インフルエンザ

2009年1月30日(金曜日)

 1月半ばから、当地でもインフルエンザが猛威を振るっています。タミフル耐性(効かない)が一部言われ、緊張します。一方、経過中の脳炎、異常行動へのご家族の不安や、一歳未満児へのタミフル投与は変わらぬ課題です。このことで身近な経験がありましたので記し、全体の感想を述べてみました。

 

【一歳未満児へのタミフル】
 薬品発売元の見解は、一才未満児にタミフルの有効性は確立していない、控えて、という主旨です。
ところで先日、生後10ヶ月で40度を越える発熱のお子さんが見えました。悩みましたが、クループという気になる兆候が見えましたので抗菌剤と共にタミフルを使いました。
念のため1日目に2回、ご家族に電話で様子を尋ねました。初回の服用後2時間ほど経って嘔吐があったと聞き少々心配でした。しかし以前から咳こみの際、嘔吐はよくあるということ。「効果を期待して続けましょう、何かあったら連絡して」と伝えました。
翌日の昼、随分元気になってきたと知らされ、ほっとしました。経過は順調で、タミフルを最後まで続けました。 

【脳炎、脳症の心配】
 昼にタミフルを服用した園児が夕方さらに熱が上がり、「奇妙な独り言を言い始めた」と親御さんから電話。
「高熱や昼寝の目覚め前後に、うわごとを見ることがある」、「念のため冷たいお水をあげてみて」とお話しました。
翌日お母さんが来院され、「昨日はお水ですぐしっかりした。今度はこの子が発熱」、と別のお子さんを連れてこられました。ご家族も大変ですが、お母さんに前日よりたくましい印象を受けました

【全体の感想】
一才未満といえど、心身の反応は数ヶ月単位で変化し発達します。この期間のタミフル使用にもっとこまやかな見解を期待したい。
・脳炎、異常行動の備えでは、当然ながら観察の大切さを実感します。
・日本はタミフル頻用の国、一方で流行は深刻。常に確度の高い情報が期待される。
・現在、ワクチンの手応えがいまいちで、やや気がかりです。
・6人中5人のご家族が一気に発症するなど、確かに近年にない強い流行です。
・今のところ高齢者の方たちが比較的お元気なのが幸いです。

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