頸城野点景
齋藤三郎、謎の鵠沼(くげぬま)時代。
5月発行という当館収蔵作品図録がまだできない。齋藤三郎氏の道程でどうしても埋まらない時代があり、あと一歩のところで止まっている。その時代を飛ばすことも可能だが、二度と出せない図録のこと一旦終了としたが欲が生まれた。
埋まらない時代とは昭和15年までいたサントリーの創業者・鳥井信次郞氏の個人窯である壽山窯を出て、18年に出征するまでのおよそ2~3年の期間である。この時期は神奈川県は藤沢市の鵠沼で制作したことが知られている。それ以前の作品は僅かながら手許にある。出来れば鵠沼時代の作品、なかんずく底にある署名をぜひ見たい。
ところで新潟県立近代美術館の過去の展覧会図録に1943年制作という齋藤さんの花瓶が載っていた。当年は昭和18年に当たるのでまさに出征直前の鵠沼と推察される。
このたび同美術館に研究のためという趣旨で閲覧と撮影の許可願いを提出した。
齋藤さんの作品は箱のないものが多い。髙田時代の早い時期を集めた父は新聞紙にくるんで運んだ。一般に箱はあっても制作年の記載がなく、年代同定で悩まされる。頼みは署名だが、名前、書体とも様々に変遷を重ねている。しかし変遷には一定期間ある種傾向を有するので、色々見るのはためになる。
県立近代美術館の作品は素晴らしい呉須掻落牡丹紋花瓶(ごすかきおとしぼたんもんかびん)。果たして署名は?閲覧予定日を来週週木曜日にさせていただいた。許可されれば午後の休診日なので今から楽しみだ。
当館にも時代が判然とせず、まさかと思うがもしやという作品が一点あるので余計である。
余計なものがなく 単純で気持ちが良い水と森公園。
先日、丸山で朝食をした。妻が気に入って、もう一度行こうということになり本日また出かけた。お天気に恵まれて、小気味よい一時間半だった。
園内にはボールと噴水以外に遊具はない。僅かの自動販売機以外に店もなければ騒がしい音も、お仕着せがましい仕掛けなども一切ない。ここでは来園者が主人公、去年の今頃はピクニックで賑わっていた。
新潟県立大潟水と森公園は大気と水辺の緑と鳥の声、それに気楽な自由が漂っている。自然に添った手入れ具合がなんとも良く、一人で来ても十分楽しめる。樹下美術館から車で10分ちょっとです。
山の幸(力)山菜 昔、池の平で私たちにも沢山採れた。
山菜採りが好きな方からわらびをいただいた。この時期から多くの人が山へ行く。皆さんに独自の場所があって沢山採ってこられる。深く入ることもあるのだろうが、絶えることない山菜に感心させられる。
池の平のタケノコ採りの帰り。妹が担ぎ、母は着物。遠くに野尻湖。
昭和30年代中頃。
中高生のころ、池廼屋さんに泊まり池の平でワラビやタケノコを採った。宿の湯の香が良く、信州味噌を使った味噌汁が美味しかった。イモリ池を回り東大の寮を過ぎるあたりから私たちでも沢山ワラビやタケノコが採れた。
時には父が持参したコッヘルを固形アルコールの火に掛け、付近の谷川の水でタケノコと豚肉で味噌汁を作った。宿で用意してもらったおにぎりの美味しかったこと。
春の妙高山は楽しい版画。
明日から雨という予報で随分と空気が湿っぽい。曇天というのに、午後の水田から頸城の山々が非常にハッキリと見えた。
特に妙高山は迫力だ。有名な跳ね馬の雪形が鮮やかに浮き出ている。雪を被る厳冬期には見えないのだろうから、春と共に現れる様はドラマなのだろう。
出現は耕作の知らせといわれのように当地も田仕事が始まろうとしている。
大きな山だけあって様々な模様が版画のように浮き出ている。
模様として濃く見える所は杉林なのであろうか。
写真を大きくしてみると、跳ね馬の回りにも色々な模様があり、童心に返って楽しんだ。
![]() けなげに見えてくる跳ね馬。 |
![]() すぐ上で牛?も頑張っているようだ。 |
これから跳ね馬はじめ様々な模様は、どのように緑の中に埋もれるのだろう。
鵜の池の丸山(新潟県立大潟水と森公園)で朝食。
昨晩急に決めたとおり、鵜の池の丸山公園(県立大潟水と森公園)で朝食をしました。この公園には至る所にベンチやテーブルの心遣いがあります。あるいは芝生も随所にありますので、お弁当を広げるにこと欠きません。
早い時間だったので一番気に入った場所で食べました。新緑が萌え立ちなんとも気持ちが良かったです。
![]() 左右に池、半島の道を丸山へ。 |
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![]() 古墳だった丘、丸山です。 |
![]() 簡単な朝食をおいしく食べました。 |
![]() 古代と変わらぬ風景を眺め、 |
![]() 新緑の道を帰りました。 |
本日はいくつもゾーンがある広い公園のうち歴史ゾーンを歩きました。それぞれに駐車場が整えられています。帰り道で次々と来場者さんたちに出会いました。
ところで樹下美術館の昼は賑わっていました。長岡の若い女性のグループはこれから木村茶道美術館ということでした。着物がお似合いでしたね。千葉、柏崎、妙高からそれぞれお越しの皆様、地元上越の皆様、まことに有り難うございました。
七重八重花と若葉の溶けあひて水辺麗し春の頸城野
上越市大潟区は隣り合うようにして池が沢山ある。朝日池と鵜之池、および鵜之池と中谷内池は背中合わせ。特に今日出かけた天ヶ池と蜘蛛ヶ池は小さな池だが、互いが見えるほど近い。
蜘蛛ヶ池。新緑と山桜とコイノボリ。幸せな水辺の家は春まっ只中。
JR「土底浜駅」を降りて南へ10分も歩けば蜘蛛ヶ池の集落に着く。そこの左手に行くと二つの池が隣り合ってある。静かな所が苦手な人には向かないが、平気な人は探検がてら一度お出かけしてみては如何でしょうか。
明日朝、軽食をもって妻と鵜の池(水と森公園)へ朝食に行くことにしました。雨だけは降らないでください。
ワラサ そして広くなった?砂浜。
今朝Yさんから、息子さんが釣ったばかりという魚を頂いた。出世魚のブリがフクラゲ(フクラギ)からワラサにかかる頃合いか、ゆうに60㎝を越えていた。
夕陽を見に行く大潟区四ツ屋浜から降りた海岸からの投げ釣りで、最後は海に浸かって引き揚げたと聞いた。 一般に初夏からの魚らしいがすでにそんな季節になっているのだろうか。
立派なので昨日お孫さんが生まれたばかりのスタッフさんと分けた。今夜は腹の身を刺身にして頂いたが、脂は薄めで味は濃く大変美味しかった。明日は背を焼き魚にするらしい。
ところで大潟・柿崎一帯の海岸は、毎冬激しい浸食を受けていた。それが今冬、意外にも深刻な被害は見られず、むしろ砂浜は拡大している印象がある。こんなことは極めて珍しい。直江津港の防波堤の延長による現象ではないかという人がいた。
浸食を防ぐために大量のテトラを投入し続けなければならなかった海岸線。こんな徒労から免れ、今後は少しずつであっても、砂浜の再生へと向かうならこれほど嬉しいことはない。トキのヒナなどとともに、失われた環境回復へ希望を繋ぎたい。
犀潟は新堀川沿いの春。
木曜日の午後、樹下美術館のすぐ近く大潟区犀潟の新堀側沿いの春は美しかった。
ハクモクレンと桜。
レンギョウと桜。
![]() コブシ |
![]() ハクモクレン |
コブシとハクモクレンの違いは開花するとよりはっきりする。花の向き、花と花びらの大小、花の根元の葉の展開(コブシ)、花びらの下方のうす紅色(コブシ)などで異なる。
開花前はやや判然としないが、モクレンの蕾や枝先の向きが揃うのに対してコブシはばらける傾向があろう。
![]() メジロ |
![]() メジロ |
川沿いの桜並木にメジロの大群が来ていた。お腹いっぱい蜜を吸ったことだろう。
米山の雪形は“粉雪が舞う”?
一度何かが何かに似ていると感じると、それが気になってくる。
![]() 2009年の米山(やや西方面から) |
![]() 今冬の米山(柿崎区中心部に寄って) |
上越市頸北地域の東にそびえる霊峰米山。1000メートル足らずの山ながらすこぶる威厳がある。
ところで、西から東へと進み、柿崎区に近づくにつれて山の中央左に白く抜ける長い菱形の雪形が目に入る。
4、5年前のある日、輪郭だけだがこの形が倉石隆の名作「粉雪が舞う」に見えるようになった。
もちろん被っている“角巻”の開き方や体の傾きなどぴたりというわけには行かない。
大きな同作品は現在上越市立総合博物館に収蔵されているが、あまり展示されることはない。それで冬になると飛んで行って米山で雪の模様となって、故郷を見ているというイメージを楽しんでいる。
上越市立総合博物館に収蔵されている名作「粉雪が舞う」
角巻を被る人の顔は倉石隆自身ではないか、と言われている。
(写真:郷土作家シリーズ「倉石隆展」 新潟市美術館1995年9月14日発行)
![]() 粉雪が舞うのネガ反転 |
![]() 雪形の拡大 |
この形から角度によって白いダイアモンドやクリオネなども浮かぶ。いずれにしても柿崎の方たちにとっては冬から春の山の飾りとして見慣れた模様であろう。
長峰池、岸辺の賑わい。
今夕刻の長峰池は静かに暮れたが、湖畔は魚たちの産卵で賑やかだった。
新潟県景勝100選で16位に選ばれている上越市吉川区の長峰池。
すぐ東に坂田池(柿崎区)、西へ朝日池(以下大潟区)、鵜の池、中谷内池、天ケ池、蜘蛛ヶ池と続く。
いよいよ水ぬるみ、魚たちは乗っ込みをしてはたき(産卵)を行う。我を忘れて危険な浅場に来て没頭する命の継承。この時期賑わうのは花見だけでなかろう、水辺という水辺は命の祭で賑わっている。
昔ヘラブナ釣りをした。乗っ込み時期は大物が釣れる。3,40センチのヘラブナ、マブナが釣れた。
若かりし日、朝日池での一こま。大きい方はマブナで庭の池に放した。
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