おのぼりさん、その2

2009年9月20日(日曜日)

 国立近代美術館でゴーギャン展を、同工芸館で「リーチ・濱田・豊藏・壽雪 展」を見た。 

 ゴーギャンは9月23日で終了するので、大賑わいだった。若い人達が沢山来ていて、館内は熱気がこもっていた。

 

 

 

 旅人ゴーギャンの西洋は南洋の野性へと導かれていく。彼は珊瑚礁などには一瞥もくれず、旺盛な自然の島内で座るか、立つかしている女性を描きつづける。

 

 彼女たちの肉体は重厚で、精神は野性の神秘にゆだねられている。生まれたばかりの子はぐっすりと眠り、無心に食べて育つ。世界の表裏において主人公であった女性も、最後には老いて尽きる。その連鎖をどっしりとした女神がみている。

 

 大作「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」は、DNAの絵画に見えた。野性の根源性を芸術によって肯定した稀な人、ゴーギャン。

 

 陶芸館ではバーナード・リーチ、濱田庄司の民芸作家から豊蔵、壽雪の志野を中心に著名な作家の作品が並んだ。それぞれに数が膨大なので作家の個性が無理なく理解できる。6枚揃った濱田の丸文赤絵皿を欲しいと思った。

 

 帰り際、階段の降り口に何気なく置かているベンチが黒田辰秋だと気づいた。大いなる憧れの木工、黒田の作品を初めて見て、しかも座れた。不意のラッキーは、ことのほか嬉しかった。

 

 ※樹下美術館が常設展示している陶芸家齋藤三郎は、戦前の鵠沼(くげぬま)において黒田とともに制作したことがあります。 

 

【何気なく見たものから少々】

タペストリー

中庭のオブジェ

お茶うけ

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