頸城野点景
今日の貴重まんさくの花 海霧 スズメ
夜半から朝にかけて降雪があった。20㎝ほどで止み午後半ばから薄陽が差した。外気温は0℃、風もなく夕刻には気持ちよく晴れた。
窓辺の手すりに置いた餌場にスズメ。三年目で初めて来るようになった。
窓から20㎝足らずの位置だが、カーテン越しなので安心している様子。
春、我が家の軒下の営巣はムクドリに大半が占領されてしまった。割を食っているスズメには特別な思いがあるので、冬だけでも助けてやりたい。見えないが右側にもう一つ餌台がある。

在宅回りの帰りに寄った四ツ屋浜、通りから30秒で来れる。
犬と散歩の人は知人。右手の海は立ちのぼる霧のためよく見えない。

これほどの季節照準はあろうか「まんさくの花」
秋田県は横手、日の丸醸造。
午前に懐かしいO先生から寒中見舞いであろうか、お酒が届いた。純米吟醸 生原酒 中汲みという貴重なラベルだった。栗駒山の伏流水で作ったというお酒。栗駒山は7年前に仙台で亡くなった妹が大好きだった山だ。
かって上越で美術教育の教授をされた先生の教養はあまりに深く、恐くて覗けない井戸のような感じを受けていた。しかも謙遜と遠慮、さらにユーモアのセンスも同じくらい深かった先生。
当地を離れて三年、上越に何か火が消えたような淋しさを感じていた。本日、突然このようにされるのは先生がよく仰っていた「仁義」なのか。それもお元気な証拠であり、しみじみ有り難く思った。何をお返しすればいいのか、幸せな悩みだ。体を大切に頑張らなくてはと思った。
再びの寒波 そして半だるまとは
晴天に恵まれた日の昨夜半、静かだった夜空が不気味にヒュー、と鳴った。今年二回目の冬将軍の訪れを告げる使者の声のようだった。
出かけた先で見た赤い壁の建物。雪の日の風景は一種絵のように見える時がある。
今度はどの程度の寒波なのだろう。先週末テレビが知らせた上越地方の気象情報は今週は毎日雪ということだった。先週末そのことをある患者さんと話したら「大したことないかもしれませんよ“半だるま”ばっかりだから」、とおっしゃった。
初めて聞く“半だるま”とは、以下のようなことだった。
点々と降る雪が付いた雪だるまのマークは本降りだが、裸の雪だるまや雲が付いているのは“半だるま”。豪雪をもたらす本降りより弱めのマークということらしい。これは患者さんが思いついて、この方の家だけで通用している言葉だと仰った。恥ずかしそうに話されたがなかなかのものだと感心した。
どうか今週はその半だるま程度にしてもらいたい。
寒中にこの暖かさ 釣りする親子の詩情
いわば厳冬の真ん中でこの穏やかさ。今日の車外温度は夕刻で9℃、無風で雲もない好天だった。来週から再び雪模様の予報。そのことが分かっているように今日の海岸は散歩や余暇の人が多かった。
夕刻の海で釣りをしていた親子。名乗って写真のモニターを見てもらい、ブログに載せてもいいですか、とお尋ねした。お父さんはにこやかに、いいですよ、と仰った。眩しいほどの詩情だった(上越市柿崎海岸)。
「アート&アーティストの底力」新潟展(1月14日~22日)が本日で終了です。出品した拙油絵「いもけんぴ」が期間中に売れたと聞きました。震災へチャリティーされます、お買い上げ下さった方、まことに有り難うございました。
今夜の平清盛に佐藤義清(のりきよ:西行)が出た。立派な武者ぶりに驚いた。
海沿い山沿いの雪 38(さんぱち)豪雪のこと
一般に海沿いは山沿いに比べて雪が少ない。今年はその違いが顕著に現れていて、16日は上越の山沿いで280㎝に届いたため市に災害警戒対策本部が置かれたほどだ。
もう頻回の雪下ろしが始まっているという、にわかに信じられない状況だ。

いつまで続くか分からないが、ほとんど雪がない当院の駐車場の様子。
ところで当地海沿いでも雪下ろしは昭和30年代や60年前後の豪雪で経験している。中でも、38豪雪と呼ばれる昭和38年(1963年)の雪は出来事としても伝えられる。
雪は学生だった私が冬休みで帰郷した直後から降り始めた。あちらこちらで立ち往生した列車内の宿泊や炊き出しの様子が途切れがちな報道によって知らされた。
その年の町のたよりに「早く雪下ろしをしましょう」というような知らせが載った。記事の写真は我が家だった。山のような雪を乗せた木造三階建ての家は異様な光景だったと思われる。高い屋根に上がった職人さんたちのことが心配で仕方がなかったと後々まで母が言った。
豪雪によるたびたびの停電も印象に残る。帝国石油によって可能になったガス灯を点けたが、心細さを伴った小さな灯りがよみがえる。
その帝国石油の社員として秋田県から来られたご夫婦にその時の話を聞いたことがある。秋田の雪は非常に軽く、みな風で吹き飛んだしまう。しかしこちらへ来て初めて雪が重いことを知ったという。
豪雪のころ、自分たちは借り屋住まいだった。大家さんはお年寄りで、私たちに雪を下ろしてと言った。いざ屋根に上がったが恐くて仕方がなかった。一緒に上がった奥さんは長女を身ごもっていたので生きた心地がしなかったと、振り返られた。
降り過ぎる雪への忍耐にも限界があろう、行政のフル活動が求められている。
雪のち晴れ 上越市柿崎区のマリンホテルハマナス
列島はどこも寒かったと夜のニュース。
上越市頸北地区の沿岸も午前から午後途中まで断続的に降った。
その後は夕刻に向けてよく澄みよく晴れた。
上下浜海岸・マリンホテルハマナスは雪に映え、一帯は先日とはまた異なる美しさだった。
モノクロの冬を少しでも鮮やかに。
今朝から上越市大潟区も一面の雪世界となった。風景は魔法がかけられたようにモノクロとなり、降ったり吹雪いたりすれば視界もままならない。
水田の県道は除雪がよいので助かるが、吹雪けば地獄。
今日は4カ所の往診や訪問。
心臓が悪い94才のおばあさんが「雪んなか大ご苦労さんです、起きますかね」と仰った。ああお元気だ、と思った途端、おばあさんの言葉に鮮やかな色彩を感じた
元気とは色彩を帯びていることなのだ、モノクロの冬を少しでも鮮やかに生きなければ。
楽しい鳥のテンポ
昨日、大潟水と森公園の鵜ノ池の後で隣の朝日池に行った。池のふちに車を止めるのにあまり大きな音を立てないように何となくそっとドアを閉める。
向こうに鴨などの集団があって、中から真っ黒な鳥が三羽こちらに向かってきた。テンポよく歩き始めたが、次々にシャーベット状の薄氷を踏み外してしまう。それがシンコペーションのように見えて愛嬌があった。
さあ行きましょう。
インターネットには鳥の情報が沢山ある。この黒い鳥はオオバンというクイナの仲間でよく見かける種類のようだった。当ノートを書くうちに鳥を見るようになった。専門的な人のレンズは800㎜もあり、三脚もすごい。私は200㎜の手持だが、身辺の鳥で十分楽しめる。
今日見たもの 見なかったもの
本日目覚めたのは10時過ぎ、目覚ましを見てびっくりした。仕事のはずなのに!あせってカレンダーをみたら祝日だった。自分はしばしば祝日を知らずにいて、慌てたり幸運だと思ったりする。
急に気が楽になって遅い朝食を昼食として食べた。移転開業されソフィーさんのパンに頂き物の濃厚なイタリアの蜂蜜をつけて食べた。私のパン類は何と言っても食パンが一番、やはり美味しかった。
午後水と森公園に行った。気になる昨日のハクチョウの場所を見たが鳥は居なかった。大丈夫なんだ、と一応ほっとして歩いた。好天のせいで一時間少々の公園、知っている人たちと出会ったが、みな笑顔だった。

昨日記した高橋玄洋氏の掛け軸「仏はつねに」を出した。
新潟で求めてから25年、辛かったが若かった時代が懐かしい。

西洋の風景のようだった(行ったことがありませんが)上下浜。
今夕のマリンホテルハマナス。
夕刻、期待して行った上下浜の風景はやはり素晴らしかった。見たものをどんどん忘れるようになって、写真は有り難い。
夜は妻のテレビを途中から見た。黒沢監督の「生きる」だった。テレビで二度目だがあらためて素晴らしい映画だと思った。
椿三十郎を学生時代に見たことがある。詳しくはないが、大宣伝、巨費などとなって氏の映画はつまらなくなったのではないか、と話しあった。
夕焼けを見て「美しい」という渡辺さん(左:志村喬)。
解説の山本監督に映像遺産と述べられた通り、
脚本もカメラも俳優さんも照明もみな素晴らしい。
昔は二度と帰らない、しかし帽子は格好いい。
先日見た昭和20年代の映画「君の名は」にも役所を批判する台詞があった。事をしてはいけない所、と述べられていたようだった。「生きる」はそれが見事に描かれる。素晴らしい人も居るはず、という祈り?は今も昔も変わりない。
色々見たり歩いたりした祝日だった。自分には珍しい生き物を池で見たので明日記してみたい。
北ぐにの波に桜の色見えて雲に龍かな正月の浜
年末30日に末期癌の方の看取りがあったが、その後は静かに過ぎているようだ。
上越市の頸北地域では一月元旦は穏やかな日になることが案外ある。いつぞやは坂田池湖畔へ母を連れて行き、リハビリの散歩をしたこともあった。
昨日2012年の元旦もそこそこの一日となり、午後3時すぎから柿崎海岸を歩いた。
柿崎の海は季節風が止んで3,4日すると、西側に平坦な渚が広がる。
そこは大きな潮だまり様になり、少しでも夕陽が差すと波の出入りがきれいだ。
昨日も一時桜色になった。
普段縁起はほとんど担がないが、どうなのかな、という夕刻だった。
大雪は温かな海のせい?
連日大雪の予報が伝えられるが、上越市大潟区ではほとんど積雪が無い。その一方で山沿いは雪下ろしや除雪で死傷者がでるほど大雪となった。
冬のはじまりはしばしば沿岸に多く雪が降る。しかし今年は最初から山に降った。恐らく秋以来の温暖気象によって海が暖まり強風とあいまって沿岸は積雪を免れているのだろう。一方温かな海は大量の水蒸気を上空の寒気に送り込み、内陸に大雪をもたらした可能性がある。
大雪の妙高市には親族もいる。一旦寒波が去ることを心から願っている。
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- 荒天後の海岸 戦中生まれのさが カワラヒワの水浴び 初々しいモズ ハクガンの飛来。
- ラベンダーの雪囲い。
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- 「お婆さんの様なお爺さん」とは もらい物のセーター。
- 昨日今日の寒波は無事に過ぎた。
- 今冬最強寒波が来る 向こう側の季節から「楝(あふち)の花、いとをかし」。
- 堀口すみれ子さんから届いた詩集「月あかり」。
- 午前柿崎、午後大池 念願のエナガはピンぼけの1枚。
- 再度柿崎の海岸を歩いた 海のチョウゲンボウ 田んぼのマガン 低カフェイン抹茶。
- 暖かな日の朝日池、のんびり過ごす水鳥たち。
- 美味しいイチジクお菓子など、大潟区のマルト歌代商店は特別。
- 樹下美術館の紅葉 再度の木村茶道美術館 唐椿(からつばき)という花。
- 週末の種々。
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