樹下だより
明日から今年度の開館。
今年20年目の樹下美術館。冬期休館も過ぎればあっという間で数日前から展示準備、庭の掃除など行いました。
入場料大人300円、中高生100円は変わりありませんが、恐縮ながらカフェの料金を少し値上げさせて頂きました。カフェのみご利用の方は今までどおり入館料は要りません。
展示準備。
以下今年の展示からです。
倉石隆・絵画「少女を囲んで展」
新規「少女」と「節句」を樹下美術館の家族が迎えます。
最後にカフェの軽食メニュー表を掲載しました。申し分けありませんがケーキ、飲み物とともに値上げさせて頂きました。
3月に入り寒さが戻り晴れ間の少ない空でしたが、今後次第に春らしさへ向かうようです。
今年の樹下美術館もどうか宜しくお願い申し上げます。
一同心よりお待ち申し上げます。
先週末の種々から その1心打つ音楽会。
先週末は雨は無かったが寒かった。そんな週末は少々忙しかった。
その1
一昨日土曜日は午後2時から上越文化会館 中ホールで演奏会があり聴きに行った。「弦楽四重奏の愉しみ」は桐朋学園大学の学生音楽家グループ「[Qartet Ruminoa(カルテット ルミノア」の演奏で上越市の斎京法子さんがビオラで参加されていた。
3月7日、午後妻と行った会場は混んでいて、遅く着いたため座ったのは最前列の最左席だった。
プログラムはハイドン「皇帝」と“朗読とクァルテットによる「生まれる」”が一部、後半はシューベルト「死と乙女」だった。
「皇帝」は堂々として時に優しく、さあ祖国を愛そうという気概を正面から促す清々しい演奏だった。
二曲目は医療用の呼吸補助器が必要な車椅子の青年花崎碧士さんの詩「生まれる」に若き作曲家菅原京大さんが曲を付けた作品の初演だった。
演奏はとても変わっていて、詩を朗読をする男女二人の高校生がステージ両手に別れて立ち、段上のカルテットの演奏と対話をしながら進行する。
カルテットが多用したピッチカットが命の生成を促す水の雫と時間を現し、詩は最後に訪れる死は生のはじまりであることを伝えた。
死を身近に生きてきた作詞者ならではの「力」と、命の連鎖を掘り下げる「明晰さ」に打たれた。
テーマは重いが、作詞者の透徹した観念が全体に厳しさと同時に柔らかさを与えていた。
休憩を挟み後半の「死と乙女」で演奏者の配置が変わった。二人のヴァイオリニストが左右二手に分かれ、中央にビオラとチェロが座り音の響きが変わった。
それまでややゴツゴツとしていた二丁のヴァイオリンが馴染み合い、ビオラが触媒のように働き全体に安定感を与えるのが実感された。
この変化は最前列、最左席の座席位置のせいだけでないと考えられ、演奏者の位置如何でこれだけ音が変わることに驚いた。
ステージを挟み美しい竹灯篭。
向こうとこちらに朗読用のマイクが見える。
後半のシューベルト「死と乙女」の4楽章全ては短調。しかし悲劇的な重厚さのなかに鮮やかな生命感がうねりのように交じる聞き応えのある40分だった。
まる一年を掛けて取り組んだと説明されたが、それだけに深く魅力的な演奏だった。
外は寒かったがホールの音楽会は楽しくかつ暖かかった。
次回その2は話変わり、さらに天候が悪化した翌日曜日の初ゴルフを、その3は週末の二日間携わった拙童話「森のトマト畑」の本作成のことを書かせてください。
暦の春、卓上メモ、鷺と鷹、梅の名所は。
晴れたり曇ったりの今日から春の3月1日。
昨年途中で売れて無くなった「森のトマト畑」を直したり刷ったりした。プリントするとある絵だけ色が変わって苦労した。
午後やや遅く外出して鳥を探した。ざっとみたところわずかにコハクチョウの群が観られただけで周辺はさびしくなった。
童顔のタカはチョウゲンボウか。
こんなに幼い風貌で狩りが出来るのだろうか。
大潟水と森公園へ寄った。時間が遅くて鳥には出会えなかったが雲が美しかった。
ところで上越地方には桜の名所はある一方梅が無い。畑やよそさんの庭で見るくらいだ。雪のせいで仕方がないのだろうか。
樹下美術館でも開館のころ植えたことがあったが、ちゃんとした姿にならなかった。
調べると新潟市の白山神社や蒲原神社、あるいは田上町の梅林公園が名所とあった。
まだ見頃の時期のようなので「時間があれば」観にいってみたいし、金沢か富山というのもありそうだ。
鳥の後は美術館がはじまり、外では庭が待っていている。
明日は晴れるらしい。
2026年倉石隆は「少女を囲んで展」。
先日簡単に触れました今年の倉石隆は「少女を囲んで展」です。小規模の樹下美術館で倉石隆作品が入ってくるのは数年に一度のレベルです。
しかし昨年夏と今年1月に比較的大きな「少女」と大変こぶりな「節句」がやってきました。2点とも力作で訴求力があり気に入ってます。
ポスターにも使用するお知らせのファイルが出来ましたので以下に掲載致しました。
作品の「少女」はとても可愛いく真剣な表情が見られ魅力的です。倉石隆の人物はおしなべて静かで、にっこり微笑む作品もまずありません。氏がこだわったのは「存在感」あるいは「内面」であろうと考えられ、明らかに美人画とは異なる方向です。
このような「生きた手応え」は人物画独特の魅力で、より個人的な鑑賞に合っていると実感しています。価格が何十万、何百万でないこともありがたい事です。
幼い少女がいわくありげな人物たちに家族のように囲まれる。小さなホールで月日を経た後、互いの親しみなどはどの程度育つのでしょうか興味があります。
どうかお暇をみて足をお運びください。
今年の陶芸展示 暖かすぎた日。
昨年12月16日以来の冬期休館も残り少なくなり間もなく2026年度の開館です。本日当地髙田でも18,2度まで上がり非常に暖かでした。
少々遅くなりましたが今年の陶芸ホール展示「現代茶碗展」のお知らせをさせて頂きました。
お陰様で今年20年を迎えます樹下美術館。その陶芸展示は地元の齋藤三郎作品を中心に行ってきました。しかるに当館の規模を鑑みますと氏作品だけでは展示幅の限界を免れません。
そこで今年の展示は「現代茶碗展」として他の作家へと拡大を試みることに致しました。明治期以後の作家さんにしましたのは、当館で常設展示してきました倉石隆、齋藤三郎両氏の現代性に類似させたいという自然な動機によります。
すでにこれまで樹下美術館の内外で何度か茶会の席を持たせて頂き、齋藤三郎を含む収蔵のお茶碗をご覧頂きました。この度は新規を含め35点を展示し精一杯賑やかにするつもりです。
展示期間は10月末日までとして11月は別に二つの催しを企画しております。
近く倉石隆のお知らせとともに晩秋の企画もお知らせ致しますので、どうか宜しくお願い致します。
「つどいの郷」嘱託おさめの日。
本日もよく晴れた。午後、大潟区潟町にある福祉施設「つどいの郷」へ健康評価に出る日だった。午前を終えて少し横になると寝込んでしまい、施設からの電話で飛び起きた。
15分の遅刻だった。みなさんは会場でちゃんと待っていてくれた。同園は比較的若い方で心身に障がいがある人達の生活支援と就労継続支援を行っている。10年ほど前から委嘱され、健診の事後相談やワクチン接種、時には講話やイベントに出向いてきた。
皆さんに遅刻を誤り看護師さんとともに各自面談した。嫌がる人もたまにいるが、スタッフは優しく接するのでスムースに進む。健康指標の改善は困難を伴うが数値が安定に向かう人が何人かいたのは嬉しかった。
途中ある女性の番になった。スタッフが“先生に描いてきたのね、と言い、恥ずかしそうに絵とメッセージが差し出された。
もう一枚紙があった。
「杉田先生 おりがこざいまた みほ」とあった。
2枚ともB4に描かれている。
あれ、なにかいつもと雰囲気が違う。もしかして今日で私の嘱託が終わるのか?そういえば昨秋、今期で下りようと思っているので後任を探して欲しいと言い、医師会にも伝えた事を思い出した。
相談が終わりホールへ。みんなが待っていてくれ、総勢40人ほどの前に立つと代表の利用者さんが感謝のメッセージを読んでくれた。
有り難うございます、ああ遅刻などして本当に恥ずかしい、皆さんのほうがよほど立派ではないか、リハーサルもされたにちがいない。
帰路、廊下の片隅でうずくまっている男子がいた。
泣いているの?Mちゃん?とスタッフが声を掛けた。
Mちゃんは先生が好きだったもんね、と言うと起き上がり私に抱きついてきた。
びっくりしたが、ありがとう、ありがとう、と何度も頭を撫でた。
とても強い力だった。
随分前、ダウン症のこの人がまだ幼い時、お母さんに添われてバス亭から歩いて帰るのを往診の時に何度も見た。雨の日も雪の日も何度も。そのころの施設はまだ遠い所にあった。
Mちゃんからのメッセージ、心洗われる。
花しょうぶ、アネモネetc、みな良い花ばかり。
この子たちは何かあっても黙っていることが多いので、私達も気を付けて接しています、とスタッフが言った。
せめて最後くらいと思い、玄関で見送るスタッフさんたちに精一杯頭を下げた。
頂いた絵とメッセージをもう一度家で見た。目頭が熱くなり、今にしてこんなに嬉しいことがあるとは、人生やはり長生きしなければと感謝の気持ちで一杯になった。
「綾ちゃん」から頂いたとてもきれいな花束。
看護師さんに訊くと平成29年からの嘱託だった。
“利用者の皆さん、代々の施設長さん始めスタッフの皆さん、大変お世話になりました“
本日ロッテアライリゾートで。
本日は良く晴れた。泊まった二人の姪は午後から帰る。その時間まで若い二人向きにこれと言った場所が見当たらず、ロッテアライリゾートへ案内した。
丁度昼休みの時間で、ゲレンデ直近の広いカフェは一杯。それでフロント近くの大きな窓がある所で飲み物を飲み、朝食を抜いている私だけハンバーガーを注文した。
圧倒的に欧米人が多いスキー場で
異邦人の私達
ナットキングコールの「Unforgettable」
忘れ難き思いという歌であろう。
思い出深い二日間だった。元気に生きて是非ともまた会いたい。
午後揃って姪が訪ねてきた。
今日は気温が上がらず寒かった。その祝日の午後、南三陸町で育った姪姉妹が揃って訪ねてきた。夏は山、冬はスキー場で働いている二人はテレビ・新聞が無い家で育ち自由学園で学び、イタリアへ語学を学びに行くなどとてもちゃんとしている。
大切な姉妹なので妻は張り切って歓迎した。
古いBerlin KPM((ベルリンKPM)や
1940年頃のSusie Cooper(スージー・クーパー)
の器を出してお茶。
バレンタインと言って頂戴した
VESRTRI(ヴェストリ)のチョコレート。
客振りの良い姉妹のために妻はお雑煮まで出した。食べ終えると湯沢のお土産を食べてお抹茶を飲んだ。
確固たる信念で猛烈に働き突然倒れた弟。残された姉妹は無駄の無い話を聞かせてくれ、心から話を聴いてくれた。
二人のお陰でこの年いま一つ張り合いが増えた。本日切り盛りした妻には感謝に堪えない。
今年の陶芸展示は「現代茶碗展」です。
今年の陶芸展示は「現代茶碗展」です。明治時代以後に生まれた作家のお茶碗を展示致します。
以下のような作品を含め35点前後を展示予定です。ゆたかな意匠に漂う詫び寂びをご覧下さい。
ばさら茶碗。
開館記念月の6月の毎週土曜日には1日7名様までで1日2席の濃茶席を予定しています。
ホトトギス鳴く初夏の候を和やかに集いお楽しみましょう。
新たな倉石隆作品「節句」。
何度か触れていますように画家倉石隆は寡作の人です。去る1月20日の当欄で「少女」を昨年秋に収蔵できた事を紹介させて頂きました。
するとこの度ヤフーオークションで倉石氏の「節句」を落札できましたので追加して掲載致します。
オークションで見た「節句」はF3号で小さな作品でしたが、以下4点で不思議な印象を持ちました。
1:着物を着た和風の人物画であること 2:華やかな色使いであること 3::厚塗りであること 4:署名が漢字であること など比較的薄塗り、洋風でモノトーンが多い氏にしては本当に珍しく思われました。
しかしながら深く学んだ作家では一見多様な画風がみられますし、倉石氏にもそれが感じられていました。
当作品は私が知る限りぱっと見倉石氏らしくない作品でしたがオークション画面に一部の拡大がありました。
下の写真の下方の部分です。
そこには明瞭に氏らしいタッチがみとめられました。また華やかな色、特に下方の色づかいは氏が尊敬した人の一人、クリムトを思わせる色がちりばめられているのです。
描かれた女性のしっかり閉じた小さな口、強く意思が込められた眼。作品が放つ人物の存在感から画伯の特別な思いが伝わります。倉石隆に違い無いどころか、どうしても手に入れい作品だと思いました。
以上略々ですが驚きの小品「節句」のご紹介でした。
何故このように和風、多色の作品を描いたのか分かりません。今後氏を知る方達にお訊ねしてみたいと考えています。
明日は立春、ひと月すると「ひな祭り」です。
3月15日の今年度開館は先日の「少女」とともに真ん中に「節句」を並べて展示予定です。
小さな美術館の「樹下」にまた新たな家族が増え、喜んでいますし、皆さまにも見て頂ければなお有り難いと思っています。
※2月3日遅く一度ブログを書き上げましたところ、何か押し間違えて一瞬にして消してしまいました。もう一度書き直し、日付けを戻して投稿しました。
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