2011年12月16日

トイレが追加されます 

2011年12月16日(金曜日)

ご心配をおかけしています大潟小学校が休校に入って二日目。全校消毒も完了し、生徒への聞き取りで感染は急減しているということだった。休校が解かれる明後日からは終息と言える状態になることを願わずにはいられない。

 

懸案のトイレについて、本日学校関係者が見えて増設の対応案が説明された。それによると今からの新設では時間がかかり過ぎるので、現在閉鎖されている体育館のトイレを直ちに活用したいと伝えられた。

 

場所は校舎に直結していて5つの便器がすぐにも使用可能ということだった。若干数に不安はあるが、学校側は自ら考えたこととして責任を持ち、清潔を心がけ混乱の緩和に役立ててもらいたい。

 

このたびのことで、手洗いはもちろん嘔吐への適切な処理の習熟や、トイレの衛生をいっそう徹底すべきだろう。養護教員だけでなく、教師全員がひとしく当事者意識を深めることも重要だと考えられる。

 

消化器を狙うウイルスの流行はむしろこれから。苦しい経験を生かし冬から春を無事に乗り切ってほしいと切に願っている。

C群ロタウイルス集団感染

2011年12月16日(金曜日)

一昨日小生が学校医として関係する小学校におけるロタウイルスが想定される集団感染を書かせていただいた。

昨日木曜は午後を休診としているので、仕事のあと学校と教育委員会を訪れ現状の確認と対応を相談した。

 

学校では教職員、教育委員会職員、県職員によって大規模な消毒作業が行われていた。マスクにビニールのカッパは原発事故の作業を思いおこさせた。

学校関係者と面談の後、教育委員会へ向かった。医師会の事務長と途中で会い、立会人として同行してもらった。午前中に課題の骨子を同所にFAXしてあったのでスムースな対応だった。教育長はじめ5人の担当者が出席され真剣さが伝わった。

様々な情報交換と話し合いを行い、トイレの早急な増設に同意していただいた。ご理解に感謝を禁じ得ない。

 

【現時点における一定のまとめ】

●原因ウイルス:教育委員会で、その後の分析でロタウイルスはC群だったと県から報告された旨知らされた。大きな疑問の一つ、なぜ保育園でなく小学校だったか謎が解けた。
通常流行するA群は乳幼児の間で発症するが、C群は小学生を中心に年令が上がる。教職員など大人が罹患することもあるということで、現に今回は児童の親、中学生の兄なども一部罹患していた。

●発症時期と感染経路:そもそも当ウイルスの集団発症は希で、起こるとしても冬の終わりから春にかけといわれている。それに比すれば当校は極めて早く、12月だった。
経路については判然としないが、いくつかの報告のように,食品ではなく人→人の可能性を否定できない。いかに早期に対応し切るかが鍵となるが、大規模校ほど長引く可能性があろう。 

●出席停止などの対応このたび最も困難を感じたのは罹患児に対する出席停止の期間と学級や学年閉鎖の問題だった。重症度は各人さまざまだったが、下痢の十分な回復には一週間前後~10日以上は掛かっていたのではないだろうか。予想以上に長い印象を受けた。

罹患後の登校について一般に言われる主治医の判断や、完全に快復してからという原則にも曖昧さを禁じ得なかった。軽くはなったもののウイルス排泄を残したまま登校し、全体に遷延した可能性がある。今後の重要な課題だろう。

●再びトイレ:インフルエンザではおよそクラス単位、学年単位でまず発症する。しかしこのたびはクラスや学年で始まることはあっても、すぐにそれらを越えて次々と広がった。このことも不思議に感じていた。報告されている集団感染においても似たような事情が見られている。
これらは児童がある程度共通して使用するトイレが感染拡大へ大きく関与した可能性を示唆しているのではないか。特に今回は3階建ての校舎建て替え工事にって、通常よりも混雑するトイレ事情も無視できない。

●まだ油断できない:発生して10日が経過した。本日から4日の休校、その間に全校消毒である。いくつかの報告で終息には二週間から一ヶ月近くかかっている。まだまだ油断はできない。

●報告:500人を越える規模の学校における大規模な流行。無事終息したら保健所は学校と協働の後、中央の感染症情報センター(IDSC)へまとめて経緯を報告してもらいたい。

  

児童たちの無事と完全な終息を祈り微力を尽くしたい。  

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