古い窓に椿

2010年4月9日(金曜日)

仕事場に古い家が付いていて、大正時代の中頃に建ったと聞いている。海辺の季節風に吹かれ吹かれて90年、建て付けはかなり狂いがきている。

二階にトイレへ行く廊下があって窓がある。その窓から今盛りの椿がいい具合に見える。気のせいか古い窓と椿はしっくり合っている。大正ロマンの人、竹久夢二は椿を好んであしらい、昭和ロマン?の陶齋もまた好んだ。

出窓の椿
出窓の椿。右に吊り手洗い器の掛け手が下がっている。

ところで窓は縦横120×75㎝ほどの小さな出窓で、手水として使われていた。左に手ぬぐい掛けがあり、右に吊り手洗い器の掛け具が架かっている。

 

ともに木製だが、手ぬぐい掛けなどは器用な職人さんの仕事ぶりが伺われる。何かの端材で「いっちょう上がり!」と言ってさっと作ったように見える。手ぬぐいを通す横板がヤジロベエのようにぶらぶら動くようにしてある。

 

両方とも忘れられた盲腸のように黙って付いている。椿もまた黙って咲いている。

手ぬぐい掛け
手ぬぐい掛け
手洗い器掛け
吊り手洗い器を掛ける手
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