明日から「透明水彩 高宮あけみ展」。
本日空は澄み少しく暑かったが気持ち良い風が吹いた。そして「透明水彩 高宮あけみ展」の展示準備を終え明日の初日を迎えることになった。
昨年12月、ご友人と樹下美術館を訪ねられた高宮さん夫婦。あけみさんの水彩画と正明さん額装による企画展は遠隔からの打ち合わせや準備のための来館を重ね、いよいよ始まることになった。
風景、人物、生活、旅行などバリエーション豊かに表情豊かに並びました。同じ多摩美術大学出で神奈川県生まれと福島生まれのご夫婦が意見を交わながら生まれたであろう一点一点は明るさと湿潤がほどよく調和した幸福な作品に見えます。
会場の一隅にショップとして小品や絵はがきの販売コーナーを設けました。
額は正明さんが美術店の余剰品をリメイクされたり最初から自ら制作されるなどされ、作品にオリジナリティと温かな手作り感を与えています。
今年も美術の秋を迎えました。初秋のひと時、お暇をみてどうか樹下美術館をお訪ね下さい。
急に冷えた日 痛みの少ない高齢者の帯状疱疹。
本日は涼しいを越えて肌寒く、かと言って長袖もまだと考えられる日だった。車の車外気温は23℃を示していた。
23℃を示していた車。
小さな診療所でも相変わらずコロナやその疑いの方は少なくない。また原因が判然としない高齢の発熱の方の往診先で、床ずれでしょうかと家族に言われて診ると極期の帯状疱疹だった。熱の原因と考えられ、高齢者の痛みへの鈍さをあらためて知らされた。
明日は再び暑くなる予報。私もまた何かと気を付けなければならない季節の変わり目となった。
高宮さんご夫婦の水彩画作品 昨日の夕焼 朝夕に幾分の涼しさ。
台風は風よりも水の害を残して消えたようだ。かって海辺で竜巻をみたことがあったが、陸地に上がるとほどけるように渦が消えた。台風といえどもその渦は陸地が苦手で、上陸すると少なくとも風は弱まる傾向があるのではないだろうか。
但し雨に関しては一旦形成された雨雲は衰えず、しばらく影響を及ぼすようだ。
本日は5日から始まる「透明水彩画 高宮あけみ展」に向けて届いている作品の確認と一部撮影をした。多摩美大出身のご主人・高宮正明さんによる手作りの額装が水彩画の親しさにマッチし感心させられています。
撮影した小品から。
額装はご主人。
この1週間の雨で庭の草は大いに伸びている。それで夕方雑草取りを始めるとキリがなくなり、かなり時間を費やした。草は取るだけきれいになるので始めると止まらない。しかし終えるとただ事では無いほど腰が痛かった。
終わって見た夕刻の空は日没後も赤く染まっていた。台風前後の空は時に劇的な色や形になる。
本日陽光は強く残暑はきびしかった。それでもこのところ朝夕に幾分の涼しさを、水道に僅かながら冷たさを感じるようになった。
9月5日から「透明水彩 高宮あけみ展」 弱まる台風10号。
県内三条市で日本一を記録する37,5 ℃、当地上越市髙田は3位で37,2℃の厳しい残暑でした。
その本日、8月20日に続き、来たる9月5日(木曜日)から始まる企画展「透明水彩 高宮あけみ展」の作品紹介です。
「ぬし」
「地下鉄にて」
作者の日常と旅を共にするような作品です。その時々一瞬止まっていた時間が、再び作品に蘇って現れる不思議な時空を感じます。
どうか初秋のひとときを爽やかな水彩画の世界でお楽しみ下さい。
さて台風10号の話題は風から雨のニュースに絞られ、勢いは弱まる気配です。気圧も当初930hpaもあったものがのろのろしている間に本日990台まで弱まりました。
“過去最大級”と言われた割りに早く衰弱し、一両日うちに熱帯低気圧に変わる様子、報道や発表は適切だったのか少し疑問が残ります。
しかしまだ関連する雨の被害が心配され、このような場合、東北や北海道で果物被害が出ることがあり、油断は出来ないようです。
過日9号の際、当地は局地的豪雨に見舞われました。水不足だった田畑や庭は恵みだったのですが、部分的に激しく降られた水田は稲が倒伏し、せっかく丹精し順調だったものがあと一歩のところで駄目になった方たちから話を聞きました。減反に悩まされ天候に追い打ちされる、、。頑張る農家さんを失望させずに済むことは出来ないものでしょうか。
本日の空と頂き物の食卓。
曇りがちな日だったが空は様々に変わる雲がみられ、大気は澄んでいるのか遠くの山々は明瞭だった。
昼、美術館近くの水田から。
西方は糸魚川方面の
ギザギザした海谷山塊の峰々。
多様な雲はゆっくりした足で遠くからこちらを伺っている台風10号がもたらしたものか。
そして夕食。
本日津南町までこれを買いに行かれたご夫婦から頂いた「鬼もろこし」。朝もぎしたものをその日のうちに食べるのが正道と伺った通り夕飯に出された。農家の丹精と買われたお二人の心がしみ込んだ絶品の鬼もろこしでした。
むっとする南風の一日でしたが、皆さまのお心こもった食べ物を頂き幸せでした。
一昨日の雨、山は秋へ。
昨日は小林古径記念美術館の「玉井力三展」を書き、文末に前日に降った雨のことを米山と田んぼの写真でコメントさせて頂いた。
ところでその25日日曜日、私はゴルフで赤倉だった。美術館一帯などの平場では昼から川が増水するほど激しく降ったと聞いた。一方赤倉はさほどでもなく、午後いっとき傘を差したほか支障なくプレーが出来た。それが終わって帰ると、よくゴルフができたね、と言われるほど平場はひどく降ったらしい。その日の山と平地の降り方は奇異でキツネに包まれた感じがした。
いずれにしても雨のお陰で熱中症気味だった庭は息を吹き返たのが嬉しい。
ところで私のゴルフはひどく波があり90なかばのことがあればこの度は106と、まったく安定しない。私と同年齢でもいつも上手な人がいて、かといってもう練習すれば良いというものでも無く、長く楽しむことにしたい。
ゴルフ場は標高800メートル近い高原。コースは涼しく草花は秋へと衣替えを始めていた。
何かとお世話になっているSさん、また横浜市からお寄りのご夫婦さん、昨日のご来館まことに有り難うございました。
週末の玉井力三展。
一昨日24日土曜日午後は上越市髙田の小林古径記念美術館へ行った。同館で好評開催中の「玉井力三 展」を観るためだった。
玉井力三:上越市柿崎区出身、明治41年(1908年)8月14日~昭和57年7月23日、享年74才の人。
後の太平洋美術学校に学び、終戦まで満州で制作、戦後まず月刊讀賣、ユーモア、オール讀物、少年讀賣などの表紙絵を担当。
昭和29年(1954年)、46才から長きに亘り小学館発行の学年雑誌を中心に他社の学年誌はじめ婦人雑誌、学習ノート、大人向け月刊誌など多数の表紙を描いた。小林古径記念美術館入り口の看板「玉井力三展」。
美術館で購入した書籍「玉井力三の世界」
から裏表紙。
初めて手がけた昭和29年四月号。
まだ表情はあっさりしていた。
本展覧会は氏が筆を執った小学館発行の学年誌からおびただしい表紙原画が展示され、ほかに一般の油彩作品もあった。表紙以外では美しい光の中の裸婦像が非常に魅力的だった。みな個人蔵と記してあったがどんな人が所有したのだろう。
表紙絵は自宅柿崎のアトリエで制作され、本人が作品を携えて上京。東京では次に備えて季節に相応しい状況が設定され、モデルの子ども達を配した丹念な撮影を行うという一連の周到な過程が繰り返されている。
作品は編集者から印刷所へ回されたが、付けられたメモが展示場内に掲示されていた。そこには、
○顔の色はなめらかに、健康色を出す。
○歯と白目部分を出来るだけ白く。
○運動着は純白に、但しシャドーは飛ばないよう。
○唇は赤すぎないよう。
○絵とまわりのイラストなどが全体に調和するよう。
○歯の間は原画どおりに。
などと玉井氏のこだわりが記され、特に肌の色(健康色)、歯と白目の白が強調されているのが目を惹いた。
赤い頬のほか、個人的にはくっきりした二重まぶた、明瞭なほうれい線、および笑顔でのぞく歯ぐきと舌は玉井の児童表紙絵の特徴として印象的だった。
季節ごとのテーマや万博、スポーツイベントなどがモデルの子どもとの関わりで取り上げられるが、読者は幸福な表紙に大いに元気づけられ、将来を夢見たにちがいない。
一貫した具象の商業画家、玉井力三。希な氏の業績はさらに評価、顕彰されるべきではないかと思った。
暑さが続いています 京都の若い人 蝶の夏。
他所で38度、39度とニュースに上がっていた厳しい残暑。しかし当地上越市髙田の観測で今年8月は31℃代~34℃の間を推移していました。
ところが昨日22日は35,9℃、本日36,5℃と今年の暑さを更新しました。昨日は6月から始まった両眼白内障の手術に関わる全て終了となった最終診察日でした。
お陰様で左右視力は術前裸眼0,3と0,4だったものがそれぞれ1,2となり、老化一途の身体で眼は唯一若返った器官となりました。上越総合病院眼科の先生方とスタッフの皆さまには心から感謝いたしております。
一時間半の病院滞在のあと車に戻ると車内表示の室外温度は39度を示し、くらくらするような暑さでした。
その昨日午後遅く、まだ暑い中一人の若い女性が来館されました。犀潟駅から炎天下歩いて来られたということ。お尋ねすると京都から新潟市まで行く途中、上越妙高→直江津→犀潟の行程だったそうです。新潟市で、あるグループのコンサートがあり東京の友人とそちらで落ち合う約束の来潟。SNSで当館を知り寄ってみたくなったということでした。
齋藤三郎の焼き物、倉石隆の絵画を良かったと仰り、カフェでコーヒーを飲んで頂いた。黒のロングの服装、まだ20才前後の方でした。京都といえばつい先日新婚の甥が京都出身の奥さんを連れてきたばかりで、若い京都の女性に続けてお会い出来て嬉しかったです。
若さ。一人で京都から犀潟駅へ、その目的と行程を伺うにつけ行動する若者の頼もしさに少々感動しました(私が京都へ行くのと、京都から見知らぬ頸城区へ来るのでは全く訳が違って)。
さて暑さ厳しい本日昼、美術館に昼食のサラダを食べに行くとき、仕事場の金柑にアゲハが産卵に来ていました。
するともう一羽(多分オス)が来て二羽で絡み合うように敏捷に飛翔を始めました。
するとどうでしょう、いつの間にか2羽が加わり以下のように4羽で活発に飛び交うではありませんか。
背丈2メートルほどの金柑にはアゲハの仲間がよく訪れます。3羽も珍しければ4羽はなお。
それにしても産卵を中断し、現れたオスと交尾のために飛び立つメス。蝶の交尾は産卵に優先するように見えました。オスが出すフェロモンがそうさせるのでしょうか。アッケラカンとしてそれに従う生殖の「際限なさ」と「割り切り」には恐れ入るばかりでした。
いえ蝶たちの短い人生の夏、それを惜しむ本人たち。彼らには私のようによそ見などをしているヒマは無いのかもしれません。
間もなく「透明水彩 高宮あけみ展」。
いつしかお盆を過ぎましたが、相変わらずの暑さです。
本日は来たる9月5日から11月5日まで開催されます「透明水彩 高宮あけみ展」のブログお知らせです。
【画家・高宮あけみさんの紹介】
○1954年神奈川県生まれ横浜市在住
○1978年多摩美術大学卒業
○1990年就学児童絵画指導教室のかたわら絵本挿絵
○2002「東京絵てがみ大賞」で東京都知事賞受賞
○児童絵画教室の後、大人向けに複数の教室を主催、
人気講師として活躍中。
※ご主人高宮正明氏はレタリング、額装の担当です。
木陰
夏休み
ベニスの夜
心待ち
石垣島
本日は展示予定の大小37点のうちから5点をご紹介しました。いずれも季節、動物、街、風景、生活など「時と旅情」が漂う作品ばかりです。
展示期間が長いため、このほか小さな作品を常時10点ほど入れ替えながら展示の予定です。
今後折をみて作品を紹介させてください。
【展覧会概要】
●場所:樹下美術館陶芸ホール
●期間:9月5日(木曜日)~11月5日(火曜日)
●休館日:毎週水曜日
●開館時間:10時~17時
●入場料:大人200円 中高生100円
水彩画は親しみやすい絵画芸術。間もなく始まります、どうかお楽しみに。
富山県を訪ねてその2 ,先ず大和、遅まきながら富山美術館と運河。
さて8月12日分が長くなりました。本日は翌13の分です。
当日午前は開店早々の大和デパートへ。5年前もそうでしが富山市に来たらまず大和デパートでした。
懐かしや、
上越大和と似た外観。
1F
スーパーと違いデパートはきれいだ。
ギャラリーの彫金作品。
下地から浮いた
繊細な分岐模パターン。
新潟県の三店が閉鎖されて久しいが金沢市、富山市では構え良く営業されている。開店早々の店内を眺め美術部のギャラリーでモダンな彫金を観た。大和が健全なことは嬉しい。
続いて本日メインの富山県立「富山美術館」へ。炎天下で辻に立ってタクシーを待ったが中々来ない。近くに営業所はあるが人はいない。看板の電話番号に電話すると待っていて欲しいと言われた。待つ事しばし、現れた女性ドライバーさんのタクシーに乗ると、富山では流しのタクシーは無いのですかと尋ねてみた。
はい、人手不足もありますが、そもそも富山の人は普段よほどでないとタクシーに乗りません、という。富山の人は堅実なのだ。そもそも一帯はバス、ローカル電車、市電、私鉄など交通の便が良さそうである、、。聞いていて、すぐタクシーに乗りたがる自分たちを恥ずかしく思った。
さて富山美術館に着きました。
先ず西洋画のコレクション展から。
ロートレック薄描きの油彩肖像作品。
安定のデッサン。
ピカソ「肘掛け椅子の女」
壮大な展開はやはり
デッサン確立から始まっている。
今期は「民藝MINNGEI-美は暮らしの中にある」」の特別展中。昨年から日本各地を巡廻中の木工、金属、陶芸、ファブリック(繊維)、絵画、染色、ガラスなどの各分野ごとの民藝作品が丁寧に続く。あらためて名もなき職人がもたらした生活の美の力を知らされる。
美術館のコレクションではないため撮影は導入部の環境的展示に限定されていた。
民藝に着目し概念を確立した柳宗悦(むねよし)と氏と同士の工芸、美術の巨人達。導かれるように広い裾野を形成したファン。民藝は戦前戦後を通し一貫して起こった「健康で日常的な」美の革命にちがいない。
現代は若者中心にユニクロ、ニトリ、百均が生活を席巻している。品質が良くリーズナブルなので広がりからいうと文化としか言いようがない。これらからみると明らかに民藝は異質で、今後生活文化に於いて両立するか重要なテーマになりそうだ。
以下はさらに続く展示「20世紀の椅子コレクション」。
フリッツハンセン社のモンローチェア(左)、マッキントッシュ氏デザインのウイロー1チェア(中)およびとヒルハウスラダーチェア(右)。これらは上越市直江津駅前、ホテルイカヤのロビーなどで以前から観ることが出来る。
世界の名椅子がズラリズラリ。
上越市歴史博物館にあるものも
あった。
ありました、堂々の「柏戸」。
2007年樹下美術館開館を前に館内の椅子を選ぶのに楽しい時期があった。その折カタログなどで山形県の天童木工の椅子を検討したがひときわ目を奪われたのが「柏戸」だった(小さな樹下美術館では使えませんでしたが)。
今回会場で座ってみたところ当然硬く、座り心地はいまいちだった。だがこれを歓迎を表すオブジェとしてロビーなど置くなら誠に良い感じになろうと思った。まさかこの日「柏戸」の実物と出会い座れるとは思ってもみなかった。
※樹下美術館絵画ホールの山中グループの「マッシュルームスツール」やカフェのアルネヤコブセンの「セブンチェア」も20世紀デザインの名椅子です。
以下は富山県出身の美術家、詩人、評論家・瀧口修造氏コーナーからです。
瀧口氏のコレクションが並ぶ。
氏の書斎。
おびただしい書物と資料。
ジョアン・ミロが来日した際ミロが絵を
瀧口氏が詩を書いている。
戦前特高に捕まってまで前衛芸術に身を捧げた富山県出身の瀧口氏。戦後堰をを切ったように沸騰するその世界で絶大なインフルエンサーの役割を自ら負われた。
どれだけ多くの人が氏に会い、作品を送り、評価を請うたことだろう。かって何気なく求めた美術の古書が瀧口氏への献呈本だったことがあり、氏の仕事が如何に多忙だったかを垣間見た気がした。
最後は現代美術のコレクション。
袴田京太郎作「本保裸婦像-複製」
広い会場でひときわ目立っていた。
妻撮影です。
本保義太郎作の裸婦像。
袴田作品の原型となった高岡市出身、夭折の彫刻家、本保義太郎作「裸婦像」が傍らに展示されていた。本保氏へのオマージュで、何故日本髪なのかが理解出来た。
最後にこれも懐かしい久保田成子作品「階段を降りる裸体」。久保田さんは直江津の出身。ニューヨークで活躍され世界で認められた人。
小学時代一時彼女のお母さんにピアノを習った。お父さんは高田高等学校の校長をされた久保田隆円先生です。
さて広大な美術館で膨大な作品を観た。とても楽しかったしまだ観足りない。こうなれば再訪であろう。
ひごろ様々なジャンルの展覧会が地方を回る。新潟県には上越市はじめ新潟市、長岡市ほか立派な美術館がある。もう年だから遠くへ足を伸ばせない。それで北陸と新潟県をぐるぐる回っていれば十分に楽しめるのではないかと思った。
富山美術館の前に富岩(ふがん)運河環水公園の船着き場がある。電車でも船でもいい、出かけた先で乗り物に乗るのは楽しい事だ。20分の短いコースだったが今度は海が見える長いコースに乗りたい。
良寛研究家の小島正芳先生にお聞きしていた富山県は浄土真宗王国の事実。この度棟方志功で実感したが、真宗は時に芸術家や思想家に決定的とも言える影響を与えている。
無駄を省き質と実を重んじる県民性も伝わった。一泊だったが、隣の芝生でないけれど魅力的な隣県に恵まれることは幸せなことだと実感した。
この度の写真は全てスマホで撮り多くはトリミングしました。
富山を訪ねてその1,遅まきながら棟方志功の福光。
夏本番前から今夏は暑いと言っているうち、いつしかその本番を迎えている。すると2日3日とブログを休みはじめ、つい休みグセがつき3日、4日と怠けるうちにまる1週間空けてしまった。
患者さんのご迷惑も顧みず11日から15日までお盆休みをもらっていたので、12日から一泊で富山県に出かけた。主な目的は一日目は福光町(現南砺市の)で棟方志功関連施設を、翌日富山市内で県立美術館を訪ねることだった。
棟方の足跡を福光に訪ねた方は少なからずいらっしゃると思われ、御地の話は皆さまから色々聞いていた。樹下美術館でも父譲りの志功の板画を数点収蔵しているにも拘わらず同地を訪ねるのは初めてだった(恥ずかしながら何事も人様の後から後からです)。
12日午後新幹線で高岡まで行き、福光へはそこからJR城端(じょうはな)線の赤い2両編成の電車だった。40分少々かけて11駅目が福光駅。
道中の窓外を楽しみ到着した駅前ではタクシーが見当たらず、駅の世話になり会社に連絡して車を待った。
やがて一台で動いているらしい車が帰って来て、帰り電車の時刻まで「福光美術館」「光徳寺」「愛染苑」を回ってもらうことにした。
南砺市立福光美術館は棟方が親しんだ医王山の麓にある。人口4万6千の都市にしては大きくて立派な美術館だと思った。
正面に「二菩薩釈迦十大弟子像」
夫人の機転により空襲直前に
当地へ移送された。
棟方は上記作品によって1955年サンパウロ・ビエンナーレ国際美術展、1956年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で、それぞれ版画部門の最高賞およびグランプリを受賞し一躍世界の人となった。
宿命は授かり物でありそれによって仏と感応し交わることが出来る、という意味らしい。絵画を諦めざるを得なかった棟方は重い視力障害を悔い悩んでいたが、福光でこの言葉に出会い全てを吹っ切り版画(板画)に没頭するようになった。
救いの言葉を伝えた浄土真宗の僧・仏教学者蘇我量深(りょうしん)は新潟の人だという。歎異抄から導かれた言葉のようだが真宗のわかりやすさ、自在さは宗旨替えをしたくなるほどだ。
花狩頌(はなかりしょう)。
弓矢でなく心で花を狩る。
大作、二菩薩十大弟子の両側の菩薩を文字で「普賢」と「文殊」と書いている。東京空襲で二菩薩の版木だけが焼失したため当座文字にされ、後に像として彫り足されている。
以下の「鐘渓(しょうけい)の柵」で言う鐘渓は敬愛する陶芸家河井寛次郎の窯の名で、シリーズ24作品は氏を称えて制作された。
鐘渓頌シリーズから
「瓢箪の柵」。
樹下美術館も収蔵している。
「沢瀉妃の柵(おもだかひのさく)」.
沢瀉は棟方が愛した草花。
四角い画面に女性を丸で囲み四隅に文字を配している。棟方流の曼荼羅を想像させる。
以下は同館で展示されていた福光出身の日本画家石崎光瑤の作品。石崎氏は棟方よりも年長で二人は特に親しく交わった。
石崎氏は高野山金剛峯寺の障壁画を手がけ、京都藝術大学教授も務められた。登山家として知られヒマラヤを登頂されている。福光に於ける棟方の住宅用に土地を提供するなど厚い手を差し伸べられた。
続いて光徳寺へ。
戦前文学青年で『白樺』を愛読していた同寺ご住職は柳宗悦の民芸運動に感銘を受け、その美と浄土真宗の他力の考えの根底が同じであると理解するに到った。
昭和13年、河井寬次郎を介して住職と知り合った棟方は福光訪問を重ね、昭和20年空襲の東京を避け、ついに一家6人福光へ移った。福光では同寺の世話になり宗教風土と風光に親しんだ。偶々過日ある方から、かって同寺が制作した志功板画の風呂敷を頂いていた。帰り際寺の女あるじにそのことを話すと、今ではとても珍しいことですと仰った。
以下は良寛による「花無心招蝶」の詩。自然界の美しい摂理を歌い人間もまた然りとしている。
樹下美術館の人齋藤三郎もこの詩の一節を好んで焼き物や絵画に書いた。
民藝運動のパイオニア
柳宗悦の掛け軸。
廊下で見て心打たれた。
以上光徳寺の略略でした。次の訪問先は「愛染苑」です。
福光の生活が始まった頃の
棟方一家。
ささやかな仮寓とはいえ住まいを得た夫婦と子らの安堵は如何ばかりだっただろう。
上に記した石崎氏が“福光の町を歩き歩き(福満之魔智於阿留機阿留機、、、云々)、ヒヤシンスを求め、それを大切にしても道に落としたりと書かれているようだ。文末の「飛矢志武壽」もヒヤシンスと読むらしい。私には難読だが絵から花への感謝が伝わる。
福光の風光をを呉須で描いた
陶板。マチス風でとても良い。
こんな作品を持てたら、、、。
愛染苑を出てすぐ向かいにある6年を過ごした住居「鯉雨画斎(りうがさい)」へ。
アトリエ鯉雨画斎
黒い雨が降りしきる中
赤い鯉が昇っていく。
トイレ。
喜びの仏などが
天井まで描かれている。
以下は新居(鯉雨画斎:りうがさい)完成祝いの寄せ書き。大原美術館館長・大原 總一郎、民芸運動で陶芸の巨匠河井寛次郎、濱田庄司の名が見える。
屏風の右側部分。齋藤三郎の
署名があった(斜めの青丸沿いです)。
以上福光の棟方志功関連の施設回りの略々でした。いつものように昼食抜きの急ぎ足で、3時間弱のタクシー貸し切り代は11850円だった。
もう少ししっかり見て来れば良かったと反省点が多い。タクシーは見学時間の予定を告げその都度迎えに来てもらう方が安く済むかもしれない。
富山に戻ると駅前に
ミストの煙。
富山の宿泊は5年前訪問と同じクラウンプラザホテルでした。
夕食はホテルの洋食。
クレープを重ねたケーキの
美味しかったこと。
令和元年、同ホテルでの朝食時、新元号の名付け親である中西進さんにお会いし写真をご一緒して頂いた懐かしい思い出がある。
夜の電車を撮るためホテルのすぐ近くの停留所「国際会議場前」で待っているとやって来た。新幹線に備え市内交通網整備の一環として導入されたという路面電車。今どきの時勢とは真反対だが成功し充実、市民に愛されているという。
この時も、待っているとポツリポツリと人影があらわれ間もなく電車がやってきた。都会だなと思った。
路面電車が走る町は旅情と活気があって楽しい。かっての東京のほか後年は長崎や熊本の市電にも乗ってみた。このたびは撮るだけだったが次は乗車したい。
非常に長くなりましたが、翌日の富山県立美術館と富岩冠水公園観光を次に掲載させてください。
本日は太平洋戦争の終戦(敗戦)記念日。偉そうに言うわけではないが、うぬぼれた勘違いだけはストレスレベルまで謹みたいと思う。
幾分涼しかった日 女子ゴルフが始まった五輪。
本日髙田の最高気温が30,3度。この所の中では涼しい日となった。それでも毎日熱中症症状の方の点滴が必要になっている。辛い暑さがジワジワと続くと普段と異なる体調の落ち込みが突然のように襲ってくる。微熱を伴えばコロナも懸念され慎重にならざるを得ない。疲れは蓄積するので本日の涼しさが少しでも続くことを願いたい。
オリンピックで女子のゴルフが始まった。TVerで実況されフランス選手が首位に立っているので現地は大いに盛り上がっている。日本の山下選手が7位タイ、笹生選手は少々ツキが無い。あと三日間あるのでまだこの先のことなど全く分からない。どうか二人には粘ってもらいたい。
コースは池が入り組みゾッとするほどである。選手たちは世界ランキングに従って各国から選出されているのでみな強く上手い。映しだされるコースの雲が素晴らしく印象派の風景を思い起こさせてくれる。
先週末の種々。
昨日は初めて行く長野市の京急カントリークラブでゴルフがあった。7時20分に車で出たが、一時間少々で着いた。いつもの常で初めての所はどこも外国で、町並み村落、自然みな新鮮で楽しい。ゴルフ場は900メートル以上あり飯綱山が見える良いコースだった。プレイはほかは良いのだがグリーン回りになるとシャンクばかりして成績はだめだった。また課題が出来たとして頑張ろう。
帰路黒姫童話館へ寄った。遅い時間のため入館は出来ないが、去る日同館を訪ねたA氏から同地の素晴らしいオオウバユリの写真が届き、ぜひこの目で観たいと思い寄り道した次第。
公道から童話館の道に入るところに3本のオオウバユリが咲いている。行きは山側ばかりみていたので、帰路はじめて気がついた。A氏が送ってくれた花は恐らくこれだろう。確かにY字路で案内目印のように咲いていた。涼しいため花期も長いのか。
さて昨晩遅くのオリンピック中継でゴルフで松山秀樹選手が銅メダルに輝いた。最初から首位争いにからみ、後半で激しく順位が変動した。
あのマキュロイ選手と同組ながら彼の上を保ち続け、最後まで崩れず三位を死守した。18番でバーディパットが入れば二位を掛けたサドンデスに進めるところだった。
池が入り組む緊張の最終18番の難ホール。果敢にグリーンを狙う松山選手。ホール全体を大観衆が取り巻いている。フランスはそうゴルフが盛んではない。しかしオリンピックの観客数は驚くばかりで、某有名選手がこんなに多くの観客を見たことが無いと述べたという。やはりオリンピックはケタ違いの競技なのだろう。
それにしてもゴルフは変わったスポーツだ。多くの球技は一つのボールを誰かと投げたり打ったり蹴ったりし合うが、ゴルフは最後まで一人で自分のボールを打ち続ける。4日間もの競技中、成功も失敗も全て自分が行った結果である。面白いのはナイスプレーをして次のホールへ歩く時、歓喜する観衆の中を選手が戦略で頭をいっぱいにしながらうつむいて歩くことである。
選手一人が葬列の人のようになり、気がついては顔を上げ笑顔で応える。昨日最終日の後半はめまぐるしく順位が変わり、そのような場面が何度もテレビに映しだされた。
熱狂が連続するものも良いが広大な場所で繰り広げられる神経がひりひりするようなゴルフを観るのが好きで、続いて始まる女子ゴルフの日本勢には大活躍を期待したい。二人の選手は実力十分なので楽しむようにプレーしてもらいたい。
暑い季節だが雲は見る値打ちがある。
皆さまの「お声」から 当地も梅雨開け。
美術館内のノートに残された皆さまのコメントを一年に二度前期後期に分けてホームページの「お声」欄に掲載させて頂いています。3月~7月の前期がまとまりましたので来週月曜日にホームページにアップ予定です。
本日はその中から幾つかを上げさせて頂きました。
○友人と二人で訪れました。上越にこんな素敵な美術館があるなんてびっくりし、優雅なひとときを過ごせました。素晴らしい作品とお庭、カフェも素晴らしく日常から離れゆったりできました。
○愛知から来ました。隠れ家的な美術館とカフェで、近所にあったら、いつも来たいくらいです。また、機会あれば来たい場所です
○四月より神奈川から単身で犀潟に来ました。想像とは違いとても暖かく暑いくらいで驚きました。近くにこんなに素敵な美術館とカフェがあり、時々立ち寄りたいと思います。
○・倉石さんの作品、今でも何てモダンなのでしょう。全体に男も女も細くて精神まで研ぎすまされている感じ。それでいてロマンチックさもあるところが好きです。いや、自分の体型がゴロンとしていて、こういうシャープさに若い頃から憧れていたから?が大きいかな。 七十一歳で右半身が不自由になられたとのこと。「めし」1953作が、おもしろくて気に入りました。ガリガリの体に魚一匹。はしと椀を持つ手は大きく。そして、左利き!です
○結婚する前から来ていた樹下美術館カフェ。今日は旦那とお腹の赤ちゃんと来れて感慨深いです。今つわりで食べられるものが限られてますが、ここのピクルスが最高においしいです。ノンカフェインのハーブティーもあり、とてもありがたいです。水浴びしている小鳥と庭のお花を見ながらいい気分転換でき、とても良い時間でした。
○初めて美術館に来ました。これからたくさんの美術館を巡りたいと思っていて、その一番がここでよかったです。
○とても心地が良い空間でした。東京にも出店してください。
○私はカレーを食べるぞ!→カレーがおいしすぎた!またカレーを食べに来たいと思います。
○緑色的庭園、紅茶的茶、彩色的午餐、視覚、味覚、心炅都得到了享受和満足!
(翻訳:緑豊かな庭園、赤い紅茶、色とりどりのランチ、視覚、味覚、心がすべて豊かになり、満たされました)
○苦しい時にこちらに来ると落ち着きます。もう少し頑張ります。また伺います。
○人生ツライです。来てよかったです。
○勉強がんばります!目指せ不老不死!
○7東京からK氏、高田からもK氏来られ、5年前買われた当館グッズのボールペンを今もお使いになられ、それで書いています。
○ここは、本当にいやされます。無になれます。山に行ったのと同じくらいのパワーがあります。ありがとうございます。
樹下美術館は小さな美術館ですが、皆さまのコメントに励まされます。
見ていますと、樹下美術館には明日に向かう力強いパワーと今日を癒やす静かなパワー両方があるようです。
また初めて訪ねる美術館が当館だったとは嬉しい限りです。訪れた場所には様々な美術館があることでしょう。旅をし美術館を巡ることは人間と地域の宝に振れることで、楽しみながらする成長の旅でもあります。「出発おめでとうございます」と言いたい気持です。
新潟県は昨日が梅雨明けでした。例年より9日遅いということ、確かに降っては晴れるを長く繰り返えしました。必要な雨と晴れ間により稲は素人の私にも良く育っているように見えます。昨年は異常な不成績でしたが今年はとびきりの豊作を期待したいところです。
本日近隣の水田と空。
1週間の予報を見ますと毎日☀マークが出ています。まだ40度近くにはならないようです。
週末は「オオウバユリ祭」 蜘蛛ケ池のオニユリ 四ツ屋浜で自撮り 長峰のカカシ。
昨日27日午前、再びA氏が二貫寺の森のオオウバユリの写真を送って下さった。10数個の花をつけた豪華な写真だった。
場所はもう1枚から二貫寺の森の
「ともだちハウス」広場のようだ。
同じ日の午後、A氏の写真にせかされるように二貫寺の森へ。すると前回11日の初回より沢山の株が目に付く。県道から入るや駐車場までの間に何株も開花している。
道ばたのクズもそうだが、ツル性の植物は陽当たりの良い場所で威力を発揮する。そのため道路際の草木は、松の苗さえ絡まれて消えてしまうことが容易に起こる。道路が多いのは良いのだが代わりに苦しむ草木を見るのは辛い。
駐車場の周囲にも何本か映えていて、入り口から11本を数えてともだちハウスへ向かう。
ともだちハウスの広場に出た。
同じ陽当たりでも広場の花は良く育ち背が高く沢山花を付けている。下草から突き出ているので余計に目立ち、特に上掲の花は豪華で根元に近い茎は驚くほど太い。
握るとまるで木のようで、これが「ゆり」だとは!すぐ上に草履のように大きな葉がほぼ同じ高さでぐるりと茎を取り巻いている。
二貫寺の森のオオウバユリはその数において想像以上で本日の目的は十分に果たしたとして引き返した。
以下は駐車場までの帰路です。
森の奥に目をやると向こうに沢山花が見えたので入ってみた。
林間のものはさらに葉を大きく広げているが、花数は少なく貧弱に見える。陽が当たらないせいであろう。その近くにも群れ咲く場所があり、この森にはどれだけのオオウバユリがあるのだろう。
二貫寺の森を辞して美術館にもどるとなんとA氏がカフェに。話は当然オオウバユリで盛り上がる。ブログに書くとA氏が反応され二貫寺の森へ行き私に状況を知らせてくださり、私も心奮わせて出かけた。
驚いたことに氏は黒姫の童話館の途中で撮りましたと、素晴らしい花が複数並んだ写真を見せてくれた。国道のすぐ脇、路傍である。こちらではジメジメ「し場所で見るものが、高原では国道際にも生えるのか。本当に驚き、まだまだこの花には驚くことがありそうだ。
さてこの日雲が盛んで夕刻には美しい夕空になった。四ツ屋浜で記念に自分を入れて撮った。2021年心筋梗塞から回復したあと同じように四ツ屋浜で自分を撮った。この度は白内障手術の終了記念にした。
ここまでは昨日27日の分、以下は本日28日日曜日の種々(くさぐさ)です。
午前は溜まっている医療や福祉の書類を書き午後から周辺へ出かけた。大潟区は潟湖が多い。ジメジメした場所の一つ蜘蛛ケ池を思いだし、ウバユリが観られないか出かけた。池に近づける場所には無かったので、周囲の雑木林の小さな流れを探してみた。
辺りに目を凝らすと遠くに2本の花。
潟が多い大潟区では、私が知らなかっただけで昔からオオウバユリが案外多く咲いていたことが考えられる。開花直前に急に伸び、咲くとすぐ枯れるなどから目立たなかっただけかもしれない。
蜘蛛ケ池の帰路、同集落手前でオニユリが沢山咲いているのを見た。
その後吉川区長峰の田で見たカカシが面白かった。
スズメはともかく私達には
十分楽しいカカシでした。
ビニー製のようです。
最後ですが、週末は「ウバユリまつり」と言うべきものでした。花を間近でみたのは初めてで、色々変わった花だと思いました。
流れなど湿気の多い場所を好むこと、スカシユリ風の切れ長で波打つ形状、ほぼ同じ高さで360度茎を囲んで展開する広い葉、開花直前に一気に延びる茎、日光の条件に合わせしぶとく生きるらしいこと、あっという間に枯れるなど独自の性質をもっていることが垣間見られました。
みすぼらしいものから威厳に満ちたものまでバリエーションに富み、それは長い間の巧みな生存戦略によるものではないかと考えられ、この花の古さを想像しました。
二貫寺の森で匂いを嗅いでみますと、ほんのかすかですがやはり百合の匂いがしました。
長くなりました。
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