2010年11月2日

ジョロウグモの切なさと愛しさ

2010年11月2日(火曜日)

  トイレの窓の前で10月上旬から見ていたジョロウグモ。およそ一ヶ月間、メスは沢山獲物を捕ってみるみる大きくなった。一方オスはよく見ないと分からないほど小さく、メスから遠く離れて過ごしていた。

 

 メスが成熟するとオスは徐々に近づき、メスが捕食などで気をそらしている時を狙って交尾するらしい。交尾はメスの腹に素早く抱きついて行われ、運が悪ければその前にメスに食べられることがあるそうだ。
 小さなオスが長い手足の恐ろしいメスの腹に抱きつくのは命がけだろう。また運良く交尾出来ても直後に食べられるとも言われる。

10月5日  ジョロウグモのメス、小さなオスは巣の遠くの方にいる(10月5日)

オスが接近していた 冷たい雨の日、成長したメスのそばで交尾の機会をうかがっているようなオス
(10月25日)

オスが居なくなる 
翌日オスの姿はなかった。交尾が成功して食べられたのだろうか。
(10月26日)

誰も居なくなった 一週間後、ぼろぼろの巣にメスも居なくなった
(11月1日)

糸が一本残った 
前夜から大荒れが続いた今朝、糸一本になった巣 
(11月2日)

 順調であればメスは産卵のために巣を離れたのだろう。産卵後は白い糸でしっかりくるんだ卵を守り、何も食べずに過ごして寒さの到来とともに命絶えるという。

 

 歌舞伎役者のクマに似たメスの恐ろしい紋様は、ハチや鳥から自らを守ったり、オスの度胸を試すものでもあったのか。一見ふりかけのようなオスにしても、命をかけて交尾を行ったと考えたい。

 

 荒れた日、一本だけ残った糸に一生懸命な生き物の物語を感じた。
 

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