2014年1月20日

昭和天皇巡幸 幼年からの時間 日頃の時間。

2014年1月20日(月曜日)

寒くなってインフルが少しずつ始まった。本日は16才の学生さん、50代のお母さん、超高齢者の方にインフルエンザ薬をお出しした。

夕刻の在宅行で信越本線の跨線橋を渡るときに淡い冬の陽を見た。帰りに車から降りて写真を撮った。
雪の中、線路が西に伸び、松の木や雑木林が見えた。

巡幸の場所信越本線の直江津方面を見る。
右の高い松が見えるあたりに細い道が切れていて、そこから線路脇に出て皆で整列した。

かつて一帯は背の高い松林だった。
小学生1,2年生の頃(と思っていた)、すぐ近くの分校から松林の小道を下りて線路沿いに整列した。
巡幸される昭和天皇をお迎えするためだった。

長々と待ったような気がする。
ようやく現れた列車を見て緊張と興奮に包まれた。
シュッシュッポッポ、ガタンゴトン。
立派な車輌に目を凝らしたが陛下の姿は見えなかったように思う。
それでも私たちは列車に向かって「ばんさい、ばんざい」と大声をあげた。

この日のことはずっと小学1,2年生だったと思っていた。
ところが本日念のため昭和天皇巡幸、新潟県、を検索すると、昭和22年10月と出ていた。

当日の自分は5才8ヶ月の園児だったことになる。
分校のすぐ近くの西念寺さんがされていた託児所から、松林を下りて行ったのだろう。

空腹と漠然とした不安に包まれて過ごした幼年時代。
わずかな思い出も空も当時の写真同様モノクロだ。
本日の冬陽と線路を見て、ふと遠い日が蘇った。

線路の脇に居たであろう幼い自分。しかし以後長い時間が経った実感がない。
66年の歳月とは、ばんざいを叫んだ所から今いる橋までのわずか100メートルを、
一瞬のうちに移動しただけだったのか。

空虚で奇妙な時間感覚。
それに較べれば、診療し美術館の事を考え、絵を描いている今の時間の方が
当然ながらよほど手応えがある。

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