篠崎正喜さんの「海辺の街」。
10月17日まで好評開催中の篠崎正喜展。氏の作品には独特な鮮やかさ、こまやかさ、そしてある種旅情と平和な時間が描かれる。
本日は作品「海辺の街」からそれらについて私なりに観てみたいと思う。
南欧あるいはイスラムまた中近東?など、とりとめ無い雰囲気の街が一塊(ひとかたまり)になって描かれている。二つの島があり一艘の船が浮かぶ濃い色の海の水平線を、真っ白な雲が囲み大気は澄んでいる。そこは形を変えた作者のふる里かもしれない。
手前の大通りを見ると色々な人が様々に描かれ、ゆっくりした時間が流れている。以下作品の細部にカメラを向け拡大し、一瞥しただけでは見逃しそうな作者のこだわりと描かれた生活の一端に目を遣ってみた。
最も左でトラックの荷の積み降ろし。
建物の通用口と思われる場所のトラック。明るい緑色のトラックと黄色の幌が軽やか。手前のカップルの長い影が人の息づかいを浮かび上がらせている。
トラックの荷はこのバザールのためのものらしい。しっかり付けられた影が人物たちに存在と生命を与えている。
手前にレトロで良い色の車が二台走っている。建物の入り口の右に犬が、左に女性が果物?を売っている。さらにその左にヤギのような犬を連れた男性が角をまがろうとしている。
お洒落な半円の前壁の建物の左にウィンドウがあり、張り出されたポスターを男が立って見ている。建物は映画館であろう、小さな窓は切符を売る窓口か。建物入り口にもぎりの女性がいる。路上の自転車は子供のようだ。小さな町の心意気ある映画館に作者の思い出があふれている。
一種広場のような通りは車椅子を押す人影が見え、思い思いに人々が行き交う。影の長さから午後の遅い時間であろう。
混雑した建物の屋上のあちらこちらにガラスの半球があしらわれている。美しいガラス球(玉)は作者お得意のモチーフで、様々な場所で不意に登場する。街並にはお城のような建物も見える。
描かれるガラスは並々ならぬ研究の賜物ではないだろうか。色彩や厚みの違いも美しく描き分けられる。
以上ざっと見てきたがまだ何かが隠されているような気もする。そう思わせるのが街というもの、あるいはその営みではないだろうか。
小さな映画館やお寺のあるゆっくり時間が過ぎる澄んだ大気の街。行ってみたくなるような平和な「海辺の街」を紹介してみました。
この先他の作品の細部もまた観てみたいと思います。細部は篠崎作品の特徴で観る楽しみの一つです。
※写真2枚目と3枚目は前日の積み残しで翌日追加致しました。
●10月12日15時から篠崎正喜さんの「生成ITと美術」のギャラリートークを致します。35席ほどの予定です。
8月26日髙田まちかど交流館のオペラ「楽屋殺人事件」公演。
間近になってしまったが8月26日今週土曜日14時から、上越市髙田まちかど交流館でこんにゃく座から二人が来られ「楽屋殺人事件」の公演がある。
その一人泉篤史さんはきれいな声で表情豊か、ルックスも良い。ピアノの演奏とともに眼前で演じられる歌と劇がどんなものか興味があるので楽しみにしたい。
上越市出身の泉さん
北城高校、新潟大学卒業
日頃おばあちゃんの事で泉さんのお父さんとお会いする。そのたびにお父さんの声がとても良いのに感心していた。
先日ひょんなことから、悴です、と仰り、少しもじもじしながら篤史さんの公演チラシを見せて頂いた。良いお声のお父さん、その悴さんが歌の道に進まれている。やはりと、いささか驚きを交えつつとても頼もしく思った。
音楽や演劇がお好きな皆さま、宜しければ26日(土)の髙田まちかど交流館へ足をお運びになっては如何でしょうか。
●チケット2500円(全館自由席)
●お申し込み
・オペラシアターこんにゃく座 電話044ー930ー1720
・プレイガイド:: 上越文化会館
集まれば最年長。
台風7号は当地に数時間雨を降らせて北へと去った。去って三日目の本日赤倉で同業者のゴルフがあった。高齢なので一番前のティーから打つのだが52、49で7位賞をもらった。今年はこの辺が普通で毎年下手になっていくのがよく分かる。
本日は4組のコンペ参加者中、私が最年長だった。ゴルフに限らず人が集まると最年長という機会が増える。5,6年前までは上から二番三番程度で何一つ気にすることも無かったが、今日最年長であることはおよそ集まる前から気がつき、あまりいい気持がしない。
そんな自分もかつて仕事やゴルフで「若手」と呼ばれていた時代があった。そう遠い話ではなく、たかだか3,40年前の事だ。それが文字通り「いつしか」最年長の立場になっている。早いか遅いか聞かれればやはり「早い」である。
若手と呼ばれていた頃同業のゴルフ会の幹事を二年間やった。今ほぼ4組の参加者だが当時は6~8組、多いときには10組集まった。40人である。
その時年配の先生方には気を使った。特に最高齢の数人の方々の参加の可否は気になり、一人でも多く参加されると安心し喜んだ。
いまコンペはなるべく休まず参加しているが、皆さんは私をどう思っているのだろう。プレイ中や表彰式などで特に気を使われている風もなく、何と言うべきか、それが有り難いと感じている次第です。
赤倉の日陰と風は涼しく、午後のいっとき雷が鳴りパラパラと雨が降った。
帰宅後の夕刻芝生に撒水した、終わって関田山脈に大きな積乱雲が湧くのを見た。
台風一過後も変わり無く暑さが続く模様。
二つのポスター 熱心な親子さん コーナーの工夫 大洞原の野菜 夕食。
本日は篠崎正喜展に展示中のポスター2点のご紹介からです。
篠崎氏が手がけた劇団美術の中から劇団四季公演「ガンバの大冒険」から1点、劇団七曜日(コント赤信号渡辺正行主宰)ポスター原画の2点の掲載です。
「ガンバの大冒険」ポスター原画。
劇団七曜日公演ポスター
いずれも着目意図を熟慮したうえそれに沿ったデザインと色彩配分が行われ美しく仕上げられています。
さて次は過日触れました展示場内三カ所のコーナーの工夫の実際です。
真ん中の台を斜めに。
一般に四角い会場の展示ではその隅(コーナー)は狭く、両脇の壁に挟まれやや暗く空疎な場所の印象があり、常に使いずらさがありました。この度はそこへ斜めに展示台を設置しました所、作品は中央を向き、1点に立ったままで両脇を入れて3作品を同時に観ることが出来るような効果も生まれました。
奥まった場所柄、一種特別な場所のイメージもあり、良い試みではなかったかと自画自賛している次第です。
昼に寄ると3人のグループと4人のグループの親子さんがお見えでした。
一点一点良く観て写真を撮ったり、とても熱心な三人姉妹さんでした。宿題だったのかもしれません。
もと大洞原に関係された方から頂いたトウモロコシとトマト。スタッフも頂戴しました。高原の夏野菜は素晴らしいです。
篠崎正喜展ポスター 篠崎氏のギャラリートーク「生成AIと美術」。久し振りの雨。
本日から「篠崎正喜展」が始まりました。楽しく美しく、不思議な世界を旅するような作品は絵画への関心の有無に関係なく一人でも多くの人に観て頂きたいと思っています。
●篠崎氏はAIの現実や展望に造詣深く、10月12日(木曜日)午後3時から美術館陶芸ホールで「生成AIと美術」と題したギャラリートークを行います。入場無料、35席ほどのご参加を予定しています。お申し込みは美術館窓口か美術館へのお電話でどうぞ。
本日の作品紹介は東芝EMIのCDカバーになった原画作品と学研の書物「えいごクリスマスのうた サンタにあえるクリスマスえほん)CDつきえほん)の際絵です。
「パッヘルベルのカノン」CDカバー
(枠内画面26×35㎝)
氏はこのほか多くのCDカバーを描きました。
学習研究社「えいごのクリスマスのうた」
挿絵原画(枠内画面28×48㎝)。
次回は多くのポスター原画から当館収蔵の二作品を掲載させてください。
本日午後雨が降りました。ザーザーと、撒水ホースからでは無く、空からあまねく降る雨はとても変わった現象に思われました。
沢山の雨粒を乗せた雑草。
篠崎正喜展の準備 コーナーが生きてきた。
約2か月に亘る私の写真と絵画展が昨日で終了した。写真は初めて絵画は4度目。わけてもは二度目の挑戦である油彩で苦労したのに比べ写真展は新鮮で自分自身が楽しめた。
おりしも「らんまん」の放映で牧野富太郎翁が取り上げられていることもあり、かって描いた植物画細密画への反応へ良さが印象にのこった。
売り絵のほうは「春の畑」が2点とも買われ、小さな5面体の椿と辛夷は8点、SMサイズの「西王母椿」は5点、「秋の畑」は3点求めて頂いた。いずれも皆さまの厚いご好意の賜物と感謝でいっぱいです。
お盆休みを終えた本日、拙絵画展の撤収と、明日からの「篠崎正喜展」の展示替えをした。展示に際しある工夫した結果作品数は26点となり、陶芸ホールは篠崎作品でいっぱいになり、見応えある雰囲気が生まれたのではないかと思っている。
以下は展示作業中の一コマです。
照明の調整前の段階です。
午前午後とも仕事がありましたため小一時間ほど作業を手伝いました。このたびも作品は陶芸作品の展示ボックス(台)に立てる方法で展示しました。
するとたまたま気がついたのですが、これまで使いずらかった四角いホールの隅(コーナー)に斜めに台を置いて展示してみたところ、作品が中心部に向いてとても良い場所、ある意味特別な場所ではないかと思われる事が分かりました。
本日は遅くなりましたので、明日、かってない鮮やかさに変わった場内の様子を掲載させてください。
篠崎正喜作品、南国の海辺の二作品 暑かった高田の午後。
本日は前回に続いて来たる篠崎正喜展の作品紹介です。今日の暑さにちなんで夏らしい作品を載せてみました。
作品の額はフォトスケープで付けました。
「のいばら」〔枠内画面20×26㎝)。
「海風」(35×49㎝)。
宮崎県の海辺の町ご出身の篠崎氏。いずれも南国の人らしい鮮やかな色彩と海風が吹き抜けるのを感じさせる絵です。
以下「海風」の細部です。具体的にどうされているのか私にも分かりませんが、何らかのスクラッチ技法を用いられるようです.。遙かな背景、色構成、絶妙な陰影とグラデーション、そして可愛い動物にはひたすら脱帽です。
2010年12月樹下美術館のカフェで
ご自分の作品「午睡」の前の篠崎氏。
さて本日は柏崎からのお茶人お二人と木村茶道美術館のお話を沢山して勉強になった。
その後、髙田本町は遊心堂さんへ出向き大きな皿立てを一個求めました。リーズナブルなものがあって助かりました。但し降りた髙田の暑かったこと。40度に迫る気温のうえ、地面の照り返し、熱風が重なり悩まされました。
篠崎氏の絵皿(トールペインティング) 鮮やかな絵画。
8月17日(木)から10月17日(火)までの「篠崎正喜展」が近づいた。精緻で美しい絵を描かれる東京在住の篠崎氏を知ったのはボタニカルアートを描き始めて苦労していた2000年少し前頃だったと思う。
ネットで知り交流し始めたのだが、氏のホームページには夢見るような作品が沢山掲載されていた。我慢出来ずにやり取りしたうえポツリポツリと譲って頂くようになった。当初作品を皆さんにも見て頂きたくて2002年上越市大島画廊の拙初作品展の際特別に1点展示した。
さらに2007年の樹下美術館開館に際し、カフェに飾る「午睡」を描いてもらった。若い女性がピアノにもたれて眠っているという150×180㎝の超大作はカフェのシンボルとして今も皆さまに楽しんで頂いている。
いつか氏の展覧会をと考えていたのだが、不遜にも今年私が写真と絵の前座をし、夏の本番二か月の開催へトントンと決まった。信じがたいほど色鮮やかな作品はいずれも夢に出て来そうな不思議さが漂い、ある種デジャブ感覚を覚える独特な作風。中でもまだ手にしたことも無い絵皿のような丸い作品は魅力的だった。
昨日氏のご好意としてあこがれの皿型トールペインティング作品「6月の花嫁」が届けられた。モチーフが夢のようなら、送られてくるのは夢の又夢。
作品写真は氏のホームページから拝借しました。画中でライオンがピアノを弾き、周囲に熊、リス、小鳥、兎がいます。氏の作品には細部の到るとこと眼をやる楽しさががあります。
このたびの作品には以下の様な説明が添えられていました。
最初に西洋の主婦のお遊びトールペインティングを画材に選んだとき、芸術まで高めることを目指しました。
銀座で個展をすると、それはすぐに認められました。
美術手帳や主婦と生活などから広くインタビューを受け、取り上げられました。
最初は画材屋が米国から輸入した木製のお皿を使っていましたが、大きさなどに不満がありました。それで自分独自の素材を作ることにしました。40年近く前、日暮里に江戸轆轤(ろくろ)職人が生き残っていていました。そこを訊ね30枚を挽いてもらいました。仕事が暇になっていたいたころでしたので、彼は大変喜んでくれました。
使ったのは外国の桐に似た木材で、削りにくいと話していました。木材だけでは弱いので、裏表に2枚、キャンバス地を凸凹に合わせて伸ばしたり縮めたりしながら、しっかりと貼り合わせました。キャンバス地にはジェッソを幾度も塗り重ね、サンドペーパーで仕上げました。乾漆のように軽くて丈夫なものです。
以上から氏の作品、なかんずく描く素地(マチエール)から、制作過程へのこだわりの一端が窺える内容がしたためられていました。
本日の最後はいっそう鮮やかな「この森に天使はバスを降りた」です。
「この森に天使はバスを降りた」
写真は氏のホームページからお借りしました。
当館収蔵では最も小ぶりな作品の一つです。
当作品は虹よりも鮮やかな小鳥、夜空の月と星と雲。わけても中心部に影がある雲など氏ならではの観察と表現です。夜なのに眩しい色彩。俯瞰された赤いバスから人(天使?)が一人降りたようです。
この先、当ブログでもう少し作品を掲載させてください。会期中は当館収蔵の24点を展示する予定です。
※トールペインティング:欧米でブリキ、鉄、木などの薄い素地に絵を描くこと。教会の装飾品、家庭の家具調度品に用いられ、趣味としても広がりました。語源のトールはブリキなどの薄い金属を指し、現在彩色には主にアクリル絵の具が用いられているようです。
森のトマト畑第3版 当県の暑さ。
8枚の挿絵が入る24ページの自作絵本「森のトマト畑」。1983年(昭和58年)、原稿用紙に手書きし挿絵を挟みホッチキスで止めた粗末なものだった。その後文字を活字に直し10年ほど前から樹下美術館で販売した。時々手にする方がいてお陰様で200部ほど出た。
手がけて40年が経ち、この度表紙などを替えました。
相変わらすのホッチキス止め、
製本テープのままですが、
少しシャキッとした感じになったのか。
これまで一冊700円(税込み)でしたのが、今年ビジネスプリンターにしてインク代が安くなりましたので500円になりました。ご自分用やお孫さん用など、宜しければお手に取ってご覧下さい。
本日も酷い暑さ。髙田、大潟はじめ新潟県の9カ所の観測地点が本日の全国最高気温10位に入りました。
ところで学生時代、テニス部に入部しましたが、前年の夏合宿が新潟市であったそうです。入部早々、先輩達から「去年の合宿は暑かった」「新潟は暑い」と何度も聞かされました。
たびたび当県の夏の暑さは全国トップや上位になります。しかしそれは近年だけのことでは無く昔からそうだったのではないでしょうか。
不快で警戒を要する暑さ。
毎日決まったように35度前後の熱波が続く。この先の天気予報も似たようなマークと気温が並び傘マークは現れない。最後の雨はいつだったかもう思い出せなくなった。
熱心に畑に行っていた人が「茄子くらいなものでほかは全て諦めました」と仰った。今夕のニュースで上越市大潟で38,6度と伝えた。家も仕事場とも冷房が効くのは部屋だけなので廊下や玄関などの熱気は凄まじく、外出時の車は焼けている。
歩いて通学、通勤、買い物などをする都会の街頭インタビューは本当に辛そうで、甲子園の様子はこの世のものとは思われない。外来で聞くととんでもない熱気の職場を余儀なくされている人もいて、夏の気象は限界にきているのではと案じられる。
一昨日の訪問診療で虹が掛かっていた。そこには雨らしいものが降っていたはずだが雲が見当たらず、不吉な感じさえした。
この時期は祭や野球など戸外スポーツ、野外イベント、海水浴ほか夏観光のハイシーズンでもある。近年の異常な高温から熱中症の発生が多発し予報に際して湿度や熱条件などを加味した暑さ指数(WBGT)が発表される。
21未満は「ほぼ安全」、21~25は「注意」、25~28「警戒」、28~31[「厳重警戒」、31以上「危険」とされている。ちなみに本日の上越市髙田で26,9、大潟で26,2の「警戒」レベル。明日も同程度らしく熱中症アラートが発せられていた。
過日の石川県に於ける夏の甲子園大会予選で最高指数31の「危険」レベルを越える日があったという。本来なら試合は中止すべき気象条件で、議論になった模様。サッカーはこのレベルを中止と定めているようだが甲子園の高校野球も朝夕二部制、一部ドーム球場の採用などが課題に上っているらしい。
かって夏の気象に関して不快指数が日常的に伝えられた。もう使われなくなったのかと思っていた所、ググってみると現在も発表されている。通年の指数だが夏の蒸し暑さ(不快)の指数として85以上は殆どの人が不快とされている。ちなみに明日の新潟県は87と出ていた。
炎天下の大潟水と森公園 修行?するチョウトンボ。
36度もある暑い午後春先以来の大潟水と森公園を歩いた。お目当てはクサギにとり付くクロアゲハ、水上のチョウトンボ、ほか何か花でもと思って出かけた。
大きなクサギに数頭のクロアゲハかカラスアゲハが忙しく舞うが一向に花に止まらない。かなり粘ったが上手く写真が撮れず諦めるほかなかった。
ある場所を歩いているとガリッと靴が何かを踏んだ。
実を一つ拾い舐めないよう気を付けて噛んでみたところ、全く歯が立たない。この実をバチッといわせて野鳥が食べるというから嘴の強さには凄いものがある。
いつもは居るはずのチョウトンボが見当たらず、公園を出て鵜の池の向こう側に回ると堤にそって沢山いた。
このトンボの翅の色は黒、茶系のものから青色、紫のメタリックまで色々あって面白い。
不思議な外観のチョウトンボは炎天下でじっと水草に止まっている。
夏安居(げあんご)は室内で行う夏の修行だが、外で熱波にあぶられながらじっとしているチョウトンボはあたかも修行をしているようであなどれない。
不謹慎かもしれないが、眺めていると一生懸命さと頭の格好から六波羅蜜寺の空也上人像が重なって離れなくなる。
一時間少々のあと美術館に寄って何杯も水を飲んだ。
関西出身の方。
もう5年は経つだろうか、かって上越に赴任されお付き合いをさせて頂いたご夫婦が久し振りに顔を出された。ご主人はダイエットをされ軽々とした身体になりお顔もおお若くなった印象。
色々と植物の話をしながら絵をご覧いただいた。アグリの大手役員をされる人だけあって非常に詳しく、専門的な話も出来てためになった。
展示を見終えてカフェに下りお茶を飲んだ。大阪、東京など任地を変えられているが関西のご出身。同じ日本人のお顔ながら話していると異文化に接するような錯覚を覚える。
日頃遠隔の人ほど、異業種のひとほど興味を覚える。幼少や学生時代の話をし、延暦寺は京都口から行くのと近江坂本から上るのではどちらが面白いですか、などと他愛もないこともお聞きした。上場会社で長く鍛えられた方なので何事も洗練されているが、突然挟まれるユーモアも可笑しかった。
何時でも会える方では無いので別れの名残は尽きない。年令を重ねるごとに名残惜しい事が多くなる。そんな時は“健康に留意し少しでも長生きしよう”という気持がよぎっては飲み込むことになる。今日もそうした。
ネジバナも欄ですね、と仰った。ここの前に柏崎市の木村茶道美術館に寄ってきたということ、何から何まで嬉しい。
若い二人と食事
連日厳し過ぎる暑さで、人が大変なら庭の草花もおよそぐったり。アジサイはしなしなと全体の葉をぶら下げ、クリスマスローズは大手を広げて仰向けになろうとする。それで連日念入りな水まきが欠かせなくなった。
本日も行ったが、最後に井戸水の蛇口で顔と手を洗うと水がとても冷たかった。
そんな日ごろ、東京から甥の長男が婚約者と二人で来て今晩夕食を一緒した。二人とも見た目良く静かで楽しい2時間のひとときだった。
二ケ月振りの外食は以下のようでした。
男二人が飲んだレモネード(ガッゾーサ)。女性二人はほどほどのアルコール。
お同じソニーでも私よりずっと高級なカメラを持っている。今どきの若者らしくレンタルだという。彼らのお金の使い方は賢く、最近のアルコール事情にソバーキュリアスというクールなトレンドがあるらしい。
アーモンドが混じるねじれパスタ。
歯ごたえが癖になりそうだった。
島豚(沖縄豚)のカポナータ。
妻はラタトゥイユとの
違いを訊ねていた。
最後はアイスクリームと
熱いキンボのエスプレッソ。
テーブルの
ギンガムチェックが嬉しい。
写真はありませんが最初の方に出た地茄子のチーズ焼きも美味しかった(茄子料理はみな美味しいが特に)。
同君との食事は昨年サブリーユで、今年はラ・ペントラッチャでした。
イタリアの事はテレビ「小さな村の物語 イタリア編」でよく見る。電線が無く坂道の多い白壁の風景は美しく、室内は私達の暮らしよりずっと物が少ないのにおしゃれで豊かに見える。いつも何故だろうと考えてしまう。
そしてなにがしか悩みを共にしながらも厚く和やかな家庭、、、。帰郷して50年、一度も海外を知らない私にとってイタリアは(ヨーロッパはいずこも)夢のまた夢の場所。
同店オーナーは最近シチリアに行ったばかりと仰った。羨ましい限りだがカンツォーネ流れる広い店内で彼の国へ行ったような気分にさせてもらい、満足満足だった。
明日は朝食を抜きお茶だけ、昼は野菜サラダ二人分で間に合わせることにした。
懐かしい2002年初個展の作品など。
8月15日で終了する小生の絵画展。連日の猛暑のなかご来館頂き有り難うございます。本日昼、お見えになったお二人と話をする機会がありました。
お一人は今日で絵画展三回目の来場ということでとても恐縮した。
もう一人の方は2002年5月に上越市本町の大島画廊で初個展をした際、販売した水彩画「姫桧扇水仙(ひめひおうぎずいせん)」を持っていると仰りスマホの写真を見せて下さった。
同画廊の作品展からもう20年は経っている。大方の作品はパソコンに入っているが、見せて頂いたものはそこに無くすっかり忘れていた。
球根とヒゲ根が花の脇に描きこまれ、一瞬やる気満々の頃が蘇って懐かしかった。大切にして頂き有り難いと思った。
大島画廊では販売作品と非売品を分けて展示した。初日の昼近く、画廊にいた妻から“ある方がどうしても非売の2点がほしいと仰り、帰ろうとしない、早く来てくれませんか”と電話が入った。仕事を終えて出かけると、良く知ったご年配の方が待っていた。
「竹にからまるえびずる」と「栗」が欲しいと仰る。えびずるは自分が持ち、栗は世話になっている長野県小布施の栗店に贈りたいという。2点とも私自身最も気に入り非売にさせてもらっていた。
いくらなら売って頂けますか、とずっと切なそうな顔をされているご老人。うーんとしか言えない私。しかし根負けしてしまい、根拠も無しに5,6万では、と口にした。
「では6万で、有り難うございます」と老人が笑顔になった。
今度はその絵と別れる私が辛くなる。
“但し今後個展をするような場合、お貸しいただけますか”と言うと、もちろんです、と応じられ商談?が成立した。
以下は代替わりした同家からお借りして展示中の「竹にからまるえびずる」。
入り口正面の「竹にからまるえびずる」
絵画サイズはA3です。
影もしっかり付けていました。
以下二カ所の細部です。
画材エビズルは患者さんが持ち込まれ、当時左の笹に巻き付いていました。それを右に竹を描き加え、笹には更にしっかり巻き付けて「共生」の意味を込めた経緯があります。
ちなみに以下パソコンにあったその時の「栗」です。
三度目と言う方が以下「キレンゲショウマ」を指して天才的と仰ったではありませんか。これだけは返事に困りました。
上掲の部分です。
葉脈に囲まれた区画ごとに陰影を付けました。
現在朝ドラ「らんまん」で牧野富太郎翁のことが放映されています。「そのことで観に来られる人がいるのではないでしょうか、良いタイミングでしたね」とお二人。
自画自賛はしないつもりでしたが、結果はそうなりました。
何かと皆さまにはお世話になっています。
宿題をしに木村茶道美術を再訪 茶のあとはいととんぼ様のお見送り。
去る7月24日の当欄で柏崎市の木村茶道美術館を訪ねた時の事を書かせて頂いた。同美術館は撮影可という温かな対応をされているが、記事では本席の掛け軸の写真を取り忘れていた。
さらに江戸千家茶道の創始者川上不白作の茶杓銘「西王母」の解釈よび如心斎筆による三代宗哲の茶器「詩中次(しなかつぎ)」の詩文の意味を尋ねる事も失念していた。
そこで本日日曜日、上記三つの失念を埋める宿題をすべく同美術館を楽しく再訪した。解説された学芸の方は前回と別の人で、迂闊な私の質問に親しく答えて下さった。
宿題の第一、本席の掛け軸写真は以下です。前回作者を誤って馬遠(ばえん)としましたのを馬逵(ばき)に訂正させて頂きましたs。大変申し分けありませんでした。
「雪景山水」
極めて希な作品のため入手に際し
東京国立博物館で鑑定されている。
絵唐津壺の花入は前回と同じだったが花が替わっていた。
手前から初雪草、ヒオウギ、シマアシ。
毎回スタッフさん達の持ち寄りだという。
いつも美しく新鮮。
本日は名古屋の鳴海織部のお茶碗で頂いた。
以下は前回出された五代楽家、宗入作の黒楽馬盥(ばだらい)茶碗。本日はちゃんと撮りました。
以下は宿題の茶器と茶杓。
手前の茶器は詩文が書かれている。器は三代宗哲の作。文は表千家中興の祖、七代家元如心斎(じょしんさい)の筆(書)。
向こうの茶杓「西王母」は椿であり、季節が合わない。そのことをお訊ねすると、敢えて用いたのは、断捨離をされるお茶人が時にお道具を美術館に寄付をされる。本茶杓も篤志家からのもので、ご好意に応えてお出ししたということだった。同美術館の裾野は豊かで広いのだ。
器の詩文は100則の代表的な禅問答によって教義を示す禅の教科書、碧巌録の一節。説明をお聞きして帰宅後調べてみたところ第17則「坐久成労」ではと推量してみた。
座禅の本質を訊ねられた僧香林が「長く座ったのでくたびれたわい」と応じた公案に相当しているかもしれない。
表に出て石垣に沿って歩くと黒く小さな影が横切った。イトトンボだった。
以下は帰路です。
本日のお茶で一句
茶のあとはいととんぼ様のお見送り
暑い、 珍しくブログを三日続けた。
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- 篠崎正喜展ポスター 篠崎氏のギャラリートーク「生成AIと美術」。久し振りの雨。
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