「絵付け陶芸三人展」から その2 鈴木秀昭さん。

2023年10月24日(火曜日)

現在樹下美術館では10月19日~12月12日の「絵付け陶芸三人展」を開催しています。本日は前回の正木春蔵さんに続いて三人の一人鈴木秀昭さんでの紹介です。

亡き齋藤三郎に代わる焼き物を求めて、しかもどうしても絵付けでなければならず、出会った正木春蔵さんに親しむうち、ふと舞い込んだ展示会のDMは鈴木秀昭さんでした。

DMの作品は抹茶茶碗で、器の全てが色絵と金銀彩のドット(水玉、点)で埋め尽くされ、衝撃的でした。主催者に電話し是非欲しい、と伝えると展示会後しばらくしてまさに現物が届きました。鮮やかな茶碗はほどよい重さで広やか。置き方によって一つの器に昼も夜もありました。

日本の絵画は間や空間を強調します。しかし隙間無く描き込まれた鈴木さんの茶碗は、器の内外に凝縮し拡張する壮大な宇宙がありました。
その後折々各地の作品展のDMが届き、どうしてもと思う作品を打診しました。作者のご好意もあったと思いますが、良い作品に恵まれて幸運でした。

向こう「金彩華花銀河茶碗」、
手前に上述した「金銀彩星座茶碗」
向こうの器の白い肌も美しい。

向こう「宇宙綺羅星茶碗」
手前「金銀彩幾何宇宙茶碗」

上掲写真の綺羅星(きらぼし)茶碗は私の不用心で破損させてしまい、金継ぎをして修復してもらいました。
手前の茶碗はかって新潟市で裏千家茶道坐忘斎お家元が座られた薄茶席で、恥ずかしくも小生がお点前し、主茶碗(おもぢゃわん)としてお出ししました。
家元の優しさに我を忘れて夢心地となり、何とか無事終了させて頂き、終生忘れない思い出の茶碗となりました。

色絵金銀彩の酒器と盃。
オリエントの悠久が覗われます。

色絵金銀彩天空茶碗。
昨年求めた最も新しい作品。

上掲の茶碗は神戸の展示会DMで知りました。求めたいと伝えると、店はこの茶碗で呈茶を催す予定があるが構わないかと遠慮がちに申されました。構わないどころか、一人でも多くの人に楽しんでもらってくださいとお伝えしました。

1959年東京都生まれの鈴木秀昭さんはアメリカへ社会学の留学をしましが陶芸に目ざめ、九谷で修行。宇宙や曼荼羅をテーマにした色絵金銀彩は注目を集め、内外の展覧会で好評を博し多数の美術館で収蔵されています。伊豆を仕事場に器とともにオブジェも大切なフィールドです。

この度の展示では5つの展示台に10の鈴木作品を出品しました。

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