頸城野点景
お年寄りのタブレット 梅雨の花、合歓(ねむ)。
過日お会いした80才を越えられている女性は、タブレットの便利さと面白さを熱心に話された。
分からないことはググればすぐに出るし、その中の分からない言葉はまたググればいい。
文字や絵は大きくなり辞書も要らず、自分に出来るゲームも楽しい、と仰った。
タブレットを購入したばかりのころ、介護していた夫の容態が悪化した。
「ここで一緒に座ってくれ」、ある日夫は言った。
これまでそんなことをしたことがなかったので、恥ずかしかった。
だがそばに座ると幸せな気持ちがしたので、傍らのタブレットで自分たちを撮ろうと思った。
ところが画面で自分たちを見ながら写す方法が分からず、後ろ向きにしたまま何枚も撮った。
時間はかかったが良く撮れたものがあった。
その夜中、夫は急変して亡くなった。
何かが知らせて一緒に座れと言ったのだろうか、無理して何枚も写真を撮ったのが悪かったのか、色々考えた。
しかし、夫と撮った最後の写真は大切な思い出になった。
上越市大潟区の近辺は合歓が多く、いま盛んに咲いています。
見るからにひ弱な花は雨に打たれてすぐに傷みます。一方ご覧の房状の丸い玉は全てつぼみです。
降られて傷み、傷んでは咲き、合歓は梅雨の日を精一杯明るく振る舞っています。
次回もお年寄りのことを書かせて頂ければと思います。
同僚の弔いの後で山間を少し走った。
先日亡くなった医師を送る通夜と葬儀が、昨夕と本日正午、妙高市で行われた。
読経や鐘の音のたびに故人の面影が仏のイメージへ昇華していく。
心込められた経や鐘、そして焼香には強い作用がある。
残された奥様の愛惜に接し、亡き人の幸せを思った。
葬儀のあと、送迎してくれた妻と県道飯山線の途中から関山方面へと少し走った。
雨交じりの山間に立葵(タチアオイ)が咲き、野菜畑はみずみずしかった。
走りながら故人はこの辺りも往診したのではないか、と思った。
かって頂戴した美味しい蕎麦のことも思い出された。
上越市は頸城(くびき)平野南西部の石垣。
昨日、北陸新幹線で長野市へ行ったことを書かせていただいた。
上越妙高駅を出ると西側車窓の妙高山をゆっくり見る暇もなくトンネルとなる。
トンネルの直前、東側の窓から一瞬だがはっきり特養・いたくら桜園が見えた。
2011年夏に亡くなった母がショートステイでお世話になった施設だ。
大抵同じ部屋で、そこからいつも建設中の新幹線が見えていた。
今その新幹線に乗って遠くから母亡き施設を見る。
懐かしく不思議な一瞬だった。
当時、送り迎えで新井柿崎線をしばしば走った。
走りながら母の昔話を聞きつつあちらこちらの里へ道草した。
三和、清里、牧、板倉など各区の村落の平和なたたずまいを母は喜んだ。
話逸れるが、通い始めて間もなく、道中の家々の石垣に目を奪われた。
私が住まう沿岸部ではほとんど目にしないしつらえだ。
特に川石と思われる揃った丸石の垣(かき)が印象的だった。
本日の美術館で、牧区のお客様から一帯の石垣のことで興味深い話をお聞きした。
夕刻あらためて見たくなり、新井柿崎線を中心に板倉まで走り、石垣を見て回った。
2段と3段の石垣。向こうの下段は石を斜めにして調整。
立方体の石も使って外観を整えている。
地形や外観への巧みな配慮。
一部を見ただけだったが、石垣は多様で見応えがあった。
日中お聞きした話の中で、冬期の雪を利用し、ソリに石を載せて積んでいく方法は意外だった。
環境や地勢が育む独特な生活文化と、先人の能力の高さをあらためて知らされた。
当地の他所ではどのようになっているのだろう。
ご近所のお庭を訪ねて。
樹下美術館は上越市頸城区は城野腰(じょうのこし)にあります。
本日夕刻近く、かねてから見たかったご近所のお庭を訪ねました。
作り込んだエントランスから花園を経て裏手の雑木林まで、別荘地を思わせる風趣あふれるお庭でした。
良いイオンを沢山吸い美味しいお茶までご馳走になり、本当に有り難うございました。
残念の中に快心もあったゴルフ 妙高山 素晴らしかった雲。
11組ものゴルフコンペが松が峰カントリークラブであり、壊れた靴を新調して臨んだ。
曇りから晴れとなり、102という成績はビリに近かったが、中には快心の当たりもあり気持ち良い一日だった。
ダイナミックな雲で山頂が隠れている妙高山(コースから)。
私が入れた池が見える。
〝裾を見て頂きを知る〟という言葉があるどうか分からないが、山の雄大さが窺われる素晴らしい眺望だ。
家に帰る直前に寄り道した田んぼ(向こう左に米山、右尾神岳)
よく来ている所だが、用水路が合流しているのを初めて見た。
町のY字路(三叉路)と同じく、このような眺めは何故かわくわくする。
昭和40年頃か、今27ホールの松が峰カントリークラブが9ホールだった時、一人で訪ねた。
その日埼玉県から来たという知らない人と一緒に回った。
その人は紳士で、ヴィンテージ風のクラブを使っていた。
当時はただただプレーに夢中、妙高山などの景色を見ている暇など全くなかった。
倉石隆「男の像」の額装 すっきりしている関川の路傍。
4月下旬に倉石隆作「男の像」が樹下美術館の新たな作品として加わりました。
当初、作品は額が無く簡易な仮枠がついていました。
数日後、展示に向けて額を付けたいと考え上越市本町の大島画廊さんで枠を選び額装をお願いしていました。
これまで何度もこの様な作業を行ったことがありますが、いつも難しいと感じます。
見栄えが良すぎるものでは作品が冴えなくなり、個性が強すぎると不調和が生まれます。
本日額装が出来上がり取りに伺いました。
彫り模様がついた細めの渋い銀色の額が付きました。
欲求不満の大男がやや可愛くなったようでした。
私としてはうーん少々締まりが足りなかったかな、と感じましたが、
展示向きに控えめな飾りを施させて頂いたということで納得する事にしました。
さて画廊の帰り道稲田橋にさしかかると、関川と妙高山が大変気持ち良く見えました。
そこで稲田小学校の方へ土手の道を曲がって見てみました。
山や川はもちろん美しかったのですが、足下のシロツメクサがイネ科の草に混じって揺れるのも可憐でした。
可憐な路傍の草花。
感じが良かったので、ブログのヘッダーにしばらく用いることにしました。
路傍が荒れずにすっきりしているのは、市がほどよく草刈りを行っているからでしょう。
県道なども含めほかの地域にも、このような配慮が行われてほしい、と心から思いました。
頸城野の天地やさしく春暮れて 田に虹かかり藤香り立つ。
本日小雨がちの日中だったが夕刻に上がった。
夕陽の頃、くすんでいたあたりに色が付いて風景が優しくなった。
樹下美術館の帰り道、虹が出そうなので田んぼへ出ると間もなく大きく架かった。
美術館のスズランの中にピンクがかったものが混じっていた。
遠慮がちにいじらしくしている。
夕陽に染まる水路のハルジオン(手前と向こうの赤い花がそうです)。
頸城野の天地優しく春暮れて 田に虹かかり藤香り立つ
こんな日の夕暮れは道草ばかり。
幾星霜流れたが、幼い日のままの瞳をしている人がいた。
連休中の人の往き来がようやく終わる。
そんな本日、樹下美術館は切れ目ないお客様に恵まれた。
過日取材して頂いたJCVの放映効果が出ている模様で、感謝を禁じ得ない。
午後美術館の帰り道、ネギ畑で収穫するI氏を見た。
近づくと奥さんと若い女性が手伝っている。
奥さんも久し振りなら、傍らの女性は何とも懐かしいMちゃんだった。
以前書きましたが、I氏はその昔私たちのヨットの艇長だった。
ちょうど今頃佐渡へのクルージングで、三女のMちゃんは3才くらいではなかったか。
ぐずりもせず皆としっかり乗り組み、時にはラダー(舵)を操るI氏のヒザに乗った。
本日作業着の彼女は、幼い日のままの大きな瞳をしていた。
氏のご一家はみな目がきれいだ。
思い思いの憩い、大潟水と森公園。
風薫るこの時期の連休は大抵お天気にも恵まれ行楽日和になる。
賑わうイベント場所に繰り出すのも良いが、私は野辺のピクニックが好きだ。
いわゆる遠足気分が好きなのだろう。
赤ちゃん、老人、若者、犬、ギター、ボール、自転車。
本日の上越市大潟区の県立大潟水と森公園には思い思いの憩いがあった。
来ていた長男たちと水辺を歩き、あずま屋のテーブルを囲みサンドウィッチなどをほおばった。
園内の一角、気持ちの良いシダの群生。
ほかに小型のスミレ、レンゲツツジ、アマドコロ、貴重な野性ランの自生が見られた。
さて、最近は夕凪が終わるとひんやりとした山風(陸風)がそっと流れてくる。
風は落ち葉や土や樹木などの心地良い山の香りがする。
日中の診療所の庭でコムクドリが巣箱の掃除にいそしんでいた。
掃除が終われば新しい巣材を搬入し、営巣するのだろう。
鳥は見るからに清潔好きに見える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松本、新潟、新潟、足立、上越、上越、本日昼、樹下美術館の駐車場で見た車のプレートでした。
連休の恩恵は私どもにも与えられているようです。
お陰様で4月の来館者数は昨年同月より47%増でした(音楽イベントを除いています)。
皆様に深く感謝いたしております。
心身に美味しい大潟水と森公園の新緑。
連休が近づいて何とも良い季節になってきた。
数日で新緑がどんどん広がり、半日で花が開く。
生き物に対する「光と暖かさ」の作用は素晴らしい。
さて昨日午後の休診日は新潟県立大潟水と森公園を散策した。
ランニング、ウオーキングから私のようなぶらぶら歩きまで大変自由だ。
数カ所の入り口の中で、西駐車場へ向かうのはタイムトンネルをくぐるようで楽しい。
一帯は縄文弥生の古代人が住んでいた場所で、当時の生活と風土感が漂う。
水上回廊から見るミツガシワの群生。
生命の進化を促した水辺は心身を癒やし、さらに元気をもたらしてくれる。
クラシックの独奏や歌曲の名演。そしてダイナ・ショアから江利チエミまで、
電機を使わない手回し蓄音機の、懐かしいレコードを楽しみましょう。
一日8人様でまだお席が沢山あります、ふるってご参加ください。
(21日は埋まりました、有り難うございました。)
陶齋の器に盛ったお料理をご一緒に楽しみましょう。
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- 館長の作品。
- 週末の上京 カーヴ・デ・ランパール 「良寛の書簡」特別展。
- ハリハリ漬け 今夕の食事。
- 荒天後の海岸 戦中生まれのさが カワラヒワの水浴び 初々しいモズ ハクガンの飛来。
- ラベンダーの雪囲い。
- 本日樹下美術館の後片付けの日 ラヴェルの名曲がポピュラーやジャズに。
- 本日2025年度の最終日。
- 今年最終日曜日,午後のひと時。
- 「お婆さんのようなお爺さん」ズボン編 悪天を予告する雲。
- 頂いた椿を挿し木してみた。
- 「お婆さんの様なお爺さん」とは もらい物のセーター。
- 昨日今日の寒波は無事に過ぎた。
- 今冬最強寒波が来る 向こう側の季節から「楝(あふち)の花、いとをかし」。
- 堀口すみれ子さんから届いた詩集「月あかり」。
- 午前柿崎、午後大池 念願のエナガはピンぼけの1枚。
- 再度柿崎の海岸を歩いた 海のチョウゲンボウ 田んぼのマガン 低カフェイン抹茶。
- 暖かな日の朝日池、のんびり過ごす水鳥たち。
- 美味しいイチジクお菓子など、大潟区のマルト歌代商店は特別。
- 樹下美術館の紅葉 再度の木村茶道美術館 唐椿(からつばき)という花。
- 週末の種々。
- 盆と正月が一緒に来たようなお招き。
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