頸城野点景
海沿い山沿いの雪 38(さんぱち)豪雪のこと
一般に海沿いは山沿いに比べて雪が少ない。今年はその違いが顕著に現れていて、16日は上越の山沿いで280㎝に届いたため市に災害警戒対策本部が置かれたほどだ。
もう頻回の雪下ろしが始まっているという、にわかに信じられない状況だ。
いつまで続くか分からないが、ほとんど雪がない当院の駐車場の様子。
ところで当地海沿いでも雪下ろしは昭和30年代や60年前後の豪雪で経験している。中でも、38豪雪と呼ばれる昭和38年(1963年)の雪は出来事としても伝えられる。
雪は学生だった私が冬休みで帰郷した直後から降り始めた。あちらこちらで立ち往生した列車内の宿泊や炊き出しの様子が途切れがちな報道によって知らされた。
その年の町のたよりに「早く雪下ろしをしましょう」というような知らせが載った。記事の写真は我が家だった。山のような雪を乗せた木造三階建ての家は異様な光景だったと思われる。高い屋根に上がった職人さんたちのことが心配で仕方がなかったと後々まで母が言った。
豪雪によるたびたびの停電も印象に残る。帝国石油によって可能になったガス灯を点けたが、心細さを伴った小さな灯りがよみがえる。
その帝国石油の社員として秋田県から来られたご夫婦にその時の話を聞いたことがある。秋田の雪は非常に軽く、みな風で吹き飛んだしまう。しかしこちらへ来て初めて雪が重いことを知ったという。
豪雪のころ、自分たちは借り屋住まいだった。大家さんはお年寄りで、私たちに雪を下ろしてと言った。いざ屋根に上がったが恐くて仕方がなかった。一緒に上がった奥さんは長女を身ごもっていたので生きた心地がしなかったと、振り返られた。
降り過ぎる雪への忍耐にも限界があろう、行政のフル活動が求められている。
雪のち晴れ 上越市柿崎区のマリンホテルハマナス
列島はどこも寒かったと夜のニュース。
上越市頸北地区の沿岸も午前から午後途中まで断続的に降った。
その後は夕刻に向けてよく澄みよく晴れた。
上下浜海岸・マリンホテルハマナスは雪に映え、一帯は先日とはまた異なる美しさだった。
モノクロの冬を少しでも鮮やかに。
今朝から上越市大潟区も一面の雪世界となった。風景は魔法がかけられたようにモノクロとなり、降ったり吹雪いたりすれば視界もままならない。
水田の県道は除雪がよいので助かるが、吹雪けば地獄。
今日は4カ所の往診や訪問。
心臓が悪い94才のおばあさんが「雪んなか大ご苦労さんです、起きますかね」と仰った。ああお元気だ、と思った途端、おばあさんの言葉に鮮やかな色彩を感じた
元気とは色彩を帯びていることなのだ、モノクロの冬を少しでも鮮やかに生きなければ。
楽しい鳥のテンポ
昨日、大潟水と森公園の鵜ノ池の後で隣の朝日池に行った。池のふちに車を止めるのにあまり大きな音を立てないように何となくそっとドアを閉める。
向こうに鴨などの集団があって、中から真っ黒な鳥が三羽こちらに向かってきた。テンポよく歩き始めたが、次々にシャーベット状の薄氷を踏み外してしまう。それがシンコペーションのように見えて愛嬌があった。
さあ行きましょう。
インターネットには鳥の情報が沢山ある。この黒い鳥はオオバンというクイナの仲間でよく見かける種類のようだった。当ノートを書くうちに鳥を見るようになった。専門的な人のレンズは800㎜もあり、三脚もすごい。私は200㎜の手持だが、身辺の鳥で十分楽しめる。
今日見たもの 見なかったもの
本日目覚めたのは10時過ぎ、目覚ましを見てびっくりした。仕事のはずなのに!あせってカレンダーをみたら祝日だった。自分はしばしば祝日を知らずにいて、慌てたり幸運だと思ったりする。
急に気が楽になって遅い朝食を昼食として食べた。移転開業されソフィーさんのパンに頂き物の濃厚なイタリアの蜂蜜をつけて食べた。私のパン類は何と言っても食パンが一番、やはり美味しかった。
午後水と森公園に行った。気になる昨日のハクチョウの場所を見たが鳥は居なかった。大丈夫なんだ、と一応ほっとして歩いた。好天のせいで一時間少々の公園、知っている人たちと出会ったが、みな笑顔だった。
昨日記した高橋玄洋氏の掛け軸「仏はつねに」を出した。
新潟で求めてから25年、辛かったが若かった時代が懐かしい。
西洋の風景のようだった(行ったことがありませんが)上下浜。
今夕のマリンホテルハマナス。
夕刻、期待して行った上下浜の風景はやはり素晴らしかった。見たものをどんどん忘れるようになって、写真は有り難い。
夜は妻のテレビを途中から見た。黒沢監督の「生きる」だった。テレビで二度目だがあらためて素晴らしい映画だと思った。
椿三十郎を学生時代に見たことがある。詳しくはないが、大宣伝、巨費などとなって氏の映画はつまらなくなったのではないか、と話しあった。
夕焼けを見て「美しい」という渡辺さん(左:志村喬)。
解説の山本監督に映像遺産と述べられた通り、
脚本もカメラも俳優さんも照明もみな素晴らしい。
昔は二度と帰らない、しかし帽子は格好いい。
先日見た昭和20年代の映画「君の名は」にも役所を批判する台詞があった。事をしてはいけない所、と述べられていたようだった。「生きる」はそれが見事に描かれる。素晴らしい人も居るはず、という祈り?は今も昔も変わりない。
色々見たり歩いたりした祝日だった。自分には珍しい生き物を池で見たので明日記してみたい。
北ぐにの波に桜の色見えて雲に龍かな正月の浜
年末30日に末期癌の方の看取りがあったが、その後は静かに過ぎているようだ。
上越市の頸北地域では一月元旦は穏やかな日になることが案外ある。いつぞやは坂田池湖畔へ母を連れて行き、リハビリの散歩をしたこともあった。
昨日2012年の元旦もそこそこの一日となり、午後3時すぎから柿崎海岸を歩いた。
柿崎の海は季節風が止んで3,4日すると、西側に平坦な渚が広がる。
そこは大きな潮だまり様になり、少しでも夕陽が差すと波の出入りがきれいだ。
昨日も一時桜色になった。
普段縁起はほとんど担がないが、どうなのかな、という夕刻だった。
大雪は温かな海のせい?
連日大雪の予報が伝えられるが、上越市大潟区ではほとんど積雪が無い。その一方で山沿いは雪下ろしや除雪で死傷者がでるほど大雪となった。
冬のはじまりはしばしば沿岸に多く雪が降る。しかし今年は最初から山に降った。恐らく秋以来の温暖気象によって海が暖まり強風とあいまって沿岸は積雪を免れているのだろう。一方温かな海は大量の水蒸気を上空の寒気に送り込み、内陸に大雪をもたらした可能性がある。
大雪の妙高市には親族もいる。一旦寒波が去ることを心から願っている。
サイレント&ホリー
今朝雪が降ったが日中は静かに晴れた。習慣レベルとはいえイブらしい澄んだ感じの日だった。午後、朝日池周辺を回って美術館へ行った。
朝日池の入り江で過ごすコハクチョウは雪と白さを競うが如くだった。ツグミやスズメなども撮った日の夕食はローストチキン。妻は上手く焼いたが、沢山鳥を見たので正直憐れみを禁じ得なかった。
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今年の樹下美術館はイルミネーションを止めて庭の三基の灯りを閉館まで一時間点けている。灯りは暮れる頸城山脈とともに静かだった。樹下美術館も鳥や山脈の如く自然でありたいと思っている。
田んぼのへりに車を留めたらヒシクイ(多分)が降りた。
水かきのオレンジ色が可愛い。
キカラスウリとカマキリの巣。高さは60㎝くらい。雪は平年並みか?
米山水源カントリークラブの近くで。
樹下美術館のクリスマスローズ。
ほとんどは早春に咲くが一輪だけ雪中で咲いている。
キムブーさん、パパ、ママ、今年もあり難うございました。
初めての人間ドッグ 大潟区・朝日池の壮観な鳥類の飛来
いつものように午後から休診日の木曜日。本日初めて人間ドッグを受けた。場所は上越医師会の上越地域総合健康管理センター。
2007年3月まで4年間医師会長をした足許のような場所だけに、そこで体を晒すのは恥ずかしくもあり、逃げ出したい気持ちを禁じ得なかった。
樹下美術館を始める直前の4年前に、念のため知り合い医師から色々診てもらった。しかし何かと言われる医者の無養生は私にも的外れではなかろう。
いよいよ70才が近づき、人生も健康も終盤に入った。妻がさっさと手続きをしてくれて、来年1月の胃カメラを残し、同所で出来るほぼ全ての項目をチェックしてもらった。
いずれの検査も丁寧だった。腹部超音波の画像は極めて鮮明であり、機種は今年導入された最新のものだった。こまやかな操作による頸動脈エコーでは、案の定老化の兆候が見られていた。
高校時代に患った肺結核、かって吸っていたタバコなどで心配していた肺のX線とCTは一応無事だった。後日全てのデータが届くが一抹の不安もある。
検査を終えて樹下美術館へ寄ってお茶を飲み、朝日池へ行った。午前中に患者さんから、白鳥が沢山来ましたと聞いていたので見たかった。
池に白鳥は留守だったが、雨風が強まる中、おびただしい雁、鴨類が飛来して壮観だった。現在、当地上越市大潟区に雪は無いが、明後日からの週末は大荒れの予報が出ている。夜になって大音響で雷が鳴った。どうか大雪だけは勘弁してもらいたい。
心配だった小学校の胃腸炎は明日からの冬休みを待っていたように、本日欠席ゼロとなった。終息とすると始まりから18日を要したことになる。入院が無かったことがせめてもの幸いだった。比較的珍しいC群ロタウイルス集団感染は、さまざまな知見を残して去って行くようだ。
雪の梶の一本道
さほど気温は下がらず雪もない。しかしこれからおよそ2月いっぱいまで雪国の悪天候は続く。
本日往診の時、大潟区・坂の下から吉川区・梶十文字へ続く一本道が妙にハッキリ見えて写真を撮った。
梶までおよそ4キロ、以上のような往診をした当時の父より私ははるかに年をとっている。
それでも仕事ができるのは、道が舗装され、除雪され、信号が付き、暖房まで出来る車があるからにほかならない。
しかし当時の父が私より不幸だったかというと、決してそうとは言えまい。
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