頸城野点景

一昨日は頸城区の玄僧を抜け、吉川区の朔日峠(ついたちとうげ)を越え、浦川原区の顕聖寺で火頭窓を見て二十三夜塔と出合った。

2018年6月25日(月曜日)

かって石垣、とくにボタモチ石を興味深く見ていた時期が
あった。
ボタモチ石は終わったが、時として私にはマイブームとい
うような事が起きる。

茶花、クリスマスローズ、芝生、ガクアジサイ、ユリ、モミ
ジなど植物、あるいは焼き物や絵画や本そして雲などもあっ
た。
それぞれは数年で終わったものから何十年と続いているもの
まで色々だ。

ところで最も新しいのは火頭窓で、始まったばかりというと
ころ。
過日上越市黒井の大慈院と寺町の久晶寺で見た事を書い
その後ネットで近隣を検索すると浦川原の顕聖寺で見られる
ことが分かった。
室町時代からの名刹だという。
一昨日土曜日の夕刻、思い立って出かけてみた。

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ニラ、ニンニクの臭気と酒気をおびて入山してはいけない、と書
かれている。寺は高台にあり石段を上る。

 

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親切なことに所々平らな石版が敷いてある。その左側を小さな
流れが涼しい音を立てて下っている。

 

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石段右側の一角に真っ白なユキノシタが咲いていた。

 

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現れた大きな本堂の正面にくっきり火頭窓。

 

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左にお堂がある。

 

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そこにも火頭窓。

 

 

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禅宗様式を取り入れたという 手入れの良い庭。龍神伝説が伝
わる竜神清水と呼ばれる池と流れがすがすがしい。樹齢数百年
の立派な杉も見た。
建物には興味をそそられる文字や装飾が見られ、知る人の話を
聞いてみたいと思った。

 

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帰り道、寺を下って出合った石塔。
「廿三夜(にじゅうさんや)」と読んで調べてみた。
すると塔は二十三夜月の夕から一晩、主に女性たちが集い(講
あるいは社中として)、経を読み飲食をともにして語り過ごす
「月待ち」行事を行った記念碑だとあった。

古くは室町時代から一部で行われ、江戸時代の中後期で最も盛
んだったという。
月に関係する集まりはほかに十三夜、十五夜、十九夜などがあ
った模様だが、二十三夜は全国あまねく行われ、特に1,3,5,
11月が選ばれている。

二十三夜は下弦の月であり、それは智恵を授けることで邪を払
い幸せをもたらす勢至菩薩(せいしぼさつ)の化身として人々に
親愛され、行事は教えに従い恩恵に浴する特別な晩だったらしい。

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Wikipediaより勢至菩薩(ケルン市東洋美術館蔵)。

夜半に出て明け方まで西の夜空で煌々と輝く半月は、仏として
女性を惹きつけ心酔させる力を有していたのか。
世間と月と信仰。特に江戸時代の庶民の寄る辺なさと心映えを
思わずには居られない。

盛んだった月待ちも、明治期の急な文明開化の中で迷信とされ、
また旧歴から新暦に変わったことなどから行われなくなったよう
だ。

振り返れば去る午後遅く、玄僧という頸城区の不思議な地名の
村落を抜け、新月を意味する峠である朔日(ついたち)峠を越え
て浦川原に出、火頭窓を見ながら顕聖寺境内を巡り、「二十三
夜の月待ちの塔」と出合って帰ったほんの1時間半。
そういえば寺のずーと向こう側、川を挟んだ遠い所に月影という
村落もあったなと、思った。

偶々その日は新暦ながら6月23日だった。

久晶寺にもあった立派な火頭窓(かとうまど)。

2018年6月18日(月曜日)

去る6月12日の当ブログ(ノート)に火頭窓のある寺院
出合ったことを書いた。
後で上越市日ノ出町の曹洞宗の寺大慈院と知った。
曲線が用いられ炎のイメージがある火頭窓は明るく爽やか
で目を引く。

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過日掲載した大慈院の火頭窓。
不思議な事に頭がもやもやしていたが火頭窓を目にしたら
すーっとしてきた。

そこで昨日妙高市への用事のあと、上越市寺町通りへ入り、
短時間であるが、火頭窓のお寺を探してみた。
曹洞宗なのであるかも知れない、と期待した寺町二丁目の
久晶寺はドキドキしながら山門をくぐった。

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右手に齋藤三郎(陶齋)の記念詩文碑を見ながら進む。

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ありました。玄関両脇の火頭窓は期待以上に立派。
かって訪ねたはずなのに窓は気づいていなかった。
寺を現す卍も堂々としていて窓とバランスが取れている。

久晶寺は陶芸家齋藤三郎(陶齋)が中国から復員後、身を寄
せた所。兄泰全が同寺の住職だった。
陶齋はここを根拠に活動を始め、昭和23年隣接地に登り窯を
築き本格的な活動をはじめた。
陶齋亡き後、境内に友人、ファンによって詩文碑「此の男」が
建立されている。

火頭窓は上越市内および近隣でまだまだ沢山出合えそうだ。
何処にどんな窓があるのだろう、今後楽しみにしたい。

勇壮な雲 火頭窓。

2018年6月12日(火曜日)

梅雨入りが報じられているが日中には目立った降水は無か
った。
昼すぎ所用で出かけた道すがら四方におおらかな雲が見ら
れ、夕刻からぽつぽつと始まり、しとしと静かに降り続い
た。

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途中で見た曹洞宗の寺院の火頭窓。ぼんやりしているせい
かと思うが、当地で火頭窓を見る機会はそれほど多くない。
春日山林泉寺は正面から良く見える。
先の旅行で京都の広隆寺と高台寺で目にした。何故か昔話
のお寺のイメージがあり、この窓を気に入っている。

これからもっと注意して見てみたい。

“今のところ”順調な野菜。

2018年6月9日(土曜日)

昨年は駄目だったが今年のジャガイモはとても順調、と
趣味で畑を耕す方達の多くが仰る。
“今の所”と慎重な言い方ながら、上手く育っているらし
い。

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良く育ち花を点けたジャガイモ。

ジャガイモだけではないですよ、タマネギが良く出来、ナスも
キュウリも“今の所”良く育っている、と言う人もいる。

寒暖の具合が丁度良かったから、とも聞いた。
本日、ほんのいっときパラッと来たが、当地はまだ梅雨入り
していないようだ。
今後降り過ぎることのないよう、野菜が順調に育つよう祈り
たくなる。

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本日午後、近隣の蜘蛛が池の様子。空はかろうじて雨をこらえ
ていた。

良く晴れた大潟かっぱ祭。

2018年6月2日(土曜日)

昨日の嵐が嘘のように清々しく晴れた本日は、第32
回大潟かっぱ祭の初日だった。
当地には古くから伝わる音頭と踊り「米大舟」がある。
今年も祭で、普段は被らない編み笠を被って踊ると聞
いて出かけた。

午前の仕事の後駆けつけると、途中で音頭が聞こえ、
既に始まっていた。

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ゆっくりと一種哀調を帯びる米大舟。編み笠を被ると一段
と趣きと格調が上がる。浴衣姿とも良く合い、海の町の芸
能として保存に努力されている方々に感謝を禁じ得ない。

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林間に幾つもの広い会場に恵まれている祭。明日日曜日
夕刻まで多彩な催しがぎっしりと組まれている。

心癒やされる戸外の花々。

2018年5月28日(月曜日)

日中寒暖があり、晴れ間が多く時に雨も降る。
植物には今の気候が良く合っているのだろう。
野の草花は盛んに咲き誇りまた移ろっていく。

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一週間ほど前はハマエンドウの紫色一面だった柿崎海岸。
本日昼はピンクのハマヒルガオと白いハマボウフウが主役
になっていた。

 

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高速道路側道の至る所で卯の花が満開。

 

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近くで見る卯の花は可憐で雪のようだ。樹下美術館の卯の花
も開花寸前になっている。

 

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ノイバラの白い色も目立っている。

 

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白一色だと思っていたら、この花には薄いピンク色が見られ
た。

 

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わずかに日陰がすきなアザミ。伸び伸びと育ち開花している。

花々は食べ物ほどではないかもしれないが、心癒やされる意
味では本当に大切な自然。

夕暮れの上下浜 ホテルの東側とハマナス。

2018年5月21日(月曜日)

昨日五月晴れの昼、上下浜の花咲く丘へ行った。
一面黄色の花に紫のハマエンドウの紫が程よく混じり、一部
にハマナスが咲いていた。

丘はマリンホテルハマナスに近く、ホテルの裏手東側に群生
する場所があるというので、仕事の後出かけてみた。
一帯は潟町の仕事場から車で3,4分と近い。

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東側の駐車場を囲む土手にまず咲いている。
普段近づかない場所なのでこんなに咲いているとは驚き。

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夕陽を浴びるハマナス。

 

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東側から見るホテルの印象は見慣れた西側の眺めとかなり異
なる。

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芝生に椅子&テーブルが出ている。これも西側からは分からな
い。

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気持ちよさそうな海を眺める椅子&テーブル。

 

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普段見慣れて居る西側の眺め。

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ジェット機が七色の雲を曳いて飛び去った。

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鵜の浜温泉に近い公園駐車場の夕暮れ。

海に沿ってホテルの東側には道路があるのでいつか先へ行って
みよう。

五月晴れの午後柿崎区上下浜、頸城区森本、上越市髙田を回った。

2018年5月20日(日曜日)

昨日の寒冷風雨から一夜明け、本日日曜日は清々しい五月晴
れとなった。午後から以下のように慌ただしく外出した。

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↑上下浜はマリンホテルハマナス近くの公園へ。
丘と池を中心とした公園は色とりどりの草花が咲き乱れる。

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↑柿崎区上下浜は自生するハマナスで知られている。

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↑丘の上から妙高連峰の残雪が眺められる。

本日、頸城区森本の白田邸の公開日でそちらに向かう。

4
↑大正7年起工以来(途中略)実に16年の長きに至り大金
を費やし職工、人夫何千人に及びしか計数の煩いに絶えざる
なり(祖父善四郎飼料から)」と書かれる大工事による贅を
尽くした大屋敷。
平成26年4月25日、文化庁による登録有形文化財に指定。

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↑広い北土院にて。つくばいは東京の庭師による作。

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懐かしい方の写真に出合った。白田家現当主の祖母の兄・
野口孝治氏(元立憲国民党の衆議院議員)。
拙家の祖母も野口家の人で、白田家祖母と姉妹。孝治氏は
双家の大叔父にあたる。

晩年の孝治氏はしばしば私どもを訪れ、父は「髭のおじさ
ん」と呼び大変丁寧に接していた。

白田邸で長居をしてしまい、お目当ての齋藤三郎、藤巻耀子、
齋藤尚明による「父子三人展」は終了ぎりぎりの入館だった。

 

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↑堂々かつ端整な尚明氏作品

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↑耀子さんの木彫作品の一部、生き生きと精緻に作られ、思い
切った色使いをされていた。絵画、書ともされ父親ゆずりの才
を発揮されている。

8
↑妙高連峰を描いた齋藤三郎の壺。太い首に描かれた蝶、ある
いは蛾?の文様がとても気になった。同じ文様を描く比較的若い
九谷の作家がいて、描き方がよく似ていたので、はっとした。

 

 

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多くが手書きによる趣きある三郎氏の名刺。
新潟大学髙田分校の講師だった時の名刺があった。


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帰路の畦に見られた野草。

 

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帰ってきた樹下美術館で飲んだオレンジジュース。
喉が渇いていたのでとても美味しかった。

良い午後だった。

春耕の吉川区でいとこの法事。

2018年4月28日(土曜日)

今年三月上旬に小生のいとこ頭の女性が逝去した。
上越市は吉川区国田の善徳寺の坊守をされた才媛
だった。

雪の本堂で行われた通夜からはやくも四十九日の勤
行要が春爛漫の本日午後、善徳寺で行われた。
5人の僧侶による思い込められた阿弥陀経が唱えら
れると、亡き人が遠くへ逝ってしまった実感を覚えた。

吉川区の田はすでにならされ、水が入り始めている。
美術館周囲よりずいぶん進んでいて驚いた。

 

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正面に尾神岳。一帯の田は何とも気持ちの良い眺め。

 

 

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見事なドウダンツツジがある善徳寺の庫裏。

 

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勤行が終わって出ると、辺りの風景は淡く軟らかで素晴
らしい眺めだった。

潟町ー上下浜あたりの高速道路沿いの山桜 今日も同じウグイスが。

2018年4月12日(木曜日)

そわそわしているうちにソメイヨシノが終わり、山桜も
盛りを過ぎようとしている。

ところで北陸道で柿崎ICー大潟SIC間の上下浜から潟
町にかかる辺りで山桜の美しい所がある。
数年前に新潟のテレビ局が髙田公演の桜を取材放送した
時、“帰りの高速道路でもきれいな場所がありました”と、
言って車窓からここを撮ったものを流したことがあった。

運転中にこの桜を目にすると、一瞬疲れが和らぎ気分が
明るくなる。

 

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自然の花、ヤマザクラにはのどかな美しさがある。

 

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本日も格調高く鳴いていたウグイス。胸元にくっきり波
形の模様があり、昨日のと同じ鳥であろう。
胸元の模様は、もはや首飾りと言ってもよいくらいの鮮
やかさ。ウグイス界では何かのタイトル保持者かもしれ
ない。

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