長く意味が分からなかったクリスマスソング Deck The Halls。

2015年12月22日(火曜日)

私の中学校時代にアメリカから女性の英語教師が来た。
判然としないが、数ヶ月あるいは半年くらいの在任だったのだろうか。
身長が高くやや背を丸くして歩く先生はどこかエリザベス女王を思わせる威厳のある風貌だった。
(笑顔は優しかったが)

生まれて初めて間近に見る欧米人は随分大人に見えたがお若かったのだと思う。
ミス・ヘイゼル・チルグレンがその人だった。

日本語を全く使わず授業はちんぶんかんぶんでほとんど内容を覚えていない。
思い出せる場面は以下の二つだけだ。
一つは彼女が何かを握っていてそれを私たちが英語で当てるゲーム。
答の一つはボタンだったが中々当たらなかった。

あとは英語の歌を習った。
黒板に歌詞が書かれていたが、まったく意味が分からない。
“ディック ザ シーズン トゥ ビ ジャーリ ファララララーラ、ラララ
ダーウィ ナーワ ゲーアペーロ ファララ、ラララ、ラララ
フロー ディ エンシェン ユータイ キャーロ ファララララーラ、ラララ”

脳裏にある文句は以上で、まず言葉になっていない。
後年クリスマスになるとラジオから聞こえたものの内容はさっぱりだった。

この度クリスマスが近づき、ついにインターネットで検索してみた。
検索の凄い所だろう、なにがしかの単語が合っていれば一定の精度でサイトが並ぶ。

 


Deck The Hall

 

 
Deck The Halls

歌はウェールズに発した「Deck The Halls」という聖歌あるいは讃美歌だった。
“聖なるヒイラギで玄関を飾ろう”というような内容で始まるクリスマスソング。
クリスチャンの方ならだれもがご存知の歌にちがいなかった。

一番は以下のようであり、三番まであった。
【Deck the Halls】
Deck the halls with boughs of holly,
Fa la la la la, la la la la.
Tis the season to be jolly,
Fa la la la la, la la la la.

Don we now our gay apparel,
Fa la la, la la la, la la la.
Troll the ancient Yule tide carol,
Fa la la la la, la la la la.

一見簡単なようだが、deck:飾る、bough:枝、Tis:it is、jolly:楽しい、don:着るかぶる、gay apparel:きれいな服、troll:陽気に歌う、yoletide carol::クリスマスの聖歌、etc.。
古い英語も混じっているようであり、当時も今も自分には無理な歌詞だった。
それを飛ばしながら都合良く覚えたようで、体裁も脈絡もない。

子どもが歌を覚えるなら、こんなことを繰り返して成長すればいいのかもしれない。
だが60年前、たった一、二回外国人教師から教わったものは、摩訶不思議な呪文に変わり長年頭の隅にこびりついるだけだった。

当時クラスでどれだけの人が意味を理解出来ただろう。
ミス、ヘイゼル・チルグレンはどこまで期待して歌を教えたのだろう。
今日、ようやく動画などから、クリスマスを迎える楽しい歌だと分かった。

そもそもさっぱり分からなかったのは私だけだった?

2015年12月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

▲ このページのTOPへ