こたつのホゾ 何かしらの役割

2011年12月3日(土曜日)

夕刻から雨風が強まったが、気温はさほど下がらない。それでも家々ではコタツが出たりストーブが出ている。

 

「忙しいですか」、日頃あえてお年寄りに尋ねてみる。すると一瞬エッと驚かれ、すかさず「アハハ、草取りくらいですわ」などと返る。この時、どこか嬉しそうなお顔になっているので張り合いだ。あるいは嫁が仕事をさせてくれない、と返ることも少なくない。それはそれで愚痴めいた話をしてもらう。

どうしてますか、に対してこれから以下の答えが多くなる。

「コタツのホゾですわ」

「コタツと相撲とっています」

「コタツにしがみついていますわ」

「コタツ番です」

 なるほどなるほどうまいな、と感心する。自分の立場や時間を笑ってみせるのは立派な文化だ。 

 

母が居た頃、出来ないと分かっていても外出には「留守番たのむよ」と言って出た。

すると寂しい顔もせず「はい行っておいで」、とかえって機嫌のいい返事になった。

人はいくつになっても、たとえうまく出来なくとも役割を喜ぶにちがいない。

 

母と飲んだ紅茶
今は懐かし、昨年5月に樹下美術館で母と飲んだ紅茶。

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