2025年7月14日

ゑしんの里茶会が終わった。

2025年7月14日(月曜日)

本日懸案の(不安の)席持ち、ゑしんの里茶会が終了しました。一席25人を7席行う会。大寄せの席持ちから長く遠ざかっていましたが、今更ながら茶会(お茶)は私にとっては厳しい修行の場だったと反省仕切りです。

昨日の搬入と会場下見、予行演習を終え本番の本日は早朝起床。着物に着替え慌ただしく出発。会場ではお水屋の仕度、花の整え、釜の火加減などが一斉に始まっていました。

催事ホールの楽屋のような場所が水屋。そんな環境でも場数を踏まれた宗香先生お社中が仕度を終え、始まりに向けて着々と準備が進みました。

第一席が始まり皆さまの反応に手応えを感じました。しかるにお点前をしながらお客様の対応は難しく、後のお点前を宗香社中の方々にお助け頂き、亭主として点前座脇に座り専らお話をさせて頂きました。

現代もののお道具が色々と混じる席。一番喜んでいたのはお道具ではなかったでしょうか。

本日は懐かしいギンヤンマが沢山飛び交いキセキレイが窓際までやってきました。良い環境の会場です。

雲間から妙高山。
用いた淡々齋の茶杓の銘が「千峰」でした。

待合に掛けた『梁塵秘抄」の冒頭。昭和の終わり頃新潟市で求めた高橋玄洋さんの掛け軸。当時梁塵秘抄はちょっとしたブームだったような気がします。「仏はつねにいませども云々」も「遊びをせんとや生まれけむ云々」ともによく目にしていました。

直江津のお茶人A先生に懐かしい、良い軸でした、と褒めて頂きました。

本席の「独聴松風」は坐忘斎お家元の筆。
香合は懐かしい当県・新井野正直さんの
「かわせみ香合」。

このたび茶会の肝は水屋であることをあらためて実感させられました。9人が組んで、25人前後のお客様のために夏菓子を三つずつ6~7個の器に盛り次々に運び出す。大勢のお客さまのために一斉に茶碗を洗い湯を通し、茶を盛る、湯を注ぐ、茶筅を振って点てる、点てた茶を運ぶ。本日、これが7回繰り返されました。

ほかにお客様の移動を観察したり、私以外だれ一人ぼーっとしている人は居ません。進行に精出しながら次の仕事も仕度する。万事心得たベテランさえここに貼り付いたままです。一体何という動きでしょう、久し振りの大寄せの水屋は話に聞く寺修行を目の当たりにしたようでした。

お社中の心こもったお点前も大変参考になりました。どれだけ活かせるか不明ですが兎に角勉強になったのです。

宗香先生、お社中の皆さま、本当に有り難うございました。
また茶会の亭主冥利とは自らの数々の反省にほかならないようです。

最後に別席の長野からお運びの田中祐翠先生のお席に座りました。先生のご健康な姿、お読みになった短歌、仏具をあしらった重厚ななお道具に感心し、きびきびと進められる複雑なお点前やお運びをされたお弟子さんの様子も心に残りました。

このところもたつく私の周辺で絶えず動き回った妻にあらためて感謝を禁じ得ません。
最後に暑い日なかお越しのお客様がた、本日は本当に有り難うございました。

これからが夏本番、本日は日をまたいでしまいました。

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