頸城野点景
勇壮な雲 火頭窓。
梅雨入りが報じられているが日中には目立った降水は無か
った。
昼すぎ所用で出かけた道すがら四方におおらかな雲が見ら
れ、夕刻からぽつぽつと始まり、しとしと静かに降り続い
た。

途中で見た曹洞宗の寺院の火頭窓。ぼんやりしているせい
かと思うが、当地で火頭窓を見る機会はそれほど多くない。
春日山林泉寺は正面から良く見える。
先の旅行で京都の広隆寺と高台寺で目にした。何故か昔話
のお寺のイメージがあり、この窓を気に入っている。
これからもっと注意して見てみたい。
“今のところ”順調な野菜。
昨年は駄目だったが今年のジャガイモはとても順調、と
趣味で畑を耕す方達の多くが仰る。
“今の所”と慎重な言い方ながら、上手く育っているらし
い。
ジャガイモだけではないですよ、タマネギが良く出来、ナスも
キュウリも“今の所”良く育っている、と言う人もいる。
寒暖の具合が丁度良かったから、とも聞いた。
本日、ほんのいっときパラッと来たが、当地はまだ梅雨入り
していないようだ。
今後降り過ぎることのないよう、野菜が順調に育つよう祈り
たくなる。
良く晴れた大潟かっぱ祭。
昨日の嵐が嘘のように清々しく晴れた本日は、第32
回大潟かっぱ祭の初日だった。
当地には古くから伝わる音頭と踊り「米大舟」がある。
今年も祭で、普段は被らない編み笠を被って踊ると聞
いて出かけた。
午前の仕事の後駆けつけると、途中で音頭が聞こえ、
既に始まっていた。

ゆっくりと一種哀調を帯びる米大舟。編み笠を被ると一段
と趣きと格調が上がる。浴衣姿とも良く合い、海の町の芸
能として保存に努力されている方々に感謝を禁じ得ない。
林間に幾つもの広い会場に恵まれている祭。明日日曜日
夕刻まで多彩な催しがぎっしりと組まれている。
心癒やされる戸外の花々。
日中寒暖があり、晴れ間が多く時に雨も降る。
植物には今の気候が良く合っているのだろう。
野の草花は盛んに咲き誇りまた移ろっていく。

一週間ほど前はハマエンドウの紫色一面だった柿崎海岸。
本日昼はピンクのハマヒルガオと白いハマボウフウが主役
になっていた。

近くで見る卯の花は可憐で雪のようだ。樹下美術館の卯の花
も開花寸前になっている。

白一色だと思っていたら、この花には薄いピンク色が見られ
た。
花々は食べ物ほどではないかもしれないが、心癒やされる意
味では本当に大切な自然。
夕暮れの上下浜 ホテルの東側とハマナス。
昨日五月晴れの昼、上下浜の花咲く丘へ行った。
一面黄色の花に紫のハマエンドウの紫が程よく混じり、一部
にハマナスが咲いていた。
丘はマリンホテルハマナスに近く、ホテルの裏手東側に群生
する場所があるというので、仕事の後出かけてみた。
一帯は潟町の仕事場から車で3,4分と近い。

東側の駐車場を囲む土手にまず咲いている。
普段近づかない場所なのでこんなに咲いているとは驚き。

東側から見るホテルの印象は見慣れた西側の眺めとかなり異
なる。

芝生に椅子&テーブルが出ている。これも西側からは分からな
い。
海に沿ってホテルの東側には道路があるのでいつか先へ行って
みよう。
五月晴れの午後柿崎区上下浜、頸城区森本、上越市髙田を回った。
昨日の寒冷風雨から一夜明け、本日日曜日は清々しい五月晴
れとなった。午後から以下のように慌ただしく外出した。

↑上下浜はマリンホテルハマナス近くの公園へ。
丘と池を中心とした公園は色とりどりの草花が咲き乱れる。
本日、頸城区森本の白田邸の公開日でそちらに向かう。

↑大正7年起工以来(途中略)実に16年の長きに至り大金
を費やし職工、人夫何千人に及びしか計数の煩いに絶えざる
なり(祖父善四郎飼料から)」と書かれる大工事による贅を
尽くした大屋敷。
平成26年4月25日、文化庁による登録有形文化財に指定。

懐かしい方の写真に出合った。白田家現当主の祖母の兄・
野口孝治氏(元立憲国民党の衆議院議員)。
拙家の祖母も野口家の人で、白田家祖母と姉妹。孝治氏は
双家の大叔父にあたる。
晩年の孝治氏はしばしば私どもを訪れ、父は「髭のおじさ
ん」と呼び大変丁寧に接していた。
白田邸で長居をしてしまい、お目当ての齋藤三郎、藤巻耀子、
齋藤尚明による「父子三人展」は終了ぎりぎりの入館だった。
瓔
↑堂々かつ端整な尚明氏作品

↑耀子さんの木彫作品の一部、生き生きと精緻に作られ、思い
切った色使いをされていた。絵画、書ともされ父親ゆずりの才
を発揮されている。

↑妙高連峰を描いた齋藤三郎の壺。太い首に描かれた蝶、ある
いは蛾?の文様がとても気になった。同じ文様を描く比較的若い
九谷の作家がいて、描き方がよく似ていたので、はっとした。

多くが手書きによる趣きある三郎氏の名刺。
新潟大学髙田分校の講師だった時の名刺があった。

帰ってきた樹下美術館で飲んだオレンジジュース。
喉が渇いていたのでとても美味しかった。
良い午後だった。
春耕の吉川区でいとこの法事。
今年三月上旬に小生のいとこ頭の女性が逝去した。
上越市は吉川区国田の善徳寺の坊守をされた才媛
だった。
雪の本堂で行われた通夜からはやくも四十九日の勤
行要が春爛漫の本日午後、善徳寺で行われた。
5人の僧侶による思い込められた阿弥陀経が唱えら
れると、亡き人が遠くへ逝ってしまった実感を覚えた。
吉川区の田はすでにならされ、水が入り始めている。
美術館周囲よりずいぶん進んでいて驚いた。
潟町ー上下浜あたりの高速道路沿いの山桜 今日も同じウグイスが。
そわそわしているうちにソメイヨシノが終わり、山桜も
盛りを過ぎようとしている。
ところで北陸道で柿崎ICー大潟SIC間の上下浜から潟
町にかかる辺りで山桜の美しい所がある。
数年前に新潟のテレビ局が髙田公演の桜を取材放送した
時、“帰りの高速道路でもきれいな場所がありました”と、
言って車窓からここを撮ったものを流したことがあった。
運転中にこの桜を目にすると、一瞬疲れが和らぎ気分が
明るくなる。

本日も格調高く鳴いていたウグイス。胸元にくっきり波
形の模様があり、昨日のと同じ鳥であろう。
胸元の模様は、もはや首飾りと言ってもよいくらいの鮮
やかさ。ウグイス界では何かのタイトル保持者かもしれ
ない。
浅葱色の樹はヤシャブシだろうか まさかのエナガと出合う。
時間が許す限り午後のひとときは美術館に寄る。
昨日美術館の近くの高速道路の側道で浅葱色の樹
を見た。
芽吹きが始まっていると思ったが本日よく見ると、
それは芽ではなく、房状の花だと分かり写真を撮
った。

太くて愛嬌がある花が沢山ぶらさがっている。
このような形状の花を付けるのはハンノキやハシバミのほ
か、ヤシャブシがあり、ハンノキなら樹下美術館に大きい
のが数本自生している。

美術館のハンノキ。前の写真の房よりも細く、柄がある。
前掲のものはヤシャブシという樹木ではないかと思われ、
そうであれば植栽されたものであろう。
よく似た花にヘーゼルナッツ(西洋ハシバミ)の樹がある
ようで、実は日常よく食べられる。
ハンノキ、ヤシャブシとも実をつけるが食用にならないら
しい。
ところで高速脇から帰ろうとすると、背後の雑木林でチ
ーチーと小さく鳴く鳥の声が聞こえた。
近くにまさかのにエナガが見えた。
さてこの鳥を昨年9月に柏崎の小高い宅地で見て撮った。
本などでしか見たことが無かった可愛い小型の鳥をドキド
キしながら撮った。

柏崎のエナガ。撮影しながらもう二度とお目に掛かれな
いだろう、と思っていた。
それが樹下美術館の直近で出合うとは。
朝早くならば、もっと沢山の野鳥を見ることができるので
はないだろうか。
朝寝坊の私が鳥と出合うのは運任せというほかないが、
いずれ早起きをしてエナガをはじめもっと鳥たちと巡り会
いたい。
穏やかだった県立大潟水と森公園 陶齋が器に書いた「清香満室」。
日中14,5℃、穏やかだった日曜日、大潟水と森公
園を歩いた。ついひと月前は冬のオリンピックの真っ
最中で豪雪、いつまで雪が続くのかと思っていた。
それが一回の嵐で雪はぺちゃんこになり、開館の15
日には辺りから消えた。

↑ミズバショウ。この区画は現在立ち入り禁止だったので
ズームで撮りました。
穏やかな公園で、サッカーの家族やキャッチボールのカ
ップル、散歩の同級生夫婦、読書の人など、休日を楽し
む光景を目にした。
樹下美術館でのこと、
昨年お産の数日前に来られた方が、昨日乳母車に8ヶ月
になった赤ちゃんを乗せて顔を出された。
あるいは初日に来られた方から齋藤三郎の煎茶茶碗に書
かれた文字を尋ねられ、「清香満室(清香室に満つ)」と
お答えした。
本日その方が来られ、調べてみましたら、1941~42年に
病に臥した西田幾多郎の病床へ鈴木大拙が梅を送った。
その梅が咲いているという西田の礼状に「清香室に満つ」
の言葉がありましたよ、と嬉しそうに仰った。
このようなことはみな樹下美術館を営めばこそであり、幸
せなことだと思う。
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