明け暮れ 我が家 お出かけ
日曜日
すでに昨日のこと、荒れるだけ荒れた後の降雪、その後お天気は快晴となりました。
昼前、芝居を計画しているグループが美術館のカフェに集まってミーティングがありました。雪を眺めるカフェはなんとも爽やかでした。
公演は2010年春に内定。少しでも公的な助成が受けられるように、それぞれの分野の構造をしっかりさせていくことを話し合いました。少々辛いことですが、今度も台本は小生の担当です。
タイトルは「蜘蛛ケ池」。現在8場を想定して3場を書きはじめたところです。前回の公演から10年、皆も年を重ねました。1年半先の公演まであっという間でしょう。キャストは多くありませんので、一人一人が重い役回りになりそうです。
執念の田作りの母子、突然に現れる大蜘蛛、長い不在の後に戻った父、観音の救出と死、見守っていた僧、嫁入りの幻想,,,。こんな場面を考えています。公演まで複雑なステップがありますので先行きは大変に違いありません。
午後2時から、医師会の総会、肺癌の特別講演、多くの医師が意見を述べた症例検討会、そして忘年会がありました。約5時間、かなり疲れました。医師会が少しずつ変って行くように感じました。
同じ上越市ですが会場の高田には全く雪がありませんでした。
雪化粧をした当地の頸城(くびき)平野
カフェの眺め
イルミネーション
樹下美術館の前にスタッフがクリスマスイルミネーションを飾りました。夕刻から降り出した雨のなか静かで美しい。連休に来訪した大切な身内が午後に帰った。どうかまた元気で頑張ってほしい。
せん妄
ひどく気温が下がってみぞれ交じりの荒天となった。いよいよ越後の冬の始まりだ。荒れ模様の夜8時すぎ、あるお宅から電話があった。ショートステイを利用中の夫が、昨晩から寝ないで騒ぎ出したので家に帰された。家でも妄想にとらわれて大声や怒鳴りが止まず、診て欲しいという訴えだった。
ご本人は、肺疾患のため在宅で酸素吸入をしている高齢の男性で、奥さんと二人暮らし。酸素療法では鼻に付けるチューブが鬱陶しくて、外したがる患者さんは少なくない。しかし一旦外すと酸素不足のため、特に高齢者では意識の濁りを生じてひどい症状が現れる場合がある。今回の方は施設でしばしばチューブを外し、介護士さんも苦労したようだ。この日ご本人は、介護士さんが付けたチューブを噛み切ろうとして、自分の指まで噛んで負傷したという。
ところで浅い睡眠や一定の酸素不足,発熱、時に薬剤で生じる意識の混濁・混乱はせん亡と呼ばれる。かって99才のおばあさんは、庭に何十匹ものサルが攻めてきたと言って、長いホウキを手に一人で立ち向かった。ひるね直後のせん妄で、夢と現実の混乱が鮮明な幻覚を生んだと考えられた。往診に伺うと、庭に面したガラス戸はすべてめちゃめちゃだった。家族は呆気に取られていたが、ふとんに戻ったご本人は、サルを退治したと意気揚々だった。普段寝てばかりいる老人でも、強い観念に襲われると信じ難いエネルギーを発揮することに驚いた。
今夜の電話の向こうでは怒鳴り声がして、奥さんの声は震えていた。ふだん電話の背後に聞こえる怒鳴り声や泣き声、あるいは悲鳴は緊張する。今夜は、出掛ける前に「優しくそばに座ってみてください。そしてそっとチューブを付けてください。駄目でもくりかえして」と告げた。患者さん宅に着いてみると家は静かだった。「いま寝ました」、奥さんの声がまだ少し震えていた。チューブはちゃんと付いていた。数十時間も眠っていなかったのだ。本人は布団にくるまり丸くなって眠っていた。
医療には薬の要らない場合もあろう。何かあったらまた電話して、と告げて出た。あられ混じりの風雨のなか、奥さんが傘を差して車まで付いてくださった。
菱ケ岳
午後から晴れ間が出ましたので母と上越市安塚区にある菱ケ岳を見に行きました。以前から続いている秋の年中行事です。昔はブナ林の道を杖を頼りに100メートルを歩いた母も二度の骨折で今は車椅子。さらに、山の紅葉を見るには上を向く必要があります。しかしこれが年寄りに辛いので,おのずと車中で昔話が続きました。 以前、昔話はイヤでしたが、今はいくら聞いても飽きることがありません。
たとえば、母の故郷である肥前大村藩の奥方が道中で湖畔に咲いてる花を所望した。お女中が花を取りに向かったがそれきり帰らなかったという。水に沈んだの?と聞けばそうかも知れないと言い、何処かへ逃げたの?と聞けばそうかも知れないという答。こんなゆるい問答が楽しく、大村藩というエキゾチズムも新鮮なのです。
別の話では、生家の近くにほこらがあって、寝小便にご利益があった。ある日、五つ違いの幼い弟が、たまたまほこらに参る妙齢の女性を見た。女性が帰るのを待って弟がほこらへ行ってみると24ヶのおだんごが供えられていた。そこのほこらでは年の数だけお団子を置いて願をかける。弟は得意げに知らせたが、姉である母は気の毒で弟のようには笑えなかった。
こんな話を沢山聞いて帰りました。3時間余の道中の小用を心配して、妻は予め母の尿パットを特別大きいものにしましたので助かりました。帰ってから「ずいぶん私も惚けたでしょう」と93才の母。確かに自分の話はよくできるが、人の話の理解はかなり落ちてしまった。しかし私はそれで十分だと思っています。
NPOゆきのふるさと安塚の平野さん、以前ご案内いただいた花をまた見てきました。棚田の整備も進みましたね、頭が下がります。
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菱ケ岳 | 遠く米山 |
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リンドウ | 梅鉢草(ウメバチソウ) |
トキが日本海を渡った?
放鳥後のトキについて驚くようなニュースが昨晩ありました。一羽のトキが海を渡り本土の新潟県胎内市で見つけられたらしい、ということでした。個体の識別に染められている色彩マークも見られ、佐渡でこれまで未確認だったうちの一羽の可能性があるそうです。
胎内まで直線距離で90キロと聞きましたが、にわかに信じられませんでした。地図でみると胎内市は放鳥された佐渡のほぼ真東、地図に向かって右真横にありました。相当な距離です。季節風である一定した西風を使って渡ったのでしょうか。本土を目指して真南(地図で真下)に向かうように飛べばうまく西風に乗って成功した可能性があります。このような飛翔はかなりの揚力が得られ、抵抗も少ないからです。
本当なら若鳥らしいナイストライ、素晴らしいことです。しかし一羽では寂しいでしょうし、成長や結婚?なども色々心配です。まず果たして事実はどうなのでしょう。
可愛い園児
長い晴天がようやく雨に変わりました。午後1時から近くの保育園で健診をしてきました。100人も続けて診ますと聴診器でひどく耳が痛んできます。しかし子どもたちのまぶしさは心地よいものでした。
10年前に比べてゼロ才児がとても沢山になりました。この小さな児たちの健診の終わり頃、年上の児たちが入室してきます。すると入って来た小さなお兄さんお姉さんは、保育士さんに抱かれているゼロ才児を次々に撫でたり頬ずりをしたり、抱こうとしました。自分もまだ赤ちゃん風なのに下の児を可愛がることが嬉しくて仕方がないという顔でした。
子どもたちの情景をみていて、皆ずっとこんな優しい人間でいてほしいと、祈るような気持ちにさせられました。
秋雨の保育園
頑張るトキたち
さる9月25日の放鳥から3週間が経ちました。昨日のテレビは、田を突っついてドジョウを食べるトキの映像をしっかり放映しました。とても見事な映像でした。この時期のドジョウは田にもぐっているそうです。トキはくちばしを泥の中深く入れて器用に餌を捕っていました。10分間に12匹も食べたということ。あの長く曲がったくちばしが餌とりに好適なんですね。それに人工的な餌場であるビオトープに飛来したことも頼もしい話題でした。この勢いだと餌場をもっと増やさなくては、と地元の方が仰っていました。
環境省の放鳥トキ情報は毎日更新されています。送信機を付けたno1,4,6,9,11はしっかりと確認されてます。また付けていない13,15も極めて元気のようです。しかし付けていない残りの3羽のうち二羽の安否が確認されていません。やや気がかりです。
一方でこれまでばらばらだったトキが、2羽いっしょに居るところを目撃されたと報道されました。群れはトキの命。うれしい知らせでした。
私が好きなno11。よく頑張っています。
(環境省 関東地方環境事務所・佐渡自然保護官事務所のページより)
私のトキノート。毎日トキ情報を見て付けています。
海
連休の最後日、若い身内と近くの上下浜の海へ行きました。よく晴れて風もほどほど、いい海でした。波は面白く、走ったり物を投げていた子どもさえ、最後は飽かず海をながめていました。
帰りの道中で魅力的なオブジェを眼にしました。一つはガウディ風?一つは前衛風?若いカップルが作ったのでしょうか、仲良く並んだ作品はかなりでしたね。作者の方ありがとう、またぜひ作ってください。
そしてつきあってくれたスーちゃん。九戸浜の「どんどの湧き水」に立ち寄った時、「トトロの森みたい」と言ったのはとても良かったです。
種でトキ
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山芍薬の種 |
一応トキです |
昨日、今日とトキの報道がない。あれだけ熱心に始まったのにぱたりと途切れてしまった。良い事、悪いこと、何かあったのかもしれない。少々寂しいので昨日採れた花の種をピンセットでつまんでトキに見えるように並べてみました。
さて、昨日採ったのは紅山芍薬(ベニヤマシャクヤク)の種です。この花は数年来バイオ技術の進歩で育てやすい苗が買えるようになりました。拙庭でも今年、4株ほど咲いて結実しました。初夏に終わったそれぞれの花は、中に30~40ヶの種が入ったサヤを3ヶほど作ります。種には赤と濃い青の2種類があって、赤は私たちの歯のような形、青はまん丸です。変わったことに赤は青を引き立てるための添え物で、青がちゃんとした種ということです。秋を迎えると閉じていたサヤが開き、2色の種が華やかに顔を出します。日ごとに開くサヤは最後にめくれて、種を地面に落とします。落ちる前、サヤに詰まった種は毒々しいほど目立ちますので鳥の気を引く戦略も見事です。さらに青い種は少しの傾斜でもころころとよく転がりますので、遠くの自生地を求めるのに便利です。生物の工夫は形に反映され、それが見た目にも良くていつも感心させられます。せっかくの種ですから撒いてみますがなかなか難しそうです。
トキ、一夜明けて
ちゃんと食餌ができたのかやはりトキが心配だった。安否も確認されず、だめだったかなとも思った。そしたらようやく夕刻のニュースで森を背景に飛ぶ映像が出た。風雨の一夜をやり過ごして飛翔するトキたちにあらためて野性を見る思いがした。数羽が確認されたものの、まだ群にはなっていないようだ。
今後きびしい空腹がさらに彼らの野性を呼びさますのかもしれない。そしてたら果敢に餌場に向かってほしい。負けるなトキたち!
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