頸城野点景
ワラサ そして広くなった?砂浜。
今朝Yさんから、息子さんが釣ったばかりという魚を頂いた。出世魚のブリがフクラゲ(フクラギ)からワラサにかかる頃合いか、ゆうに60㎝を越えていた。
夕陽を見に行く大潟区四ツ屋浜から降りた海岸からの投げ釣りで、最後は海に浸かって引き揚げたと聞いた。 一般に初夏からの魚らしいがすでにそんな季節になっているのだろうか。
立派なので昨日お孫さんが生まれたばかりのスタッフさんと分けた。今夜は腹の身を刺身にして頂いたが、脂は薄めで味は濃く大変美味しかった。明日は背を焼き魚にするらしい。
ところで大潟・柿崎一帯の海岸は、毎冬激しい浸食を受けていた。それが今冬、意外にも深刻な被害は見られず、むしろ砂浜は拡大している印象がある。こんなことは極めて珍しい。直江津港の防波堤の延長による現象ではないかという人がいた。
浸食を防ぐために大量のテトラを投入し続けなければならなかった海岸線。こんな徒労から免れ、今後は少しずつであっても、砂浜の再生へと向かうならこれほど嬉しいことはない。トキのヒナなどとともに、失われた環境回復へ希望を繋ぎたい。
犀潟は新堀川沿いの春。
木曜日の午後、樹下美術館のすぐ近く大潟区犀潟の新堀側沿いの春は美しかった。
ハクモクレンと桜。
レンギョウと桜。
![]() コブシ |
![]() ハクモクレン |
コブシとハクモクレンの違いは開花するとよりはっきりする。花の向き、花と花びらの大小、花の根元の葉の展開(コブシ)、花びらの下方のうす紅色(コブシ)などで異なる。
開花前はやや判然としないが、モクレンの蕾や枝先の向きが揃うのに対してコブシはばらける傾向があろう。
![]() メジロ |
![]() メジロ |
川沿いの桜並木にメジロの大群が来ていた。お腹いっぱい蜜を吸ったことだろう。
米山の雪形は“粉雪が舞う”?
一度何かが何かに似ていると感じると、それが気になってくる。
![]() 2009年の米山(やや西方面から) |
![]() 今冬の米山(柿崎区中心部に寄って) |
上越市頸北地域の東にそびえる霊峰米山。1000メートル足らずの山ながらすこぶる威厳がある。
ところで、西から東へと進み、柿崎区に近づくにつれて山の中央左に白く抜ける長い菱形の雪形が目に入る。
4、5年前のある日、輪郭だけだがこの形が倉石隆の名作「粉雪が舞う」に見えるようになった。
もちろん被っている“角巻”の開き方や体の傾きなどぴたりというわけには行かない。
大きな同作品は現在上越市立総合博物館に収蔵されているが、あまり展示されることはない。それで冬になると飛んで行って米山で雪の模様となって、故郷を見ているというイメージを楽しんでいる。

上越市立総合博物館に収蔵されている名作「粉雪が舞う」
角巻を被る人の顔は倉石隆自身ではないか、と言われている。
(写真:郷土作家シリーズ「倉石隆展」 新潟市美術館1995年9月14日発行)
![]() 粉雪が舞うのネガ反転 |
![]() 雪形の拡大 |
この形から角度によって白いダイアモンドやクリオネなども浮かぶ。いずれにしても柿崎の方たちにとっては冬から春の山の飾りとして見慣れた模様であろう。
長峰池、岸辺の賑わい。
今夕刻の長峰池は静かに暮れたが、湖畔は魚たちの産卵で賑やかだった。
新潟県景勝100選で16位に選ばれている上越市吉川区の長峰池。
すぐ東に坂田池(柿崎区)、西へ朝日池(以下大潟区)、鵜の池、中谷内池、天ケ池、蜘蛛ヶ池と続く。
いよいよ水ぬるみ、魚たちは乗っ込みをしてはたき(産卵)を行う。我を忘れて危険な浅場に来て没頭する命の継承。この時期賑わうのは花見だけでなかろう、水辺という水辺は命の祭で賑わっている。
昔ヘラブナ釣りをした。乗っ込み時期は大物が釣れる。3,40センチのヘラブナ、マブナが釣れた。
若かりし日、朝日池での一こま。大きい方はマブナで庭の池に放した。
家屋が受けたストレステスト 特急はそろりそろり。
昨夜の風には家の倒壊を真剣に心配した時間帯があった。築90余年の古い家に居たが、容赦ない暴風に対して大声を出したり唸ったりしながら家屋は必死に耐えてる様相だった。図らずも本番による厳しいストレステストを受けたのではなかったのか。
一夜明けて会う人ごとに風の話だった。屋根屋さんは手が回らないほど忙しかったらしい。田畑でハウスなど多くの被害を見た。
ほくほく線は「くびき」ー「犀潟」間で平地に出る。まだ残る風の中、特急はそろりそろりと高架橋の上を走っていた。
低気圧は去ったがあの膨大なエネルギーを電力に変換したり蓄電できないことかと思った。
幸い住むべき板倉の里が。
昨年亡くなった母がよくショートステイでお世話になった板倉さくら園。「こぶし」の部屋をよく使わせて頂いた。
母はそこから見える風景を気に入っていて、90才の頃に幼いスケッチを一枚残した。重なり合う山並みを見ながら“山のあなたの空遠く幸い住むと人の言う、、、 ”と言っていた。
このたびの地すべりは、位置としてこの絵の右方。樹木乏しく茅のような草に覆われた裸のような山で起こった。この山の姿は一種異様で、かなり遠くからでも眼に写っていた。
板倉さくら園は新井柿崎線で行けば一発だったが、バイパスを使うと中々うまく行けなかった。それで何かと当山を目印にした。
こぶし咲くゑしんの里板倉。ショートの行き帰りに迂回して母とよく現地一帯を走った。思い出深い平和な一角がこんなことになろうとは。治山の点で深刻な問題があったのではないだろうか。
たとえ翼があっても。
早春の頸城平野(本日の昼,大潟区蜘蛛ケ池周辺から)
日中の晴天は夕刻が近づくにつれて気温が下がり冷たい風が吹き出した。昨年の地震の時間が近づく頃に、美術館の近くで田の白鳥を見ていた。雪解けした田には北帰行を控えた白鳥が沢山集まって食餌をしていた。
一年経つのに映像の被災地は膨大な瓦礫の山に占拠されたまま。腹に響くような復興の足音が届いてこない。

夕刻近く急に強まった季節風に向かって飛んできた白鳥。
黒っぽい若鳥も一人前だ。
田んぼに落ちていた白鳥の羽。逆光のガラステーブルに置いて見ると美しい。
新潟県にはまだ7000人の福島県の方が避難されている。私の診療所でも何組かの親子さんと顔馴染みになった。ご主人たちの多くは単身福島県で仕事をされてると聞いた。
春を迎えて帰る鳥、翼がありながら帰れない福島県の人々。放射能汚染が家族を引き裂く。麗しい日本はこんな国ではなかったはず。
昼の温かな時間に妙高市から孫子が海を見に来た。大喜びでシーグラスを探して帰った。
今日は今年一番お客様が来られた。
あの雪はいま雨となり そして辛夷(こぶし)の油絵。
雨ほど雪を消すものはない。これに南東の風でも当たればもっと消える。ここ二日続いた雨で雪消えが進む。上越市大潟では30㎝あるかなしかとなった。
こんな日のもやは、融けた雪が地面で暖められ水蒸気となって立ちのぼっているのだろう。
午後の往診、訪問の雪もや(上越市大潟区)。
雨が融かしているのは嘗ての自分にほかならない。
“ あの雪はいま雨となり降りしきる嘗ての己身をみな消さむとて ”
いよいよ3月9日(金曜)~15日(木曜)まで上越市本町5丁目の「ギャラリー祥」さんで第4回東日本大震災&長野県境地震復興支援チャリティ「アート&アーティストの底力」上越展が始まる。
同展に当ノートに掲載した水彩の辛夷を仕上げて出品するつもりだったが、規格サイズより随分大きいことが分かった。それで一花だけ取り出して小さなSMサイズ(ハガキ二枚より一回り大きい)のキャンバスに油絵として描いていた。
あれこれやりとりして今夜何とかゴールとした。まことにお恥ずかしい作品ながら、大島画廊で簡単な額を付けてもらい9000円のチャリティとして出品してみたい。
作意なき詩情、冬の日本海は貴重な観光資源。
平年並みだった上越市北部沿岸もこのところの寒波で大雪となった。このたび2日連続して大雪の予報だったが、さほど降らずに済んだ。ただし気温は下がり道は氷っている。
本日夕刻の西空に茜が差した。午後からの休診、ずっと家に居たので海岸へ行った。5時を過ぎても陽が残るほど日中の日が長くなった。
ちょうど4年前の今日掲載した小屋は健在、淋しさもご馳走のうち。
ところで冬の日本海は荒れる。しかし情景は雲と共にスケールの大きい詩情であろう。この時期、近くの鵜の浜温泉やマリンホテルハマナスには、長野県や東京方面のお客さんが結構来られると聞いた。
今週、「終着駅」というテレビドラマのロケがマリンホテルハマナスとその界隈であったことが報じられた。佐藤浩市さんと中山美穂さんが来ていたようだ。当ノートでもホテルの写真を掲載したばかりだったので何か嬉しい。
観光は作意なき詩情と良い食材、そして怠りなき手入れによる「もてなし」が大切だろう。一帯は期待できる、ぜひさらに磨きを掛けて欲しい。
2月は厳しいが、希望も垣間見られる
まだ吹雪いている午前に遠くの方の看取りに行った。極めて寒い日に長く病んだ人が亡くなることがある。
昨晩から吹雪いて溜まった新雪を、四駆のタイヤをグググと鳴らして走る。小さなカーブは雪の角に車をこすりつけ、それをテコにハンドルを切る。タイヤが埋まったら何度も前進バックを繰り返して抜ける。
到着したお家に僅かのご家族。ご本人はまるで草花のように静かな人で、お顔も静かだった。帰路はお庭を思い出しながら帰った。梅、レンギョウ、椿、桜、芙蓉、コスモス、モミジ、そして雪は毎年真っ白だった。
午後から明るく晴れて、わずかながら日が長くなった。2月は厳しいが思わぬ晴天が現れ、希望を垣間見させてくれる。
今日、手すりの雀たちは活発だった。
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- 「お婆さんの様なお爺さん」とは もらい物のセーター。
- 昨日今日の寒波は無事に過ぎた。
- 今冬最強寒波が来る 向こう側の季節から「楝(あふち)の花、いとをかし」。
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- 暖かな日の朝日池、のんびり過ごす水鳥たち。
- 美味しいイチジクお菓子など、大潟区のマルト歌代商店は特別。
- 樹下美術館の紅葉 再度の木村茶道美術館 唐椿(からつばき)という花。
- 週末の種々。
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