頸城野点景
一昨日は頸城区の玄僧を抜け、吉川区の朔日峠(ついたちとうげ)を越え、浦川原区の顕聖寺で火頭窓を見て二十三夜塔と出合った。
かって石垣、とくにボタモチ石を興味深く見ていた時期が
あった。
ボタモチ石は終わったが、時として私にはマイブームとい
うような事が起きる。
茶花、クリスマスローズ、芝生、ガクアジサイ、ユリ、モミ
ジなど植物、あるいは焼き物や絵画や本そして雲などもあっ
た。
それぞれは数年で終わったものから何十年と続いているもの
まで色々だ。
ところで最も新しいのは火頭窓で、始まったばかりというと
ころ。
過日上越市黒井の大慈院と寺町の久晶寺で見た事を書いた。
その後ネットで近隣を検索すると浦川原の顕聖寺で見られる
ことが分かった。
室町時代からの名刹だという。
一昨日土曜日の夕刻、思い立って出かけてみた。
ニラ、ニンニクの臭気と酒気をおびて入山してはいけない、と書
かれている。寺は高台にあり石段を上る。
親切なことに所々平らな石版が敷いてある。その左側を小さな
流れが涼しい音を立てて下っている。
禅宗様式を取り入れたという 手入れの良い庭。龍神伝説が伝
わる竜神清水と呼ばれる池と流れがすがすがしい。樹齢数百年
の立派な杉も見た。
建物には興味をそそられる文字や装飾が見られ、知る人の話を
聞いてみたいと思った。
帰り道、寺を下って出合った石塔。
「廿三夜(にじゅうさんや)」と読んで調べてみた。
すると塔は二十三夜月の夕から一晩、主に女性たちが集い(講
あるいは社中として)、経を読み飲食をともにして語り過ごす
「月待ち」行事を行った記念碑だとあった。
古くは室町時代から一部で行われ、江戸時代の中後期で最も盛
んだったという。
月に関係する集まりはほかに十三夜、十五夜、十九夜などがあ
った模様だが、二十三夜は全国あまねく行われ、特に1,3,5,
11月が選ばれている。
二十三夜は下弦の月であり、それは智恵を授けることで邪を払
い幸せをもたらす勢至菩薩(せいしぼさつ)の化身として人々に
親愛され、行事は教えに従い恩恵に浴する特別な晩だったらしい。
夜半に出て明け方まで西の夜空で煌々と輝く半月は、仏として
女性を惹きつけ心酔させる力を有していたのか。
世間と月と信仰。特に江戸時代の庶民の寄る辺なさと心映えを
思わずには居られない。
盛んだった月待ちも、明治期の急な文明開化の中で迷信とされ、
また旧歴から新暦に変わったことなどから行われなくなったよう
だ。
振り返れば去る午後遅く、玄僧という頸城区の不思議な地名の
村落を抜け、新月を意味する峠である朔日(ついたち)峠を越え
て浦川原に出、火頭窓を見ながら顕聖寺境内を巡り、「二十三
夜の月待ちの塔」と出合って帰ったほんの1時間半。
そういえば寺のずーと向こう側、川を挟んだ遠い所に月影という
村落もあったなと、思った。
偶々その日は新暦ながら6月23日だった。
久晶寺にもあった立派な火頭窓(かとうまど)。
去る6月12日の当ブログ(ノート)に火頭窓のある寺院に
出合ったことを書いた。
後で上越市日ノ出町の曹洞宗の寺大慈院と知った。
曲線が用いられ炎のイメージがある火頭窓は明るく爽やか
で目を引く。
過日掲載した大慈院の火頭窓。
不思議な事に頭がもやもやしていたが火頭窓を目にしたら
すーっとしてきた。
そこで昨日妙高市への用事のあと、上越市寺町通りへ入り、
短時間であるが、火頭窓のお寺を探してみた。
曹洞宗なのであるかも知れない、と期待した寺町二丁目の
久晶寺はドキドキしながら山門をくぐった。
ありました。玄関両脇の火頭窓は期待以上に立派。
かって訪ねたはずなのに窓は気づいていなかった。
寺を現す卍も堂々としていて窓とバランスが取れている。
久晶寺は陶芸家齋藤三郎(陶齋)が中国から復員後、身を寄
せた所。兄泰全が同寺の住職だった。
陶齋はここを根拠に活動を始め、昭和23年隣接地に登り窯を
築き本格的な活動をはじめた。
陶齋亡き後、境内に友人、ファンによって詩文碑「此の男」が
建立されている。
火頭窓は上越市内および近隣でまだまだ沢山出合えそうだ。
何処にどんな窓があるのだろう、今後楽しみにしたい。
勇壮な雲 火頭窓。
梅雨入りが報じられているが日中には目立った降水は無か
った。
昼すぎ所用で出かけた道すがら四方におおらかな雲が見ら
れ、夕刻からぽつぽつと始まり、しとしと静かに降り続い
た。
途中で見た曹洞宗の寺院の火頭窓。ぼんやりしているせい
かと思うが、当地で火頭窓を見る機会はそれほど多くない。
春日山林泉寺は正面から良く見える。
先の旅行で京都の広隆寺と高台寺で目にした。何故か昔話
のお寺のイメージがあり、この窓を気に入っている。
これからもっと注意して見てみたい。
“今のところ”順調な野菜。
昨年は駄目だったが今年のジャガイモはとても順調、と
趣味で畑を耕す方達の多くが仰る。
“今の所”と慎重な言い方ながら、上手く育っているらし
い。
ジャガイモだけではないですよ、タマネギが良く出来、ナスも
キュウリも“今の所”良く育っている、と言う人もいる。
寒暖の具合が丁度良かったから、とも聞いた。
本日、ほんのいっときパラッと来たが、当地はまだ梅雨入り
していないようだ。
今後降り過ぎることのないよう、野菜が順調に育つよう祈り
たくなる。
良く晴れた大潟かっぱ祭。
昨日の嵐が嘘のように清々しく晴れた本日は、第32
回大潟かっぱ祭の初日だった。
当地には古くから伝わる音頭と踊り「米大舟」がある。
今年も祭で、普段は被らない編み笠を被って踊ると聞
いて出かけた。
午前の仕事の後駆けつけると、途中で音頭が聞こえ、
既に始まっていた。
ゆっくりと一種哀調を帯びる米大舟。編み笠を被ると一段
と趣きと格調が上がる。浴衣姿とも良く合い、海の町の芸
能として保存に努力されている方々に感謝を禁じ得ない。
林間に幾つもの広い会場に恵まれている祭。明日日曜日
夕刻まで多彩な催しがぎっしりと組まれている。
心癒やされる戸外の花々。
日中寒暖があり、晴れ間が多く時に雨も降る。
植物には今の気候が良く合っているのだろう。
野の草花は盛んに咲き誇りまた移ろっていく。
一週間ほど前はハマエンドウの紫色一面だった柿崎海岸。
本日昼はピンクのハマヒルガオと白いハマボウフウが主役
になっていた。
近くで見る卯の花は可憐で雪のようだ。樹下美術館の卯の花
も開花寸前になっている。
白一色だと思っていたら、この花には薄いピンク色が見られ
た。
花々は食べ物ほどではないかもしれないが、心癒やされる意
味では本当に大切な自然。
夕暮れの上下浜 ホテルの東側とハマナス。
昨日五月晴れの昼、上下浜の花咲く丘へ行った。
一面黄色の花に紫のハマエンドウの紫が程よく混じり、一部
にハマナスが咲いていた。
丘はマリンホテルハマナスに近く、ホテルの裏手東側に群生
する場所があるというので、仕事の後出かけてみた。
一帯は潟町の仕事場から車で3,4分と近い。
東側の駐車場を囲む土手にまず咲いている。
普段近づかない場所なのでこんなに咲いているとは驚き。
東側から見るホテルの印象は見慣れた西側の眺めとかなり異
なる。
芝生に椅子&テーブルが出ている。これも西側からは分からな
い。
海に沿ってホテルの東側には道路があるのでいつか先へ行って
みよう。
五月晴れの午後柿崎区上下浜、頸城区森本、上越市髙田を回った。
昨日の寒冷風雨から一夜明け、本日日曜日は清々しい五月晴
れとなった。午後から以下のように慌ただしく外出した。
↑上下浜はマリンホテルハマナス近くの公園へ。
丘と池を中心とした公園は色とりどりの草花が咲き乱れる。
本日、頸城区森本の白田邸の公開日でそちらに向かう。
↑大正7年起工以来(途中略)実に16年の長きに至り大金
を費やし職工、人夫何千人に及びしか計数の煩いに絶えざる
なり(祖父善四郎飼料から)」と書かれる大工事による贅を
尽くした大屋敷。
平成26年4月25日、文化庁による登録有形文化財に指定。
懐かしい方の写真に出合った。白田家現当主の祖母の兄・
野口孝治氏(元立憲国民党の衆議院議員)。
拙家の祖母も野口家の人で、白田家祖母と姉妹。孝治氏は
双家の大叔父にあたる。
晩年の孝治氏はしばしば私どもを訪れ、父は「髭のおじさ
ん」と呼び大変丁寧に接していた。
白田邸で長居をしてしまい、お目当ての齋藤三郎、藤巻耀子、
齋藤尚明による「父子三人展」は終了ぎりぎりの入館だった。
瓔
↑堂々かつ端整な尚明氏作品
↑耀子さんの木彫作品の一部、生き生きと精緻に作られ、思い
切った色使いをされていた。絵画、書ともされ父親ゆずりの才
を発揮されている。
↑妙高連峰を描いた齋藤三郎の壺。太い首に描かれた蝶、ある
いは蛾?の文様がとても気になった。同じ文様を描く比較的若い
九谷の作家がいて、描き方がよく似ていたので、はっとした。
多くが手書きによる趣きある三郎氏の名刺。
新潟大学髙田分校の講師だった時の名刺があった。
帰ってきた樹下美術館で飲んだオレンジジュース。
喉が渇いていたのでとても美味しかった。
良い午後だった。
春耕の吉川区でいとこの法事。
今年三月上旬に小生のいとこ頭の女性が逝去した。
上越市は吉川区国田の善徳寺の坊守をされた才媛
だった。
雪の本堂で行われた通夜からはやくも四十九日の勤
行要が春爛漫の本日午後、善徳寺で行われた。
5人の僧侶による思い込められた阿弥陀経が唱えら
れると、亡き人が遠くへ逝ってしまった実感を覚えた。
吉川区の田はすでにならされ、水が入り始めている。
美術館周囲よりずいぶん進んでいて驚いた。
潟町ー上下浜あたりの高速道路沿いの山桜 今日も同じウグイスが。
そわそわしているうちにソメイヨシノが終わり、山桜も
盛りを過ぎようとしている。
ところで北陸道で柿崎ICー大潟SIC間の上下浜から潟
町にかかる辺りで山桜の美しい所がある。
数年前に新潟のテレビ局が髙田公演の桜を取材放送した
時、“帰りの高速道路でもきれいな場所がありました”と、
言って車窓からここを撮ったものを流したことがあった。
運転中にこの桜を目にすると、一瞬疲れが和らぎ気分が
明るくなる。
本日も格調高く鳴いていたウグイス。胸元にくっきり波
形の模様があり、昨日のと同じ鳥であろう。
胸元の模様は、もはや首飾りと言ってもよいくらいの鮮
やかさ。ウグイス界では何かのタイトル保持者かもしれ
ない。
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