曜日)

しぐれる午後のカフェにいると、突然遠くに陽が射してきた。
まだ雨が残る風景の向こうが明るくなっている。今ごろよく見られる絵画的な光景で、いっとき気分が明るくなる。

こちらまで陽がやってきて外に出てみた。

 

 

2枚とも美術館の裏手で。

 

玄関前左手のモミジ。

 

カフェ右手のモミジ。
この二本が落葉するとほぼ全ての落葉樹が散り終わる。

 

上掲の株立ちの根本に落ち葉が集まっている。
北風を避けて肩寄せ合う。ああと声がでるような可愛い情景。

午後遅く、ほくほく線の田んぼに行ってみると奇妙な雲。
ときたま変な現象を目にする事があり、これも変わっている。

 

まもなくモヤモヤと消えた。
もう面倒なので理由の詮索などは止め、雲のいたずらということにした。

12月20日が最終日の樹下美術館。例年今ごろ、雪はどうなるだろうと思案して過ごす。
皆さんに聞くと予報は、当初の「多い」から「例年並み」に変わったようだ。

本日お客様が持参されたSPレコードでシベリウスのヴァイオリンコンチェルトを聴いた。木枯らしの庭に澄んだヴァイオリンが響き、北国のオーケストレーションが熱くバックアップをした。第1楽章だけだったが終わると拍手が鳴った。

昨日の記事、猫の目とコロナの感染報告の続き。

2020年12月1日(火曜日)

昨日田んぼの黒猫を見て写真を撮り、目が色々変化することに感心してここに書いた。
その時、慣用句である「猫の目のように変わる」を思い出していた。

以下四枚、昨日の猫の目の拡大を追加してみました。


惹かれたのは色々と変化する目の色(瞳孔に見える色)だった。後で猫の瞳孔の色が、特にフラッシュを使ったときなどで変わることがあるのか、あるらな何故か、を知りたくて検索してみた。

しかし、「目の色が変わる」で、多くの記事は猫の成長過程で虹彩部分が変化することがあるという言及が大半だった。これでは猫の目のようにめまぐるしく変わる、の意味にならない。
進めると、色ではなく瞳孔の形状とサイズが明るさや光によって瞬時に変わることが、「猫の目のように変わる」の意味するところだと分かった。猫を飼っている方や猫好きな方なら誰でも知っていることにちがいない。

大人になって久しい私はすっかり猫の事を忘れている。そして昨日は猫の目の色の変化に驚き、変わりやすいのは「目の色」というイメージになっていた。
申しわけありません、変わるのは色では無くて瞳の形状でした。

では目の色の変化は何だったのだろう。
人間でもフラッシュ撮影で赤目になるが、あれに似たような現象を考えた。但し猫は、顔の微妙な向きによってそれがオレンジになったりブルーになったり、オバールのようにもなり、きれいだった。

本日二三当たったところ、猫は鋭敏に光に対応するためタペタム(輝板)という反射板としての膜が網膜の裏にあることが分かった。私たちの目は1回網膜を通過するだけだが、猫はその裏のタペタムで反射させ、裏から網膜を再通過させて感度をあげているという。

ではなぜ何種類にも変わるのか、は詳しく探せなかった。恐らく目の微妙な向きにより網膜を通過する入射角と反射角が変わり、それがプリズム現象となって色が変るのではと考え、一応納得してみた(まだはっきりとはわかりませんが)。

猫に関してもう一つ、フラッシュは目の障害にならなかったかの問題。
曇り空の広い田んぼで、猫との距離は3、4メートル。撮影中ずっと瞳孔が同じ大きさだったことから、障害を生じさせるほどの光量ではなかったのでは、と思った。だが相手をしてもらった猫さんには少々迷惑だったかもしれない。

最後に、昨日書いた病院に於けるコロナ感染に関係して、本日新たに1名の陽性者が出たと報告された。関連スタッフを広く検査した後、他に陽性者が無く、本日から外来業務再開と報じられた翌日の追加報告だった。
当初迅速な行動と判断に敬意を表したが、新たな展開による再開は7日を待って検討するという。克服や安全の宣言に関する難しさがひしと伝わる。保健所も加わりより詳細な検証がさらに続けられることだろう。

荒れ模様の虹の日 黒猫の目 拡大を制御した病院。

2020年11月30日(月曜日)

昨日とは打って変わり本日は今どきの荒れ模様に戻った。
空は時雨れては一瞬陽が射すのを繰り返した。

ところで仕事場の換気のため、私の場所のサッシを少し空けたのは良いが、カーテンが揺れるほど冷気が入る。風邪を引きそうなため小型の温風機を買って机の下に置くと、かなり役立った。

買い物をしたホームセンターで見た虹。

買い物の帰路、田んぼに寄ると黒猫が田に入って行くのを見た。
カメラを向けるとじっとこちらを見る。

オートで撮るとフラッシュが光った。
モニターの猫の目が赤っぽく写ったのでフラッシュを続けてみた。

 

猫はじっとしていてくれ、少しの角度で色が変わる。
確かに“猫の目のように変わる”のを目の当たりにする。

 

この猫は美術館の周囲でたまに目にしている野良さんだと思われる。
寒風の田んぼで何をしていたのだろう。
よく見ると目は猫目石どころではな、オパールを思わせる色も見られた。
寒いなかモデルになってくれて有り難う。

美術館に戻ると、妻の知人が手作りのクリスマスリースを持参して下さっていた。
もう何年もこの時期になると届けていただく。荒れて寒い日に美しいリースを見ると心が温まる。

館内がいっそう幸せな空気じになりました。
“いつもいつも有り難うございます”

 

本日は在宅回りが無い月末の貴重な日だった。荒れた空に誘われて上下浜へと行ってみた。

 

マリンホテルに虹が掛かっている。

 

丘のホテルはフォトジェニック。

 

一名のコロナ感染があった病院は極めて迅速に動き、関係者に対して広く検査を行った模様。結果全て陰性と判明し、業務停止をミニマムに押さえ、明日から診療を再開すると伝えられた。

院長はじめ皆さんの的確な判断と行動に敬意を表したい。私たちにとって大切な病院であるためほっとした。

自分が感染してないのは完璧に防御しているからではなく、運が良いだけと考え、いっそう用心を心がけたい。

本日日中はゴルフ日和、夕刻は満月がのぼった 病院のコロナ感染届け出。

2020年11月29日(日曜日)

ゴルフはシーズン・オフを迎えている。しばらく遠ざかっていたので、今年中にもう1回は行きたいところ。
だが予報を見ながら数日前に申し込むのでは、どこも一杯でなかなか取れない。
盛況なのである。

それが本日日曜日、7時39分スタートの早い時間が取れた。車で10分少々で着いてしまう米山水源CCなので6時45分に起きれば余裕で間に合う。普段朝寝坊だが、ゴルフや旅行ならいくら早くてぱっと起きる。

昨日から荒れ通しだった空は朝には雨風とも止んでいた。
三人のラウンド、念のため雨具でスタートしたが、パラリと降っただけで晴れた。ラウンドは昼食を挟んで、ハーフずつ午前、午後と回るのが普通である。ところが本日ばかりは余りの早いスタートによって、9時40分に前半を終了してしまった。
それでも終われば昼食である。早起きのせいでチャンポンを美味しく食べた。

 

10前の昼食?パーティションで仕切られている。
世の中見るものも変わったが、漂う気分も変わった。

 

後半のスタートに向かうとクヮクヮと賑やかな鳥の声。
朝日池から雁のねぐら立ちが始まった。
晴れるまで待っていたのか、随分遅い時刻だった。

 

 

12番を終えて歩くと、シャラシャらと木の葉の音が聞こえた。
見上げるとヤマナラシの音だった。
随分と落葉し、これっぽっちの葉っぱながら、よく鳴っている。
わずかの風で音を立てるのでこの名が付いている。
何十年ぶりに葉音を聴き、懐かしかった。

午後の空は澄み、雲がさわやかだった。

 

 

 

私にしては調子良く、52・50で回り、後半三つパーが取れた。

 

午後の美術館でお話ししたお客様から、本日は満月とお聴きした。
16時前の尾神岳と米山の間に、フッと満月が出た。

 

 

 

すじ雲の座布団の上に座っているような満月。

12月に雪が無く、晴れた日があったならもう一度ゴルフをしたい。

いつもお世話になっている病院でスタッフおよび同居者の新型コロナの感染届けがあり、複雑な思いを禁じ得ない。
二人とも発熱しているということ、心配であり、拡大を免れられるよう切に願うばかりだ。

今日のお天気 柿崎海岸とシーグラス ウイルスのペース。

2020年11月27日(金曜日)

このところの空は予報よりも良くなる日が多い。本日も曇りと予報されていたが、昼すぎまでよく晴れた。

風もない晴天の空をみて午後柿崎海岸を歩いた。

午後1時すぎ、今どきこんなに穏やかな海岸は珍しい。

午後3時半ころの美術館から東の空。
影を帯びた低めのいわし雲が鮮やかに空を飾った。
雲は天気の崩れを知らせ、夜半には雨が降り出した。

海岸で久し振りにシーグラスを見つけた。左端は石です。
手前の青いのはガラス瓶の栓でしょうか。

ところでコロナの流行が勢いを強め、重症者と死亡の増加が深刻さを現している。
夏以来、残念ながら流れは一方的にウイルスのペース(都合?)で進んでいる。
夏、ほね休みしていたウイルスはお盆やgotoで満遍なく地方にも運ばれた。弱毒化しながら拡散した彼らは、寒冷と乾燥の季節を待って、いま全国一斉に本性を現し始めた。

私たちはウイルスのシナリオ通りに動いたのである。
ここ三週間がヤマと公言されているが、むしろその先に本当のヤマが待っているのではないだろうか。

折角世界に冠たるスパコン富岳を所有している国なのだから、座席ごとの飛沫の動向などで終わらせず、ウイルス本体の性質をとことん追求して対策の根本に役立ててもらいたい。

相手を熟知することなしには勝てない。呑気にウィズ・コロナというだけでは負けそうな気がする。それにしても一方的に押しまくられている欧米の状況などは、どう考えたらよいのだろう。

英会話教室の一コマ、再度「Autumn Leaves 枯葉」

2020年11月26日(木曜日)

本日木曜日は午後仕事休みの日。
その午後は車の点検日。日が決まっているのにどういうわけかよく失念し、催促を受ける。このたびは担当の方が妻に伝え、妻の念押しで無事午後2時30分の受け付けをした。
点検は30分少々で終わったが、待つ間に持参した書類を二つ書いた。

点検に出かける前、英語教師のAさんとカフェで一緒した。ネイティブな英語を話され、学校が開放している英会話教室も担当されている。
拙ブログをご覧になっているということ。
前回の「Autumn Leaves 枯葉」を見ました。昨日の教室では、その歌詞をテーマにした。幸い難しい単語もなく、クラスは年配の方が多いので、殆どの人が調べを知っていて、レッスンは楽しく進み最後は皆で歌って幸せだった、と仰った。

だが少し意外なことが二つあったらしい。一つは40代の方が「枯葉」を知らなかったこと。もう一つは歌詞で、夏の恋の回想部分の時制が過去なのに、“l see your lips,,,”とそこだけ現在形になっていて気になった、と仰った。

二つとも確かにである。私の年代で十人中8,9は枯葉のメロディを知っているか、耳にしたことがあると思う。なるほど今40才代、長男の世代はプリプリか渡辺美里ならともかく、「枯葉」を知らないのは無理からぬこと、と思った。

もう一つ、現在形seeの問題である。
これには拙感想として、“唇を見た”ではなく、“(今でも)唇が見える”、“(ありありと)浮かぶ”、と解釈すれば現在形で良いのでしょうか、と述べた。すると、ふーん、なるほどなるほど、という流れになり、二人で小声でサビから歌い、それでは、と言ってディーラーさんへ向かった。
有り難い、時にはこんな風に私のブログが役立つこともあるんだな、と思った。

以下は叙勲、殿堂入りのギタリスト、エリック・クラプトンの「Autumn Leaves」です。


波瀾万丈を歩んだという人が歌うのはブルースの香りの「枯葉」。
ぽつぽつたるギターとピアノにストリングスの間奏、さらにエンディングも素敵だ。

 

以下はもとはフランスのシャンソンだった「枯葉」を歌うイヴ・モンタンです。


詩情あふれる歌声、枯葉といえばまずこの人だった。
名歌手・名優の人。やはり波瀾万丈だったにちがいない。

聴くと二人とも落ち葉の道をゆっくり歩くイメージが浮かぶ。

上から目線でない昔の人、本物のエンターテイナー。
歌声は安心で心に沁みる。

黄色の芝生は最後のモミジを舞わせる舞台 コール親子やエディー・ヒギンスの「枯葉」。

2020年11月24日(火曜日)

11月も残すところ何日もなくなりました。

 

本日の庭。
随分前に刈った芝は伸びることを止め、じっとして休んでいる。
大方の木々は葉を降らせたが、数本のモミジが落葉を待っている。
黄色の芝生は最後のモミジを舞わせる舞台のようなものだ。
枯れるもの同士、いつかのようにここをきれいに飾ってほしい。

 本日ご来館くださった22名の皆様有り難うございました。

本日は特別な記事もないためYouTubeの音楽から「Autumn Leaves 枯葉」を並べました。

最初はナット・キング・コールの歌です。

 


歌は1960年代のラジオからどれほど流れたことか。

次はその娘さんであるナタリー・コールの「Autumn Leaves」です。


やはりとても上手いですね。

ナタリーが亡き父の音源と映像に重ねて歌ったシングル「アンフォーゲッタブル」は大きな反響を呼び、1991年グラミー賞のソング・オブ・ザ・イヤーに輝きました。


グラミー賞授賞式のセレモニーで歌うナタリー・コール。
往時の父の映像と音声に歌と演奏が重なる。
同じキーで歌う幸福なシーン。

 

最後にエディー・ヒギンス・トリオです。


スウィングする「Autumn Leaves」。
ピアノソロの後ベースに続きドラムスが、
ピアノと掛け合いながらソロをとる。
いずれもよく歌い、とても楽しい演奏。

以前にも書きましたが、
その昔新潟市のホテルのエレベーターでエディー・ヒギンスと一緒になったことがありました。

柏崎市立博物館の秋季企画展「かしわざきの木喰さん」最終日。

2020年11月23日(月曜日)

過日は鮭遡上だけ見て帰った柏崎。実は10月10日から同市立博物館で「かしわざきの木喰さん」展が開催されていた。迂闊にもそのことを知らずにいたところ、一昨日A氏から、柏崎の木喰展は明後日で終わりですよ、素晴らしいですから、と聞かされた。

この度の企画展ではもうお一人から貴重さを聞いていたものの、同館に格調高く常設展示されている9体の木喰仏を思い出して、はい見ましたなどと言い、正直聞き流していた。そこへA氏から、もう終わりますよ、早く、と熱い催促のお話で、本日慌てて観てきた次第。

江戸時代後期、二度にわたり新潟県を訪れた上人の作品は佐渡、長岡、小千谷、柏崎に多く残されているという。このたび84体に及ぶ(一体は上越市から)同市安置の木喰仏が一括展示され、規模の大きさは初めてという。好機は二度と無いと思い、昼に出かけた。

 

展示チラシ。

 

チラシ裏面。
チラシも底をついたため自前でプリントされている。

三十三観音、十王尊ほか十王堂の12体の群像の壮観な列に加えて、会場を埋め尽くす諸仏は、圧倒的な力をもって賑わう入館者を迎えていた。
上人の仏力か、入場者の昂揚か、場内に入った途端体が熱くなるのを覚えた。
一晩に一体、時には二体を彫り上げたという仏像の多くくは微笑(みしょう)を湛えつつ、独特の彫刻として全くスキが無いのである。庶民に向けて造られたというものの、高い品格と完成度は、研究とともに深い仏性によるとしか考えようがなかった。しかも九十才を越えた年令時の作品だというから、上人の並外れた体力、健康にも驚かされた。

意外だったのは三十三観音だった。おしなべてお顔がふっくらとしたいわゆる美人顔、明らかに木喰さんと異なっている。後の仏師が手を加えて彫り直し{改刻)したという。仏はどんな気持ちだったろう、凄まじい世界だと思った。

展示は本日最終日。
初日から賑わい、昨日は900名の入場だったそうで、図録は売り切れたと受付で聞いた。
代わって生誕300年を記念して刊行された「廻国放浪の作仏聖  木喰」(広井忠男著 日本海企画平成29年5月23日発行)を求めた。

「廻国放浪の作仏聖 木喰」
彫刻し安置された地域の風土とともに詳細に綴られている。

最後にショップの絵はがきコーナーの一番上にポツンと一枚、小生の「ヒメタイサンボク」が残っていたので求めた。
応対された館員の方が私を知っていて、嬉しかった。

「ヒメタイサンボク」
2002年の最初の個展でDMに用いた懐かしい絵はがき。

博物館の後木村茶道美術館に寄った。
紅葉は峠を越えていたが山荘の園内は賑わっていた。美術館の呈茶席は四名が座った。お点前の方は私が通い始めた昭和六十年代当時からの懐かしい人だった。かって樹下美術館も訪ねていただき、数年ぶりにお目に掛かった。当時の者は私だけになりましたと仰り、終わって短い話をした。

頂戴したお茶は熱く美味しく、お茶碗は奥高麗(おくごうらい)。大ぶりで作行き風合いとも非の打ちようがない立派なもの。一度盗難に遭い、後に出て来たという曰くある名品だった。

博物館、美術館とも、今年は突然生じたコロナ騒動で神経をすり減らしたのでは、と思った。

本日最後の月末茶会が終わった。

2020年11月22日(日曜日)

7月から始めた月一回の月末茶会の最終回を本日終えた。
樹下美術館が今年行った精一杯の催事で、コロナ騒動のなかなんとか5回を行った。
京間四畳半の室に一席5名様までとさせて頂くと、90センチ×5,4メートルの畳に5人で座ることになる。
西と南の窓を半分近く開けたので一定の換気は出来たのではないか、と思っている。

最終日の本日合計19名のお客様に検温をさせて頂き、午前10時半から3時まで4席に分け、一席およそ20分で終えるようにした。お客様はお菓子と茶を頂く時以外はマスクをして頂き、不肖お点前の小生は終始着用した。

室を通過した楚々とした風は爽やかだった。

 

 

 

古谷和也作の伊賀面取り掛け花入れに白玉椿とマユミの枝を生けた。
軸はこの秋二回目、良寛筆「四時有月」を掛けた。

冷々たる山水と高空の秋月を讃え、月を鏡に、世界を境とし、鏡なくして境は非ず(無い)、境もまた然りと書かれている。
両者は一体である、という碧巌禄(へきがんろく)からの一節。文言は有で始まり後に非が繰り返され、禅味と哲学を秘めている。小さな紙面に流れるように美しく書いた禅師の深い思想と教養に圧倒される。
※碧巌禄:中国の唐~宗代に編纂された禅宗の語録。

 

齋藤三郎作の染め付け香盒。
富本憲吉から拝領した竹林月夜の上品な文(絵図)と独自の作り。

 

今秋妻の友人から頂戴した黒柿の炉縁(ろぶち)を早速使わせてもらった。
釜は江戸後期の高木治良兵衛作。炉の炭火は初冬のもてなし。

 

齋藤三郎の水指と風炉先屏風の書簡、そして伊賀の蓋置き。
蓋置きは昭和60年頃、新潟三越で行われた谷本光生展で求めた。
まだお茶を始める前で、何に用いるかも知らず、ただ感じが良いだけの理由
で求めた。

その時の売り場のお客さんにお年寄りの女性がいて、「あなた良いものをお買いになったね」と言われた。谷本作品の風合いが非常に気に入り、用途も知らず肩衝(かたつき)の茶入れと徳利型の花入れも購入した。

茶も知らぬ客が次々茶道具を購入したので売り場は、ちょっとした騒ぎになり、居合わせた谷本氏が駆けつけ、良いのですか、と心配顔で仰った。それから作品の包み方、仕舞い方など、大変丁寧に教えて下さり、それぞれインド更紗の風呂敷に形の良い木製の名札を付けて頂いた。
後で調べると広い教養を有し、谷本伊賀のジャンルを創造された作家さんと知った。優しくまれに見る紳士的な方だった。
それから二年経った頃、大潟区の裏千家茶道、渡辺宗好先生に入門しお茶を始めたが、本日の伊賀の蓋置きはそのきっかけの一つとなった懐かしい品。

美しくおいしいお菓子「木枯らし」は髙田の竹内泰祥堂さん。
皆様にはいつも拙いお点前を致し、恥ずかしく思っています。
ご来席頂き誠に有り難うございました。

毎回恐る恐るの茶会開催を終了、残す今年の開館はあと一ヶ月となりました。
昨今のコロナの流行事情から、お客様、そしてスタッフ共々無事でありますことをひたすら願っています。

 

美術館のコブシは早くも来春の仕度、蕾でいっぱい。

 

大潟区長崎で梅であろう、花が満開だった。

吉川区の橋爪法一さんのブログで、当地に一羽コウノトリが来ていると書かれている。お茶の後車を走らせたが目にする事は出来なかった。まだ居るのだろうか、是非見てみたい。

谷根川(たんねがわ)河口の鮭遡上 牛ケ首層内褶曲 鵜の浜温泉の人魚像。

2020年11月19日(木曜日)

午後ひとときお客様と話していると、「シャケ」という言葉が出た。
今年7月、柏崎に行った際、谷根川河口付近にある「柏崎さけのふるさと」公園を訪ねた。場所は米山大橋直下で分かりやすく、こんなに近ければ是非とも遡上を見たいと思った。
シャケの一言で思い出し、スミマセン、と中座して遡上の河口へ向かった。

 

 途中で寄った「牛ケ首層内褶曲」。
柏崎市大字笠島字海の上という住所になっている。

久し振りに見ると以前にも増してスケールの大きな絶景に映った。
上下の平らな層の間に曲がりくねった地層が挟まれている。海底で、平行な二層の間に地滑りが起き褶曲層を作り、後に隆起したらしい。言われている事が如実に現れているが、まことに不思議な光景だ。

この後でさけのふるさと公園施設に寄り遡上が見られる場所を尋ねると、河口付近に沢山いますよ、ということだった。
青海川駅に向かい、突き当って右に行く小道を少し歩いた後、JR線の短いトンネルをくぐって海側に出る道順だった。
10メートルあるかないかの川幅で小さな段があり、鮭たちがそこを上っていく。

以下初めて見る鮭の遡上。

数十メートル先の汀からこの場所を通り、段差の通過を試みる。
流れの中で、多くの魚が遡上を待って泳いでいる。

 

 

 

一匹また一匹、意を決したように越えていく。
上手く行かずに戻ったり、端っこの岩場でつかえたりする者もいる。

私が着いたときには7,8人ほどカメラを構える人がいた。じっくりと椅子に座ってカメラを向ける人もいた。ときたま高く跳ねる魚がいると、皆さんからオーッという声が上がった。ジャンプがお目当てなのだろう。

淡水海水双方の環境を克服し、遠くアラスカ辺りまで回遊。数年かけてちゃんと生まれた川へ産卵に戻る鮭。タフさに感心する。

西陽を浴びて輝く鮭は美しかった。
帰路は鵜の浜温泉を通る。ちょうど暮れる時間、そこの人魚像を撮るために寄った。

 

いつも訪ねてくれる人を待っている人魚。

すると温泉街からこちらへ大勢の生徒さんたちがやって来た。

 

自然と像の周りに集まる。
この後、急いで集合写真の撮影が始まった。

 

何日も晴れたが、明日から曇りや雨が混じり、寒くなるらしい。
ただ時おり晴れ間も期待できそうだ。

晩秋らしくない気象 紅葉の色々 馬路村の柚子 コロナの三波

2020年11月18日(水曜日)

お天気が続き、本日髙田では22,7度まで上がった。
11月の後半なのに10月よりもずっと好天に恵まれ暖かい感じがする。

なぜか美術館の庭は例年になく色鮮やかに紅葉し、それが木ごとに移って行くのが見て取れる。
同じカエデでも既に散っているものから、ようやく赤くなり始めたものまで様々である。

庭の木は造園屋さん、ホームセンター、ネットなど経由がまちまちで、同じような木でも紅葉の進行が随分違う。
産地が異なるため、それぞれふる里の流儀を頑なに守っているのであろう。

 これは25年前、造園屋さんが植栽した場所。
産地が揃っているので、ドウダンツツジやモミジはそれぞれ紅葉時期が同じようだ。

 

手前の黄色のカエデはもとからこの土地に自生していた。
美術館の駐車場を造るにあたり、根が掛かるので切りましょうか、と提案された。
当時小さかったが、鮮やな黄色になるので、一部の根を切って残してもらった。
いま大きくなり、見栄え良く紅葉する。
左手に見える二本のカエデが急に赤味を増してきた。

 

庭では先に落ちた黄色の葉が、芝生に愛らしく散らばっていた。
最後は上掲した二本のモミジが赤い葉を沢山散らして庭の落葉が終了する。

 

本日患者さんから頂いた白菜と大根。いつも上手に作られ、スタッフの分も下さる。
今夜大根は里芋と一緒に煮物となって出た。

 

テレビで垣間見た丹波の焼き栗をネットで取り寄せた。
冷凍して届いたものを室温解凍し、一部をレンジに一部を解凍後そのまま食べてみた。
焼いたものは風味があり、焼かないものはとても甘みが強い。

本日東京の友人から、過日届けた新米のお返しにと、ふる里高知県の柚子製品が沢山届いた。

高知県の東部にあるらしい馬路村(うまじむら)の柚子加工品の数々。
柚子ジュース、柚子胡椒、寿司つゆ、柚子オイルetcまで柚子一色。
居ながらにして遠い高知県の村に寄った気持ち。
大手ブランドの品もあった。

電話をすると、再びコロナに対する緊張感が高まっていると話した。医療関係者なので、自分が罹ると病院や地域に多大な影響が生じる懸念を強調した。
診察の現場はパーティションで仕切られているが、横から顔を出して話してくるお年寄りがいる、などと言って笑った。

外出は近くの多摩川周辺を歩く程度らしい。同業として背負っているものが同じなため、事情はよく分かる。自分もヒマがあれば今まで以上に一人で出て、外気外光に触れるようになった。

新潟県で発生中の二カ所のクラスターから、感染力の異様な強さが窺える。特に高齢者施設における現在まで43人もの大規模感染は、重症者が出ないことを祈るばかりであり、現場の緊張と大変さは想像以上のものがあろう。

生誕250周年、年末にベートーヴェンの名演をSPレコードで。

2020年11月17日(火曜日)

来る12月12日(土曜日)午後3時から,
樹下美術館で例年行っています年末の手回し蓄音機によるSPレコード鑑賞会を催します。

今年はベートーヴェンの生誕250周年のメモリアル年です。
年末の会は貴重な年に相応しくオール・ベートーヴェンのプログラムに致しました。

以下は予定プログラムです。

名演奏家による1930~40年代中心の録音を、
当時のSPレコードでお掛け致します。

アルトゥール・シュナーベル ○エドヴィン・フィッシャー ○カザルストリオ 
ピエール・フルニエ ゲルハルト・ヒユッシュ シモン・ゴルドベルグ 
リリー・クラウス 

電気を用いず音の空気振動をそのまま盤の溝に録音したSPレコード。
全ての音はカットされること無く、豊な臨場感をもって再現されます。
名演の再現は、レコードのすれ音も気にならず、遠い時代の空気まで私たちに伝えるようです。

コロナに配慮して席は30席までの予定です。
お申し込みは美術館の窓口か、美術館への電話025-530-4155でお願い致します。
換気を行い、検温とマスクをお願いし、年末のひとときを有意義に過したいと思います。

ところで新潟県では比較的規模の大きいクラスターがみられています。
開催を前に上越地域の状況によっては中止の止む無しをお知らせする場合があるかもしれません。
万一の折は、どうかご理解のほど宜しくお願い致します。

メグスリノ木、マユミ、ニシキギ。

2020年11月16日(月曜日)

このところ何度か庭の紅葉を挙げさせて頂きました。
去る日、メグスリノキを載せましたが、名前からして変わっていますので、その紅葉の経過とともに名の由来などを少々記したいと思います。

平成7年の造園の際、庭師さんが紅葉が綺麗ですよ、と仰って植栽されました。以来砂地にも拘わらず、夏の暑さにも耐えて辛抱強く成長しました。

メグスリノキと目薬の関係は、戦国時代に樹皮や木部を砕いて煎じたものが眼病に効くという民間療法に由来していると書かれています。成分分析など一定の科学的検討がされ、疲れ目などに対して煎じ薬やお茶パックなどの形で販売されているようです。

新緑もいいのですが、見所は何といっても最も美しい紅葉の木の一つと言われる点です。
確かに多様な色合いに分かれて始まり、全体が赤くなっていく様子は一見に値します。

以下約10日間の紅葉の様子を並べてみました。

 

11月8日。

11月12日

本日11月16日

カフェの前にもう一本あります(本日11月16日)。

 

一枝とってテーブルに置きました。枝先に三枚ずつ葉がついています。

 

話題をもう一つ。
美術館の右前の庭にニシキギとマユミのよく似た木があります。1,5~2メートル少々の低木ながら、両者とも一生懸命に紅葉します。

 

本日のニシキギ。

 

本日のマユミ。

両方とも葉は小さいのですが、ニシキギの方がマユミよりも一回り大きいです。
良く似た木は、幹にはっきりした違いがあります。

 

 ニシキギは幹に沿って平たい翼のようなコルク質の突起が連なっている。

 

マユミの幹はつるりとしています。
紅葉ではマユミはニシキギ以上に赤くなります。

駐車場で降りて美術館に向かって右側に数本ずつありますので、よろしければご覧下さい。
ニシキギギの翼風の突起は変わっていて面白いと思います。

1年8ヶ月振りのお二人 和装、過去もまた希望。

2020年11月15日(日曜日)

本日日中は爽やかに晴れ、風も無くまことに穏やかだった。
ブログを見る限り12日から本日まで、およそ4日間晴れていることになる。11月半ばにこれだけ晴れるのは珍しく、幸運だ。

そんな日の昼近く、遠方から懐かしいご夫婦がやって来られた。18年3月に送別の食事をして以来1年8ヶ月振り。お二人とも当時よりさらに穏やかで何かお若くなられた感じ。
農芸科学がご専門の丸い人柄がさらに丸くなられ、美味しい水のような親しみを覚え、嬉しかった。お昼をご一緒し旧交を温め、再会を告げ合ってお別れした。

「お元気で」と言ったものの、お二人はまだお若い。元気でいなければならないのは明らかに私の方である。
このような場面に際して、年々ある種覚悟のようなものがよぎる。
まさに重ねている年令のせいであり、微妙なスリルと言えなくもない。
科学者の厳しさを秘め、かつ柔和で人情の機微にこまやかな方。コロナが邪魔をするが、いつかまたご一緒したい。

さて晩秋の好日、美術館はいつもより賑わった。
例より10脚近く椅子を減らしているので、順番がつかえたようだったが、皆様で融通し合い、コロナに用心しながら楽しんで頂いた。

 

 本日お似合いの和装で来館されたお二人。
大正昭和のシーンのようで胸がじーんとした。
希望は未来ばかりでなく、過去にもあるのではないかと思ったほどだった。

 

夕刻の上下浜はマリンホテルハマナス。

 

明日は曇り一時雨の模様。ただし暖かいらしい。

大潟区の野を歩き、頸城区のさくら会館へ伺った。

2020年11月14日(土曜日)

このところ晴れ間が続き、冬支度に時間がさけ、心にもなにがしか覚悟の余裕が去来する。
晴れ間はもう数日は続く模様で思わぬプレゼントだが、雪国の性で、その後が少々怖い。

日射しに誘われて近くの雑木林を歩いた。

 

まだ枯葉をまとう木々も多く、青々とした草道を歩いた。

 

明るい場所へ出るとモズやってきてギイギイッと鋭く高鳴きをした。

 

歩く先々でパッパッと動いたのはカシラダカの一群だった。
冬鳥にとって本日の暖かさは辛かったのでは。

 

野歩きの後、先日開場したばかりの地域の茶の間「さくら会館」で妻と合流した。
頸城区の大池湖畔に隣接する施設は、福祉事業の(株)さくらメディカルの30周年記念事業で、会長の武藤敬一さんが展開されている。
本日お目に掛かりお話をお聴きし施設を案内して頂いた。

 

パンフレット表紙。

 

 

 

座り心地の良い椅子の休憩・団らんの場。
私がよく歩く湖畔の森林が対岸に見える。
広い窓によって清浄な外気に溶け込むのを覚える。

二階は書画の展示場に続き、奥に諸仏が安置されていた。

 

慈悲によおりあまねく衆生を救う十一面千手観音。
許可を得て特別に撮影させて頂いた。

 

和室になんと花頭窓。お茶会ができるのでは。

かってのレストランを全面改装して成った施設は、地域の茶の間。市内有数の風致を我がものにできる誠に贅沢な環境に佇んでいる。凝った設えや調度品にも目を奪われる。

顧みるに心身状況と在宅および施設など介護と予防には様々な段階と場面がある。いずれに於いても、本人・介護者はともすれば閉鎖的な状況を免れない。
一方健常であっても長い人生の後半を如何に過ごすか、大きな課題にちがいない。
一生一度、大切な時間の中で安息を願い息を抜き、心なごむ場所が欲しい。
加えて外気の大切さはいっそう望まれる。

本日午後のひととき、お話を聴きつぶさに内部を案内して頂いた。
同施設には、長年福祉事業に没頭されたオーナ心からの願いと恩返しの念が籠もっていた。

当施設は会員制(年会費1000円、初年度無料)。一回の施設利用費はワン・ドリンク付き200円。11時~14時のランチタイムはオムライスなど昭和時代の懐かしいメニューがリーズナブルに設定されている。
※当面利用には予約が必要ということ、電話は025-530-3838です。

本日妻と会員にさせてもらい会員証を頂いた。
近々晩秋の湖畔を歩くつもりだったので、お腹を空かせてお邪魔したい。

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