空・海・気象
見納めでもいいという夕焼け
今日は雨を待って空が気になっていた。夕食中、カーテンを開けると東の空に小さな虹が出ていた。以前、不安定なお天気の夕刻に虹が出て、素晴らしい夕焼けがあった。
「海へ行ってみよう」と妻に声を掛けて食事を中断した。車で着いた近くの四ツ屋浜はまあまあの夕焼けだった。それでも妻は喜んで、今度ここで夕焼けを見ながら食事をしたい、と言った。
日も沈んで、そろそろ帰ろうというころ、佐渡の方がきれい、という声で振り向いた。北側が赤々と染まっている。出て写真を撮り、車に戻ってカメラを片付けていた。
「凄くなってきたわ」、とまた妻。
見れば一面の群雲に鮮やかな陰影が付き、強くオレンジ色に輝やいている。わずか1,2分だろうか、息を飲むような夕焼けが展開された。
「これなら末期(まつご)の眺めでもいい」。
三人の老親の間で何かと多忙を極める妻は、まじまじと夕焼けなど見ることが無かったのだろう。食事を中断して見に来てよかった。
夕焼けならこれからもっと素晴らしい日があろう。そんな日にこの丘で食事をするのはいいかもしれない。私は飲めない口だが、その時は代行を頼もう。
帰って食卓に戻ったが、もう十分だった。
今日は小千谷からもお客さんがお見えになった。私の植物画やシーグラスの絵はがきが一週間で150枚ほど出たと聞いた。
子どもはただ楽しければよかった。
熱風の一日、鵜の浜温泉の通りは水着の人で賑わっていた
子どものころの自分も夏は一日中海だった
もぐって小魚を突き、ぷかぷか浮かんで夏雲を見ていた
子どもはただ楽しければそれでよかった
今日の大潟区の道と雲
梅雨の晴れ間に夕焼け
漁船の集魚灯が一つ
梅雨入りが報じられたが、今日の当地は夜半から朝にかけて降っただけだった。
夕食を終えて気がつくと障子が赤々と染まっていた。急いで行った四ツ屋浜から見る海は感動的な夕焼けだった。北の方角には紫がかった佐渡の島影が静かに浮かんでいた。
今まで何度か書かせていただいた通り、自分は何十年来旅行らしいものをしていない。それで今夕の夕焼けなどを見るにつけ十分に有り難くなる。
昨日、存在するものは旅をすると書いた。しかし上記のような毎日は私にふさわしい旅だという実感がある。出掛けない者にも旅があるとすれば、時間は全てのものを旅させていることになろう。はたして旅とは、、、。
さて夕焼けの良いところは、「また明日!」と言うようにすーっと終わってしまうところだ。また、これだけダイナミックな瞬間なのに、テレビと違って音楽もなければ全く音がしないのも素晴らしい(時に波音、風音、ねぐらに帰る鳥の声はありますが)。
高岡からのお客様、そしてシーグラス
北陸も梅雨入りと報じられている。北陸地方である当地上越市は久しぶりに一日曇り空、なんとか雨は避けられた。
今日は富山県高岡市からご家族のお客様があった。ホームページをご覧になって訪ねて下さったようだとスタッフから聞いた。展示とカフェを喜んで下さり、窓口で弟の本「フォルテシモな豚飼い」を求められ、シーグラスの絵はがきも沢山お買い下さった。その後、当館でお世話になっているラ・ソネさんへ向かわれたという。
ところで樹下美術館の窓口カウンターには他の施設のイベントチラシ類が置いてある。それらの一つ一つの重しに大きめのシーグラスを乗せている。
高岡からのご家族に10才くらいのお嬢ちゃんがいらして、シーグラスをとても気に入られた。スタッフがどうぞと勧めると、手に取られたのが写真のグラスだったと聞いた。
高岡へ旅立ったシーグラス。長径4㎝くらいだったろうか。
一連の話はみなうれしかった。シーグラスの方は海岸で見つけた時の写真がパソコンにあった。去年11月21日の日付だった。
海を旅したガラス片が年月をかけておだやかなシーグラスになる。それが近くの海岸で私と出会って樹下美術館の窓口へ。そして今日、高岡の少女に気に入られてまた旅立った。
存在するものは旅をする、、、。これは万物の法則かもしれない。ちょうど、7年の奇跡の長旅を終えた小惑星探査機はやぶさがオーストラリアでカプセルを落とす時間になった。
海を旅した陶片の女の子
食事の部屋の書棚に海へ行った時に少しずつ拾った陶片が置いてある。シーグラスと同じで、海に捨てられた茶碗や皿など(またそのかけら)が海底を旅して割れて細かになり、角がとれたものだ。おしなべておだやかな形状になっている。
なにしろ海はあらゆるものを揺すって揉んで洗う。固くトゲトゲしたものなどみな小さく丸くする。最後は砂にそしてミネラルまでしたいのだろう。ありあまる時間と何かのはずみで命まで作ってしまったのだから、海のなんという根気と力だろう。
いっぽう地上は社会などもあって複雑だ。しかしそこで我々も海と同じようにゆすられ揉まれ洗われる。最後はやはりミネラルだろうが、できれば文化を創ることを期待されている。偉そうにする必要はないが、茶碗と私たちの違いはそのへんかもしれない。
さて昼食後、何気なく陶片をみていると一つのかけらが気になった。
手に取ると突然女の子の顔に見えた。上目づかいで真剣に前を見ている。あごから頬の線も愛らしく愛着を覚えた。
不思議なもので一度そう見てしまうとあたかも女の子が描かれたような気がしてくる。実際は波、渦巻き、秋草などが描かれているようだ。
かけらと私たちは異なる存在だが、こうして楽しく出会えるのも何かのおぼしめしにちがいない。
顔・長径3,5㎝ほど
裏側・高台があり、大きめの皿のようだ
いつまでも
赤い夕陽の海を歩いた。砂浜にハートマークが残されていた。良く出来ていて二人の思いが伝わる。
きっと波にさらわれてしまうことでしょう、よかったらまた来てこしらえてください。通りすがりの私まで幸せな気持ちになりました。
パットブーンの砂に書いたラブレター
※ 結局今日は三つも記事を書いた。
海にも休息
仕事休みの夕刻、海へ行った。冬の荒々しさを脱ぎつつある海でカモメが行き交っていた。ゆっくり立つ波の色が深く清潔だった。
長かった大荒れの冬。海は海岸の砂からゴミまでを飲み込んでは吐くことを繰り返していた。また強い波浪には自身の撹拌もあるのだろう。ごーごーと三日三晩荒波を打ち続け、少し休んでまた繰り返す。それを今年は4ヶ月余、、、。
今ようやく浄化や再生の激しい作用を終えて、海に安堵の気配だった。
以前少し似たことに触れたが、海に睡眠を思わせる役割を想像してしまう。環境のつむぎ直し、浄化、生成。同じ作用が我々にも及ぶことがありそうだ。森もよく似ている。
間もなく穏当な春が来るはず。森は冬や夜間は眠っているように見えるが、海は昼夜休み無しだった。これからあの春の曲のようにゆっくり休むのだろう。海と森は季節的にも連携して役割を担っているようだ。
初海
午後から新型インフルエンザの集団予防接種があった。小3までの児童に三人の医師で当たった。頻回の予防接種を受けているせいか、泣くお子さんが少ないように感じた。
時代を反映しているのだろう、子どもたちの服装が少し地味になったように思った。しかし皆すらりとして足が長く、ブーツが似合って格好良かった。
のびのびと波を打ち返す海。
夕刻、今年初めての海へ。荒れるだけ荒れた後でおだやかな表情だった。例のリューボは姿を消していた。あんなに高い所までまた波が来たに違いない。今どうしているのだろうか、再び現れるなら凄いことだ。
海を歩くのはもう一つの睡眠?
連休最後の夕刻も海へ。
荒れたがる海を夕陽がなだめていた
ゆっくりと変わる雲と陽の色,飽かず打つ波
海は命のみなもと、絵画も音楽もなにもかもの
向こうから犬を連れて現れたのは古い同級生だった
そしてリューボも入り陽を見ていた
海を歩くのはもう一つの睡眠のようだ。
渚のリューボ
連休のなか日。在宅で重症の方を抱えているので外出は近くだけ。それでも小康を見て携帯持参で海へ赴いた。
晴天の海で一体の老いた流木にまた出会った。この流木は先週の日曜日,波打ち際で見ていた。それが今日は砂山の上の方に横たわっている。あれからさらに海が荒れて、上へと押しやられたのだろう。
先週の写真
実はこの流木を見たのは今回が初めてではなかった。今年の三月頃、荒天続きの後にちょうどこの辺りで見た。それがいつしか居なくなり、半年以上も経ってまた現れた。とても不思議に思ったが、再会を喜ぶことにした。
今日の様子
春と比べてやや色あせているが、さして傷みもなく言うならば元気そうだ。ぐるっと回って眺めると、ただの流木とは思えなくなってくる。心なしか暖まっているようでもあり、海を懐かしむ風でもあった。さて今度はいつまで居るのだろう、試しにリューボと名付けてみた。
追加です:今夜、天地人が終わりました。欠かさず見ていた訳ではありませんが、最後のシーンはうるうるとしました。 峠で景明の位牌に「越後じゃ、我らのふる里じゃ」と言う兼続。直江家の終わりをお船に告げる兼続。ドラマと分かっていても、すがすがしさに涙が出ました。一応ファンにさせてもらった景虎も今は懐かしく、ゆかりの鮫ケ尾城跡は間もなく雪に覆われることでしょう。
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