樹下だより

雪の無い冬 柏崎の原惣右衛門工房と刈羽の吉田隆介氏の花入れ 良い作品と作者。

2020年1月22日(水曜日)

1月の下旬になったもののさっぱり雪が降らない、一体どうしたことだろう。
雪がないのは当地だけではなく全国的な現象らしい。80、90才の人に訊いても、こんなのは初めてだと仰る。
在宅訪問や往診は楽だが、何か騙されている気がしてしっくりしない。

 

本日午後の樹下美術館。休館が申しわけ無い眺め。

さて1月上旬に二回柏崎刈羽に行き、天神様めぐりをした。行程で鋳物の原惣右衞門工房と陶芸家・吉田隆介宅を訪ねて天神様飾りを楽しんだ。
そのおり作品を拝見したがいずれも魅力的だった。その中から以下の作品を購入させて貰った。

 

原惣右衞門工房の鋭い四角錐の鋳物花入れ。
長くこの手の花入れを探していた。
ざっくりした風合いが何とも言えず、一輪の花と大変相性が良い。

 

陶芸家吉田隆介氏のうねりをもって尖った花入れ。
赤く散らした斑点が楽しく、サザンカや冬枝と映え合っている。
ヒマワリやダリアなど大きな花も受つけそうだ。

いずれも偉ぶらず、周囲を和ませ相手を生かす作品であり、案の定花をいれると良い風情を醸し出した。

私の拙い経験から、作家と作品について以下のように思うことがある。
〝およそ良い作品を作る人は偉ぶらず、人を幸福にしようと一生懸命だ。良くない作品の人は偉そうにしたがり、作品よりも自分が前に出てどこか品が無い〟
作品と人柄は互いに似ている。

ところで今年の樹下美術館は毎月第四日曜日に、隣の家の四畳半の間でお茶のお点前をして皆様に呈茶のサービスを予定しています。
1回8名様まで、午後2席を考えているところです。宜しかったらお気軽にお立ち寄り下さい。本日掲載しました花入れも掛けたいと思っている次第です。

樹下美術館のヤブコウジ。

2020年1月11日(土曜日)

連日の庭です。
樹下美術館の庭の少なくとも四カ所の木の下に、ヤブコウジが集まっています。
今年は雪が無いので真っ赤な実が丸見えで、例年よりも目を引きます。

 

 

葉の色は緑色と茶っぽいものの二通りがあるようです。
新しいものと年数が経っているものの違いでしょうか。

以下拙歌です

取る年の浮かぬ心を慰むる木の根に赤きやぶこうじかな

こじつけです→木の根=木の音=拍子木=ことの始まり

 

2001年に描いた拙絵(B5)。
葉で苦労したが出来上がりは良かった、とメモにありました。

ヤブコウジは以下のような見所があると勝手に思っている次第です。
・実が大きい ・実が艶やか ・赤色が鮮やか ・チビなのに樹木 ・チビなのに常緑樹 ・丈夫である ・良く増えるetc。
縁起が良いとされるのはこのような事からでしょうか。

小雪の冬、クリスマスローズの古葉をいつ切るか。

2020年1月10日(金曜日)

新しい年が一週間過ぎた。
樹下美術館周辺に雪は無く、初雪として終日積雪が残った日も思い出せない。雪に代わって毎日のように雨が降り、まるで冬の梅雨の様相になっている。

本日の米山。裾の雪が解けている。

 

樹下美術館のクリスマスローズ。

昨日クリスマスローズの事を書きましたが、毎年古い葉を何時切るかで悩みます。早めに切って花芽や蕾に日光を当てる、という助言や記事によく出合います。
但し路地植えの当庭では、積雪に対して丈夫な葉が芽や蕾を覆い、雪で傷むのを守っているように見えるのです。それでこの先、蕾や開花の様子と雪の具合を見て、よしとばかり切る方法を取っている次第です(十分な自信はありません、、、)。

 

本日見た蕾。
開館まであとふた月少々、あまり早く咲きすぎても困るのです。

この気象下、多少の庭いじりが出来るので助かりますが、異常な暖かさはやはり気持ちが悪い。
冬の梅雨などあろうはずはありませんし、全てはいずれやって来る〝寒波〟次第なのでしょう。

白鳥とクリスマスローズ。

2020年1月9日(木曜日)

当地の朝日池は日本で数少ないハクガンの飛来地で毎年その貴重な姿を楽しみにしている。
今年は11月13日という異常に早い時期、一羽がマガンに混じって飛んでいるのを目にしただけだった。昨日の外来で、20羽くらいが来ているようです、と詳しい方から聞いた。

上越市東から柿崎区、大潟区、頸城区、南西の三和区まで、広いエリアで20羽の鳥を探すのは容易ではない。雪が少ないので上越市中心部まで行っているかも知れない。

本日午後仕事休みの木曜日、ハンドルを握って周辺を探した。だが白鳥の群を見たもののハクガンには出遭えなかった。
それでしばし白鳥たちを眺めて過ごした。

 

向こうに送電線の鉄塔。以前、これに衝突したり引っかからなければ良いが、と心配したが、そのような事例がなく過ぎている。鉄塔と送電線が比較的少ないのも当地域に飛来する一因になっているかもしれない。

 

白鳥は雁よりも人に対して鷹揚なところがあり、5,60メートルならそーっと見ることができる。
前回正月を中心に冬の生活に見られる華やかな色彩のことを書いたが、この鳥はひたすら白一色を誇っている。
寒く広い田で一心不乱に食餌するコハクチョウの群。見ていると向こうが主人公で狭い車中の私が異邦人になっている気がしてくる。

 

時々4、5羽の鳥が集まり、首を伸ばしてクワクワと羽ばたきながら鳴き合う。但し周囲の鳥たちは全く関心を示さず平然としているので不思議である。
鳴き合った後で一羽の鳥がほかの一羽をを突っついたり追っかけたりするのを何度か見た。調べてみたが、鳴き合いといい、何が起こっているのか分からない。

さて夕刻の庭でクリスマスローズの手入れをした。毎年成長が止まったようなのが何株かある。今年もそれらを掘りおこし、新たな場所で土を作り直して植え替えた。今年は異常に温かく、まだ積雪らしいものに出遭っていない。そのせいもあり、以下のように蕾を膨らませたり、開いているものが見られている。

 

 

クリスマスローズを庭に植えて25年ほどが経った。
毎年美術館は冬休みを終えると3月15日にその年の開館を迎える。クリスマスローズは、寒さが残る開館後の庭を温めてくれる貴重な花なので、精一杯大切にしている次第。

新たな年が明けました ゆたかの海へ。 

2020年1月1日(水曜日)

新たな年が明けました
その気になれば何時までも成長できる話を信じ
このまま時の舟に乗り
豊かの海へと航海を続けたいと思います。

2019年の仕事を収めた日の短い午後 雲、土留め、ねぐら入り。

2019年12月28日(土曜日)

本日28日土曜日、午前で今年の仕事を終了し一応正月休みとした。
以下に本日の動向を写真とともに並べてみた。

 

冷たい雨、時にアラレの合間に陽が射すような午後の四ツ屋浜。
右の低い雲から吹き出すような降雨雲(こうううん?)。
言葉は悪いが、常ながら「雲が失禁している」ように見える。

四ツ屋浜から美術館へ。

南に向いたこの傾斜地に煉瓦で土留めをするつもり。

 

体に障らぬよう手抜き仕事。
高さのある薄く安い煉瓦を用い、根が通っている所は石を置いた。
ヒュウガミズキ、クリスマスローズ、アスチルベ、キョウガノコ、
アジサイ、そして百合やキキョウなども咲くようにしたい。

 

傍らで冬眠中の樹下美術館。
あっという間に春が来て目が覚めるであろう。

庭が終わると16時を回っていた。お天気が持っていたので雁たちのねぐら入りを見るべく朝日池へ向かった。

 

間もなくコウコウ、クアワクアと鳴きながら次々に群がやってくる。
明るく賑やかな声は喜びに満ちている。

 

およそ湖上を一回りして着水する。

 

暮れる朝日池。鳥たちは写真のはるか右方の遠くにいる。
およを30分ほどで全体が静かになって。

休みの間に晴れる日があれば、朝のねぐら立ちも見てみたい。

皆様のメッセージを「お声」に。

2019年12月25日(水曜日)

先日はカフェのノートから皆様に残して頂いた絵を掲載させて頂きました。
昨日は館内のノートにお書き下さった皆様のコメントを、美術館のホームページ「お声」欄にお載せしました。
以下のメッセージほか100余のコメントをお書き頂きました。

〝たまには独りもいいもんだ 夕暮れの庭を眺めながら 静かな時を過ごす。たまには独りもいいもんだ〟

〝変わらずにあり続けるものに、再会するとやはり感動します。この空間は、とても大切な空間です。素敵な時と空間をありがとう〟

〝楽しい事いっぱい 嬉しい事いぱい 喜びもいっぱい 直ぐ近くにあるちいさな幸せを見つけて いきるぞ!〟

〝これからの人生、沢山旅行をしたり2人で沢山の思い出を作りたいと思います。あと何年一緒にいられるかわかりませんが、また生まれ変わっても一緒になりたいです〟

初デートや遠くからのリピート、お一人はもちろん、様々な方と様々な動機で来られ、作品、庭、飲み物食べ物、木漏れ日や風、音楽、器などに触れて頂き、樹下美術館のひと時に身をまかせて過ごされる。読んでいくと映画のワンシーンのように皆様の時間が浮かびました。

 

 

 

 

今日はクリスマス、
アダレイ社のジャポニズム風の古い器にコーヒーを入れ
シュトレンを食べました。
のどに滲みるほど甘いお菓子ですね。

 

心温まるメッセージをまことに有り難うございました。
励みとともに身が引き締まる思いでいっぱいです。

カフェ丸テーブルの画帳から、秋の部です。

2019年12月21日(土曜日)

カフェの丸テーブルに小さな画帳が置いてあります。
今年は5月3日および7月24日のノートに掲載させて頂きました。
皆様に沢山絵を描いて頂くようになり、今年途中から色鉛筆やカラーボールペンを増やしました。

すると赤ちゃん、お子様、お姉さん、お兄さん、保護者さん?などなど色々な方たちに沢山描いて頂きました。
絵から皆様の楽しい気持ちがとても良く伝わり、見ているほうも幸せになりました。
夏以後の分を以下に掲載させていただきました。

どうか覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか。
庭の草木が見えるカフェで一心に描く、、、。年令も上手い下手もまったくありませんね。目の前に紙があって用具があると何か描きたくなる。人間って不思議です。

館内4冊のノートのメッセージは数日後に樹下美術館のホームページに掲載させて頂く予定です。

閉館翌日の本日、スタッフたちがチューリップと百合を植えました。
明日日曜日はお天気が持てば私も加わって庭の手入れをするつもりです。

本日2019年の営業を無事終わりました。 

2019年12月20日(金曜日)

本日で樹下美術館は2019年の営業を無事終了しました。
ざっと今年を振り返りますと、常設展は倉石隆の細長い絵および齋藤三郎の辰砂を展示。春~夏に特別展として上越市立小林古径美術館から倉石隆の大型作品の借り受け展示、須川展也・美奈子氏ご夫妻によるサクスフォーン・コンサートそして齋藤三郎・尚明氏の陶齋親子展を行いました。
秋にはじゃんごっこの皆様によるトリビュートコンサートのジャズコンサート、さらに歌を取り上げた「蓄音機でSPレコードを聴く会」を館内で行ました。

また晩秋に上越市内宇喜世で行われたフカミ美術主催による髙田茶会で、有沢宗香先生のご支援のもと薄茶席を担当したことも思い出深い出来事でした。

例年になく忙しい1年でしたが、多くの皆様にご参加頂き無事に済みましたことを深く感謝致しております。
またカフェはお客様の裾野が広がり、いっそう賑やかにして頂き誠に有り難うございました。

明日から冬期の休館をさせて頂き、2020年度は3月15日から開館致します。

休館はさびしいというお話を沢山頂戴しています。本当に申し訳ありません。どうかしばらくお待ち下さい。新たな気持ちで春からの営館に備えたいと思っています。

 

本日お客様から頂いたクリスマスカード。
テディベアを首に巻いて飛ぶ白鳥とはとても素敵です。
ヒイラギの葉と実はご自宅の木からということ、生き生きしたカードを有り難うございました。

 


YouTubeから1973年発表のカーペンターズ「イエスタデイ・ワンス・モア」
〝昔、ラジオで聞いたお気に入りの歌が古い友達のように思い出され、昨日のことのように蘇る〟という風な歌だと思います。

来年春の開館では〝古い友達〟のように皆様をお迎えしたいと思います。
なおブログ「樹下のひととき」は引き続き書くつもりでので、どうか覗いてみて下さい。

〝2019年の樹下美術館は皆様にとてもお世話になりました〟

柚子、陶齋の歳寒三友。

2019年12月14日(土曜日)

荒れたり晴れたりをめまぐるしく繰り返す日。暦は12月も半ばにかかり一気に慌ただしくなりました。
そんな日頃に近隣の庭先で黄色や橙(だいだい)の柑橘類の実を見ると心温まります。

過日は柚子を沢山頂き、スタッフと分け合いました。これから茶碗蒸しや熱いお蕎麦にお雑煮などがとても楽しみです。

ところで樹下美術館展示の作家齋藤三郎は柚子を描いていて、美術館にも何点かあります。

 

 

百合や椿などを描いた染め付けの絵変わり皿セット。向かって左下に柚子皿。
和食器は一般的に5客1セットですが、陶齋は6客で設えました。
1客欠けても揃うようにという配慮だと聞いたことがあります。

 

染め付けの青がとても爽やか。

 

こちらは色絵の一枚。師の富本憲吉から受け継いだデザイン。
磁器の白さ、カゴの赤と黄色の実の対比が美しい。

 

この柚子皿は上越市髙田における初期の作品の一つ。
もりもりとしたボリュームが柚子らしい。

上掲の柚子皿には「歳寒酸友」と讃が記されています。この言葉は中国宋代の「歳寒三友」を陶齋らしいユーモアでもじったものです。
歳寒三友とは、古来中国で尊ばれた三つの画題「松」「竹」「梅」のこと。
歳寒は寒さ厳しい時節を指し、そのような折に緑の生命を維持する松、しなやかな竹、香り高い梅の三つが画題として尊ばれていたといいます。またそれらは、高雅風流を愛する文人が冬に友とすべきもの、として親しまれたということです。

当絵皿は、齋藤三郎が髙田に来て未だ日が浅い昭和20年代の作品です。当時の髙田で彫刻家の戸張幸夫及び写真家の濱谷浩と陶齋の三人は「三貧(さんぴん)倶楽部」と称して集まり、安いお酒を酌み交わしては四方山を話したといいます。
皿に書かれた醋友は、酸っぱい友「柚子」であり、一方で貧しかった三人の仲間のことではなかったか、と想像しているところです。
万葉集もそうですが、中国の古事への造詣など、陶齋世代の教養がしのばれまた感心させられます。

話変わって美術館裏の田に生える二番穂を食べる試みは進み、昨日新しい野球ボールがネットで手には入りましたので試してみました。このことも追ってご報告しなければと考えています。

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