強風の一日 アンドリュー・ワイエス。

2013年10月26日(土曜日)

見違えでなければ、当初の報道で台風28号の気圧は905hPaというとんでもない勢力だった。それが27号と仲良くなると、どんどん遠くへ去ってしまい、やれやれだった。

それでも仕事場の上越市大潟では朝から風強く、寒さが増して夕食にはストーブを出した。

荒天の日本日夕暮れ間近の四ツ屋浜、晩秋へ足が速い。
晩秋の避けがたきかな草に風

私は地元以外にさほど各地を知らない。狭い視野で毎日のように上越市は頸北地域の一部を見ているが飽きない。似たような雰囲気でもっと素晴らしい所があるに違いないと分かっているが、懐かしさがそう思わせるのだろう。

生まれ育った土地の海辺や水田などを毎日のように写真に撮る。特にブログを書くようになってそうになった。ブログの恩恵の一つだと思う。

ところで上掲の場所は一種アンドリュー・ワイエスの絵を時に連想させる。彼の絵は、人物や動物も登場するが当地とはスケールを異にする広大な大地における静寂ないし寂寥、風が描かれるなど独特の魅力がある。

拙文)
そもそも風景の感動は〝きれい〟ばかりではない。
孤独、荒涼、、、いずれも訴える力を有している。

それで言えば荒れる日本海は他に代えがたい風景であろう。
今から35年も前、思いもよらぬ長い孤独にさいなまれることになった。孤独な人間が安心して行ける場所があれば、とよく思った。
当時柏崎の先から出雲崎あたりまで日本海に面して一種草地の断崖が続く丘陵地は素晴らしいと思った。。
ここに一人旅向けの小さなホテルを建ててみたい、と本気で考えた。10年ほどの間に何度も土地を見に行った。

佐渡は近く、昔は良寛なむ人も歩いた。どんな季節も良いはずであろう。なかでも晩秋から冬期、大きなガラス窓の向こうに吹雪の荒海がみえる。静かで暖かな室内はモーツアルトあるいはバッハ、フォーレやドヴォルザークなどの音楽が密かに聞こえる。
食事はこじんまりした和食のレストランで白木のカウンターを囲む。各自が選んだ新鮮な魚介と野菜を料理人さんに熱い湯でサッと茹でてらう。もちろん天ぷらも良い。

さすればさほど飲めない人にも地酒はどんなに美味しかろう。

荒海の向こうにわずかな茜が射すならばこの上ない旅情にちがいないない、、、。

いつしか時が経ち2007年6月、それが樹下美術館に変わった。

 画集表紙アンドリュー・ワイエスの画集
樹下美術館のカフェでご覧になれます。

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