菱ケ岳

2008年11月1日(土曜日)

 午後から晴れ間が出ましたので母と上越市安塚区にある菱ケ岳を見に行きました。以前から続いている秋の年中行事です。昔はブナ林の道を杖を頼りに100メートルを歩いた母も二度の骨折で今は車椅子。さらに、山の紅葉を見るには上を向く必要があります。しかしこれが年寄りに辛いので,おのずと車中で昔話が続きました。 以前、昔話はイヤでしたが、今はいくら聞いても飽きることがありません。

 

たとえば、母の故郷である肥前大村藩の奥方が道中で湖畔に咲いてる花を所望した。お女中が花を取りに向かったがそれきり帰らなかったという。水に沈んだの?と聞けばそうかも知れないと言い、何処かへ逃げたの?と聞けばそうかも知れないという答。こんなゆるい問答が楽しく、大村藩というエキゾチズムも新鮮なのです。
別の話では、生家の近くにほこらがあって、寝小便にご利益があった。ある日、五つ違いの幼い弟が、たまたまほこらに参る妙齢の女性を見た。女性が帰るのを待って弟がほこらへ行ってみると24ヶのおだんごが供えられていた。そこのほこらでは年の数だけお団子を置いて願をかける。弟は得意げに知らせたが、姉である母は気の毒で弟のようには笑えなかった。

 

こんな話を沢山聞いて帰りました。3時間余の道中の小用を心配して、妻は予め母の尿パットを特別大きいものにしましたので助かりました。帰ってから「ずいぶん私も惚けたでしょう」と93才の母。確かに自分の話はよくできるが、人の話の理解はかなり落ちてしまった。しかし私はそれで十分だと思っています。

 

NPOゆきのふるさと安塚の平野さん、以前ご案内いただいた花をまた見てきました。棚田の整備も進みましたね、頭が下がります。

       
菱ケ岳 遠く米山
   
    
リンドウ 梅鉢草(ウメバチソウ)
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