頸城野点景
白鳥はコブハクチョウだった。
木曜日は午後からの休診日。昨日一羽で佇んでいた白鳥が気になっていたので見に行った。昨年2月、病んだオオハクチョウを保護していただいたのもすぐ近くだった。
昨日はじっとしていたが、今日は刈り田に入って僅かの穂を食べていた。穂は空なのに一生懸命嘴でしごくようにして食べる。あるいは水際に来て草の根をついばんだ。この程度のもので満たされるのだろうか。
近寄っても飛び立たず、小さな声でフーと啼いて威嚇した。そばに寄るととても大きく感じる。哀しげにも、悠然としているようにも見える。もしかして病んでいないのかもしれない。
ちなみにコブハクチョウは公園などの観賞用としてその昔ヨーロッパから移入されたものだという。野生化して地域に定着したり、大きな群を作らず優美で、人に慣れているものが多く、時には餌をねだったり、時に威嚇攻撃することもあるらしい。
今年8月に近くの大潟大潟水と森公園で一羽のコブハクチョウを見たが、この個体はそれなのか。
設計家大橋秀三さんのこと 初冬の高田公園。
この二日間、しばしば雷がごろごろ、しかも非常に大きな音で鳴る。気温が下がり冬に向かって季節の足は速い。
午後、建築関係の方たち10名様が、当館の設計士・大橋秀三さんとともに来館された。私の話も聞きたいということで顔を出した。
なぜ大橋秀三さんだったのか、という急所の質問を受けた。
答は非常に簡単。ある会合で出遭い、その時「とても格好良かったから」とお答えした。設計、施工管理のお付き合いにおいて確かに色々あった。しかし案の定、氏の造形感覚、個性、根性、そしてヒラメキともに尋常ではなかったこと、無二の出会いを幸運に思っていることをお話した。(褒めすぎ?)
夕刻油絵の具を買いに髙田の大島画廊さんへ行った。頸城区の田んぼに多くの白鳥。(近づくと首をもたげて警戒される。この4~5倍の数がいました。)
髙田公園はスケールが大きく、四季折々に立派な見どころを有している。今後新たなハコモノで邪魔などせず、麗しさの維持管理でまこと十分に思われる。
公園+会館(ホール)は旧常識かもしれない。
海は荒海 山からなめこ。
移りゆく秋、過ぎた季節を思う間もなく雪を心配しながら冬仕度が始まる。
本日の駐車場。連日吹かれるが、荒海を見にくる車や温泉宿にも来客がある。
本日は上越市牧区(旧牧村:村の方がはるかにイメージが広がる)府殿の縁者から沢山ナメコが届いた。
「まだいっぱい採れるでね」と電話の声。
赤とんぼの群。
先日赤とんぼの群をあまり見なくなったと書いたところ、本日午後3時すぎから美術館で賑やかな群と出遭った。
穏やかに晴れた今日を選んでやってきたことだろう。夏は涼しい山で過ごし、秋は里へ下りるという。水気無く何グラムもない小さな生き物が、飛翔しまた休む月日。終止無言なのもどこか神秘的だ。(沢山いるので、どこにピントをあわせたら良いのか迷いました。)
吉川区町田の焔魔堂 尾神は拝み?
快晴の一日は体育の日。
午後、上越市吉川区の尾神岳へパラグライダーを見に行くため町田集落を通った。そこで焔魔堂(えんまどう)の看板が目に入った。何度も通った所であり話は聞いていた。何故か本日、気になって初めて寄った。
西願寺の方がお堂を開けて下さった。堂内中央の閻魔大王は力士の風貌で、幾分優しさを含んでいたが、右隣の葬頭河婆(しょうづかのおにばば)が恐かった。婆の前には「浄玻璃(じょうはり)」という死者の生前を写す鏡がある。
鏡の支え棒には「業の量り」という天秤が付いていて、片方に裸にされた人間が、もう片方に石がつり下げられて悪事の重さを計っている。婆の調べは万全なうえ、何よりもその顔は諦めるほか無いほど恐ろしいのである。
大王の左側に菩薩と書記がいる。弁護の役をするとパンフレットに書かれていた菩薩は、大変に姿が良かった。各像の作風は室町時代初期のものと、あった。
とにかく明日からまた心して生きよう、来て良かった。私は子どものころから弱虫なのである。
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尾神岳は山頂までの予定だったが、二カ所の神社を初めて訪ね、見慣れた野仏や番所の祠を見て回った。妻と約束していた食事の時間が迫ったので、途中の用水池を撮って帰った。
予約していた門前のレストランは初めて。ブイヤベースのコースを選んだ。味、見た目とも吟味されて楽しめた。庭の手入れや館内のしつらえ、スタッフの対応も良く、樹下美術館も日々新鮮でなければと、勉強になった。
本日寄った他の社など別の機会に記載してみたいと思う。尾神岳は大神岳とも伝えられるようだが、拝み岳でもあろうと感じた。
樹下美術館は地元上越市のほか新潟市、長野市、三条市からもお客様が見えられたという。
本当に有り難うございました。
感動 えちご・くびき野100㎞マラソン。
本日第9回えちご・くびき野100㎞マラソンがあった。私の仕事場も通過するが、時間をみて見晴らしの良いいつものマリンホテルや、暮れた大潟の第4関門へ行ってみた。
期待した夕焼けにはならなかったが、見慣れた風景の中を走り去るランナーを目の当たりにして、とても感動した。
本大会をしっかり見たのは今日が初めてだった。ランナーはここまで何十キロもの山道、いくつもの険しい峠を越えている。信じがたいほどの脚力と精神力に驚かされた。疲れの見える人には「もう少しです!」と声を掛けさせてもらった。
印象的だったのは女性の元気、年配ランナーの頑張り。そして時間切れとなった方も含め10人十色、ひたひたとした人間力だった。
当大会は多くの人が関わることによって、上越市で最も充実したイベントになっているのでは。私は走れないが、次回もぜひ見たい。但し事故無きことだけは願って。
マリンホテルハマナスの雲 鳥は墜落しないが飛行機は墜ちる。
晴れると海へ行ってみる。大潟区四ツ屋浜、鵜の浜、柿崎区上下浜は仕事場から車で5分以内なので便利だ。
午後の雲が良かったので上下浜へ行った。腕はイマイチだが雲を背景にした丘のホテルは、やはりフォトジェニックだ。
間もなく頭上にトビがやってきた。トビはBlack Kiteといい、8月に撮影したミサゴはOsprayというようだ。
トビはBlack Kite。手のひらのように分かれた風切り羽が美しい。
今年8月、吉川区のミサゴ Ospray。急降下して獲物を捕るイメージから、物議をかもしている飛行機はオスプレイと名付けられている。
おそらく鳥は墜落などしないだろう。しかし誉れ高い先端文明の飛行機や原子力発電所は墜落や爆発を免れない。深刻な代償を内包するものを、発展や進化だと言うのは大丈夫なのだろうか。
秋 モノクロから鮮やかな夕焼けへ。
台風が去って三日目となった。よほど大きい台風だったのか、なかなか快晴とはならない。
それでも日中に晴れ間が現れるようにはなった。
夕刻、在宅回りの水田はモノクロだったが、わずか一時間後の海で鮮やかな夕焼けが見られた。
麗しい人の美田 上は何を見ているのだろう。
かって樹下美術館をお手伝いしてくださった方が、米の生産農家をされている。
美しい彼女が営む農業、ひとしお麗しく感じられる。
稲穂が添えられた新米、昨日20キロも頂いた。
やっと抱えて机に乗せて写真を撮った。
彼女彼氏らによってなんとか田は守られ、魂こもった日本の美的景観が保たれている。
ところがその国家の肝要と魂を、TPPなどと言って殺伐の相場へ引きづり出そうとする。
ふと見れば国道、県道、市道、その歩道も処々に草がボーボー。
これが「活性化、もてなし」。道ばたのバスまで食いつく葛(くず)。
葛、蔦は若木や在来種の緑という緑に覆いかぶさり、際限なく侵食し続ける。
風情なきセイタカアワダチソウとクサギの異形が環境のすさびを促す。
緑やつれ足許は草ボーボー。何が「美しい国」、何が「活性化」、何が「もてなし」。
日本の上は何処を見て何を言っているのだろう?恥ずかしいことだ。
麗しい人の話が最後は愚痴になった。この国は何事につけ、あまりに民と上が離れているからにちがいない。
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